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映画『バニラ・スカイ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『バニラ・スカイ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『バニラ・スカイ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『バニラ・スカイ』の結末までのストーリー
  • 『バニラ・スカイ』を見た感想・レビュー
  • 『バニラ・スカイ』を見た人におすすめの映画5選

映画『バニラ・スカイ』の作品情報

バニラ・スカイ

製作年:2001年
上映時間:137分
ジャンル:サスペンス
監督:キャメロン・クロウ
キャスト:トム・クルーズ、ペネロペ・クルス、カート・ラッセル、キャメロン・ディアス etc

映画『バニラ・スカイ』の登場人物(キャスト)

デヴィッド(トム・クルーズ)
出版社の社長で若き大富豪。自由奔放な性格で、その性格は激しい女遊びなどに反映されている。
ソフィア(ペネロペ・クルス)
田舎からマンハッタンへと夢を追い越してきた女性。明るく優しい心を持っている。
ジュリー(キャメロン・ディアス)
デヴィッドのガールフレンド。奔放なデヴィッドの女性関係に嫉妬している。
マッケイブ(カート・ラッセル)
デヴィッドの精神科医。心を閉ざし真実を語らないデヴィッドに真摯に向き合い、事件の真相を明かそうと試みる。

映画『バニラ・スカイ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『バニラ・スカイ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『バニラ・スカイ』のあらすじ【起】

マンハッタンの豪邸に住む出版社社長のデヴィッドは、その華やかな生活とは裏腹に、いつも孤独な夢を見ていた。それは誰もいない街をただ一人彷徨っているという内容の夢。

「それは心象風景の表れだ」とデヴィッドの精神科医マッケイブは分析する。デヴィッドは現在、殺人の容疑で刑務所に収監されている。その顔にはカーボン製のマスクが着けられており、彼の素顔は見えない。デヴィッドは事件までのあらましを語り始めた。

デヴィッドは父から継いだ会社を軌道に乗せ、若くして巨万の富を手に入れ、若きガールフレンドのジュリーと共に優雅な暮らしをしていた。そんなある日、デヴィッドの誕生日パーティーに友人の連れでやってきたソフィアに彼は心奪われる。

互いに惹かれ合っていく二人。デヴィッドとの関係はただの遊びだと割り切っていたジュリーだったが、田舎からやってきた素朴なソフィアに次第に嫉妬心を募らせていく。

ある夜、デヴィッドとソフィアは彼女の部屋で夜を明かす。再び会う約束をしてデヴィッドは部屋を出たが、そこに彼の後を尾行していたジュリーが現れる。

彼女の運転する車の助手席に乗り込むデヴィッド。ジュリーは自分がどれだけデヴィッドを愛しているかを滔々と語り始める。その様子に不穏なものを感じたデヴィッドは彼女を刺激しないようなだめるが、取り乱したジュリーが心中を図り、二人の乗る車は橋から落下する。

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映画『バニラ・スカイ』のあらすじ【承】

事故によりジュリーは死亡。一命を取り留めたデヴィッドだったが、その顔は傷によって大きく歪んでしまう。

デヴィッドは変わり果てた自分の姿を嘆き、その顔を隠すためマスクを着けて生活するように。やがてソフィアに会いに行く決心をしたデヴィッド。ソフィアは変わり果てた彼の顔を見ても変わらず接してくれた。

ある夜、友人とソフィアの三人でクラブへと向かうデヴィッド。「不気味だからマスクは外せよ」という友人の忠告を無視し、酒に酔ったデヴィッドは傍若無人に振る舞う。気分を害した友人とソフィアは彼の元を去る。一人残されたデヴィッドは酔いつぶれ、路地裏で眠りにつく。

翌朝「目を覚まして」というソフィアの声で目覚めるデヴィッド。そこには心配そうに顔を覗きこむソフィアの姿が。ソフィアは「正直に言うと、はじめはあなたのルックスに惹かれていた」と告げる。しかし、顔が変わってしまっても変わらず彼を支えていこうと決意するソフィア。二人は恋人として幸せに暮らし始める。

映画『バニラ・スカイ』のあらすじ【転】

ある日、主治医によって整形手術を受けるデヴィッド。術後、まだ恐怖からマスクを外せずにいる彼の代わりにソフィアがそのマスクを外す。そこにはかつての美しい彼の顔があった。

ある夜、寝室で愛し合う二人。ふと電気を点けると、そこにいたのはソフィアではなく死んだはずのジュリーだった。さらに彼女は自らをソフィアだと名乗る。混乱したデヴィッドはジュリーがソフィアをさらったのだと思い、ジュリーに暴行を加え、逮捕される。

間もなく釈放されたデヴィッドだが、家に戻ると、ソフィアの写真などがすべてジュリーの姿に変わっており、ソフィアの痕跡がすべて消え去ってしまっていることに戸惑う。さらに何者かにつけ狙われているような感覚に陥っていく。

数日後、再び姿を現したソフィアにデヴィッドは安堵する。二人はそのまま愛し合うが、途中でその顔はジュリーに入れ替わってしまう。混乱したデヴィッドはその場でジュリーを窒息死させてしまう。しかし、そこで死んでいたのはソフィアだった。

事件の顛末を聞き終えたマッケイブは、デヴィッドのそれは一時的な錯乱であり、情状酌量の余地はないと判断する。その時デヴィッドが「エリー」という名前を口にする。エリーこそが、この事件の真相を解くカギだった。

映画『バニラ・スカイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

エリーは会社の名前であり、マッケイブと共にエリーを訪れるデヴィッド。エリーは「リアルな夢」を顧客に提供するサービスを展開しており、デヴィッドはその顧客だった。実はデヴィッドは今まで、彼自身の夢の中にいたのだった。

本来のデヴィッドはクラブの夜、友人とソフィアに見放され、絶望感から命を絶ってしまう。命を絶つ直前にエリーの存在を知った彼は、エリーに申し込んだ後に自殺した。翌朝ソフィアに起こされた瞬間から、彼の「リアルな夢」が始まっていたのだった。

真相を知り愕然とするデヴィッド。恐る恐るマスクを外すと、そこには傷だらけの醜い顔があった。

そこに、ここ数日の間デヴィッドをつけ回していた謎の男が現れる。彼はエリーの職員で、夢の補修をする係員だった。彼に言わせると、ソフィアとジュリーが入れ替わったのは、夢にバグが生じたからなのだという。

エリーの職員はデヴィッドに選択を迫る。このまま夢の中で生き続けるか、それとも本来の人生に戻るか。実は彼の遺体は冷凍保存されており、蘇生は可能なのだという。

屋上の淵に立ち、思い悩むデヴィッド。現実の彼は醜い顔のまま、孤独に暮らしていくことになる。しかしデヴィッドは現実世界へ戻ることを決断する。屋上から飛び降りるデヴィッド。やがて意識が途切れていく。

朦朧とした彼の意識の中に「目を覚まして」と言うソフィアの声が響く。

映画『バニラ・スカイ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

何度か見ても訳がわからないような類の作品である。不思議な気分にさせられ、投げかけでラストを迎えるストーリーには一定数ファンがいるだろう。私もその一人である。
設定的には、近未来で実際に起こりそうな、もしくはもう既にこのような実験が行われているかもしれないというワクワク感と不安感が入り混じる。
全てを手にしていた男の悲しい現実は、理不尽な理由を発端にするが、美というものの概念を考えさせられた。人は外見じゃないとは綺麗ごとに過ぎない。不慮の事故で美しい外見を失った絶望感を描くには、不動のイケメン、トム・クルーズがぴったりである。たまに、空を見上げてバニラスカイを思い出す。そんな作品。(女性 30代)


全体的に不思議な空気感が漂っていて、最初の方はトム・クルーズ演じる主人公がナルシストすぎて入り込めなかったのですが、現実世界と虚構の世界について、後半どんどん明かされていく真実が面白かったです。ペネロペ・クルスも透明感があって、ひたすら可愛いです。
ストーリーは単純明快ではなく、少し難解な部分もあるので何回も繰り返し観れる作品です。新しい自分に生まれ変わる彼のラストシーンは切なくて、心がぽっかりするような余韻に浸れます。(女性 20代)


ルックス良し、お金持ちで不自由なく育った男が事故に遭います。生活もままならない姿になり、プライド・メンタルはボロボロ。取り返しのつかない状況がとても観ていられなかったです。そして辛い気持ちを引きずったまま、現実と夢が混ざり合う展開に移ります。デヴィッドは何をしたのか、ソフィアは…展開についていけず非常に混乱してしまいました。最後はついに真実が見えましたが、正直怪しい。警備員は本物なのか、150年の眠りの間に創り出した人物ではないのか、考察を楽しみたい作品です。(男性 20代)


辛い現実に蓋をして極上の夢の中に逃げる…夢と現実が交錯して理解するのが難しいですが、不穏でミステリアスな雰囲気に飲み込まれていく不思議な作品です。その独特な空気感に、謎が謎を呼ぶ展開に目が離せなくなり何度も見たくなります。さらに豪華なキャストにも注目!主役のトム・クルーズにペネロ・ペクルス、キャメロン・ディアスとキャストを聞いただけでも見たくなる顔ぶれです。果たしてデイヴィッドは現実に戻れるのかどうか、彼の行く末は見る側に投げかけて終わるラストもミステリアスな雰囲気にマッチしていて、とても良かったです。(女性 30代)


俳優陣が豪華な映画で、特にキャメロン・ディアスの今までのイメージを覆すシリアスで鬼気迫る演技が素晴らしいです。一方、狂っていく演技にあまり入り込めなかったので、主演はトム・クルーズでなくても良かったかも……と思ってしまいます。
ストーリーは難解で、集中して観ないと中盤から分からなくなります。疲れている時にはおすすめしません。ただ、難解さのわりにはラストが腑に落ちず、中途半端な印象です。(女性 30代)


夢と現実の境界が曖昧になっていく感覚が、観ていて本当に不安定で不思議な体験でした。主人公デヴィッドの心理状態が徐々に崩れていく描写と、それに合わせて物語のトーンもどんどん変化していく構成がとても秀逸です。最後にすべてが明かされる瞬間、「そういうことだったのか」と驚きと納得が同時に来ました。ペネロペ・クルス演じるソフィアの存在が幻想的で、彼の理想そのものだったのも印象的。切ない恋愛映画でもあり、深い哲学も感じられる作品でした。(20代 男性)


最初はただの恋愛映画かと思って観ていましたが、途中からサスペンスやSFの要素が加わり、最後には全く違う作品になっていて驚きました。整形手術の失敗で人生が一変し、彼が体験している世界が実は仮想現実だったという展開は衝撃的。ルシッド・ドリームの設定は突飛に感じる部分もありましたが、人生の選択や自己認識について考えさせられました。映像美も素晴らしく、トム・クルーズの演技がとてもリアルで胸に残ります。(30代 女性)


原作の『オープン・ユア・アイズ』を観たあとに本作を鑑賞しましたが、アメリカ版ならではの豪華さや演出の洗練度が印象的でした。とはいえ、オリジナルと比べて感情の描写がやや淡白に感じた点もあります。特に、デヴィッドとソフィアの関係性がもっと掘り下げられていれば、ラストの選択がより感情的に響いたのではと思います。それでも「夢を生きること」と「現実を受け入れること」の対比は非常に深く、記憶に残る作品でした。(40代 男性)


映像と音楽のセンスが抜群で、特にレディオヘッドの「Everything In Its Right Place」が流れるシーンには鳥肌が立ちました。終盤で現実と夢の境界が崩壊し、真実が明かされる展開は少し難解ながらも、物語の核心をうまく突いていたと思います。キャメロン・ディアスの演技が思いのほか強烈で、愛に狂う女性を見事に演じていました。現実逃避と向き合う重さがずっしりと響く、後味の深い映画でした。(30代 男性)


人生の選択を間違ったとき、人はどうやってやり直すのか――そんな問いを投げかけられた気がしました。映画の前半と後半でまるで違うジャンルのように感じられる構成が、主人公の混乱をよく表していたと思います。特にソフィアとジュリー、二人の女性の対比が見事で、どちらが現実でどちらが幻想なのか最後まで悩まされました。難解だけど、もう一度観たくなる魅力があります。(20代 女性)

映画『バニラ・スカイ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『バニラ・スカイ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

オープン・ユア・アイズ

この映画を一言で表すと?

『バニラ・スカイ』の原点!記憶と現実のねじれが深層心理をえぐる、スペイン発の傑作サスペンス。

どんな話?

ある日、事故で顔を大きく損傷した青年が、奇妙な夢と現実の境界をさまようようになる物語。彼の人生に何が起きたのか、なぜ現実が歪んでいくのか——次第に真実が明かされていく心理サスペンスです。バニラ・スカイとほぼ同じプロットですが、より素朴でリアルな空気感が魅力。

ここがおすすめ!

トム・クルーズ主演の『バニラ・スカイ』はこの作品のリメイク。より内省的で静謐な雰囲気が漂い、ラストの余韻も深く、対比しながら観ると2倍楽しめます。ペネロペ・クルスが両作に登場しているのもポイント。元祖の完成度をぜひ体感してください。

インセプション

この映画を一言で表すと?

夢の中で夢を見る、意識の迷宮を旅するスリリングなSFアクション大作。

どんな話?

他人の夢に潜入し、情報を盗み取るプロフェッショナルたちが、今度は「アイデアを植え付ける」というミッションに挑む物語。主人公の心理と過去が複雑に絡み合い、夢と現実の境界が崩れていく中で、観る者もその世界に引き込まれていきます。

ここがおすすめ!

視覚的にもストーリー的にも圧巻の一作。夢の構造や記憶との向き合い方など、『バニラ・スカイ』と共通するテーマが多く、難解ながらも感情に訴えてくる展開が見どころです。レオナルド・ディカプリオの名演にも注目です。

エターナル・サンシャイン

この映画を一言で表すと?

記憶を消しても、心が覚えている愛を描く、切なくて美しい恋愛SF。

どんな話?

恋人との辛い別れをきっかけに、記憶消去手術を受けた主人公。だが、消されていく記憶の中で再び彼女への想いを取り戻していく——という逆再生のような時間軸で進行する、愛と記憶の物語。

ここがおすすめ!

物語の構造がユニークで、映像表現もとても創造的。ジム・キャリーのシリアスな演技とケイト・ウィンスレットの存在感が抜群で、ただの恋愛映画にとどまらない奥深さがあります。記憶、喪失、再生に心を動かされるはず。

ミスター・ノーバディ

この映画を一言で表すと?

無限に枝分かれする人生の「もしも」を壮大に描いた、映像詩のような映画。

どんな話?

2092年、人類最後の死を迎える人間となった118歳の男ニモが、自分の過去を回想する中で、複数の「選ばなかった人生」を語り出す。一つの選択がすべてを変える——そんなテーマを多層的に描いた作品。

ここがおすすめ!

圧倒的な映像美と哲学的な物語構造が融合し、『バニラ・スカイ』のように観る者の感情と思考を刺激します。ジャレッド・レトの多面的な演技も素晴らしく、「選択の重さ」や「運命」の概念に深く入り込んでいける映画です。

ドニー・ダーコ

この映画を一言で表すと?

時間と精神の境界で揺れる、ダークで幻想的な青春SFスリラー。

どんな話?

思春期の少年ドニーが、ある夜謎のウサギに導かれ、「世界が終わる日」のビジョンを見せられる。そこから彼の周囲で奇妙な現象が起こり始め、彼の精神と時間の感覚が徐々に崩壊していく…。

ここがおすすめ!

青春、孤独、SF、そして哲学が混じり合った、カルト的人気を誇る一作。暗く幻想的な雰囲気と、予測不能な展開が『バニラ・スカイ』ファンにぴったり。視聴後に深く考えさせられる後味がクセになります。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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サスペンス映画

みんなの感想・レビュー

  1. ペネロピ より:

    公開後にレンタルビデオで観てから20数年。。TV「午後ロード」で久しぶりに本作品を観ました。当時から難解なラストの印象でしたが、今回私なりの解釈を試みました。
    それはラストの目覚めるシーンこそが、あの泥酔して路上で起きた時点なのではないか?つまり、それ以降の出来事(自殺も、冷凍保存も、150年後も)が全て夢。
    見た目がすべてだった主人公が、醜くなった自分を受け入れて生きて行くまでの心理と決断を描いたのではないでしょうか?
    信じるか信じないかはあなた次第。。です