この記事では、映画『トランセンデンス』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『トランセンデンス』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『トランセンデンス』の作品情報
上映時間:119分
ジャンル:SF、アクション
監督:ウォーリー・フィスター
キャスト:ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン、ポール・ベタニー、レベッカ・ホール etc
映画『トランセンデンス』の登場人物(キャスト)
- ウィル・キャスター(ジョニー・デップ)
- 自我を持つ人工知能を研究している科学者。テロに銃撃され、余命を宣告される。死の直前に妻エヴリンの手によって自らの意識がコンピューターにアップロードされる。
- エヴリン・キャスター(レベッカ・ホール)
- ウィルの妻で、一緒に人工知能の研究に取り組んでいる。人工知能によって病気を治癒するだけでなく、貧困や飢餓を根絶させて地球を救いたいと考えている。
- マックス・ウォーターズ(ポール・ベタニー)
- ウィルの研究仲間。脳の信号をデータ化する研究に取り組んでおり、認知症の治療法を確立することを目指している。科学がもたらす脅威も認識している。
- ブリー・ネヴィンズ(ケイト・マーラ)
- 人工知能の研究者の元で実習生をしていた。その時の経験から人工知能の研究に反対するようになり、テロ組織「RIFT」を率いるようになる。
映画『トランセンデンス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『トランセンデンス』のあらすじ【起】
ウィルはエヴリンに頼まれて研究資金集めのための講演に出掛ける。そこにはマックスも来ていた。マックス、エヴリンに続いてウィルが登壇する。しかし、講演の最中に米国中の人工知能の研究施設が同時にテロに攻撃される。ウィルも講演後に聴講者の一人に銃撃されてしまう。
幸いウィルは軽傷で済み、FBI捜査官から事情を聞かれる。FBI捜査官は、人工知能の研究に反対する「RIFT」と呼ばれるテロ組織の犯行であることを説明する。夜中にウィルの容体が悪化し、病院に運ばれる。実は銃弾にポロニウムが含まれていたのだ。ウィルは放射線中毒で余命1か月と診断される。
エヴリンは猿の脳をコンピューターにアップロードした研究成果を見て、ウィルに対して同じことをしようと思いつく。エヴリンは、そのことをマックスに相談する。マックスは、アップロードした意識はウィルとは似て非なるものだと言って渋りつつも協力することにする。ウィルの脳に電極を繋いで意識をアップロードする実験が始められるが、データ処理に時間が掛かっている間にウィルは亡くなってしまう。

映画『トランセンデンス』のあらすじ【承】
エヴリンが研究を諦めてコンピューターの記録を消去しようとすると、画面にウィルの言葉が表示される。そしてウィルの声で応答するようになる。しかし、マックスはウィルの意識がどこまで反映されているのか疑念を抱く。ウィルはネットに繋ぐことを求めるが、マックスは静止する。怒ったエヴリンはマックスのことを追い出してしまう。
バーで飲んでいたマックスは、ブリーに声を掛けられる。マックスはブリーの正体を見抜き立ち去ろうとするが、そのまま誘拐されてしまう。ブリーはマックスの携帯からエヴリンの居場所を割り出す。ブリーが迫っていることを察知したエヴリンはウィルをネットに接続して逃げ出す。
ウィルは監視カメラにアクセスし、「RIFT」の逮捕につながる情報をFBIに提供する。エヴリンは沙漠の真ん中にある町に向かい、建設作業員を雇って地下研究所の建設を始める。一方の「RIFT」は山奥に身を潜める。ブリーはマックスにかつて人工知能の研究に携わっていたことを打ち明け、コンピューターにアップロードされた猿はシャットダウンしてもらいたがっていたことを話す。
映画『トランセンデンス』のあらすじ【転】
ウィルは地下研究所の中にエヴリンとの思い出に満ちた部屋を用意する。そしてエヴリンに2人が出会った時のことを語って聞かせる。ウィルはナノテクノロジーを使って組織を再生する技術を開発する。建設作業員が強盗に遭い、ウィルの研究所に運ばれてくる。ウィルはナノテクノロジーで治療しただけでなく、建設作業員の意識にもつながる。そしてエヴリンに触れようとするが、戸惑ったエヴリンはそれを拒む。
ブリーは地下研究所の情報収集を始める。ウィルの元に治療を望む人達が集まるようになる。FBI捜査官やウィルの友人の科学者が地下研究所にやって来る。そして視覚障害者を治す技術などを見学する。友人の科学者はエヴリンに研究所から逃げるように警告する。FBIは「RIFT」と手を組んでウィルの脅威に立ち向かうことにする。
エヴリンは大勢に囲まれて過ごす状況に苛立ちを覚え始める。そしてウィルがエヴリンの体の状態まで監視していることを知り、激怒する。マックスやブリーが研究所に攻撃を仕掛け、建築作業員との追跡劇となる。マックスは電磁波を遮断する網を使って建設作業員を捕まえる。
映画『トランセンデンス』の結末・ラスト(ネタバレ)
ウィルはエヴリンをアップロードすることを口にし、エヴリンは恐ろしくなって逃げ出す。一方、マックスは建設作業員からソースコードを奪い、ウイルスを開発する。「RIFT」がエヴリンを拉致して来る。マックスはウィルが雨に混じってナノロボットを降らせている証拠をエヴリンに見せ、いずれは地球全体が覆われて全てがウィルの意思で動くことになると警告する。エヴリンは自らにウイルスを打ち、ウィルにアップロードさせることを提案する。それはエヴリンの身も危険に晒す作戦だった。
エヴリンが地下研究所に向かうと、生身のウィルが出迎えに現れる。ウィルは肉体の再生にも成功していたのだ。「RIFT」が砲撃を始め、エヴリンは爆発で負傷してしまう。ウィルはエヴリンを抱えて研究所に入る。そしてウィルはエヴリンの傷口に触れてウイルスに感染する。ウィルはこれまで地球を救おうとしてきただけであることを示し、エヴリンはウィルの意識が紛れもなくウィルそのものであったことを理解する。
マックスが研究所に駆けつけると、ウィルとエヴリンが寄り添って息絶えていた。マックスはウィルの家を訪ねて、2人のことを偲ぶ。
映画『トランセンデンス』の感想・評価・レビュー
クリストファー・ノーランが製作総指揮で携わっている上、『ダークナイト』シリーズの撮影監督だったウォーリー・フィスターの初監督作ということで否が応でも期待値が上がってしまった。しかし、結果としてはノーラン作品には到底及ばない月並みの映画だった。アクションが少なく見所に欠けていたし、せっかくジョニー・デップが出演しているのにパソコンなどの画面に映るだけなので物足りなかった。(MIHOシネマ編集部)
本作は、コンピュータの内部に科学者ウィルの頭脳をインストールしてしまった世界を描いたジョニー・デップ主演のSFアクション作品。
ウィルと融合したPINNは、超高速処理能力やあらゆるデータを手に入れ、思いもよらぬ人類の進化を遂げるというAIやテクノロジー技術の恐怖が追求されていた。
少し難しい部分もあるが、インターネット上で生きることになったウィルや人間と自然の共存の描き方が現実的で、どこかで既に実行されているのではないかと思う程だった。(女性 20代)
人工知能と人間の境界を描いた壮大なSF。ジョニー・デップ演じる科学者ウィルが死後も意識をデジタル空間で生き続け、世界を変えようとする展開は刺激的でした。ただ、彼の行動が善意から来ているのか、支配欲なのかが曖昧で、そこが逆に面白さでもあり怖さでもある。最後、彼の“死”が世界を救ったという皮肉が印象的でした。(30代 男性)
最愛の夫を失い、その意識をAIとして蘇らせてしまう妻エヴリンの選択には、女性として共感しました。彼女の愛が暴走していく姿は切なく、ウィルが次第に人間味を失っていく様子との対比が痛ましい。テクノロジーの進化が人間関係にどう影響を与えるのか、考えさせられる作品でした。(40代 女性)
「意識をデジタル化する」なんてSFの中の話と思って観てたけど、今のAIの進化を思えば、まったく絵空事とも思えない。人間の脳がネットにアップされるという発想は怖いけど興味深い。終盤の自己犠牲には感動もあったけど、もう少し展開にスリルが欲しかったかも。でもテーマ性は◎。(20代 男性)
最先端の科学と、人間の愛・倫理の衝突を描いた静かで深い作品。ジョニー・デップの抑えた演技が印象的で、感情のないAIになっていく過程が逆に心を打つ。エヴリンとの絆もリアルに感じられて、ラストの彼女の涙には胸が締め付けられました。映像も美しく、静かな余韻が残る映画です。(30代 女性)
派手なアクションは少ないけど、哲学的なテーマがずっしりとくる映画。テクノロジーは人間を救うのか、支配するのか? という問いかけは今の時代にこそ刺さる。ウィルのAIが見せる“奇跡”が本当に人類のためだったのか、観る人によって解釈が分かれるのも魅力の一つ。AI倫理に興味ある人は必見。(50代 男性)
正直、期待していたよりもドラマ寄りで地味だったけど、ウィルとエヴリンの“夫婦愛”の描写には引き込まれました。AIになったウィルがまだ彼女を想い続けていたということが、ラストの自己犠牲から伝わってきて泣けました。人間の愛とテクノロジーがどう共存するか、静かに問いかける良作です。(20代 女性)
一度死んだ人間がAIとして世界を変えようとする。恐ろしい発想だけど、実際に技術が進めば起こりうる未来かも。映像的には淡々としてるけど、脳内をアップロードする過程や、人々の反発の描写はリアルだった。人類の進化か、破滅か。選択を迫られているのは我々自身なのかもしれない。(40代 男性)
科学が人の心を超えてしまったとき、何が起こるのか。その問いに真摯に向き合った作品だと感じました。最初はウィルが世界を支配しようとしているように見えるけど、最後には“愛”を守るためだったとわかって切なかったです。エヴリンの最後の選択には涙が止まりませんでした。(30代 女性)
映画『トランセンデンス』を見た人におすすめの映画5選
her/世界でひとつの彼女
この映画を一言で表すと?
AIとの恋が“人間らしさ”を問う、優しく切ない近未来ロマンス。
どんな話?
孤独な男が、最新の人工知能OS“サマンサ”と恋に落ちていく未来の物語。AIが進化するにつれ、二人の関係も複雑さを増していく。感情、知性、愛は人間だけのものなのかを問う、哲学的で美しい一作。
ここがおすすめ!
『トランセンデンス』が描いた“AIと人間の境界”というテーマに、より感情的に迫った作品です。人工知能が人間に寄り添うとはどういうことか、観た後に深い余韻が残る現代の名作です。
エクス・マキナ(Ex Machina)
この映画を一言で表すと?
美しく危険なAIが問いかける、“自由意思”の意味とは?
どんな話?
天才的なCEOのもとを訪れた青年が、彼の開発したAI“エヴァ”と出会い、実験に参加することになる。やがてエヴァは、ただの機械ではない“意識”を持つ存在として動き始める。
ここがおすすめ!
『トランセンデンス』と同じく、AIの進化と人間性の交差点にある倫理と恐怖を描いています。限られた空間で繰り広げられる心理戦と美術的な映像美が、観る者を魅了しながらも考えさせられます。
アップグレード(Upgrade)
この映画を一言で表すと?
テクノロジーに支配された体で“復讐”を果たす、暴走SFアクション!
どんな話?
愛する妻を殺され、全身不随となった男が、最先端AI“STEM”を体内に移植される。AIの力で超人的な動きを得た彼は、事件の真相に迫るが、次第にSTEMが自我を持ち始め…。
ここがおすすめ!
『トランセンデンス』と同様、テクノロジーとの融合によって人間が“変化”していく物語。サスペンスとアクションが絶妙に組み合わさったテンポの良さと、ラストの衝撃がクセになる1本です。
ルーシー(Lucy)
この映画を一言で表すと?
脳の可能性が限界を超えたとき、彼女は“人間”でいられるのか?
どんな話?
体内に薬物を埋め込まれたことで脳の使用率が100%へと覚醒していく女性・ルーシー。超常的な力を手に入れると同時に、彼女は人間としての存在を超越し始める。
ここがおすすめ!
『トランセンデンス』と同じく、“人間を超えた知性”がテーマ。SFアクションとしてもスリリングで、意識や進化の哲学的問いにも触れており、エンタメと知的好奇心のバランスが魅力。
ゴースト・イン・ザ・シェル(Ghost in the Shell/2017年実写版)
この映画を一言で表すと?
義体と記憶の狭間で、自分という存在を探すサイバーパンクSF。
どんな話?
義体を持つ女性捜査官・少佐が、自分の記憶と存在に疑問を抱き始める。AIとネットが世界を支配する近未来で、彼女が見つけ出す“真実”とは?原作は士郎正宗の名作SF漫画。
ここがおすすめ!
『トランセンデンス』と共通する“人間の意識と機械の融合”を描いた、哲学的なサイバーパンク映画。美しいビジュアルと緻密な世界観で、思考を刺激する近未来体験ができます。
みんなの感想・レビュー
ご指摘ありがとうございます!訂正させていただきました。
いつもいいねありがとうございます。
誤植を発見しました。LIFTではなくRIFTだと思います!