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映画『冷たい晩餐』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『冷たい晩餐』の概要:政治家のスタンは、妻と弟夫婦と共にディナーをする予約を入れた。政治家として忙しい時期だったが、このディナーはそれよりも大切なものだった。四人は、ある重大なことについて話し合いをする必要があったのだ。

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映画『冷たい晩餐』の作品情報

冷たい晩餐

製作年:2017年
上映時間:120分
ジャンル:サスペンス
監督:オーレン・ムーヴァーマン
キャスト:リチャード・ギア、ローラ・リニー、スティーヴ・クーガン、レベッカ・ホール etc

映画『冷たい晩餐』の登場人物(キャスト)

スタン・ローマン(リチャード・ギア)
州知事選に立候補している議員。精神病者たちのために、彼らがちゃんとした治療を受けられるよう新法案を立案する。そのための票集めに忙しかったが、ポールたちとの相談を優先し、ディナーの席を準備する。とても真面目な男だが、妻のケイトには少し弱い。
ケイト(レベッカ・ホール)
スタンの二番目の妻。養子として迎え入れた黒人少年のボーと、リックという名の息子がいるが、リックはスタンの前妻との子供。だが、血の繋がりはなくても、子供たちのことをとても愛している。
ポール(スティーブ・クーガン)
スタンの弟で元高校教師。南北戦争に興味があり、本を書こうと思ったこともあったが断念。精神に少し問題があり、暴力に走ることもある。妻のクレアが病気になった際、精神病が更に悪化していく。親の愛情は兄のスタンだけに向けられ、自分は愛されていなかったと思っている。知的であるがゆえに、悪口が冗舌。差別主義者的な一面も持つ。
クレア(ローラ・リニー)
ポールの妻。精神的に不安定なポールを言葉と行動で御すことができる強さを持つ。マイケルという息子がいる。息子が幼い時、大病を患ったが乗り越えた。ポールに相談するよりも、自分で考えて決断することが多い。

映画『冷たい晩餐』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『冷たい晩餐』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『冷たい晩餐』のあらすじ【起】

ある夜、高級フレンチレストランにディナーの予約が入る。予約したのは、州知事選に立候補しているスタン・ローマン議員と、その妻・ケイト。スタンの弟で元高校教師のポールと妻のクレアの四人。スタンは、精神病を患う者たちが適切な治療を受けられるよう、新たな法案を提示していた。本来ならば、ディナーなどしている暇などなく、早急な票集めの根回しが必要な大事な時期だったが、どうしても四人で話し合いをしなくてはならない事態に陥っていた。

弟のポールは高校の教師を勤めただけあって知的な男だったが、精神病を患っており、被害妄想や暴言、時には衝動的な暴力に訴える男だった。幼い時からスタンばかりが優遇されていると思っているため、兄弟仲はあまり良いとは言えない。ディナーに参加するのは気が引けていたが、クレアの説得により、しぶしぶ行くことにする。出掛けに、息子のマイケルの携帯電話をこっそりと持ち出したポール。彼には、少し気がかりなことがあった。

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映画『冷たい晩餐』のあらすじ【承】

レストランで顔を合わせた四人。皆、一緒に食事できることを嬉しがるが、ポールだけは嫌味を言い、場を白けさせていく。見事な料理が運ばれてくるも、楽しい会話は生まれず、全く盛り上がらない。

妻たちが席を立った時、スタンとポールは本題の話をしようとするが、スタンの秘書が票のことで相談にやってくる。腰を折られたポールは妻たちを捜しに行った。その時、ポールはマイケルの携帯をチェックして、ある動画に気がつく。

その動画は、マイケルがスタンの息子・リックと共に、ホームレスの女性に火を放つという衝撃的なものだった。しかも、その映像はネットの動画サイトにアップまでされていたのだ。しばらくして、携帯がないことに気がついたマイケルが受け取りにやってきた。ポールは息子を問い詰めるが、そこにクレアが現れ、心配ないと言いだす。

クレアはマイケルがやったことを知っていた。動画サイトにアップしたのはスタンの養子のボーという黒人少年で、マイケルにバカにされた腹いせで行ったのだという。マイケルはこれからボーに口止め料を払いに行き、和解するのだそうだ。父親なのに何も知らされていなかったことにショックを受けるポール。このことにボーが関与していることは、スタン夫妻も全く知らなかった。

映画『冷たい晩餐』のあらすじ【転】

ディナーが終わり、談話室に移動した四人は、いよいよ本題について話すこととなった。本題とは、当然、子供たちが起こした焼死事件のことについてだった。

動画はアップされたものの、警察はまだ犯人を特定していなかった。しかし、息子たちがやってしまったことは、人として許されるものではない。スタンは考えた挙句、翌日の法案の開票を待ってから、その後に真実を公表することを決める。

だが、妻たちは猛反発した。クレアは、あれは運の悪い事故で、公表したら子供たちの将来も失われてしまうと言いだす。彼らが挫けそうな時は、親として支えてあげればよいのだと。何もなかったことにするのが最善の策だと力説する。

しかし、スタンは考えを変えることは無かった。本当に子供たちのことを考えるならば、真実を認めて罪を償うべきだとし、自分の政治生命を捨てることを決断する。

クレアはマイケルに電話してみた。状況を尋ねると、ボーが金を受け取らないという。しかも、罪を公表すべきだと言いだしたのだそうだ。途方に暮れだしたクレアは、ポールに助けを求めた。ポールは、父親として何をすればいいのかとクレアに問いかけた。彼女は、ボーと“会話”してきてくれとポールに言うのだった。

映画『冷たい晩餐』の結末・ラスト(ネタバレ)

ケイトはスタンの行動を説得しようと試みていた。自分がいかに苦労し、いかにスタンを愛しているか、子供たちを愛しているかを熱心に語った結果、スタンは考えを変え始める。対処する方法を見つけ出すと言うケイトのために、三日待つことを決めたスタン。しかし、それは今回の一件が闇に葬られたという意味と同義だった。

スタン夫妻が談話室に戻ってきた。入れ違いに、意を決したポールが飛び出していく。ポールの行動を不審がりながらも、ケイトはクレアに、子供たちのことは決着がついたと説明した。それを聞いたクレアの顔は、不安で曇っていった。

スタンの自宅にやってきたポールは、玄関を乱暴に叩き、ボーと“会話”をしようとしていた。怖くなったボーは裏口から表に飛び出すが、すぐに発見される。ポールは道端の石を掴むと、謝るボーに向かって振りかざした。だが、ヘッドライトの灯りで我に返る。

やってきたのはスタン夫妻とクレアだった。スタンはポールがしようとしたことに激怒し、彼を蹴り上げる。逃げていったボーを心配したケイトは、彼に電話をした。クレアの携帯にはマイケルから着信が入り、父はがんばってくれたと報告。そこに、法案可決のための票が集まったという連絡が入る。電話を手に喜ぶスタン。彼らの姿を見たポールは、その滑稽さを、携帯を手にした猿たちだと表現し、ただただ笑っていたのだった。

映画『冷たい晩餐』の感想・評価・レビュー

メッセージは面白く興味深いが、映画としての表現は退屈だ。原作がとても面白いことは伝わったが、映像作品に落とし込めていない。回想によって物語の勢いが失われているし、ディナーである必要性も皆無だ。ポールの精神病を印象付けるのに時間を使っているが、そこは四人に均等に割り振り、感情移入させるべきだったと思う。それがないから、葛藤もなければ共感もなく、カタルシスも生まれていない。登場人物たちの説明や、事件の詳細、相談の成り行きなどをフルコースに合わせて表現したら、もっと面白くなったのではないか。素材は良いが、料理で失敗したという感じ。(MIHOシネマ編集部)


子供が罪を犯したとき、自分だったらどのように動くのだろうと深く考えさせられた。罪を明るみに出したくない親の気持ちは理解できるが、隠していてもロクな結果にならないと思う。
特にポールは父親として、最悪な決断を下したと感じた。クレアを叱り、子供を正しく導くべきだったと思う。途中で我に返ってくれて良かったとほっとした。
途中までは親達の思いや意見のぶつかり合いを興味深くおもしろく感じたが、ラストはちょっと期待外れで拍子抜けした。結局どういう結論になったのか、二組の家族の関係は一体どうなるのか、もう少し描いて欲しかったなと思う。(女性 30代)


リチャード・ギア主演の作品でこんなにもつまらない作品は初めて見ました。登場人物のキャラクター設定も普通では無いので共感できず、その描き方も淡々としていて飽きてきます。そしてその会話劇を延々と見せられるのが本当に退屈でした。
2つの家族の中にある夫婦、親子の関係はかなり特殊でそこに精神疾患や事件などの要素も含まれていくので最終的にどんな結末になるのか、スッキリできるのかそれだけを期待して見ていましたが、ラストもかなり残念なものでした。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. カラバッジョ より:

    始めはタイトル通りフレンチのフルコースでお話を進めて行くと、フレンチを楽しむ積もりでいた所、ポ-ルの変な理屈ぽい話も面白く観ていたのに、段々恐ろしい話となり、リチャードギアの演じるスタンが素晴らしい政治家だと徐々に分かって来た。
    確かにポ-ルの1人息子マイケルのやったホ-ムレス放火殺人事件は弱者を弄ぶ只のドラ息子である。日本でもホ-ムレス殺人までは行かずとも酷い仕打ちは問題になっている。
    それを事故だと我が子可愛さで無いことにしょうとするのは、現実的かも知れないが、道義的に許されない。映画でこんな差別的な作品になるのは感心しない。
    それをスタンが立派な正しい考えで政治生命もなげうち、貫き通していたのでほっと出来た。

    そして、最後に最も正しい黒人の子供を殺そうとしたポ-ルの異常さに驚きつつ、ボーを殺さず済んで良かった。しかし、はっきりとは分かり憎い結末であった。結局子供達は掴まったのか、どうか。マイケルが1番悪い子でボーが1番正しい子供と理解される裁判が出来るのか、若しくは事件にせずに曖昧に終わったのかが分からなかった。

    しかしながら、良く出来た考えさせられた映画である。楽しいフレンチだけの映画では無かった。お薦め出来る映画であった。