この記事では、映画『ボーイズ・ライフ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ボーイズ・ライフ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ボーイズ・ライフ』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ、エレン・バーキン、レオナルド・ディカプリオ、ジョハン・ブレックマン etc
映画『ボーイズ・ライフ』の登場人物(キャスト)
- トビー(レオナルド・ディカプリオ)
- 学校で問題を起こしている非行少年。母のためにドワイトとの辛い生活を耐える。小説家ジャック・ロンドンに憧れており、ジャックと呼ばれることを好む。
- キャロライン(エレン・バーキン)
- トビーの母親。離婚してトビーのことを一人で育てて来た。悪い男に引っかかってばかりで、何か問題が起こるとそこから逃げることを繰り返している。
- ドワイト(ロバート・デ・ニーロ)
- 田舎町で修理工をしており、3人の子がいる。いつも大口を叩いており、自分より秀でている人を妬んでいる。
映画『ボーイズ・ライフ』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ボーイズ・ライフ』のあらすじ【起】
1957年、トビーとキャロラインは一旗揚げようとフロリダ州からユタ州のソルトレークシティにやって来る。そこにキャロラインの元彼が訪ねて来て、元彼はトビーに銃をプレゼントする。しかし。キャロラインは追いかけ回されるのが嫌で再び引っ越すことを決める。衝動的に行き先を決めて、トビーを連れてシアトル行きのバスに飛び乗る。
6か月後、トビーはシアトルでリーゼントのヘアスタイルを決めて仲間と下品なことを言いながら暇潰しをする日々を送っていた。一方のキャロラインはドワイトとデートするようになっていた。トビーがドワイトの名前をからかっている時に本人が姿を現す。ドワイトはキャロラインの友人達の前で紳士的に振る舞ってみせる。
トビーとキャロラインはドワイトの招待で彼が住むコンクリートという田舎町に行く。そしてドワイトの3人の子供と対面する。ドワイトはキャロラインとトビーを射撃大会に連れて行くが、トビーは子供の参加が認められずに落胆する。ドワイトがほとんど的に当てられない中、キャロラインは見事な腕で優勝する。ドワイトはそのことで気難しい素振りを見せるが、最後は笑顔を見せる。

映画『ボーイズ・ライフ』のあらすじ【承】
トビーは学校で卑猥な落書きをし、キャロラインは校長に呼び出される。キャロラインはトビーを叱りつけ、トビーをドワイトの元に預けることにする。トビーを迎えに来たドワイトは、乱暴な運転をしながら威圧的な態度で接する。そして更正させるためと称してトビーをボーイスカウトに入団させ、新聞配達の仕事をさせることにする。
ドワイトはトビーの髪を切らせて角刈りにし、トビーは言われた通りの仕事を毎日こなす。ドワイトはボーイスカウトの機関誌をトビーに購読させる。更にドワイトは自分だけボーイスカウトのユニホームを新調し、トビーには中古のユニホームをあてがう。トビーは反発しながらも渋々ボーイスカウトに参加する。
ドワイトとキャロラインは結婚式を挙げる。しかし、キャロラインはドワイトとの性生活に不満を覚える。トビーはナヨナヨと振る舞う同級生をオカマ呼ばわりして、殴り合いの喧嘩になる。相手に打ちのめされたトビーは悪口を取り消す。しかし、トビーはドワイトに喧嘩で勝ったと嘘をつく。ドワイトは自分が喧嘩した時の自慢話を披露し、トビーに不意打ちで攻撃する方法を教え込む。
映画『ボーイズ・ライフ』のあらすじ【転】
トビーは新聞配達で稼いだお金をドワイトに取られている不満をキャロラインに訴える。しかし、キャロラインはドワイトとの間に立たされることを拒む。トビーはボーイスカウトの帰りにナヨナヨした同級生に声を掛けられる。同級生と一緒に犬の散歩をしながらいつか町を出て行く夢を語り合う。
ドワイトはチョコレートを無断で食べたと言ってトビーを責め立てる。2人の口論に巻き込まれるのが嫌になったキャロラインは2人を怒鳴りつける。トビーが帰宅すると、ドワイトはトビーの銃を売り払ってブルドッグを買っていた。トビーが文句を言ってもドワイトは取り合おうとしない。トビーはドワイトの車を無断で運転する。ぬかるんだ路肩にはまってしまい、トラック運転手に助けてもらう。しかし、そのことがドワイトにばれて殴られる。
2年の月日が流れる。トビーは髪型をリーゼントに戻し、不良仲間とつるむようになる。キャロラインはドワイトの反対を押し切って、大統領選候補のケネディの選挙事務所で働くことにする。トビーも日々ドワイトへの苛立ちを募らせていくが、ナヨナヨした同級生からはトビーの言動がドワイトに似てきたと指摘されてしまう。
映画『ボーイズ・ライフ』の結末・ラスト(ネタバレ)
トビーは町を出るために大学進学適性試験を受ける。それに反対するドワイトは勝手に願書を捨ててしまうが、トビーはそれをゴミ箱から見つけ出す。願書には成績証明書が必要だった。トビーは捏造した成績証明書を同封した願書を複数の大学に送るが、どこからも不合格の通知が届く。
トビーはスーパーでアルバイトを始めるようになる。そうした中、願書を送ったヒル・スクールから選考のために面談者を派遣するとの連絡がある。上品にめかし込んだトビーは食堂で面談を受ける。そこに不良仲間が下品な話をしながら入って来るが、トビーは見つからないように目を逸らす。面談者を見送っている時にはドワイトが絡んでくるが、トビーは他人の振りをしてやり過ごす。
トビーの合格が決まり、奨学金も認められる。それを妬んだドワイトと口論となり、遂に殴り合いの喧嘩を始める。ドワイトはトビーの首を絞めるが、キャロラインが背後からバッドでドワイトを殴る。トビーは家を出て行くと宣言し、キャロラインも一緒に家を飛び出す。キャロラインは仕事を見つけ、トビーはキャロラインの乗ったバスを見送る。
映画『ボーイズ・ライフ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
レオナルド・ディカプリオの瑞々しい演技を楽しめる作品。ロバート・デ・ニーロが今作でディカプリオの演技力に注目したというのも納得だ。ただ青春映画としては平凡で、主人公の内面の成長がしっかりと描き切れていなかった。物語の起伏に乏しく、ドワイトとトビーのやり取りも繰り返し同じシーンを見せられているようで飽き飽きしてしまう。実は今作にはトビー・マグワイアも端役で出ているのでぜひ探してみてほしい。(MIHOシネマ編集部)
家庭内暴力という重いテーマながら、希望の灯が絶えず灯っているところが印象的でした。ディカプリオ演じるトビーの繊細な心と、デ・ニーロ演じる継父ドワイトの圧政ぶりの対比が見事。理不尽に押し潰されそうになりながらも、夢に向かってもがくトビーの姿に胸を打たれました。ラスト、母と逃げ出す場面は静かな勝利の瞬間でした。(20代 男性)
家庭内での恐怖や無力感、それに立ち向かう息子の成長に涙が止まりませんでした。母親として、キャロラインの「息子を守りたいけど守りきれない」もどかしさに共感しきり。演技陣のリアルさも素晴らしく、観ている側も感情を揺さぶられます。痛みと愛情の交差するこの物語は、一人でも多くの人に届いてほしいです。(40代 女性)
若い頃に自分も家庭に居場所がなかったので、トビーの境遇が他人事に思えませんでした。暴力的な父と弱い母、それでも「自分の人生は自分で変える」と決意する姿に励まされます。ラストで「ボーイズ・ライフ(少年時代)」を振り返るような余韻のある終わり方が沁みました。ディカプリオの原点とも言える作品です。(50代 男性)
ディカプリオが10代でここまでの演技をしていたことにまず驚かされました。彼の目に宿る恐怖と反抗心、夢への渇望がすべて表情に出ていて、観ているこちらまで息苦しくなるほど。ラストでようやくドワイトから逃れたときは、まるで自分も檻から解放されたような気分に。人間ドラマとして完成度が高いです。(30代 女性)
母子での逃亡劇のようでもありながら、それがただの物理的な逃げではなく、精神的な自立への一歩だという点が深いです。ドワイトのような支配者に抗う難しさと、そこから逃げる勇気。今の社会でも共通するテーマがあると感じました。ディカプリオの演技はもちろん、デ・ニーロのイヤな父親っぷりも最高でした。(30代 男性)
トビーが作文を書き、それが大学進学の道を切り拓いていく展開に感動しました。暴力に耐えながらも、表現という手段で内なる声を発する姿に救われました。母子家庭、継父との関係など、女性として観てもいろいろな感情が湧く映画。社会的にも重要な作品だと思います。教育現場でももっと取り上げてほしい内容です。(50代 女性)
静かだけど、じわじわと心にくる映画。あの家の重い空気、笑顔が嘘っぽく見える家族写真、細部にまでリアリティが詰まっている。10代でこの映画を観ることができてよかった。まだ世の中を完全に知らないからこそ、こういう現実もあると知る意味があると思った。ディカプリオに共感しすぎてしんどかった。(10代 男性)
自分も母子家庭で育ったので、感情移入しすぎてボロ泣きしてしまいました。暴力をふるう継父に怯えながらも、自分の中の声を守ろうとするトビーの姿が、本当に美しかった。声をあげること、逃げることは弱さじゃなくて強さなんだと、教えてくれる作品です。母親との絆にもグッときました。(20代 女性)
ディカプリオとデ・ニーロの火花のような演技対決がすごい。親子というにはあまりに破綻した関係性が、観る者の神経を逆なでする。でも、そこが真に迫っていて目を逸らせない。母親が逃げる決断をするまでに時間がかかるのもリアル。勇気を振り絞って逃げた先に、人生の第一歩が待っていたという構成に希望を感じました。(60代 男性)
映画『ボーイズ・ライフ』を見た人におすすめの映画5選
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(Catch Me If You Can)
この映画を一言で表すと?
“逃げることでしか生きられなかった少年の、華麗で切ない人生劇!”
どんな話?
実在の天才詐欺師フランク・W・アバグネイルJr.の若き日々を描いた、驚きと笑い、そして哀愁が交錯するストーリー。家庭の崩壊から逃げるように詐欺師としての人生を始めた彼の、疾走する青春と孤独を描く。
ここがおすすめ!
『ボーイズ・ライフ』と同じくディカプリオが“家庭に傷を抱えた少年”を演じ、逃避と成長が描かれています。軽妙なテンポとは裏腹に、父との関係や自己肯定感の欠如といった深いテーマも魅力です。
スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)
この映画を一言で表すと?
“あの夏、ぼくらは子どもで、大人になる一歩手前だった。”
どんな話?
1950年代のアメリカを舞台に、死体を探す旅に出た4人の少年たちの冒険と成長を描く。友情、家庭問題、死の意味など、子ども時代特有の繊細な感情を丁寧に紡ぐ青春映画の金字塔。
ここがおすすめ!
家庭や社会に問題を抱えた少年たちが、友情を通じてほんの少し大人になる物語。『ボーイズ・ライフ』と同じく、苦しみの中で自分を見つけようとする姿が胸を打ちます。懐かしさと痛みが心に残ります。
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(Good Will Hunting)
この映画を一言で表すと?
“才能に恵まれながらも、心に深い傷を抱えた青年の再生物語!”
どんな話?
天才的な数学の才能を持つ青年ウィルが、過去のトラウマと向き合いながら、自分の価値と未来を見つけていく。心理学者との出会いが、彼の人生を少しずつ変えていくきっかけになる。
ここがおすすめ!
『ボーイズ・ライフ』と同じく、家庭の傷と向き合いながら未来を切り拓く若者の姿が描かれています。感情の機微が丁寧に描かれた脚本と、心に残る名言の数々は一見の価値ありです。
レヴェナント:蘇えりし者(The Revenant)
この映画を一言で表すと?
“過酷な自然と復讐に突き動かされながら、生への執念を燃やす男のサバイバル!”
どんな話?
19世紀、フロンティア時代のアメリカ。瀕死の重傷を負った男ヒュー・グラスが、裏切り者への復讐と生きるための闘いに挑む壮絶なサバイバルドラマ。実話をもとにしたリアルな人間ドラマ。
ここがおすすめ!
ディカプリオが極限状態で“生き抜く”ことに全身を懸けた演技を披露。『ボーイズ・ライフ』のような苦しみの中での成長とはスケールが違いますが、根底にある「耐えて前へ進む力」が共鳴します。
マイ・フレンド・フォーエバー(The Cure)
この映画を一言で表すと?
“友情は、病気も孤独も越えて心を癒す力になる。”
どんな話?
エイズに苦しむ少年と、隣に引っ越してきた少年との心の交流を描く感動のヒューマンドラマ。二人は“治療法を探す旅”を始め、そこで得た経験が彼らを大きく成長させていく。
ここがおすすめ!
『ボーイズ・ライフ』同様、家庭に居場所のない少年が、誰かとつながることで心を取り戻していく過程が丁寧に描かれています。涙なしでは観られない、純粋で力強い友情の物語です。
みんなの感想・レビュー