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映画『トゥルー・グリット』あらすじネタバレ結末と感想

映画『トゥルー・グリット』の概要:チャールズ・ポーティスの原作小説「勇気ある追跡」を映画化。出演はジェフ・ブリッジス、ヘイリー・スタインフェルド、マット・ディモン。ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の2010年米国映画。

映画『トゥルー・グリット』 作品情報

トゥルー・グリット

  • 製作年:2010年
  • 上映時間:110分
  • ジャンル:西部劇、コメディ、ラブストーリー
  • 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
  • キャスト:ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、バリー・ペッパー etc

映画『トゥルー・グリット』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『トゥルー・グリット』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『トゥルー・グリット』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『トゥルー・グリット』 あらすじ【起・承】

14歳の少女マティ・ロス(ヘイリー・スタインフェルド)は、父親をトム・チェイニーに殺されてしまう。
父の死を悲しむマティは、トム・チェイニーを捕まえて、罪を償わせたいと決意した。

父の遺体を故郷に送った後、チェイニーは、まず、綿の仲介業を営むストーン・ヒルからムスタングという馬を買い戻そうとしたが、馬の代わりに売買利益分として320ドルをもらった。そして、暴れ馬を1頭買った。

次に、父を殺したトム・チェイニーを探すために、この町1番の腕利き保安官を探すのだった。

ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)は、無類の酒好きでこれまでに32人の命を奪っている保安官だった。チェイニーは、彼に“トゥルー・グリット(本物の勇者)でしょ?”と口説くが、マティが子供だと相手にしない。

宿に戻ったマティは、いびきのうるさいターナーおばさんとまたも同室になってしまう。
翌朝、目覚めたマティの前にテキサス・テンジャーのラビーフ(マット・ディモン)が現れた。
彼は、マティと同じく、トム・チェイニーを追いかけているらしい。

マティは、“私がチェイニーを捕まえるわ!”と宣言し、ラビーフの申し出を断った。
ところが、コグバーンに会ったマティは、彼が引き受けたつもりはないと聞き、憤慨するのだった。

“お金は置いてゆけ!明朝7時に出発だ!”とコグバーンは言い、そのまま酒に酔い眠ってしまった。

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映画『トゥルー・グリット』 結末・ラスト(ネタバレ)

ところが、コグバーンは、マティを置いて1人で居留地へ向かった。マティはその後を必死で追いかけるのだった。馬に乗ったまま、川を下り、コグバーンに追いついた時、彼のほかにラビーフもいた。

“私を連れて行かなければ、盗みと同じよ!”と騒ぐ、マティにお仕置きだといって、ラビーフは尻を叩くのだった。その日から、3人の野宿をする生活が始まった。

しかし、コグバーンとラビーフは仲が悪く、ケンカをしてばかり。マティはチェイニーの罪を裁きたいのだが、ラビーフはテキサスに連れてゆくと言う。
異なる意見にラビーフは1人離れてゆくのだった。

マティはコグバーンと共に、チェイニーの行方を追っていた。チェイニーに繋がる仲間として、ラッキー・ネッド(バリー・ペッパー)が数日前、付近に現れたらしい。

歩いている途中で、木に吊るされている男の遺体があった。チェイニーかどうか確かめてみたが、別人だった。

やがて、雪が降り始めた頃、馬に遺体を乗せて、熊の毛皮をきた男が現れた。
彼は、フォスターと言い、歯科医を名乗ったがうさんくさい。
コグバーンが近くに家があるか聞くと、“ボブの家にゆくといいよ。”と彼は言った。

ボブの家に向かった2人は、コグバーンの作戦で小屋の中にいたネッドの仲間をあぶり出すことに成功した。すると、“2日前にネッドを見た”という証言が得られた。
そして、今夜、この小屋に食料を取りにくると言う。

ネッドの仲間がくるのを潜んで待った。コグバーンVS 7人の敵となるが、コグバーンは冷静だった。ところが、ラビーフがふらりと現れたから大変!

銃撃戦が始まり、ラビーフも敵をカービン銃で狙うが失敗してしまう。
ラビーフがいなければ、手掛かりが掴めたのにとコグバーンは悔しがるのだった。

こうして、また3人になったが、コグバーンとラビーフはケンカをしてしまう。
マティも一時はラビーフと共に行こうと考えるが、ラビーフの決意は固く、テキサスに戻るらしい。

翌朝、マティが川に水を汲みにゆくと、そこに父親を殺したトム・チェイニー(ジョシュ・ブローリン)がいた。マティは逃がすまいと、銃を構えた。

“父を殺したでしょう・・連行します!”と言い、撃った1発目は当たったが2発目が不発に終わってしまう。

マティはチェイニーに捕まってしまう。そこで、あの歯科医もグルだったと分かったのだ。
そんな中、捕まったマティに絶対絶命の危機が!その危機を救ったのは、ラビーフだった。

ネッドとコバーンが闘っていた。ラビーフは、ネッドに向けてカービン銃を撃つ。
ネッドは死に、チェイニーに向けられたカービン銃の衝撃でマティの体は吹き飛んでしまう。
マティは、穴深く落ちてしまい、必死にラビーフに助けを求めた。その間、穴にある遺体を引きずると、そこから蛇が!蛇にマティは腕を噛まれてしまう。

穴から、コバーンとラビーフによって助け出されたマティは、すぐに医者に見せるべく
コバーンによって馬に乗せられた。
ところが途中で、馬が疲れて動けなくなると、コバーンは馬を撃ち殺した。

それから25年後。マティ・ロス(エリザベス・マーヴェル)は、大人になっていた。
蛇の毒で、腕を切断したものの元気で、ずっとコグバーンを探し続けていた。

ようやく、彼が所属しているという、“ワイルド・ウエスト・ショー”という劇団にたどり着いたが、3日前に彼は病気で亡くなったという。

マティは、ゴクバーンの遺体を自分の家の敷地内へ埋葬し、祈った。
一方、ラグバーンの行方は分からなかった。

映画『トゥルー・グリット』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『トゥルー・グリット』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

少女の視点で描く、西部劇ラブストーリー!

あまり観ない映画のジャンルが、“西部劇”という人は多いのではないだろうか?
ところが、コーエン兄弟が描く、西部劇は一味違いますよ!

何が違うかといえば、西部劇がただの暴力合戦(銃撃戦など)ではなく、“罪の意識”や“命の代償”に揺れる人間ドラマになっている点です!それは、キリスト教的考え方を基本にしており、単純に見えて複雑な構造をしています。

加えて、コーエン兄弟が描く女性像は皆、いつも強くて男性以上の活躍をします。ハードボイルド系だけど、男性優位ではない点にも注目して下さい。

本作のヒロイン、マティ・ロスは14才の少女。父親をトム・チェイニーに殺されてしまいます。そして父の敵を討つべく、大酒飲みのコバーンやマット・ディモン扮するラビーフの2人と共に旅に出かけます。

コグバーンとラビーフはいつもケンカをしてばかり。少女マティが調整役となって旅を引っ張ってゆくのです!このあらすじだけでも、観たくなりませんか?

一見、凸凹コンビの珍道中のような感じですが、宗教的観点から観ると、面白いです!
例えば、ラビーフが52口径のカービン銃で撃った時、マティ・ロスの体が吹き飛んで穴に落ちてしまうシーン。穴に落ちるのが、“地獄”のイメージだと考えられるそうです。

私も最初は、単純にギャグか?と思っていたのですが、冒頭からの「悪しき者は追われなく逃げる」という聖書の言葉からの流れで考えれば、“罪の報い”を受けた少女の姿が浮かんできます。

次に、その“報い”が“因果応報”として現れたのが、マティが腕を失くしてしまうシーンです。復讐はダメだと強く印象つけますね。

1番不思議だったのは、少女が25年後、コグバーンの遺体を自分が引き取るシーンです。
片思いだったわけで、なんとも言えない気持ちになりました。彼女が一緒に“地獄”に落ちてもいい相手がコグバーンだったとは!

宗教的イメージと少女の成長が重なった、西部劇の秀作です。ぜひ、ご覧下さい。

ヒロインは今~ヘイリー・スタインフェルドの飛躍

「トゥルー・グリット」で映画デビューをし、強烈な印象を残したヘイリー・スタインフェルド。

当時、14才だった彼女が成長した姿が凄いのです!本作以降、「はじまりの歌」(13)や「ピッチ・パーフェクト2」(15)で女優として活躍しています。

また、2015年には、歌手としてデビュー。「ピッチ・パーフェクト2」でも、その美声が楽しめます。本作で、ジェフ・ブリッジスやマット・ディモン、ジョシュ・ブローリンらと対等に渡り合える演技力があるのですから、その後の活躍も納得いきますよね!

本作では、特にヘイリー・スタインフィルドの目力に私はやられてしまいました。
若くして、成功を収めてしまうとその先がなかなか難しいといいますが、堅実にキャリアを積んでゆく彼女に楽しみがいっぱいです!

最新作は未定ですが、きっと音楽と演技両面で魅せてくれるに違いありません。


ジョン・ウェインの「勇気ある追跡」のリメイクとして見比べてしまう点はあるが、マット・デイモンというヒネリの利いた実力派俳優がいることで、本作はまた一味違った新鮮さがあって楽しめる西部劇だ。

そして少女、マティのパワフルな行動力と西部の荒野の組み合わせが、独特な西部劇の空気感を作り出していて古さや既存さを感じない。コーエン兄弟が描く少女の復讐劇は凄くスタイリッシュにまとまりつつ、感動させることも忘れない傑作だった。(女性 20代)

映画『トゥルー・グリット』 まとめ

コーエン兄弟の作品は、勧められなくてもまず観るべし!西部劇からブラック・コメディまでエンターテインメントの中に“毒”と“愛”がたっぷり落とし込んであります。

本作では、ヒロイン役のヘイリー・スタインフィルドの男勝りな性格にわくわくします。
ジェフ・ブリッジスやマット・ディモン、そしてジョシュ・ブローリンらの存在感にも負けていません。

西部劇が、ギラギラした男たちの物語だと思われていた時代は終わり、強い女性が活躍する世界へのはじまりです!ぜひ、コーエン兄弟の一味違う西部劇をお楽しみ下さい。

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