映画『トリック 劇場版』の概要:自称天才マジシャンの山田と物理学教授の上田が、インチキ超能力者のトリックを暴いていく、人気テレビドラマシリーズの映画化第一弾。300年に一度災いが起こるという村で、山田と上田が謎解きに挑む。
映画『トリック 劇場版』 作品情報
- 製作年:2002年
- 上映時間:119分
- ジャンル:ミステリー、コメディ
- 監督:堤幸彦
- キャスト:仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、野際陽子 etc
映画『トリック 劇場版』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『トリック 劇場版』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『トリック 劇場版』のあらすじを紹介します。
売れないマジシャンの山田奈緒子は、仕事をクビになり、ボロアパートも追い出される寸前。
そんな時、糸節村からやってきた神崎、南川に声をかけられる。
手品を使って神様のフリをしてほしいと頼まれ、報酬に目がくらんだ奈緒子は引き受けることに。
日本科技大の教授、上田次郎は学生時代の友人たちと飲み会をしていた。
途中、徳川埋蔵金を見つけたと言い出した友人のひとりが、「トイレツマル」というダイイングメッセージを残して命を落とす。
見当違いの推理を進める彼らは“全国トイレ水洗化計画”なるものを実行し、埋蔵金探しを始める。
糸節村にやって来た奈緒子は自分を含めて神が4人も現れたこと、本物を見極めるためにそれぞれの神と対決することを告げられる。
その途中、死なぬ路という場所に迷い込んだ奈緒子は、不思議な少女を助ける。
執筆中の本“どんと来い超常現象3”の取材で、上田も糸節村にやって来る。
300年に一度動く亀と、亀の神に助けられ300年以上生き続けている女性の正体を明らかにするのがテーマだ。
「トイレツマル」の真意が「イトフシムラ」だとわかると、奈緒子と上田は埋蔵金を手に入れるために結託。
神001のトリックを見破った奈緒子だったが、彼は謎の死を遂げる。
“トイレ水洗化計画”のために糸節村にやってきた、顔なじみの矢部刑事と部下の石原と鉢合わせするというハプニングを乗り越え、神002、神003と対決していく奈緒子。
無理難題をこなしていく中、死なぬ路に現れては消える少女の正体や、多くの謎が明らかになっていく。
映画『トリック 劇場版』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『トリック 劇場版』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
映画だけでも楽しめる、ドラマからの映画化作品
2000年にテレビドラマ第1シリーズがスタートし、2002年に第2シリーズが放送された後に公開された本作。
山田奈緒子と上田次郎という濃いキャラクターや、2人のくっつきそうでくっつかない関係性もさることながら、奈緒子の母の山田里見、やる気のないカツラの矢部刑事と弟分の石原刑事のコンビなど、アクが強い登場人物ばかり。
テレビドラマシリーズを見たことがなくても世界観に入りやすく、説明がほとんど無いのにも関わらずそれぞれの関係が分かりやすい。
糸節村の村人役も濃いキャラクターばかりで、神001番役の竹中直人、神002番役のベンガル、神003番役の石橋蓮司も強烈だ。
神001番が10分程度で逃げ出した後に神002番が登場するなど、次々と新しいキャラクターが出てくるのでワクワクできる。
手品トリックと小ネタに力を入れ過ぎて、謎解きが中途半端
神001番の物体化する能力、神002番の足の眼での透視、神003番の確率支配の手品トリックを順番に明らかにしつつ、彼らの死の謎を最後に解明するストーリーは飽きがこない。
喫茶店で奈緒子以外の全員がナポリタンを食べるなど、クスッと笑える小ネタが多く盛り込まれている。
見るからにカツラの矢部刑事が「偽のカミ」と言われて大げさに怯えたり、温泉のシーンで頭に“モジャモジャ”という言葉がピッタリの、斬新なモザイクが使われているのには笑いが止まらない。
犯人の神崎と南川の犯行にはトリックが使われておらず、占いによって産んではいけないと言われた自分たちの子供の琴美を、神として認めさせるという動機だけですべて成り立たせてしまっているのには納得できない。
奈緒子に依頼をしてきた、仲間のはずの2人の裏切りというインパクトでごまかしている印象が強い。
奈緒子と上田の暗号として使われている、縦と横を逆にして読む文章もわかりにくく、字幕が欲しくなる。
映画『トリック 劇場版』 まとめ
2000年にドラマ第1シリーズがスタートして人気を呼び、ドラマ第2シリーズ、第3シリーズ、スペシャルドラマと展開していった「トリック」シリーズの劇場版1作目。
公開当時は子役で、今とは違う名前で活動していた成海璃子が琴美役、ドラマ版での仲間由紀恵演じる山田奈緒子の幼少期も演じている。
また、矢部刑事の部下、石原刑事は本作でトリックシリーズから卒業しているようだ。
いたるところに小ネタが散りばめられており、山田里美の書道教室の文字にも注目すると面白い。
また、本作で登場した矢部の頭を隠す落書きのような“モジャモジャ”は、ラストとなる劇場版3作目まで何度も使われている。
金田一耕助の「八つ墓村」に出てきそうなイメージの老婆が登場し、亀の甲羅を割る場面には驚かされる。
関連作品
次作 トリック 劇場版2
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