映画『透明人間(2020)』の概要：恋人エイドリアンの束縛から逃れるため、家出をしたセシリア。その直後、彼が自殺したとの知らせが届く。彼女は身の回りで異変を感じ、彼が透明人間になって自分を監視しているという疑心暗鬼にかられるのだった。
映画『透明人間』の作品情報
上映時間：125分
ジャンル：サスペンス、ホラー
監督：リー・ワネル
キャスト：エリザベス・モス、オルディス・ホッジ、ストーム・リード、ハリエット・ダイアー etc
映画『透明人間』の登場人物（キャスト）
- セシリア（エリザベス・モス）
- 支配的な恋人エイドリアンの束縛から逃れるため家出をする。親友のジェームズ刑事の自宅に匿われるが、エイドリアンが透明人間になり自分を見張っていると疑い始める。職業は建築デザイナー。
- エイドリアン（オリヴァー・ジャクソン＝コーエン）
- 天才的な光学研究科学者。同棲していた恋人のセシリアが家出をし、そのショックで自殺したと報道される。
- ジェームズ（オルディス・ホッジ）
- セシリアの親友の刑事。家出をしたセシリアを自宅に匿う。ひとり娘のシドニーは高校生で美大を目指している。
- トム（マイケル・ドーマン）
- エイドリアンの兄。弁護士。子供の頃から弟に支配されていたため、セシリアの気持ちが理解できると話す。
映画『透明人間』のネタバレあらすじ（ストーリー解説）
映画『透明人間』のあらすじ【起】
セシリアは恋人の天才科学者エイドリアンと、海岸沿いの豪邸で暮らしていた。彼女は精神的にも肉体的にも彼の支配下にあったため、束縛から逃れるため家出を計画する。睡眠剤ジアゼパムで彼を眠らせ、家中のセキュリティーを解除し、妹エミリーの車で屋敷から逃げ出した。
それから2週間後。親友のジェームズ刑事の自宅に身を寄せていたセシリアの元に、エイドリアンが自殺をしたという知らせが届く。さらに、彼の兄で弁護士をしているトムに呼び出され、彼女に500万ドルの遺産が残されていると告げられる。彼女は相続金を受け取ることに同意。そのお金の一部で、ジェームズの娘のシドニーが美大に行くための学費をプレゼントした。
しかしその夜から、セシリアは家の中に別の存在がいるように感じ始める。誰もいない部屋で人の気配がしたり、消したはずのガスコンロが着火するなど、奇妙な出来事が次々に発生した。彼女はジェームズに異常を訴えるが、メンタル的な問題だと決めつけられて信じてもらえなかった。
映画『透明人間』のあらすじ【承】
翌日、セシリアは建設会社の就職面接を受けに行くが、アピールするはずの自分の設計デザインがバッグの中から消えていたことで気持ちが焦り、そのまま気を失った。病院でジアゼパムの服用が原因だと診断されて帰宅するセシリア。洗面所でエイドリアンに飲ませたジアゼパムのボトルを見つけ、これらの出来事は全てエイドリアンの仕業だと確信する。
セシリアはトムの事務所に押しかけ、エイドリアンは死んでおらず、今も自分の傍にいて追い詰めていると主張する。するとトムは、自身も子供の頃から弟の支配を受けていたことを明かすものの、彼女の主張は妄想だと決めつけた。セシリアは帰り道にエミリーの自宅を訪問するが、見覚えのないメールの件で怒りをぶつけられる。
ジェームズの家に戻ったセシリアは、シドニーを殴ったと疑われてジェームズ親子からも見放される。孤立を深めるセシリア。エイドリアンの携帯番号に電話を掛けると、着信音が屋根裏から聞こえてきた。彼女は屋根裏で、彼の携帯電話と自分の設計デザインを発見。屋根裏から白い絵の具をぶちまけて、エイドリアンらしき人影を目撃した。
映画『透明人間』のあらすじ【転】
セシリアは透明人間のエイドリアンから暴行を受けて家を飛び出した。知人の車でエイドリアンの豪邸に入り、研究室で透明人間スーツを見つける。そのうちの一着を奪って逃げようとしたが、エイドリアンが帰宅したため慌てて逃げ出した。
セシリアは中華レストランでエミリーと会い、エイドリアンが透明人間スーツを発明したと話そうとした。そこへ、透明人間のエイドリアンが現れてエミリーを殺害。セシリアは容疑者として逮捕される。拘留所で眠るセシリアの耳元で、エイドリアンは小声で「サプライズ」と呟くのだった。
その後、セシリアは精神病院に移送され、ジェームズ刑事による取り調べが行われた。エイドリアンがこの部屋にいるからと小声で話せと言う彼女の表情は憔悴し切っていた。彼女は医師から妊娠していることを告げられる。それはエイドリアンの子であった。
精神病院にトムが訪れて、今の状況で相続の支払いは困難だと告げられる。彼女の妊娠を含め、全ての真相を知っているトムは、このまま殺人犯として服役するか、エイドリアンの元に戻るか、どちらかを選べとセシリアに迫った。
映画『透明人間』の結末・ラスト（ネタバレ）
雨の夜。セシリアは自殺するふりをして、透明人間のエイドリアンを近づけさせて攻撃した。すると透明人間スーツが故障し、エイドリアンの姿が時々見えるようになる。エイドリアンは警備員を襲って病院から逃走。セシリアにシドニーを襲うと予告をして去って行った。
透明人間はジェームズの家でシドニーとジェームズを襲撃する。セシリアは消火器の噴射で透明人間を浮き上がらせ、銃で射殺した。マスクと外すと、それはトムだった。エイドリアン本人は屋敷の地下室に監禁されているのが発見される。警察は全てトムの犯行だと断定するが、セシリアだけはエイドリアンが真犯人だと主張した。
セシリアはエイドリアンの屋敷に行き、真実を自白するよう促した。彼の「それはサプライズだ」という言葉を聞き、彼女は彼が真犯人だと確信する。セシリアは透明人間スーツに着替え、監視カメラから見えるように彼の喉を切り裂いて自殺を偽装。屋敷の見張りをしていたジェームズに「彼は自殺したの」と言い残し、晴れ晴れとした表情で屋敷を出て行くのだった。
映画『透明人間』の感想・評価・レビュー
『インシディアス シリーズ』などでお馴染み、リー・ワネル監督作。透明人間スーツを開発するほどの天才科学者は社会病室者であり、恋人に対する異常な執着心で彼女を孤立させていく。エイドリアン役の俳優は、冒頭とラストしか出てこない。ほとんどのシーンはエリザベス・モスらの演技によって、画面のどこかに透明人間がいるように感じるだけだ。透明スーツの真相が明かされるまで、異常現象はヒロインの妄想ではないかと思わせるミスリードも上手いと感じた。（MIHOシネマ編集部）
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