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映画『東京家族』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『東京家族』の概要:小津安二郎監督の名作「東京物語」(53)をモチーフにして、山田洋次監督が現代の家族像を描く。東京で忙しく暮らす子供たちと、子供たちに会うため田舎から上京してきた老夫婦の姿を通して、家族とは何かを静かだが厳しい視点で見つめる。

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映画『東京家族』の作品情報

東京家族

製作年:2012年
上映時間:146分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:山田洋次
キャスト:橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣 etc

映画『東京家族』の登場人物(キャスト)

平山周吉(橋爪功)
72歳。瀬戸内海に浮かぶ島で妻のとみこと暮らしている。定年退職前は教師をしていた。酒好きで、酔うと酒乱気味になる。現在は健康のため禁酒中。無口で頑固な昔気質の父親で、子供たちからは煙たがられている。
平山とみこ(吉行和子)
68歳。周吉の妻。温厚でのんびりとした優しい女性。頑固な夫と子供たちの緩和剤となり、家族の空気を和ませている。
平山幸一(西村雅彦)
周吉の長男。東京のつくし野で開業医をしている。冷静沈着で、喜怒哀楽を表に出さない。町医者として地元の患者さんを大事にしている。
平山文子(夏川結衣)
幸一の妻。長男の嫁として申し分のない賢い女性。中学生の長男・実と小学生の次男・勇の子育てに奮闘中。
金井滋子(中嶋朋子)
周吉の長女。都内の下町で小さな美容室を経営しており、従業員から“先生”と呼ばれている。現実的で気が強く、言いにくいこともはっきり口にする。子供はいない。
金井庫造(林家正蔵)
滋子の夫。いかにも髪結いの亭主といった風情の男で、温厚だが頼りない。
平山昌次(妻夫木聡)
周吉の次男。周吉夫婦にとって心配のタネで、特に周吉は昌次の良さが理解できない。母親似のマイペースな性格で、今は舞台美術の仕事をしている。愛車はボロボロのイタリア車。
間宮紀子(蒼井優)
昌次の彼女。東日本大震災のボランティアをしていて、昌次と知り合った。本屋で働く感じのいい娘で、とみこにも気に入られる。昌次とは結婚を前提に付き合っている。

映画『東京家族』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『東京家族』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『東京家族』のあらすじ【起】

東京のはずれにある平山医院では、文子が義父母を迎える準備に追われていた。夫の幸一は開業医をしており、医院と床続きの自宅は狭かった。長男の実に文句を言われつつも、文子は家を片付け、周吉ととみこが寝られるスペースを確保する。

周吉夫婦は、東京で暮らす息子や娘に会うため、わざわざ瀬戸内海の島から上京してきた。品川駅には次男の昌次が迎えに来るはずだったが、昌次は間違えて東京駅のホームにいた。幸一宅に到着していた長女の滋子は頼りない弟を叱り、そのまま待つよう母親に電話をかける。しかし短気な周吉はタクシーに乗り、高い運賃を払って幸一宅へ来る。

周吉ととみこは、久しぶりに会った孫の成長ぶりに驚く。昌次もようやく到着し、一家は文子の用意したスキヤキを食べる。周吉は昌次が何の仕事をしているのか聞きたがったが、昌次ははっきり答えなかった。

日曜日。幸一は次男の勇を連れ、両親を東京観光へ連れて行く予定にしていた。ところが急患の電話が入り、往診へ出てしまう。お出かけが中止になっていじけている勇を、とみこは外へ連れ出してやる。

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映画『東京家族』のあらすじ【承】

忙しい幸一や文子に気を使い、周吉夫婦は滋子の家へ移動する。滋子は都内の下町で小さな美容院を営んでおり、夫の庫造は外へ働きに出ていた。滋子も店舗兼自宅の狭い家で暮らしており、夫婦は遠慮して薄暗い2階でじっとしていた。庫造は義父母に同情し、周吉を近所の大型銭湯へ連れ出してやる。

滋子は一番暇そうな昌次に連絡して、まだどこにも行っていない両親を、東京観光へ連れて行くよう頼む。昌次もそれなりに忙しかったが、気の優しい昌次は両親の都内観光に付き合う。昼食時、改めて周吉は昌次の仕事について詰問する。昌次は煩わしそうに舞台美術の仕事をしていると話すが、周吉には認めてもらえない。とみこはそんな2人の間に入り、何かと気を使っていた。

両親を持て余していた滋子は、幸一とお金を出し合って、2人に横浜の豪華ホテルへ行ってもらう。周吉もとみこも慣れないホテルに居心地の悪い思いをし、その夜はよく眠れなかった。翌日、疲れが出たのか、とみこは少しフラつく。周吉は同郷の服部のお参りを済ませたら、島へ帰ることにする。そして2泊の予定を1泊で切り上げ、滋子の家へ帰る。

突然帰って来た両親を見て、滋子は露骨に嫌な顔をする。今日は自宅で町内会の飲み会があるので、ホテルに泊まって欲しかったらしい。迷惑そうな滋子の様子を見て、周吉ととみこは滋子の家を出る。

映画『東京家族』のあらすじ【転】

周吉は同郷の沼田を頼り、とみこは昌次のところへ行ってみることにする。

沼田に案内してもらい、周吉は服部のお参りへ行く。仏壇には服部とともに、奥さんの母親の遺影が並んでいた。奥さんの故郷は陸前高田で、母親は先の東日本大震災で津波の被害にあい、遺体は発見されないままだという。周吉は改めて仏壇に手を合わせる。

一方、とみこは昌次の狭いアパートを訪れ、息子に手料理を食べさせていた。昌次は密かに彼女の紀子を呼んでおり、とみこと対面させる。とみこは感じのいい紀子をすぐに気に入り、2人は打ち解ける。その夜、昌次ととみこは水入らずの幸せな時間を過ごす。

沼田と居酒屋へ来た周吉は、断りきれずに杯を重ね、そのうち酔っ払ってしまう。妻に先立たれた沼田は、息子夫婦の家で肩身の狭い思いをしており、周吉を羨ましがる。しかし周吉にも不満はあり、2人は泥酔して店で眠り込んでしまう。

映画『東京家族』の結末・ラスト(ネタバレ)

翌朝、昌次が仕事へ出た後、紀子がとみこを訪ねてくる。とみこは昌次に渡すつもりだったお金を紀子に託し、再会を約束して紀子と別れる。

周吉はひどい二日酔いで、幸一の家にいた。昨晩、泥酔した周吉は夜中に滋子の家へ帰り、大迷惑をかけていた。朝から滋子と喧嘩をした周吉は、早々と幸一の家に来ていた。

昌次のところから帰って来たとみこは、とても嬉しそうだった。とみこは“東京に出てきて本当によかった、ありがとう”と告げ、その直後に倒れる。

幸一は、とみこが朝までもたないと判断する。それを聞いた周吉は茫然自失となり、滋子は泣き出す。遅れてやってきた昌次は、紀子を連れて病室へ入る。家族が見守る中、とみこは明け方前に永眠する。

とみこは東京で荼毘に付され、お骨になって島へ帰る。周吉には昌次と紀子がつきそう。最愛の妻を亡くし、周吉はほとんど何も喋らなくなっていた。紀子は自分が無視されているような気がして、ここへ来たことを後悔する。

お葬式には幸一夫婦と滋子も帰ってきた。滋子は葬式直後に形見分けの話を始め、昌次を不快にさせる。子供たちは父親のことを心配していたが、周吉は“子供の世話にはならん”と言い張って、今後の話をしたがらない。幸一夫婦と滋子は昌次たちに父親のことを任せ、その日のうちに東京へ帰ってしまう。

昌次と紀子は周吉の寂しさを思い、しばらく島に滞在する。しかしそれにも限界があり、東京へ帰る日がくる。別れの挨拶へ来た紀子に、周吉はとみこが大事にしていた腕時計を形見分けする。そして“息子をよろしくお願いします”と手をついて深々と頭を下げる。紀子はそんな周吉を見て、思わず泣き出してしまう。周吉は、昌次と紀子の優しさに心から感謝していた。昌次はフェリーでその話を聞き、意外そうな顔をする。

東京で暮らす子供たちは日常へ帰り、周吉はとみこのいない寂しさを改めて感じていた。孤独な周吉を隣家の娘が優しく気遣ってくれる。

映画『東京家族』の感想・評価・レビュー

山田洋次監督の「東京物語」もとても素敵な作品だった。
役者さんたちの演技の上手さに安心して見ていられる。
家族って鬱陶しく感じたり煩わしい時もあるけど、温かくて愛がにじみ出てくる。
横浜のホテルから観覧車を観るシーンと蒼井優に島を紹介していくシーンはほのぼのとしていて良かった。
家族愛が心に染みる。
優しい気持ちになり観終わった後は離れて暮らす両親に会いたいな・・と思った。(女性 40代)

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