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映画『鶴は翔んでゆく』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『鶴は翔んでゆく』の概要:改変前の邦題は『戦争と貞操』。出征した恋人の帰りを待つ間に、ある過ちから他の男と結婚してしまう、ひとりの女の葛藤を描く。従来のソ連映画の概念を覆した、画期的な作品。パルムドール賞受賞。

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映画『鶴は翔んでゆく』の作品情報

鶴は翔んでゆく

製作年:1957年
上映時間:97分
ジャンル:ヒューマンドラマ、戦争
監督:ミハイル・カラトーゾフ
キャスト:タチアナ・サモイロワ、アレクセイ・バターロフ、ワシリー・メルクーリエフ、スベトラーナ・ハリトーノワ etc

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映画『鶴は翔んでゆく』の登場人物(キャスト)

ヴェロニカ(タチアナ・サモイロワ)
出征した恋人・ボリスを待っている間、両親を亡くす。さらに悲しみの淵で、彼の従兄弟・マルクと関係を持ってしまい、望まぬ結婚をする。それでもなお、消息不明だというボリスの帰りを信じ、彼からの便りを待ち続ける。
ボリス(アレクセイ・バターロフ)
ヴェロニカの恋人。ヴェロニカや家族に相談せず、兵に志願する。彼女に誕生日プレゼントとしてリスのぬいぐるみを贈り、その中に手紙を隠す。戦地の偵察に赴いた際、負傷した兵を助けようとして狙撃される。
ヒョードル(ワシリー・メルクーリエフ)
ボリスの父。医者。息子とヴェロニカの結婚を心待ちにする。両親を失い、マルクと結ばれざるを得ないヴェロニカの運命に同情し、親切にする。
マルク(アレクサンドル・シュウォーリン)
ボリスの従兄弟。ピアノ奏者。ヴェロニカに好意を持ち続け、ボリスがいなくなったのちに彼女に迫る。だが結婚生活は満たされず、他の女の家に通う。賄賂を渡して兵役から逃れていたことをヒョードルに知られ、家を追い出される。
イリーナ(スベトラーナ・ハリトーノワ)
ボリスの姉。同じ医者として父を支える。気が強く、ボリスを裏切って結婚したヴェロニカを許すことができない。
ステファン(ヴァレンタイン・ズブコフ)
ボリスの友人で、ヴェロニカとも仲が良い。ボリスと共に戦地へ旅立つ。ボリスの死を見届けたあと、ヴェロニカと再会する。

映画『鶴は翔んでゆく』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『鶴は翔んでゆく』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『鶴は翔んでゆく』のあらすじ【起】

すっかり夜が明けて白んだ町を、ヴェロニカとボリスはうきうきと駆け回る。澄みきった空を鶴の群れが渡ってゆき、ヴェロニカは鶴が登場する歌を口ずさむ。

二人の朝帰りを、家族は黙認していた。特にボリスの父・ヒョードルは、彼らの結婚が待ち遠しい。昼まで寝こけるボリスに呆れながらも、娘のイリーナや甥のマルクと食卓を囲み、談笑に耽る。だが、町のスピーカーが響き渡り、戦争の開始を告げる。

ボリスを待っていたヴェロニカを迎えに来たのは、彼の従兄弟のマルクだった。不満げなヴェロニカに、ボリスは兵役を逃れたことを得意そうに話す。彼女を口説こうとするも、相手にされない。

ヴェロニカは、自分の花嫁姿や挙式の様子を想像し、ボリスに聞かせる。だが、そこへやってきた友人のステファンから、ボリスが自ら兵に志願したことを知らされる。誕生日を控えたヴェロニカの落胆は大きい。ボリスは必ず帰ると約束し、彼女をなだめる。

ボリスは、ヴェロニカへの誕生日プレゼントを祖母に託し、その中に手紙を隠す。家族揃ってボリスの送迎会が始まるが、ヴェロニカは間に合わず、最後まで姿を現さなかった。

ヴェロニカが駆けつけた頃には、ボリスは家を出ていた。祖母は、ボリスから預かった贈り物を彼女に渡す。包みを開けると、中身はかわいいリスのぬいぐるみだ。ヴェロニカは期待して手紙を探すが、どうやら見つからない。とにかくボリスを追いかけようと、兵たちの集合場所である学校へと向かう。

兵を見送る大量の群衆に呑まれ、ヴェロニカはボリスの元へたどり着けない。一方、ボリスも彼女を待ち焦がれながら、戦地へ旅立つのだった。

映画『鶴は翔んでゆく』のあらすじ【承】

ボリスの便りを待ち続ける日々が始まる。ある日、空襲警報が鳴り響き、ヴェロニカは両親に促されて、ひとり地下鉄に避難する。空襲が止んで帰宅すると、アパートは半壊していた。我が家であったはずの場所に、両親の姿はなかった。ヴェロニカはボリスの家族に引き取られることになる。

すっかり笑わなくなったヴェロニカに、マルクがピアノを聞かせていたところ、また忌まわしい警報が響く。生きる意志を失ったヴェロニカは、頑なに逃げようとしない。激しい爆風と閃光に、思わず二人は抱き合う。するとマルクは目の色を変え、彼女を無理やり押し倒す。ヴェロニカは強く抵抗するものの、やがて諦めて受け入れるのだった。

一度の大きな過ちから、マルクと結婚することとなったヴェロニカ。その報告を聞いた家族の顔は沈鬱であり、イリーナに至っては怒りを隠さない。

戦線にいたマルクは、負傷した仲間をかばって、銃弾に撃ち抜かれてしまう。ヴェロニカの笑顔や挙式の日の想像を、走馬灯のように巡らせるのだった。

映画『鶴は翔んでゆく』のあらすじ【転】

ヒョードルが働くシベリアの病院に、マルクとヴェロニカもやってくる。病院の寮で、ヴェロニカは相変わらず郵便を待ち続けていた。幽霊のように生気がなくなった彼女が、マルクとの過ちを悔いない日はない。そんな妻に、マルクは愛想が尽きていた。上司にそそのかされ、ヴェロニカの大事なリスのぬいぐるみを、他の女のプレゼントとして包んでしまう。

ヴェロニカは病院の看護を手伝っていた。ある時、兵役の最中に許嫁に逃げられたという男が、悲痛に悶えて暴れ出した。駆けつけたヒョードルは、彼を慰めるために許嫁を罵る。戦地へ赴いた勇敢な兵を待てない軽薄な女など、軽蔑に値する、と。自分に向けられた言葉のようで、ヴェロニカは耐えきれずに病院を飛び出す。橋の上から身を投げようとしたところ、車に轢かれそうになった少年を助けたことで、自分も命拾いする。さらに、少年はボリスと名乗った。導かれているような気分で、ヴェロニカはボリス少年を連れて帰る。

リスがなくなったことに気づいたヴェロニカは、ボリスがこっそり通っているという、賑やかなホームパーティへと向かう。着いた頃には、ぬいぐるみの中に隠されていたボリスからの手紙まで発見されていた。ヴェロニカはそれらを取り返し、一途な想いが綴られた文章に目を通す。それからマルクを殴りつけると、その場を去っていく。

映画『鶴は翔んでゆく』の結末・ラスト(ネタバレ)

ヒョードルの元に、マルクの上司がやってくる。彼はヒョードル名義でマルクの兵役免除を融通したらしく、その見返りを要求する。マルクの勝手に憤慨したヒョードルは、彼を追い返す。

卑怯な手で兵役から逃れたマルクを、ヒョードルは家から追い出す。ヴェロニカはそれよりも先に家を出ようとするが、親切なヒョードルに引き止められる。

ボリス少年は、ヴェロニカを母のように慕っていた。ある日訪ねてきた兵に、親子かと聞かれたので、ヴェロニカはそうだと答える。彼は、ボリスが戦地で撃たれ、埋葬にはステファンが立ち会ったことを告げる。だがヴェロニカは、ボリスは負傷しただけかもしれないと、彼の死を信じようとしない。

戦争は勝利に終わり、町は帰還兵と歓迎する人々でごった返していた。ヴェロニカは花束を抱えて、帰ってくるはずのボリスを探し回す。だがステファンと遭遇し、ボリスの死が確かであることを知る。祝福のムードの中、ヴェロニカは泣きじゃくりながら彷徨う。

あるひとりの紳士が、ヴェロニカを優しく呼び止める。遠くから、命を落とした者を追悼するスピーチが聞こえ、何よりも平和を願う言葉が、ヴェロニカの心に響く。紳士は、花を分かち合うように促す。ヴェロニカは泣くのをやめて、すれ違う人々に花を分け与えるのだった。見上げた空を、鶴の群れが翔んでいる。

映画『鶴は翔んでゆく』の感想・評価・レビュー

昨日までのつまらん形式は破綻した、今日からこれが映画だ、と言わんばかりのセンセーショナルな映像であった。カメラは遥か頭上から俯瞰し、ぐるぐると回り、激しく上下に振られ、画を斜めに切り取る。縛られていた自由を、これでもかというほど謳歌しているようだ。おまけにヴィヴィアン・リーを思わせる天性の美女、タチアナ・サモイロワがなんとも愛らしい演技をする。撮影とキャストの呼吸が揃い、絶妙な躍動を見せ、解放の時代に共鳴したのだろう。(MIHOシネマ編集部)


女性の目線で描かれた戦争映画。戦争によって人生を狂わされるのは、戦地に向かった兵士だけでは無いのだと思い知らされました。
私だったら帰ってくるか分からない恋人のことを待ち続けることができるだろうか?その間に両親が亡くなったら心を保つことができるだろうか…?などと同じ女性の目線で戦争を感じることが出来たのでとてもリアルで心を揺さぶられました。
全てが戦争のせいなのだと思います。しかし、苦しみや悲しみの中に手を差し伸べてくれる人、助けてくれる人がいる事がどれほど幸せなことなのかを強く感じました。(女性 30代)

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