映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』の概要:1950年代から60年代にかけてテレビで放送された人気SFドラマを、1983年にスピルバーグなど4人の監督がリメイクしたオムニバス・ファンタジー映画。名監督の独創的な演出を一度に楽しめる作品だ。
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』の作品情報
上映時間:101分
ジャンル:ファンタジー、ホラー
監督:ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー
キャスト:ダン・エイクロイド、アルバート・ブルックス、ヴィク・モロー、スキャットマン・クローザース etc
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』の登場人物(キャスト)
- 助手席の男 / 救急車の運転手(ダン・エイクロイド)
- プロローグの主人公。男(アルバート・ブルックス)が運転する車の助手席に座って「ミッドナイト・スペシャル」を熱唱。テレビドラマ「トワイライトゾーン」の話題で盛り上がる。
- ビル・コナー(ヴィック・モロー)
- 第1話の主人公。ユダヤ人、黒人、東洋人を毛嫌いする人種差別主義者。ある夜に突然、自分だけが異世界に入り、ナチスやKKK(クー・クラックス・クラン)から追われる立場となる。
- ブルーム(スキャットマン・クローザース)
- 第2話の主人公。老人ホームで暮らす元気のない老人たちに、缶蹴り遊びをさせる謎の老人。缶蹴りをした老人たちは子供の姿に戻るという、摩訶不思議な経験をする。
- ヘレン(キャスリーン・クインラン)
- 第3話の主人公。偶然に出会った少年アンソニーに自宅に招かれるが、彼の家族との奇妙な交流をするうちに、アンソニーが超能力者であると気付く。
- アンソニー(ジェレミー・ライト)
- 超能力少年。モンスターをいとも簡単に出没させることができるが、自分の感情を抑え切れずに力を暴走させてしまう。
- ジョン・ヴァレンタイン(ジョン・シルゴー)
- 第4話の主人公。大の飛行機嫌いなのに搭乗し、落ち着かない態度で周りの乗客から迷惑がられる。エンジンの上で魔物を見ても信じてもらえず、大騒動に発展する。
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』のあらすじ【起】
「プロローグ」(監督:ジョン・ランディス)
真夜中にドライブ中の2人の男。お気に入りの曲「ミッドナイト・スペシャル」を歌うなどして車中で騒いでいた。テレビドラマ「トワイライトゾーン」の話題で懐かしんでいると、助手席の男が「本当に怖いものを見せよう」と言いながら変身。モンスターになって運転手に襲いかかった。
第1話 「偏見の恐怖」(監督:ジョン・ランディス)
街の酒場。ビル・コナーはしかめっ面で酒を飲んでいた。ユダヤ人に先に昇進されたことが不満で悪態をつき、黒人や東洋人を罵るなど差別発言が止まらず、同席の友人から呆れられる。苛立ちながら酒場を出たビルは、戦時中のように変わり果てた周りの景色に愕然とする。ナチス兵に追われて銃撃を受け、2階から飛び降りた瞬間に別の世界に移動した。
移動したのは森の中。ビルは「ニガー」と呼ばれながら白い覆面のKKKに囲まれ、首を吊られようとしていた。どうにか逃げ切ったと思ったら、次はベトナム戦争の密林へ。アメリカ兵からベトナム民兵と間違われて激しい攻撃を受ける。
爆発の衝撃でナチス時代に逆戻りしたビルは、ユダヤ人として移送トラックに乗せられた。窓の外に現代の世界にいる友人を見つけて助けを求めるが、彼の声が友人に届くことはなかった。
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』のあらすじ【承】
第2話 「真夜中の遊戯」 (監督:スティーブン・スピルバーグ)
老人ホーム「サニーベール」。息子家族と暮らしたいと願うが叶わず寂しく過ごす者や、年のせいで体が動かないと決め付けて外出もしない者など、くたびれた老人たちが暮らしていた。
新しい入居者のブルームは、年など関係ないという考えの持ち主。「さあ、缶蹴りで遊ぼう!」と老人たちを誘う。危険だし規則違反だからと断る彼らだったがブルームは諦めることなく、子供心を取り戻すチャンスだから夜中に庭に集まろうと呼びかけた。
深夜。ブルームに叩き起こされて老人たちは庭に集合。ピカピカに磨かれた空き缶で缶蹴りを始めると、いつの間にか老人たちが子供の姿に逆戻り。元気と笑顔いっぱいに走ったりダンスをしたり、思う存分に体を動かして遊んだ。
しばらくすると、老人たちは元の姿に戻りたいと希望。ひとりの少年を除き、元の老人に戻った。気持ちが若くなった彼らは以前とは別人に。積極的に外出するアクティブな老人に変わった。役目を終えたブルームは、次の老人ホームを訪れるのだった。
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』のあらすじ【転】
第3話 「こどもの世界」 (監督:ジョン・ダンテ)
教師のヘレンは平凡な人生に飽き飽きしていた。ドライブ中に立ち寄った店で、ひとりぼっちでゲームに興じる少年アンソニーに会い、家まで送ることに。
ヘレンは彼の家族を紹介されて、夕食のピーナツバーガーをご馳走になる。ヘレンはこれでは栄養が足りないと指摘すると、家族はアンソニーの顔色を見ながら怯え始めた。
アンソニーは帰ろうとするヘレンを引き留めようと、叔父に手品をやれと言う。叔父はアンソニーに言われた通りに、帽子からウサギのモンスターが飛び出す手品を披露。満足げなアンソニーだったが、自分の思い通りにならなくなるとイライラを募らせる。姉のエセルに悪口を言われたと思い込むと彼女をテレビマンガの世界へと送り込み、魔物に食べさせるのだった。
アンソニーの正体は超能力者であった。家族は全て赤の他人で、自分のいいなりになるよう支配していたのである。怒りで力を暴走させるアンソニーだったが、ヘレンが毅然とした態度で向き合ったことで、彼の怒りは収まった。ヘレンは彼の教師になることを決意。いつまでも離れないと約束し、2人で旅立つのだった。
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』の結末・ラスト(ネタバレ)
第4話 「2万フィートの戦慄」 (監督:ジョージ・ミラー)
旅客機の中。飛行機が苦手でトイレに籠っていたヴァレンタインは、客室乗務員に促されて席に戻った。煙草に火を点けようとすると、隣の女の子から機内は禁煙だと注意される。
やがて悪天候となり、ヴァレンタインはますます不安に。ふと窓の外を見ると、右翼のエンジンに何かがしがみ付いているのを見て大騒ぎする。他の乗客には見えず、彼は頭がおかしくなったと思われた。
飛行機は大きな落雷を受け、エンジンの1つが損傷。残りの3基で飛行を続けることになった。ヴァレンタインが再び外を見ると、エンジンを破壊するモンスターの姿をはっきり目撃。窓に向けて発砲する。ガラスが割れて機内が大混乱となる中、ヴァレンタインは窓に挟まりながらモンスターと対決。モンスターは空の彼方へ飛び去った。
飛行機はどうにか着陸する。ヴァレンタインは拘束衣姿で救急車に乗せられた。警察がエンジン部分に異物の痕跡を発見している頃、救急車の運転手(プロローグの助手席の男)は「ミッドナイト・スペシャル」のテープを流しながらヴァレンタインの方を振り向き、「もっと怖い思いをしたいか?」と問いかけるのだった。
映画『トワイライトゾーン 超次元の体験』の感想・評価・レビュー
異次元の世界の恐怖を描き、人気を博したテレビシリーズ「トワイライトゾーン」の映画化。スピルバーグなど当時売れっ子の若手監督たちを起用し、独創的な演出を一度に楽しめる意欲作だ。第1話の主人公を演じたヴィック・モローが本作撮影中に事故死したことでも知られている。
1950年代から60年代の異次元に対するイメージを知ることができ、何となく懐かしい気持ちになれる。物語の先を読めるものの、今見ても十分楽しめる内容だった。2019年にもテレビシリーズがリメイクされており、比べて見ても面白そうだ。(MIHOシネマ編集部)
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