金城瑞穂はオリンピック候補選手として、将来を期待された体操選手だった。だが、病気で半身不随の体になってしまう。車椅子生活を余儀なくされた瑞穂は、家族達の優しさを受け止められず、心を閉ざしていった。そんな時、幼馴染と再会する。
映画『私の人生なのに』の作品情報
- タイトル
- 私の人生なのに
- 原題
- なし
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2018年7月14日(土)
- 上映時間
- 103分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
青春
音楽 - 監督
- 原桂之介
- 脚本
- 原桂之介
- 製作
- 瀬井哲也
行実良
柴原祐一
長井龍 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 知英
稲葉友
落合モトキ
蜷川みほ
江田友莉亜
深沢敦
野中隆光
飯田孝男 - 製作国
- 日本
- 配給
- プレシディオ
映画『私の人生なのに』の作品概要
今作品で監督を務めた原桂之介は、『小川町セレナーデ』(14)で監督デビューを果たした人物である。また、『小川町セレナーデ』では、「新藤兼人賞・銀賞」を受賞している。主人公の金城瑞穂は、アイドルグループのKARAの一員として活躍していた知英。そして、瑞穂を支える幼馴染は、『仮面ライダードライブ』で詩島剛こと仮面ライダーマッハ役で一躍有名になった稲葉友が演じている。知英の透き通るような歌声と、身体能力の高さが存分に生かされた作品になっている。
映画『私の人生なのに』の予告動画
映画『私の人生なのに』の登場人物(キャスト)
- 金城瑞穂(知英)
- オリンピック候補選手として、将来を期待された体操選手。「脊髄梗塞」という病気を発症し、車椅子生活を余儀なくされる。
- 柏原淳之介(稲葉友)
- 瑞穂の幼馴染。ストリートミュージシャン。
映画『私の人生なのに』のあらすじ(ネタバレなし)
金城瑞穂はオリンピック候補選手として、将来を期待された体操選手だった。だが、「脊髄梗塞」という病気を発症してしまい、半身不随の体になってしまう。体操を行うことはできず、車椅子での生活を余儀なくされる。家族や仲間達は瑞穂を支えようとするが、誰の声も届かないほど瑞穂は落ち込んでいた。そんな時、幼馴染の柏原淳之介と再会を果たす。
柏原淳之介は路上でギターを鳴らし、音楽を歌っていた。瑞穂もそれに誘われ、一緒にギターを弾いて歌うようになる。瑞穂は音楽を通して、自分の気持ちを皆に伝えていった。そして、支えようとしてくれた家族や仲間達の手を取るようになる。瑞穂は絶望の先に見えた新しいステージに向けて、一歩ずつ歩み始めた。
映画『私の人生なのに』の感想・評価
知英の歌声
主役を務めた知英は、韓国の女性アイドルグループ「KARA」のメンバーの一員だった。2007年『KOCCA5月月間優秀新人アルバム賞』や2009年『Soompi Gayo Awards・トップガールズグループ賞』など、数々の賞を受賞している。日本でもフジテレビ系『めざましどようび』のテーマソングやロッテ「ガーナミルクチョコレート」のCMソングに楽曲が使用されるなど、大人気のアイドルグループである。
グループを脱退しソロとして活動するようになってからも、ミュージカル『スウィート・チャリティ』で主演を務めたり、シングルCDやアルバムCDを発売するなど、歌の仕事も精力的に行っている。知英の歌声はとても透き通っていて、映画の雰囲気にぴったりと合っている。ぜひ、歌にも注目して見て欲しい。
知英の身体能力の高さ
予告篇で、知英が実際にリボンを使って演技をしている部分がある。とても短いシーンながらも、驚くほど綺麗で思わず見惚れてしまうほどである。ただの新体操選手ではなく、オリンピック候補選手として期待されるほどの人物を、見事に演じ切っていると思う。
知英は元々ボクシングや乗馬など、体を動かすスポーツが好きだと公言している。その身体能力の高さが映画で生かされていると思う。だからこそ、病気で半身不随になってしまい、車椅子でしか動けなくなってしまった主人公のもどかしい気持ちがよく表れている。辛いだけではなく、苦しい気持ちや悲しい気持ち、そして演技できなくなった寂しい気持ちなど、知英の表情には色んな気持ちが込められていて、見ている人の心が動かされる作品になっている。
幼馴染
金城瑞穂が苦しんでいるときに、家族や仲間などに甘えられなかったのは、体操選手として活躍していた頃を知っているからだと推察される。家族達はどうしても、リハビリを頑張って欲しいと応援し、瑞穂を知らず知らずに追い詰めてしまう。瑞穂はそれに反発し内に籠もってしまってしまうのだが、支えになってくれたのは、再会した幼馴染の柏原淳之介である。
普通の友達よりも近くて、家族よりも少し遠い幼馴染という距離感がすごく素敵だなと思う。瑞穂が淳之介に何で帰ってきたのか問う場面がある。淳之介はそこで、瑞穂と歌うためだと返した。足を再び動けるようにしようと我武者羅に応援するわけではなく、そっと寄り添う淳之介のふんわりした優しさが、この映画には表れている。見ていると、人に優しくしたくなるような映画である。
映画『私の人生なのに』の公開前に見ておきたい映画
全員、片想い
片想いをテーマにした作品で、8つの物語を楽しめるようになっている。14人の主演キャストが登場しており、知英もその中の1人として映画に出演している。登場人物の1人であるラジオパーソナリティーの三崎透が、自身の番組でリスナーから募った片思いのエピソードを、7週連続で紹介するという形で物語が進んでいく。知英が登場するのは、4週目に当たる『片想いスパイラル』。
知英が演じるのは、韓国人留学生のソヨン。ソヨンは女性の体を持っていたが、心の中は男性だった。そんなソヨンは、ルームシェア相手のユキに恋をするが、思いを伝えられずにいた。ある日、ソヨンは自分の気持ちに封をし、ユキのために友人の男性との仲を取り持つことを決心する。とても切ない三角関係の結末とは。
詳細 全員、片想い
N.Y.マックスマン
知英の幼馴染役を演じた稲葉友が、主演のヒロ・マックスを演じている。今作品が、映画初主演となる。マックスマンはシリーズ化された作品で、『Mr.マックスマン』(15)では千葉雄大が主演を務め、『Bros.マックスマン』(17)では竜星涼が主演を務めている。『N.Y.マックスマン』(18)は第3弾目の作品で、千葉雄大や竜星涼も出演している。
アイドル活動をしていた果穂は、議員の父の罪により、芸能活動の引退に追い込まれていた。そこで、恨みを晴らすため、果穂はテレビ番組で父の罪を告発することにした。しかし、その前夜、何者かに誘拐されてしまう。ヒロはマックスマンに変身し、ニューヨークを舞台に、裏切り者を見つけて密室で起こった怪事件を解決することになる。
詳細 N.Y.マックスマン
小川町セレナーデ
今作で監督を務めた原桂之介は、この作品で監督デビューを果たした。そして、「新藤兼人賞・銀賞」を受賞した。俳優の安田顕が、オカマ役を熱演したことでも有名になった作品。コミカルでどこか歪だけれども、家族のために頑張る人々の優しい気持ちが溢れた物語になっている。
真奈美はシングルマザーで、娘の小夜子を育てるためにスナックのママとして働いていた。だが、借金が返せず、店を畳まなければいけなくなる。小夜子は母の危機を救うため、(偽)オカマバーとして店を改装することを提案した。真奈美は反対するが、小夜子は諦めなかった。小夜子は母の友人のオカマのエンジェルに助けを求めた。小夜子は知らなかったが、実はそのエンジェルが自分の父親だった。
詳細 小川町セレナーデ
映画『私の人生なのに』の評判・口コミ・レビュー
#私の人生なのに 観てきた。
冒頭から泣いた。とにかく泣いた。
落合モトキさん演じる誉田さんが最初から切なかった。流石でした。
誉田さん、瑞穂の力になろうとしてるけど、それが瑞穂にとってむごい発言になっていたりして、もういたたまれなかった。
知英ちゃん新体操めっちゃ上手かった!凄い!— あすか(☆^ш^)(*`∀´*) (@asukaeripon) 2018年8月1日
とっても優しいお話でした。簡単には乗り越えられないことがリアルで、私も瑞穂ちゃんみたいに素直で、淳之介くんみたいに寄り添える優しさを持ちたいと思いました。 #私の人生なのに
— 悠咲 侍花 (@yuzaki_zk) 2018年7月28日
#私の人生なのに
観てきたー!
最初から思いのほか辛くて泣き、その後両親や歌と淳之介のシーンなどでいちいち泣かされ。意外に笑いどころも多くて声が出ました。
ままならない人生だけど「 」から、少しずつ1日1日生きるか・・・っていう気持ちになる映画。
たぶんもう1回観にいくかな🤔— むしゃ (@fukurosp) 2018年7月27日
「私の人生なのに」80点。原作未読。半身不随になった新体操選手のその後を描く物語。挫折。失意。絶望。どれもがあてはまる状況から、生きる希望を少しずつ取り戻していく。終盤のシーンは泣ける。JY(知英)の歌う主題歌がまた泣ける。前向きになれる良作。#私の人生なのに #知英
— 井上朝夫@HUSTLE PRESS編集長 (@HustlePress) 2018年7月26日
思い通りにいかない人生をどうやって乗り越えるかっていう普通と言ったら普通の話だけど、自分を受け入れること、周りを頼ること、家族を大切にすること、そういうのが大事だって、当たり前だけどそう簡単にはできない。#私の人生なのに は沢山の大事なことをもう一回教えてくれたそんな映画でした。 pic.twitter.com/r81by8zJh4
— Dan (@Dan26261010) 2018年7月26日
映画『私の人生なのに』のまとめ
オリンピック候補選手として周囲からの期待を一身に受け、自分もその夢に向かって頑張っていた女性が、病気のせいで足が動かなくなってしまう悲しさは、想像できないほどの辛さだと思う。きっと普通に歩けるようになっても、自分で納得できないのではないだろうか。そんな女性が、時には自暴自棄になりながらも音楽に救われていく様子は、良かったと純粋に感動できるものがある。主演を演じた知英の、新体操を行っているときの心の底から楽しんでいる表情や、動けない足に絶望した表情など、主人公の気持ちをきちんと表している演技に注目して欲しい作品である。
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