映画『ウエストワールド』の概要:近未来では西部開拓時代を再現したテーマパーク「ウエストワールド」が人気となり、ゲストは人間そっくりのロボットを銃殺する体験を楽しんでいた。そんなある日、ロボットが原因不明の誤作動を起こしゲストを襲い始める。
映画『ウエストワールド』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:SF、アドベンチャー、西部劇
監督:マイケル・クライトン
キャスト:ユル・ブリンナー、リチャード・ベンジャミン、ジェームズ・ブローリン、ノーマン・バートールド etc
映画『ウエストワールド』の登場人物(キャスト)
- ガンマン(ユル・ブリンナー)
- 体験型テーマパーク「デロス」で、西部開拓時代を再現した「ウエストワールド」に登場するロボットガンマン。本来は人間を襲わないようにプログラミングされているはずなのに、ある日突然暴走を始める。
- ピーター・マーティン(リチャード・ベンジャミン)
- 初めてウエストワールドを訪れる口ひげの男。これまで銃を撃ったことがないため、到着前からそわそわしている。友人のジョンから銃の手ほどきを受ける。
- ジョン・ブレイン(ジェームズ・ブローリン)
- ピーターの友人。これまでにウエストワールドに来てロボットを銃殺した経験がある。園内の様子を熟知しているため、ピーターにアドバイスをする。
- ミス・キャリー(メイジェル・バレット)
- ウエストワールドに登場する人気酒場の女主人ロボット。店を訪れたピーターとジョンに美しい娼婦ロボットを割り振る。
映画『ウエストワールド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ウエストワールド』のあらすじ【起】
そう遠くない近未来では、体験型テーマパーク「デロス」が人気となっていた。古代ローマ、中世ヨーロッパ、西部開拓時代(ウエストワールド)の3つの時代が用意されており、客である「ゲスト」は人間そっくりに作られたロボットを殺そうが何をしようが構わないため、刺激を求めて多くの人が訪れていた。
デロス行きの専用機。乗客たちはこれから体験できる夢の世界を心待ちにしている。デロス初体験のピーターは初めて銃を使うことに興奮した様子で、来たことがある友人のジョンから銃の手ほどきを受けている。デロスに到着すると乗客たちはそれぞれが希望する3つの世界へと移動して行った。
ピーターとジョンはウエストワールドに入るため、ガンマンの服装に着替えて銃を与えられる。ドアを開けるとそこには、保安官、馬車、貴婦人、馬に跨るカウボーイなどに扮したロボットたちが、西部開拓時代の生活を完璧に再現していた。彼らの行動はすべてプログラムされたもので、その様子は全てカメラで監視されていた。銃は熱探知機で制御されており、ゲストに向かっては攻撃できない仕組みになっている。
ピーターたちはまずバーを訪問した。するとカウンターに座る黒い帽子のガンマンに因縁をつけられる。それはプログラムされたゲームの始まりだった。ピーターは男と決闘となり、初めて銃を抜く。弾は男に命中して倒れると、死体はすみやかに外に運び出された。
映画『ウエストワールド』のあらすじ【承】
初めての人殺しに興奮するピーター。夜になると2人はミス・キャリーの酒場へ。彼らは娼婦を紹介されると2階に上がり、ロボットとは思えない美しい体を抱いた。事を終えて店を出ると、通りには銃殺された複数のロボットの死体が転がっていた。それは銀行強盗の真似事をしたゲストによる犯行だった。死体は真夜中に回収されると修理に回され、再び使えるように再生された。センターではこの6週間で原因不明の故障が多発していることを危惧していた。
朝になると新しいシーンがスタート。ピーターとジョンが朝の準備をしている時、あのガンマンが現れた。ピーターは再び銃殺したが、正当防衛が認められず拘留されてしまった。牢屋に入るピーターを、ジョンは爆弾を仕掛けて救出。凶悪犯になって満足する2人だった。
街を離れて休憩をしていると、そこにロボットのヘビが現れた。ヘビは本来ゲストを噛まないように設定されているはずであるが、ジョンの腕に噛みついた。センターはヘビの誤作動を問題視し回収して解析したが、なぜ人間を噛んだのかは分からなかった。
映画『ウエストワールド』のあらすじ【転】
センターでは一時休館して原因を究明するか、このまま続けるか意見が分かれた。開発者たちは休館を訴えたが、運営側は利益を優先させようとしたため、そのまま継続することとなった。
中世ヨーロッパでは最終日を迎えたゲストのために特別プログラムが用意された。それは美しくてグラマラスな女中とのラブロマンス。女を抱けると期待したゲストだったが、寝室に連れ込みキスをしようとすると激しく拒絶された。またしても重大なプログラムミスであったため、女中ロボットはすぐに修理に回された。
ミス・キャリーの酒場では、西部劇でよくある客同士の殴り合いシーンが始まった。ピーターたちは抵抗できないロボットを相手に、殴ったり階段から突き落とすなどの暴行を加えた。保安官姿のゲストも仲裁に入りながらロボットを殴りつけ喧嘩を楽しんだ。
センターではロボットのコントロールがますます効かなくなり始める。中世で黒騎士と対決していたゲストは、腹を剣で一突きされて死亡。その後も各地でゲストが次々と殺害された。
ウエストワールドではピーターたちの前に再びガンマンが現れた。3度目の登場でさすがに飽き飽きする2人だったが、今度のガンマンはこれまでと違っていた。弾は実弾で、ガンマンはジョンを銃殺。慌てたピーターは馬に乗り逃げたが、ガンマンは執拗に追いかけてきた。
映画『ウエストワールド』の結末・ラスト(ネタバレ)
街を出て荒野を走るピーター。途中で修理スタッフに遭遇し、全てのロボットが誤作動を起こしていると聞かされる。そしてロボットの弱点は顔面であり、酸をかけると感覚機能が失われることを教わった。彼はどれだけ逃げてもガンマンは目のセンサーで確実に追いかけてくる。しかも時折、遊んでいるかのように彼を狙撃した。
ピーターは古代ローマに逃げ込むと、ゲストは全て殺されロボットは停止していた。地下に通じるマンホールを見つけて下りると、そこには長い廊下があった。コントロールルームを見つけたが、その中のスタッフは全員死んでおり、修理台のロボットも放置されたままだった。彼は硫酸の入った瓶を発見。ガンマンがやって来ると硫酸をかけてその顔を溶かした。動きが鈍くなった隙にピーターは逃げたが、しばらくするとガンマンは復旧し再び追跡を始めた。
ピーターが宮廷に逃げ込むと、全てのロボットは完全に停止していた。この世界で動いているのはピーターとガンマンの2人だけ。静まり返った中でガンマンはピーターに近づくが、故障の影響で熱感知センサーが誤作動を起こし、部屋に灯されたランプを人間の熱と勘違いした。いくつもあるランプのせいで標的を見失ったガンマンはエラーを起こす。そこにピーターが火をつけるとガンマンは炎上。全身が焼けただれてもなおピーターを襲おうとしたが、最後は完全にショートして崩れ散った。
映画『ウエストワールド』の感想・評価・レビュー
HBOの人気ドラマ「ウエストワールド シーズン1」のベースとなった1973年制作の映画。制御しているはずのロボットが反乱を起こすというストーリーは今ではありがちだが、当時では相当斬新だったのではないだろうか。ドラマを見て映画を見るのも面白いし、俳優陣にも注目で、あの名優ユル・ブリンナーが無表情で冷血なロボット役を演じているのは見もの。ジョン役のジェームズ・ブローリンはジョシュ・ブローリンの父親である。(MIHOシネマ編集部)
テーマパークを舞台にした作品ってファンタジーでもアクションでも、ホラーでも「テーマパーク」というだけでワクワクしますよね。1973年のこの作品で描かれるのは「デロス」という体験型テーマパーク。中世、古代ローマ、西部の3つの時代の世界を体験することができます。
このテーマパーク、昔の作品と侮っているとびっくりします。すごくリアルなんです。人も動物も皆ロボットなのですが、そのロボットたちは「心」や「意思」を持っているかのよう。
こんなテーマパークがあったら行ってみたいなと思いますが、ちょっと怖いですね。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
ユル・ブリンナーが無敵のガンマンとして砂漠で登場しますね。
子供の頃にテレビで放映しているのを見て、強烈な印象が残っています。
この後の作品であるデロスワールド(未来世界)は劇場で見た記憶があります。
オッサン(56歳)でも相当幼かった頃ですね。
SFに興味を持つきっかけにもなった作品です。
最近の作品でいうとアイランドとかが近いような気がします。