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映画『飛べない鳥と優しいキツネ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』の概要:父親の暴力に怯え学校でも虐められている女子中学生。彼女の楽しみはネットゲームのワンダーリング・ワールドだけだった。ゲーム内で出会った青年と現実世界で会うことにより勇気を得た彼女は、次第に自分を取り囲む境遇へと前向きになっていく。

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映画『飛べない鳥と優しいキツネ』の作品情報

飛べない鳥と優しいキツネ

製作年:2018年
上映時間:114分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:イ・ギョンソプ
キャスト:キム・ファンヒ、スホ、チョン・ダビン、イ・ジョンヒョク etc

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』の登場人物(キャスト)

ミレ(キム・ファンヒ)
女子中学生。暗くておどおどしており、家では暴力を振るう父親に怯えている。小説を書くことと、ネットゲームのワンダーリング・ワールドを逃げ場にしている。
ジェヒ(スホ)
女の子の着ぐるみを着てほぼ毎日、公園の広場にいる青年。高校時代にいじめてしまった同級生に謝罪するため、待ち続けている。ネットゲーム、ワンダーリング・ワールドにてミレと仲良しになる。やりたいことノートを常に持ち歩いている。
ベッカプ(チョン・ダビン)
同じクラスの同級生。裕福な家の育ちであるが、父親が厳しく進学に関して常に口を出してくる。文章を書くことが得意で、ミレに興味を持つ。

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』のあらすじ【起】

どこか冴えないものの、文章を書くのが得意なミレは女子中学生。学校でも軽くいじめられている彼女は、家に帰っても暴力的な父親に怯えて暮らしている。そんなミレが唯一、解放されるのはネットゲームのワンダーリング・ワールドだけだった。

ある日、読書感想文にて奨励賞をもらったミレ。そんな彼女に興味を持った同じクラスのベッカプが声をかけてくる。美人な彼女はクラスでも人気者で読書感想文でも大賞を取るなど、ミレとは真逆のタイプだった。2人は小説について語り合い、次第に距離を縮めていく。
そんなある日、ワンダーリング・ワールドが配信を終了するという報せが入る。気落ちしたミレは仲間たちと別れを惜しんだ。

学校では気になっていた男子生徒と同じグループになり、話すきっかけを得て少しずつ明るくなり始める。ミレはワンダーリング・ワールドで仲良しだったプレイヤーが着ぐるみのアルバイトをしていると聞き、会いに向かった。相手はミレが女子中学生であったことに驚いていたが、彼女の話を聞いて応援してくれるのだった。

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映画『飛べない鳥と優しいキツネ』のあらすじ【承】

ミレが好きな男子は彼女に優しく、バンド部にも入部して人気が高い。彼はミレの小説を読んで小説のコンテストである公募展に出展すべきだとアドバイス。ミレは公募展に出展する気はなくベッカプにもそのように話していたが、アドバイスに従って出展することにした。ところが、その話を聞いたベッカプが酷く焦って怒り出してしまう。

しばらく後、ベッカプが焦っていた理由が明らかになる。ミレとベッカプが同じ小説を出展し、大問題となったのだ。どちらかが盗作したことになるが、担任に呼ばれたのはなぜかミレだけ。ベッカプはミレを裏切りミレが好きだった男子生徒をも奪い、クラスでは盗人扱いをされ、いじめがエスカレートした。

帰宅すると父親に殴られる。顔に痣を作ったミレは最後にワンダーリング・ワールドをプレイし、仲良しだったプレイヤーへと会いに向かった。女の子の着ぐるみを着ている相手は、ミレが別れを告げると急に建物の影へと彼女を引っ張って行く。そして、着ぐるみを脱いだ。ゲーム内では女子プレイヤーだと思っていたその人は、なんと金髪の若い男性だったのだ。
ジェヒと名乗った彼はミレもまたゲーム内では男子プレイヤーを偽っていたことを指摘。ジェヒに死ぬ気なのかと聞かれミレは頷いた。ところが、その日の夜。死のうと考え建物の屋上へ向かったミレは怖気づいてしまい、死ねなかった。

翌日、学校を休んでジェヒの元を訪れたミレは、死ぬつもりだと更に告げる。すると、ジェヒは死ぬつもりならやりたいことをやろうと箇条書きを記す。そうして、その日は2人でピザの大食いに挑戦した。深い事情を聞くこともしないジェヒは、ミレにメモノートを渡しやりたいことを書けと言い、自分が死んで悲しむ人に対して遺書を書けとアドバイスするのであった。

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』のあらすじ【転】

仕事もせず飲んでばかりで暴力的な父の代わりに働いてばかりいる母親はミレの味方だった。ミレは母親に向けて遺書を書いた。
後日、ジェヒのために歯医者へと同行したミレ。彼は歯医者がとても苦手だったらしく、ミレのお陰でやりたいことの1つが消化できたと笑う。そこで、ミレはセリフを書いた紙をジェヒに渡し、現実ではできないことをやってもらうことにする。それは、ベッカプに奪われた男子生徒との謝罪シーンを演じることだった。

3日目にして学校へ登校したミレは、真っ先にベッカプの元へ向かい真実を隠すつもりかと問う。担任にも公募展へ出展した作品は盗作ではないと言い募ったが、担任は終わったことを蒸し返すなと取り合ってはくれなかった。放課後、公園の広場へ向かう。ジェヒは着ぐるみを着て誰かを待っているらしい。

それから後、公募展での盗作疑惑が新聞に掲載される。担任は相変わらずミレが盗作をしたと疑っており、ベッカプには何の疑いも持っていない。どんなに言い返したところで、結局のところ担任はミレのことを信じてはくれないのだった。その日は雨が降っていたが、それでもジェヒは着ぐるみを着て広場にいた。ミレは彼に傘を差し出し、映画を観に行こうと誘う。映画の途中で気分が悪くなってしまったミレだったが、ジェヒも一緒に映画館から出て来てくれる。そこで彼は、自分は親に見捨てられているから、遺書を書く相手がいないと笑って話すのだった。

翌日、学校に公募展の実行委員会の人々がやって来る。ミレとベッカプが呼び出され、2人とも失格になれば大学入試の権利すら失うと言う。そこで、ミレはベッカプを庇おうとしたが、罪悪感に苛まれていたベッカプがとうとう泣きながら罪を白状するのだった。

すると、クラスではベッカプがいじめの対象となってしまう。ミレはベッカプがいじめられているのを横目に、助けることもせずに傍観者を決め込んでいた。だが、辛い時に側にいてくれたのもまたベッカプであったことを思い出す。

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』の結末・ラスト(ネタバレ)

その日の放課後、広場にとうとうジェヒが待ち望んでいた人物が現れる。相手は高校時代の同級生で、ジェヒがいじめていた者だった。彼へと真摯に謝罪したジェヒ。すると、相手は今も許せないけれど、もういいと許してくれる。ジェヒは立ち去る彼の後姿をずっと見つめていた。ノートに書いたやりたいことリストはこれで最後らしい。清々しい笑顔を浮かべたジェヒは、これで終わったと去って行くのであった。

ベッカプのいじめは日を追うごとにエスカレートしている。そこで、ミレは黙ってベッカプを助けることに。いじめを先導していた女子生徒に詰め寄られたが、盗作したベッカプにだって事情があったはずだ。すると、クラスメイト達もベッカプを助けてくれる。そこへ、担任教師がやって来て何事だと怒鳴り始める。騒動の後、公募展にてミレの作品が大賞を受賞したことを担任が全員の前で明かした。ミレは全国大会へと出場が決まり、ベッカプも自分のことのように喜んでくれる。

クラス全員で教室の窓拭きをすることになったが、そこで担任教師が大事にしている蘭について語る。蘭と共に徳を積むために大切にしていると言う担任。そこで、ミレは一瞬の隙を突いて、担任教師の蘭を奪って学校の屋上へ逃げた。この行動は学校中を騒がせ、ミレは屋上にて蘭を捨てようとする。何よりも大切にしていた蘭を捨てられまいとして、担任は必死に言葉を募ったが、ミレは蘭を屋上から捨てその拍子に自分も転落してしまうのだった。

幸い、垣根に落ちて怪我もなく奇跡的に助かったミレ。担任は蘭よりもミレの命を心配してくれた。放課後、ミレはジェヒが置いて行った着ぐるみの頭を被って彼を待った。現れたジェヒはアラスカへ向かうため、ミレに別れを告げに来たと言う。新たなやりたいことノートを手にしたジェヒは、やりたいことが沢山あるのだと笑顔でミレに別れを告げた。ミレは遺書を書きたい時は自分宛に書けと言って送り出すのだった。

騒動以来、クラスではいじめがなくなり、ミレにも友達ができた。ベッカプといじめの先導をしていた女子生徒、いじめを手助けしていた女子生徒である。ミレは彼女らと仲良しになり生来の明るさを取り戻すのだった。

映画『飛べない鳥と優しいキツネ』の感想・評価・レビュー

原作はウェブ漫画『女子中学生A』で、2016年に韓国の漫画大賞に相当する「今日の私たちの漫画賞」を受賞し、ネットユーザー評価では脅威の9.9点を記録した大人気作。主演は次世代女優と称賛されるキム・ファンヒで非常に素晴らしい演技力を発揮し、彼女の友人であり重要な役どころを担うジェヒ役をEXOのスホが熱演している。

非常に生々しい学校でのいじめや暴力的な父親に怯える生活の中、少女が青年と出会い互いに励まし合う様子が爽やかに描かれている。少女はいじめられているが、青年はいじめていた側だったことが作中にて明らかにされているが、詳細に描かれてはいない。飽くまでも少女の境遇と繊細な心の行方がメインで、彼女が感じたことや体験したことが小説の内容に反映している。観た後に爽やかで心が洗われるような、そんな作品である。(MIHOシネマ編集部)

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