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映画『追悼のざわめき』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『追悼のざわめき』の概要:近親相姦、人形愛、食人、強姦、障がい者差別……タブーというタブーを詰め込んだ、松井良彦監督による全編モノクロの問題作。救い難い現実に生き、愛を求め彷徨い、そして狂っていく人々のグロテスクでありながら幻想的な群像劇。

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映画『追悼のざわめき』の作品情報

追悼のざわめき

製作年:1988年
上映時間:150分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:松井良彦
キャスト:佐野和宏、隅井士門、村田友紀子、大須賀勇 etc

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映画『追悼のざわめき』の登場人物(キャスト)

石川誠(佐野和宏)
廃墟ビルの屋上で暮らす青年。菜穂子と名付けたマネキン人形を愛しており、若い女性を殺害しては奪った生殖器を埋め込んでいる。いつしか彼女の体内に愛の結晶(子ども)が宿るのではないか、という妄執に取りつかれている。彼の持っているこのマネキン・菜穂子が物語全てのキーワードとなり、登場人物を狂わせていく。
夏子の兄(日野利彦)
誠が働くことになる、下水道清掃会社の経営者。小人症で、経営者であり妹の夏子もまた同じく小人症。両親は既に他界しており、母親の遺言に従って「妹がその身体では一生異性に縁がない。だから、夏子の誕生日には彼女を抱いてやれ」との言葉通り、実の妹と関係を持つ。
夏子(仲井まみ子)
兄と同じく小人症。女として愛されたいという性を持ちながらも、自身の障害がジレンマとなっている。働きに来た誠に一目ぼれし、恋に落ちる。身体には醜い火傷の傷跡を持つ。彼女のもまた、マネキンである菜穂子に運命を狂わされた人間である。
ホームレス(大須賀勇)
女の股に見える木の根っこにヒモをつけ、唯一の宝のように引きずりながら徘徊しているホームレス。「こんばんわ」「こんにちわ」としか喋らない。誠の寵愛しているマネキン・菜穂子に吸い寄せられるよう廃墟ビルへと誘われた一人。
兄(隈井士門)
先に出てくる小人症の兄妹とは正反対であるかのように描かれる、美しい兄弟の兄。学生服を着ているが、学校へ行っているのか、親はいるのか、どうやって生活しているのかは不明。まだ幼さを残す妹とはいつもケンケンパをして遊んでいる。夜は妹に化粧を施し、客引きをしているような場面が見られる。
妹(村田友紀子)
あどけなさを残す、無垢で美しい妹。夜は幼いその顔に紅を引き、春を鬻いでいるかのような様子がある。誠のマネキンに誘われるよう、兄と廃墟ビルを訪れることとなるが……。

映画『追悼のざわめき』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『追悼のざわめき』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『追悼のざわめき』のあらすじ【起】

舞台は大阪。ドヤ街を彷彿とさせる、日雇い労働者たちが集う街並み。時代背景が曖昧で、「あちら」とも「そちら」ともつかないその場所で、『ハトポッポ』を口ずさみながら野生の鳩の首を引き千切る男の映像から物語は始まる……。

街の中では、若い女性の惨殺事件が続発している。被害者たちは無残にも皆下腹部を裂かれ、生殖器が持ち去られていた。その残忍な事件の犯人は、職にもつかずフラフラとしながら廃墟ビルに住む孤独な青年・誠。冒頭で、鳩を殺していた青年だ。彼は『菜穂子』と名付けたマネキン人形を本気で愛しており、その体内に女性たちから奪い去った生殖器を毎日のように埋め込んでは、彼女に頬ずりをしては愛を確かめ合う。そうすることで、二人の間に愛の結晶でもある子どもが宿ると信じながら。

場面は変わり、傷痍軍人が二人アコーディオンを奏でるある日の公園。女子高生二人が他愛もなくお喋りをしている。彼女達は、傷痍軍人の姿と夢の中で見た鳩とカラスを重ね合わせながら、会話を繰り広げる。

「カラスが、やせ細って死んだ人をつんつんってつついていくんや」
「気持ち悪いなぁ。やっぱり私はやせ細ったって、カラスになるなんて嫌やわ。白い鳩のままの方がいい」

女子高生達が去った後、突然ふらふらとその場に現れた誠。たまたま居合わせたアコーディオン弾きの傷痍軍人を、「お前ら本当に日本人か?」と言いがかりをつけ殴り掛かる。差別的な言葉をぶつけながら、誠は傷痍軍人のアコーディオンを川に投げ捨てた挙句、募金箱を奪い去ってしまうのであった。

映画『追悼のざわめき』のあらすじ【承】

そんなある日、マネキンの菜穂子の体内にいよいよ生命が宿る。新しい家族のために働く決意をした誠。小人症の兄妹が経営する下水道清掃の職に就くことにする。兄は言う、「自分の醜い姿を見て驚いたでしょう?」と。誠はにべもなく、「いいえ、別に」とだけ答えてそれをあしらう。そのお陰なのか、経営者である兄に気に入られた誠と、そんな彼に一目惚れする妹の夏子。夏子は、心は成熟してゆく一方で、身体は幼児のままであるという嫌悪感に囚われながら、そして身体に残る醜い痣にコンプレックスを抱きながら生きている女性であった。

場面は変わり、映し出されるのは先程の兄妹とは正反対に美しい兄弟である。彼らの両親は不明で、いつも二人きり。清楚なワンピースを纏った妹の手を取り、ケンケンパをして遊んであげる学生服を着た兄。どこか排他的に、たった二人だけで呼吸を合わせるかのようにこの世界を生きている兄妹だが、夜になると兄は客引きをしているようだ。妹はまだあどけないその顔に化粧を施し、客を寄せる。

更に物語に現れるのは、マネキン人形・菜穂子に思いを寄せるホームレスの中年男性。女性の下腹部に見立てた切り株に紐をくくりつけては引きずりまわし、徘徊する。話せる言葉は、片言による「こんにちは」と「こんばんは」の二言のみである。そんな彼だったが、誠がいない隙を見計らってはビルに潜入し、屋上のベッドで寝かされている菜穂子へと近づき、彼女を慰み者にしようとする。しかし、局部に仕込まれていたガラス片により悶絶するホームレス。当然負傷してしまうが、それでも菜穂子への愛情は止むことはなかった。

映画『追悼のざわめき』のあらすじ【転】

誠に恋をする夏子は、帰宅途中の彼についていく。その途中で、見ず知らずの若者たちに襲われ夏子は輪姦されてしまう。全てが終わった後で、助けられなかったことを情けなく詫びる誠に夏子は言う。

「男はみんなスケベなんやから。でもね、あの人が私の醜い傷跡舐めてくれてん」

皮肉にもこのことが原因で諦めていた女としての本能が目覚めた夏子は、誠に自分が彼を好きである気持ちを伝える。誠は「俺には好きな女がいる。そして腹の中に赤ん坊がいる」とそれを断り、夏子は悲しみに暮れる。

そんな夏子は、兄と肉体関係を持っていた。それは亡き両親の母親である遺言、「そんな身体では異性に縁がないだろうから誕生日には兄であるお前が寝てあげろ」という言葉に従ってのことであった。仏壇の前でご祝儀袋の形をした布団で関係を持つ二人。直後、夏子は理由は分からないが兄の耳に耳かきを突っ込んで殺してしまう。兄の亡骸の傍で、万札を数える夏子。殺害した動機が金銭が目的なのかは定かではなく、しかし、夏子の精神が確実に崩壊へと向かっていることは伺える。

一方、先の美しい兄妹も、マネキン人形・菜穂子に導かれるかのように廃墟へと訪れる。菜穂子の腹に宿る命から母性を感じた妹は、菜穂子に頬を摺り寄せながらその腹部を優しく撫でる。その光景を見守っていた兄だったが、段々と妹の姿を見ているうちに己の欲望が目覚め、彼女をその手で犯してしまう。兄の行為を責めるかのように破瓜の血を大量に流し続ける妹は、やがて己の出血の海の中で事切れる。後悔の末に精神破綻の始まった兄は、妹の死体をおんぶしたまま一人ケンケンパを繰り返す。一度は妹の遺体を埋めるものの、再びそれを掘り返し、更には腐りかけた妹のその屍を食べ尽くしたのであった。

映画『追悼のざわめき』の結末・ラスト(ネタバレ)

誠への思いを捨て去れない夏子もまた、マネキンの菜穂子がいる廃ビルへと訪れる。屋上の更に上の階で菜穂子を見つけた夏子は、手にしていたバールで菜穂子の下腹部を何度も殴りつける。胎児がもがき苦しむ映像が交差され、夏子はとうとうこじ開けた菜穂子の腹から胎児を取り出し、へその緒と胎児を食いちぎってしまう。その足元には、誠が殺害した女性の肉片が沢山散らばっている。それから夏子は、鼻歌を口ずさみながらマネキンに火を点ける。あっという間に燃え広がる炎。炎の海は廃墟に訪れていたホームレスを巻き込み、ビルを覆いつくしてしまう。

場面は変わり、川沿いをふらつく誠の姿が映し出される。誠はレモンを齧りながら土手で寝転び、女の子が飛ばして遊んでいた鳩の形をした玩具を拾ってあげる。自分と菜穂子の愛の住居が火災に遭っているなどとは勿論知る由もなく、呑気にレモンを食べ続ける誠。そんな誠に、近くで円盤投げをしていた大学生の投げた円盤が直撃する。後頭部に当たったそれが原因で、大量の鼻血を出しながらその場で命を落とす誠。何とも唐突で滑稽な、そして呆気ない人生の終わらせ方をしてしまう。

視点は変わり、狂気に取りつかれたままの夏子。廃ビルを放火したその足取りで街の中を彷徨い歩き、人々にぶつかりながら奇異の目を向けられつつも彼女が向かったのはとある女子校のグラウンド。突如乱入してきた彼女に、慌てふためき驚く女子高生たち。何を訴えたいのか、女子高生らを追いかけまわす夏子と、次々と逃げてゆく女子高生。人気のなくなったグラウンドで夏子は一体何を思うのか。

次に映し出されるのは、妹の亡骸を食い尽くした兄である。骨だけになった妹を道端に並べ、一人ケンケンパで遊ぶ兄の元へと現れる妹の幻想。生前と同じく美しいままの妹の幻は、兄に寄り添うようにしてその傍らへと歩み寄る。果たして彼らが報われたのかは誰にも分からないが、こうして兄妹の物語は幕を閉じた。

ラストは、誠の歌声と思われる『ハトポッポ』の鼻歌に合わせ火災に遭った廃ビルの検証場面が断片的に映し出される。ハミングが止むと同時に、画面には一人俯くようにして座り込む夏子の姿が現れる。憂鬱そうな表情を浮かべる夏子にカメラはズームインしていき、そしてエンドロールへと移る。

映画『追悼のざわめき』の感想・評価・レビュー

脚本もそうだが、視点や時間軸が入り組むために非常に感想を述べるのが難解な作品。インディーズならではの倫理観無視・タブー全開な展開で今も尚カルト映画の金字塔とされているがまさに納得。グロテスクな映像が平然と飛び交うので白黒で良かったと心底思う。また、物語には様々な人物が出てくるが、美しい兄妹のエピソードが残酷なお伽噺のようで好きだ。作中にも出てくる台詞「真っ白い鳩」とは妹の無垢さを指しているのではないかと考察する。(MIHOシネマ編集部)


本作は、大阪南部を舞台に、マネキンを愛する青年たちの元に集まった、閉ざされた世界で生きる人間たちの愛憎を描いた全編モノクロのヒューマンドラマ作品。
禁断描写が隅から隅まで鋭く、美しく、暴力的で狂気に満ちた、生きる人間を描いている。手加減なく不快感を煽るような描写が苦手な人ならトラウマになりそうな濃密さだが、不思議と一気に引き込まれた。理解するのは難しかったが様々な感情が渦巻くカルトムービーだった。(女性 20代)

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