映画『トゥルー・ストーリー(2015)』の概要:記事のでっちあげで失墜した記者が家族4人を殺害した殺人者と面会を重ね、事件の真実に迫ろうとするサスペンス映画。殺人事件は2001年に米国で実際に起きたもので、記者本人が執筆した本を基に映画化された。
映画『トゥルー・ストーリー』の作品情報
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
監督:ルパート・グールド
キャスト:ジョナ・ヒル、ジェームズ・フランコ、 フェリシティ・ジョーンズ、ロバート・ジョン・バーク etc
映画『トゥルー・ストーリー』の登場人物(キャスト)
- マイケル・フィンケル(ジョナ・ヒル)
- ニューヨーク・タイムズ紙の記者。アフリカで取材した記事に捏造が発覚し、職を失う。クリスチャンの事件について知り、面会を申し込む。
- クリスチャン・ロンゴ(ジェームズ・フランコ)
- 妻と子供3人を殺害した事件の容疑者。マイケルの記事を熱心に読んでおり、事件後にマイケルの名を騙って過ごす。
- ジル(フェリシティ・ジョーンズ)
- マイケルの恋人。職を失ったマイケルと同棲をしてマイケルのことを支える。クリスチャンに引き込まれるマイケルのことを心配する。
映画『トゥルー・ストーリー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『トゥルー・ストーリー』のあらすじ【起】
スーツケースに入れられた少女の遺体が川底から発見される。
マイケルはアフリカで児童労働の問題について取材し、児童から話を聞いて写真を撮る。メキシコでクリスチャンはマイケルの名を騙ってドイツ人の女性に声を掛け、一晩を共にする。そこに警察がクリスチャンを逮捕しにやって来る。マイケルの記事は雑誌に掲載される。しかし人権支援団体から内容について苦情があり、マイケルは取材過程を調査される。マイケルは取材した複数の児童の話を集約して一人の人物の話として書いていたのだ。捏造記事によりマイケルは解雇される。
クリスチャンは米国に移送され、マイケルはジルの住むモンタナに戻って来る。ジルと同棲を始めたマイケルはマスコミ各社に記事の売り込みをするが、誰も相手をしてくれなくなってしまう。マイケルの元に地方紙の記者から電話が掛かってきて、クリスチャンがマイケルと名乗ったことをどう思うかと尋ねてくる。そこでマイケルはクリスチャンの事件について初めて知る。
マイケルは地方紙の記者と会い、クリスチャンが妻と子供3人を殺したことを教えてもらう。クリスチャンは裁判を控え拘置所に収監されていた。マイケルはクリスチャンに面会を申し込む手紙を書いて送る。
映画『トゥルー・ストーリー』のあらすじ【承】
マイケルはクリスチャンと面会し、クリスチャンがマイケルの記事を熱心に読んでいたことを聞かされる。クリスチャンは独占取材を受ける代わりに文章の書き方を教えてほしいと頼む。マイケルは名誉挽回のチャンスに飛びつく。クリスチャンが自らの生い立ちを綴った手紙がマイケルの元に届く。
マイケルは地方紙の記者に事件現場を案内してもらう。クリスチャンの妻と末娘は暴行の末にスーツケースに入れられ、運河に遺棄された。残る子供2人は橋から川に投げられて、溺死していた。マイケルは本を書こうと思うとクリスチャンに伝える。マイケルは本当に殺したのかと質問をぶつけるが、クリスチャンは真実を話す準備ができていないと答える。マイケルがなぜ殺したのかと質問を被せるとクリスチャンは犯行を否定する。
マイケルは出版社に本の売り込みをする。マイケルはクリスチャンの過去の軽犯罪について問いただし、クリスチャンは子供におもちゃを買えなかったから盗みを繰り返してきたと説明する。マイケルはクリスチャンとノートの取り方などに共通点を感じ、不思議なつながりを意識する。
映画『トゥルー・ストーリー』のあらすじ【転】
マイケルはクリスチャンと思い浮かぶことを書く連想ゲームをする。そのゲームを通してクリスチャンは妻や子供への思いを語り出す。マイケルはクリスチャンに本を捧げることを口にし、クリスチャンは喜ぶ。マイケルは本の出版社を獲得し、前金として25万ドルを約束される。しかし殺人事件の真相はまだ掴めていなかった。マイケルはアフリカの記事の過ちについて故意にやったことを打ち明け、クリスチャンにも真実を語るように助言する。
いよいよ裁判が始まる。罪状認否でクリスチャンは妻と末娘への殺人を認める一方で、残る子供2人への殺人については無罪を主張する。全面的な無罪を主張すると思っていたマイケルは驚愕し、出版社からも正確な情報を把握できていないのではないかと責められる。
マイケルはクリスチャンに真実を語るように迫るが、クリスチャンは話すことを拒む。クリスチャンがジルの自宅に電話を掛けてくる。そして電話口に出たジルに対して、次の公判でマイケルのための傍聴席を確保したという伝言を頼む。公判では遺棄現場の橋でクリスチャンが目撃されたこと、クリスチャンが職場で妻は愛人と逃げたと話していたことなどが明らかにされる。
映画『トゥルー・ストーリー』の結末・ラスト(ネタバレ)
クリスチャンが証言台に立ち、借金を巡って妻と揉めたことを話し始める。喧嘩の翌日に仕事から帰宅して妻が子供2人を殺害してしまったことを知り、末娘も虫の息の状態だったと証言する。クリスチャンは怒りにまかせて妻を殺し、哀れみから末娘の首を絞めたと主張する。しかしマイケルは、クリスチャンの話し方に自分が与えた執筆の助言が反映されていることに気付いて寒気を覚える。
ジルがクリスチャンの面会にやって来る。そしてクリスチャンに妻子を殺した作曲家の音楽を聴かせる。ジルはどんなに音楽が美しかろうとも作曲家が殺人者である事実は消し去れないと説明し、クリスチャン自身が殺人者であることも変わらないと告げる。裁判ではクリスチャンの主張は認められず、家族4人の殺害で有罪となる。死刑を宣告され、死刑囚用の刑務所に収監される。
マイケルの元にクリスチャンから手紙が届き、マイケルは再び面会に訪れる。クリスチャンは妻が末娘を殺すところを目撃したと話し始める。マイケルは嘘ばかりをつくクリスチャンに怒りをぶつける。マイケルの本は出版されるが、マイケル自身はクリスチャンとの関係を通じて自分の中で何かが失われたのではないかという虚無感に襲われる。
映画『トゥルー・ストーリー』の感想・評価・レビュー
取材する記者と殺人事件の容疑者の関係がどうなるのかとドキドキしながら楽しむことができた。マイケルが記事の信憑性を咎められており、クリスチャンも虚偽の主張ばかり繰り返しているというところが面白く、2人の関係性に緊張感をもたらしている。これが実話に基づいているというのは驚きだ。ジョナ・ヒルとジェームズ・フランコの演技も説得力があった。ただ、クリスチャンの人物像に迫り切れていないところに不満が残った。(MIHOシネマ編集部)
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