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映画『嘘を愛する女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『嘘を愛する女』の概要:実話に基づく物語を映画化。5年を共に暮らした恋人が突然の病で意識不明に陥る。ヒロインは警察から、彼の名前と経歴が偽りであったことを知らされ愕然とするが、恋人の過去を知るべく探偵と共に調査へと乗り出すのであった。

映画『嘘を愛する女』の作品情報

嘘を愛する女

製作年:2018年
上映時間:117分
ジャンル:ラブストーリー
監督:中江和仁
キャスト:長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈 etc

映画『嘘を愛する女』の登場人物(キャスト)

川原由加利(長澤まさみ)
食品会社の製品開発部に所属しているやり手のキャリアウーマン。東北大震災の折、桔平と出会い恋人関係になる。プライドが高く我儘。
小出桔平(高橋一生)
経歴や名前を偽り、由加利の恋人として暮らしていた男。高慢で我儘な由加利と5年も共に暮らし、家事の一切を行っていた。本名は安田公平。広島にて真面目で優秀な外科医だった。穏やかで心の広い性格。
海原匠(吉田鋼太郎)
由加利の同僚の伯父で探偵業を営んでいる。妻の浮気のせいで娘が本当に自分の娘か口論となり、離婚してしまう。行動力と忍耐力はあるが、直截的な物言いをするのが玉に瑕。
木村(DAIGO)
海原の助手。主にネットワークや端末操作を担当している。長髪でオタク気質だが、人当たりは良く真面目。
心葉(川栄李奈)
由加利が住むマンション近くのファミレスで働いている。桔平に恋をしており、由加利に対して敵愾心を剥き出しにしてくる。

映画『嘘を愛する女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『嘘を愛する女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『嘘を愛する女』のあらすじ【起】

2011年3月11日、東北大震災があった日。地下鉄は酷く混雑し、川原由加利は気分が悪くなり避難にて人々がごった返すホームで蹲っていた。そんな彼女を気にかけ、介抱してくれたのが心臓外科研究室所属の研究医、小出桔平という青年だった。このことがきっかけになり、2人は交際を開始。やがて同棲するに至る。

5年後、食品会社の製品開発部に所属している由加利はウーマンオブザイヤーに選ばれる。仕事も順調で恋人との結婚を考え始めたある日、田舎から出て来た母親に桔平を紹介しようと待ち合わせをしていたが、待てど暮らせど彼はやって来ない。
傷心しつつ自宅へ戻った由加利だったが、自宅にも桔平は戻っておらず。不貞腐れて寝ようとしたところへ、警察が訪ねて来る。

刑事曰く、桔平がくも膜下出血で倒れ病院へ搬送されたとのことだが、彼の名前が小出桔平ではないということが判明。由加利は彼から聞いていた話を全て警察に述べるも、それら全てが偽りだと言われる。彼女は疑心暗鬼となり桔平が働いていた研究所を訪れるも、小出という人物はいないと言う。やはり、小出桔平と名乗った男は、自分の経歴を偽っていたのだ。

そこで、由加利は桔平がどこの何者であるかを、探偵である海原匠へ依頼することにした。海原は由加利の同僚の伯父である。同僚には依頼のことを秘密にして欲しいと頼んだ。
探偵は早速、周辺の聞き込み調査を開始。彼の助手である木村はネットワーク担当で、監視カメラ映像の調査を行った。

すると、マンションのポストを勝手に開けている若い女、心葉を発見。彼女は近くのファミレスで働いており、桔平のことも覚えていた。話によると桔平はそのファミレスで、PC端末を前に仕事をしていたと言う。由加利は桔平の荷物からコインロッカーのカギを発見し、その中から端末を入手。木村の手腕により中身を見ることができたが、中身は彼が書いたと思しき小説と2010年9月20日という日付だけが入っていた。

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映画『嘘を愛する女』のあらすじ【承】

桔平が書いていた小説を読んでいるうちに寝過ごしてしまった由加利。慌てて出社したが、プレゼンには間に合わず。手柄は同僚が得てしまいその上、長期休暇を言い渡されてしまう。
肩を落としながら探偵事務所へ向かうと、木村が小説からヒントを得て調査を進めている。

その後、由加利は意識不明の桔平の元へ向かった。すると、そこには心葉が来ており桔平の髭を剃ってくれていたが、由加利に対して敵愾心を剥き出しにしてくる。由加利は腹を立て、探偵事務所へ戻り小説内に書かれている場所で、実際にあるいくつかの灯台を見て回ることにした。

あちこちを夕方まで回り、四国の大島にまで足を伸ばした由加利。あとは島の家々を回り手がかりを探すしかない。そうして、彼女はその日最後の1軒である居酒屋へ入った。酒を飲みつつ愚痴をこぼした彼女。飲み潰れてそのまま居酒屋に泊ってしまう。
翌朝、店の常連と思しき漁師から、桔平と思われる男が島にいたらしいという話を聞いた。

その日のうちに海原に連絡を入れて合流。四国の島々を回り灯台と手がかりを探す。そうして、3日後。とうとう小説に書かれている宝物を発見。中には子供が大事にするおもちゃが詰まっていた。確かに彼はここにいたのだ。

映画『嘘を愛する女』のあらすじ【転】

4日目。港の漁師から桔平らしき男が働いていたことを聞き出した海原と由加利。漁協組合へ話を聞きに行こうとしたが、由加利の様子がおかしい。彼女は気落ちしてしまい、話を聞きに行こうとしない。調査をしないなら帰ろうと言う海原と由加利は口論となってしまい、探偵は依頼人を置いて去ってしまうのであった。

由加利は桔平と交際するきっかけを思い出しつつ、徒歩にて道を進む。家事が苦手だった彼女は、桔平に家事を頼み共に暮らしていた。由加利は仕事が忙しく、プライドも高く我儘。それなのに桔平は5年もの間、彼女を支え我儘を聞いてくれていたのだった。
これまでの生活を思い出し、意識不明となった彼の姿を思い浮かべた由加利は自分の言動を反省し、海原の元へ。頭を下げて再び行動を共にするのである。

島には7、8年前までいたようで、桔平はそこでトシと名乗っていた。仕事をクビになり酒で潰れるという荒んだ生活を送っていたらしい。住んでいた部屋を突き止め、その後は造船所へ勤めたというので、そこへ向かった2人。トシという人物がまだいるらしいと聞き、彼と会うことができたが、桔平とは似ても似つかない赤の他人だった。漁協で働いていたのも、彼だったらしい。由加利は思わず、笑ってしまった。

港で途方に暮れていた探偵と依頼人だったが、先ほどのトシという人物が追いかけて来る。彼が言うには、震災の前の年に恐らく同じ人物を探して広島の警察がやって来たと言うのだ。新たな手がかりに飛びついた2人。急いで戻ろうとしたが、ここで車がパンク。足止めを食らってしまう。だが、由加利は諦めきれずに車を動かそうと奮闘。その時、木村の方で調べがつき過去の新聞記事がメールにて送られてくる。お陰で桔平の本名と過去が判明した。

映画『嘘を愛する女』の結末・ラスト(ネタバレ)

桔平、本名安田公平は6年前、広島にて医師をしていたが、妻と幼い子供が自宅にて無理心中を図り亡くなっていた。安田公平は以降、行方不明となっている。
一路、海原と由加利は広島へ。安田公平が住んでいた家を訪ねた。そうして、近所の人から安田一家の話を聞く。

公平は非常に優秀な外科医だったが、真面目が過ぎる性格だった。そのせいで、家庭を顧みず仕事に打ち込んでしまい、妻が心を病んでしまう。そして、豪雨が降るある夜、妻は幼い子供を浴室にて殺害。その後、道路へ飛び出して公平の目の前で自殺を図り、亡くなってしまうのである。真面目過ぎる性格であった公平にとって、その凄惨な出来事はどれほどに彼を苦しめたのだろうか。

由加利は戸惑いつつも桔平の過去と対峙するべく、自宅の中へ足を踏み入れた。中は当時のまま時が止まっている。だが、家に残されていた家族写真には女児が映っていた。小説では夫婦の間に産まれた子供は男児である。そこで海原が小説の内容を改める。すると、そこには由加利にしかない特徴が書かれていた。

小説は桔平が由加利との未来を想像し、幸せな家庭を築く様子が書かれていたのである。由加利は彼の過去を思いそして、共に過ごしてきた時を思い、一目散に彼の元へ帰るのであった。

意識不明に陥り人工呼吸器を装着した桔平の手を握った彼女は、これまで自分がしてきたことを語り真摯に謝った。そして、彼が目覚めた後のことを泣きながら語る。子供は女の子と男の子の2人欲しい、温泉に行ってゆっくり過ごしたい。2人で幸せな家庭を築きたい。泣きながら必死に言い募るも、彼が目を覚ますことはなかった。

そうして季節は巡り、桜が満開を迎えた春。由加利が寝たきりの桔平の世話に慣れた頃、とうとう彼は意識を取り戻す。桔平は傍に付き添う由加利の姿を目にし、眦から涙を零して弱々しく手を握り返すのであった。

映画『嘘を愛する女』の感想・評価・レビュー

5年も同棲していた相手が、実は偽名で仕事も偽っており、どこの誰かも分からない人物だったという始まり。ヒロインは病で意識不明になった恋人に対し、近寄ることもできなくなる。それなのに、嫉妬心だけはある。複雑な心境をヒロイン演じる長澤まさみが見事に演じ切っている。

恋人の過去を調べることで、倦怠期を迎えていた2人の関係が新たに見直され、ヒロインは愛情を取り戻していく。最終的にはハッピーエンドだったが、アンハッピーに終わる可能性もあったと思われ、そこはヒロインの愛情を汲んだ結果なのかと夢を感じさせる作品。(MIHOシネマ編集部)


ラブストーリーかと予想していたが、ミステリーのような要素も多く、予想とは違いました。ヒロインが気の強いタイプで、自分は性格上あまり共感できなかったが、徐々に彼への気持ちが深まっていく姿は素敵でした。
ずっとそばにいても相手の知らない部分はたくさんあって、長いつきあいの人ほど、相手のことを知ろうとする気持ちを忘れないことは大切なのだなと気づかされました。恋人と倦怠期を迎えた時や、新鮮さを忘れそうになった時には、またこの映画を観返したいと思います。(女性 20代)


本作は、くも膜下出血により昏睡状態となった恋人が名前や職業を偽っていたことを知った女性が、彼の真の姿を突き止めようと奮闘する様子を描いたラブストーリー作品。
恋人が嘘をついていたと知ったら自分ならショックで突き放すけれど、気の強いキャリアウーマンの主人公は恋人への愛を深め、愛する人を守っていこうとする姿が素晴らしかった。
ただ、彼が身分を偽った動機はもっと深く知りたかった。
愛を忘れかけた時に見直したい。(女性 20代)


大切で大好きな人の全てが「嘘」だった時、あなたならどうしますか?嘘だと知っても愛し続けられますか?
友人に勧められて鑑賞したこの作品。自分の身の回りで起きている全てのことを疑ってしまうような衝撃的な作品でした。
5年間同棲している彼の全てが嘘だった。そんなことありえないと思いたいですが、この作品は実話ベースだそうです。大好きな恋人について知っていることが嘘だとしたら…。考えるだけで悲しくなりますが、嘘をつかなければならなかった理由を知っていくうちに、かなり共感してしまいました。大切な人のことをもっと知りたいなと思います。(女性 30代)


序盤の話の流れに興味をそそられ、最後まで魅入りました。新聞記事から発想を得て作られたと知り、妙に納得しました。どんなに親しくなろうとも、決して言えない過去の一つや二つあるものではないでしょうか。嘘と一口に言っても保身のため、相手に配慮して、悲しい過去を忘れるためなどいろんな嘘があるのでしょう。なぜ嘘をつくのか考えることで、真実が見えてきそうです。長澤まさみの演技に脱帽しました。喜怒哀楽、感情の揺らぎが繊細かつダイナミックです。(女性 30代)


なんとも言えないラブストーリー。これがいい話なのか泣ける話なのかも疑問である。しかしつい観てしまうのは、キャストの良さとどことなく惹かれる全体の雰囲気だろうか。愛し合っていた恋人が実は名前も何かも偽っていたという一見サスペンスのような物語。サスペンスとして振り切った方が面白かったのではないだろうかとも思うが、これはあくまでラブストーリー。個人的にどうしても気になってしまうのは由加利の性格である。あまりにも身勝手で不愉快にすら思える程。これがなければもう少し感情移入できたかもしれない。(女性 20代)

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