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映画『女は冷たい嘘をつく』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『女は冷たい嘘をつく』の概要:ある朝、幼い我が子とベビーシッターが忽然と姿を消した。二人を探す母親は、やがて真相と、ある悲しい過去に辿り着く。韓国映画らしいスピーディな展開と、女優陣の演技が秀逸。

映画『女は冷たい嘘をつく』の作品情報

女は冷たい嘘をつく

製作年:2016年
上映時間:98分
ジャンル:ミステリー、サスペンス
監督:イ・オンヒ
キャスト:オム・ジウォン、コン・ヒョジン、キム・ヒウォン、パク・ヘジュン etc

映画『女は冷たい嘘をつく』の登場人物(キャスト)

イ・ジソン(オム・ジウォン)
テレビドラマの脚本家。夫とは離婚しており、幼い一人娘のダウンを抱え、育児と仕事の両立に奮闘している。仕事が忙しくダウンをかまっている暇がない。そのため、ダウンの世話は、ベビーシッターに全て任せていた。
ハンメ / キム・ヨン(コン・ヒョジン)
ジソンに雇われたベビーシッター。子供の扱いが上手く、ダウンもよく懐いていた。ある朝、ダウンと共に、忽然と姿を消す。
ヒョニク(パク・ヘジュン)
闇ブローカーの男。風俗の斡旋、臓器売買、人身売買など、金になることならどんな危険なことにも手を出す。ハンメについて知っているようなのだが。

映画『女は冷たい嘘をつく』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『女は冷たい嘘をつく』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『女は冷たい嘘をつく』のあらすじ【起】

イ・ジソンはテレビ業界で働くシングルマザー。多忙な仕事に追われる日々を送っており、娘のダウンの面倒は、専らハンメというベビーシッターにやってもらっていた。医者で元夫のジニュクとは、ダウンの親権で争っていた。現状のままでは、ダウンをジニュクと彼の母親に取られてしまう危機的状況だった。

木曜日の朝、ジソンはハンメに起こされ、いつものように大急ぎで支度を始めた。ハンメは、明日はダウンの予防接種があるので病院へ行くと言う。風邪気味のダウンを気にしながらも、ジソンは仕事場へと急いだ。

金曜日。目覚めると、朝からハンメとダウンの姿がない。ジソンは予防接種に行ったのだろうと思い、そのまま仕事へ。だが、夜遅くに戻っても二人の姿はなかった。ハンメは中国出身で言葉がぎこちなかったが、子供の扱いが上手いので雇うことにしたベビーシッターだった。以前のシッターは、不注意からダウンに怪我を負わせたので解雇した。ハンメを紹介してくれた女性とも連絡がつかない。ジニュクが連れ去ったのかと思い、電話するが知らないという。弁護士から電話が入り、もしこの失踪が、ダウンを取られたくないための自作自演だとしたら、ダウンは取り上げられ、成人するまで会えなくなるかもしれないと言われる。不安になったジソンは、大ごとにしたくなく、警察に届けるのをためらってしまう。

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映画『女は冷たい嘘をつく』のあらすじ【承】

土曜日。結局、朝になっても二人は帰ってこなかった。途方に暮れるジソンに、ハンメを連れてきた女から連絡がくる。ハンメは彼女のめいだと言っていたのだが、実は全くの他人だった。予防接種をした病院へ行くと、二人は木曜日にやってきたという。ハンメは金曜日だと言っていたのに。

自宅へと戻ってきたジソンは、玄関先で不審な男を見つけた。昨夜も見かけたことを思いだし、男を呼び止める。すると、男はハンメに金を貸していたのだと言ってきた。ハンメの行き先に心当たりがないか尋ねると、男はジソンを風俗店へと連れていく。ハンメはここでモンニョンという源氏名で働いていた。店の女主人は、ハンメの居所を知らなかったが、連絡があったら伝えると言った。

風俗店を出ると、ジソンのスマートフォンに電話が入る。電話の主は、ダウンを誘拐したと言ってきた。混乱するジソンに、金を振り込むように要求。ジソンは言われるがまま、貯金を全額送金した。汝矣島の船着き場へ行けというので向かったが、そこには誰もいなかった。

ジソンは警察に行き、事情を説明した。送金した口座は振り込め詐欺に使われる中国の口座だと判明する。ダウンがいなくなったことを知った誰かが、詐欺を働いたのだ。警察がハンメの写真を見せてほしいと言うので、スマホの写真を開いたが、どの写真にもハンメは映っていなかった。

警察署から、こっそりと抜け出したジソンは、マンションの警備員に頼み、監視カメラ映像を確認する。そして、エレベータに乗り込むハンメとダウンを見つける。日付は木曜日の朝。警備員は若い男を連れてきた。彼が言うには、前のベビーシッターがダウンを見ていた時、ハンメが現れ、ダウンに故意に怪我を負わせていたのだという。

再び風俗店を訪れたジソンは、女主人からヒョニクという男のことを聞かされる。ヒョニクはジソンをこの店に連れてきた、あの男のことだ。ヒョニクは金になることなら、なんでもやるブローカーで、ハンメに一目惚れしていたのだそうだ。ハンメは、いつも数時間だけ、どこかに行っていた。そして、ある日、突然に姿を消したのだという。店の従業員の女が、ハンメの持ち物を見せてくれた。その中から、一枚の写真が出てくる。赤ん坊が映った写真。これはハンメの娘なのか。写真の裏に“ミファ写真館”とハンコが押されていた。

警察はジソンとヒョニクが一緒にいる監視カメラ映像を発見する。接点のなさそうな二人が、なぜ一緒にいるのか気になった警察は、本格的に捜査を始めていく。

映画『女は冷たい嘘をつく』のあらすじ【転】

日曜日。ミファ写真館へやってきたジソンは、記録からハンメの本名を知る。本名はキム・ヨン。赤ん坊は彼女の子供であり、夫の名はハン・ソッコと言った。ジソンはソッコの家へとやってきたが、空き家になっていた。隣人夫婦の話しでは、ヨンはソッコとその母親から、ひどい仕打ちを受けていたらしい。だが、子供ができたことで変わり、韓国語を覚えるために学校にも通いだした。子供は無事に生まれ、ジェインと名付けられた。ある時、ジェインが大病を患ってしまう。“入院させなければ死んでしまう”と言うヨンを無視し、ソッコと母親は、勝手に子供を連れ帰ってしまった。その後、ヨンは子供を連れて行方をくらませたのだそうだ。

行方知れずからしばらくして、ヨンから隣人の妻にメールが届いた。ジェインはソウルの大病院に入院しているから心配ないという。ジソンは送られてきたという赤ん坊のメール画像を写真に収めた。事件を捜査してソッコに辿り着いた警察が現れ、ジソンは拘束された。警察署で、ジソンはジェインが着ていた患者服から、入院している病院はカンナム恩恵病院だということに気がついた。その病院は、元夫のジニュクが勤めている病院だったのだ。

警察とカンナム恩恵病院にやってきたジソンは、看護師からヨンの話を聞かされる。ヨンはジェインを入院させていたが、入院費が払えず、強制退去させられてしまった。そして、その直後、ジェインがいたベッドにやってきたのは、具合が悪くなったダウンとジソンだった。ジソンは当時のことを思いだす。満室で入院できないことに腹を立てたジソンは、ジニュクに言って強引にベッドを開けさせたのだ。白羽の矢が立ったのがジェインだった。自責の念に悩む中、自宅の冷凍庫を調べたジソンは、中から凍りついたジェインの死体を発見する。

映画『女は冷たい嘘をつく』の結末・ラスト(ネタバレ)

警察はヒョニクを引っ張り、事情聴取を開始。ヒョニクが言うには、ヨンはジェインのために腎臓を売って金を作ったが、支払日よりも早く、強制退去させられてしまい、金は間に合わなかったのだという。姿を消していたが、一月前に現れ、ソッコを殺してほしいと依頼してきた。金の代わりに、ダウンを渡すと言ってきたが、受け渡しの時間になっても現れなかった。

ヒョニクは子供用のパスポートをヨンに頼まれたことを思いだす。ダウンを連れて中国に渡ることに気がついたジソンと警察は、船着き場へと向かった。警察の制止を振り切り、船内を捜索するジソンは、ついに二人を発見。ジソンに気がついたヨンは、ダウンと共に海へ飛び込もうとする。それを見たジソンは、“私が死ぬから、ダウンは助けてほしい”と哀願した。“あなたもダウンを愛しているのなら助けたいでしょ”というジソンの言葉に、ヨンは悩み、その結果、ダウンを警察へと手渡した。そして、そのまま海へと飛び込んでいった。ジソンは後を追って飛び込み、ヨンを助けようと手を掴む。だが、ヨンはその手を振り払い、一人、海底へと沈んでいった。

病室で目を覚ましたジソンは、中庭で遊ぶダウンのもとへ。ダウンは、初めて立って歩き、ジソンのところへやってくる。ジソンはダウンを抱きしめた。こうして最愛の娘は、母親のもとへと無事に戻ってきたのである。

映画『女は冷たい嘘をつく』の感想・評価・レビュー

主人公役のオム・ジウォンの演技が素晴らしく、娘が見つからなくて動揺する母の気持ちがよく表れていた。物語の冒頭では、正体不明のベビーシッターが子供を誘拐して何がしたいのか分からず、子供は無事なのか、不審な男はどう関わっているのか、ハラハラしながら見ていた。真実が明らかになり、ハンメの過去があまりにも悲しくて、やるせない気持ちになった。誘拐はもちろんダメだが、ここまで追い詰められてしまったハンメの気持ちを思うと、責められないなと思ってしまった。(女性 30代)


本作は、シングルマザーが消えた我が子と中国人の住み込みベビーシッターの行方を追う韓国サスペンスミステリー作品。
俳優陣の迫真の演技に非常に引き込まれ、また、テンポ良く臨場感とスピード感のある展開に、結末が気になってしょうがなかった。
そして、追い詰められたベビーシッターのハンメを思うと、彼女の過去は余りにも悲しく、胸が締め付けられるような気持ちになり同情した。
最後には母の愛情を感じられる作品となっている。(女性 20代)


幼い自分の娘が、ベビーシッターと共に忽然と姿を消してしまうところから始まるストーリー。居なくなってしまった娘を探す母親の情緒が不安定になる様子は大袈裟にも見えますが、韓国映画ならではのスピード感のある展開に上手くマッチしていました。
何故我が子は姿を消してしまったのか?何故ベビーシッターと共に?など疑問に思うところが少しずつ明らかになるので最後まで飽きずに見られました。(女性 30代)


ベビーシッター役、コン・ヒョジンの薄幸な表情や演技に吸い込まれてしまい、中盤から胸がヒリヒリしました。ハンメに繰り返し降り掛かる不運には、諦めの念すら湧きます。金銭面や周囲のサポートが潤沢な状態でないと、子育てが成り立たないことを痛感します。また、移民に対しての差別が酷い点も気にかかりました。韓国社会に蔓延る闇を、少しばかり理解しました。邦題と映画の内容が合っていません。嘘をつくとか駆け引きのような物語ではなく、もっと深刻で重い内容です。(女性 30代)

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