映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』の概要:肉体派の陸軍大尉と頭脳派の連邦保安官がタッグを組んで、大虐殺を繰り返す犯人を捜査する現代風西部劇。米国で人気のあったテレビドラマを映画化したもので、随所に笑いの要素を多く散りばめた大作映画。
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:SF、アドベンチャー、西部劇
監督:バリー・ソネンフェルド
キャスト:ウィル・スミス、ケヴィン・クライン、ケネス・ブラナー、サルマ・ハエック etc
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』の登場人物(キャスト)
- ジェームズ・ウエスト(ウィル・スミス)
- 黒人の陸軍大尉。かなり過激で暴力的ではあるが、鋭い観察眼を持つ。せっかちで肉体派。すぐに銃を発砲するのが玉に瑕だが、腕はかなり良い。
- アーティマス・ゴードン(ケヴィン・クライン)
- 連邦保安官。天才的な頭脳を持つ発明家でもある。変装が得意。じっくりと証拠を集め、一気に片を付けるタイプ。
- アーリス・ラブレス(ケネス・ブラナー)
- 博士。戦争にて下半身を切断するという状況に陥るも、奇跡的に生還。復讐のために合衆国政府を乗っ取ろうとしている。
- リタ・エスコバー(サルマ・ハエック)
- 自称歌手であるが、科学者である父親を探し、単独でラブレスの元へ潜入していた。牢に監禁されているのをゴードンに助けられる。実は父だと言っていた科学者は夫。
- マグラス将軍(テッド・レビン)
- 左耳にラッパを移植した男。暴力的で非道。流血将軍という渾名があるが、実は意外と部下には人望がある。
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』のあらすじ【起】
1869年、ウエストバージニア州のモーガンにて、大虐殺の犯人マグラス将軍の手下の動向を探っていたジェームズ・ウエスト。ひょんなきっかけで、潜んでいるのを発見され一悶着。走り出した荷馬車に乗り込み逃走に成功した。だが、荷馬車には大量にニトロが積まれており、冷や汗が止まらない。
同じ頃、町の反対側にある酒場にてマグラス将軍に取り入った大柄の女性がいた。将軍は好みの女性に大喜び。酒場の2階には決まって事を致す部屋がある。女性は胸に装着した催眠装置で将軍に催眠術をかけ、情報を得ようとするのだった。
だが、そこへ馬車にて到着したウエストが乱入。女性と言い争っている間に将軍が飛び掛かって来る。酒場はたちまち乱闘騒ぎとなったが、女性とウエストとで互いを邪魔してしまう。そこで、ウエストは自分が陸軍大尉であることを明かしたが、なんと相手は女性に変装した連邦保安官、アーティマス・ゴードンであった。
2人は互いに銃口を向け、次にどうするかと声を掛け合ったが次の瞬間、何者かによって酒場は爆破されてしまう。
翌日、ホワイトハウスへ招集されたウエストとゴードン。大統領から酒場の件で叱責され、更に2人でコンビを組めと言われる。
昨年、合衆国でも爆破分野においてトップクラスに入る科学者が軒並み誘拐されるという事件が発生した。捜査により、犯人はマグラス将軍であることが判明したが、奴には知恵が皆無である。恐らく黒幕がいると思われた。
そして、このほど大統領に宛てて、その黒幕から1週間以内に合衆国政府を明け渡せという手紙が届いた。奴らは誘拐した科学者たちに新兵器を製造させている。大統領は1週間という期限を設け、2人に黒幕を逮捕しろと命令するのだった。
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』のあらすじ【承】
大統領が列車を貸与してくれることになり駅へ。発明家でもあるゴードンは自動自転車で馬よりも早く駅へ到着。ウエストを置いて列車を出発させてしまう。遅れて列車へ乗り込んだウエストだったが、体力自慢の彼と発明家で頭脳派のゴードンとは全く反りが合わず。それでも、どうにか互いに折り合いをつけ、更なる情報を得るため、別室へ移動。
そこには、半年前に誘拐され、首を切断された状態で見つかった金属学の科学者の生首があった。ゴードンは科学者の生首から網膜に焼き付いた最後の映像を映し、マグラス将軍のポケットにある仮装舞踏会の招待状を見つける。舞踏会の会場はニューオリンズ。その目的地はウエストが得ていた情報と一致するのだった。
到着後、舞踏会に潜入したウエスト。早速、娼婦の愚痴から誘拐された科学者が地下室に閉じ込められているという情報を入手。更にこのパーティーが死んだと思われていた、アーリス・ラブレス博士の生還パーティーであることを奴の助手から聞かされる。ウエストとラブレスは元々敵対していたが、表面上は和やかに挨拶。そして、別れた後は密かに書斎を探し出し、ラブレスとマグラスの会話を盗み聞きすることに成功するのだった。
その後、書斎へ侵入し、奴らの目的地を記したメモを入手。将軍の部下がマラロー・ポイントへ集結することを知る。
一方、ゴードンは地下牢を調査し、ラブレスの寝室へ侵入。自称歌手のリタ・エスコバーが牢に閉じ込められていたため、救出した。その後、彼女を連れたままウエストと合流しパーティーを抜け出す。リタは科学者である父親を探していると言うのだった。
その頃、マラロー・ポイントにはマグラス将軍の部隊が集結していた。だが、そこへ水陸両用戦車が現れ、彼らを無残にも全滅させてしまう。それらを船上から鑑賞するラブレス。マグラスは部下を殺され憤慨するも、博士にて銃撃されてしまう。ラブレスは欧州の高官へ武器の試用状況を見せ、米国を貶めようとしているのだった。
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』のあらすじ【転】
パーティー会場からマラロー・ポイントへやって来たゴードンとウエスト。そこには夥しい銃殺死体が転がっていた。ゴードンは即座に武器の推察をしたが、容易に想像ができず驚愕するばかり。そこへウエストがまるで見たかのように戦車の様相を話した。
彼は終戦の1週間前、第9騎兵隊を率いてニューリバティーへ赴任したが、到着した時点で既に住民は皆殺しにされていた。今では大虐殺の町と呼ばれているが、そこでもこの場所のように特殊戦車の試し打ちが行われたと言うのだ。そして、それらを実行したのが、マグラス将軍なのである。
ところが、湖の岸辺へ漂着した将軍曰く、ニューリバティーでの大虐殺もラブレスの仕業だと言う。彼は虫の息となりながらも、ウエストへ無実を訴えたが、行き先までは答えずに息絶えてしまう。そこで、リタからラブレスがユタへ向かうと聞き、はっとしたウエストとゴードン。列車横断記念の祭典で、大統領がユタへ向かうと言っていたのだ。
急いで列車にてユタへ。翌朝、前方にラブレスの列車を発見したが、トンネルを抜けると見失ってしまう。しばらくして、なぜか後方に奴の列車が出現。ウエストは装置を利用し、奴の列車へ乗り移って破壊することに成功。しかし、ラブレスはこちらの列車を強制的に停止させる。焦ったリタが睡眠ガスを発動させてしまったため、ゴードンとウエスト、リタは意識を失ってしまうのだった。
そうして、リタと列車を運転手ごと奪われた2人。首には殺された科学者と同じ鉄の輪が嵌められていた。ラブレスが去った後、ウエストが囲いから出ると草刈り鎌のような円盤が射出。首に装着された鉄の輪の磁気に反応しているらしく2人は必死に逃げ回り、泥沼に飛び込んで事なきを得た。
どうにか泥沼から抜け出すと、ゴードンがブチ切れてしまう。彼は怒りに任せ、拾った石でウエスト首の輪を強打。すると、磁気極が反転してしまい、鉄に反応するように。かなり強力な磁石で、どんなに離れても引き合ってしまう。反動で川に落下した2人だったが、そこでゴードンの工作キットを発見し首の輪を外すことができた。
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』の結末・ラスト(ネタバレ)
翌朝、鉄の首輪を持って移動中、磁気によってラブレスの私有鉄道を発見する。それを利用しスパイダー峡谷へ。そこにはラブレスの研究所があり、クモを象った新兵器を目撃する。大統領の列車を取り戻した2人は、準備を整え式典の場へ急いで向かった。
会場では大統領が今まさに、鉄道の杭を打ち込もうとしている。だが、そこへラブレスが登場。奴は無条件で降伏しろと大統領に迫ったが、簡単に了承するはずがない。そこへ、変装したゴードンが現れ、時間稼ぎ。その間、ウエストは新兵器へとよじ登ったが、2人の大統領が捕縛されてしまう。そして、ウエストもまたラブレスの手下に銃撃され、転落してしまうのだった。
そうして、ラブレスの独壇場で、欧州の高官を集め式典を開催。
その頃、意識を取り戻し列車へ戻ったウエスト。武器は1つも残されていなかったが、僅かに残った物だけを利用して会場へ向かうことにした。
会場に突然、褐色の肌をした美女が現れ、ラブレスが好色を示す。美女はウエストが女装した姿であったが、かなりリアルに変装している。彼は踊り子のようなダンスをしながら、手錠の鍵を入手しゴードンへ密かに手渡した。その後、胸に仕込んだ火炎放射器で会場に火を放つ。ラブレスは踊り子がウエストであることにようやく気付き、手下の女どもと逃走。どさくさに紛れて大統領をも連れ去った。
大統領の救助をするため、ゴードンが自動自転車を即席で改良し、飛行機を製造。2人はそれに乗り込み、大型クモの新兵器へと向かう。そして、奴のクモへ乗り込むことに成功。だが、ラブレスは大統領を人質にし、まずはウエストから始末しようとする。しかし、肉体派の彼は身体改造された敵3人をあらゆる方法で撃退。そこで、痺れを切らしたラブレスが対峙。ゴードンの加勢によって、奴の兵器を弱体化した。その間、運転席では手下の女達との攻防が展開され、大型クモの操縦がおざなりになる。
すると、クモは崖へ前足を2本降ろしたところで停止。上体が傾いたことにより、ラブレスが落下しそうになる。車椅子が引っ掛かり、辛うじて助かっている状態だった。そこで、ウエストが奴を始末するために飛び込むことにする。ラブレスへしがみついたウエストは、車イスを作動させラブレスを落下させることに成功。ウエストは鎖に掴まって助かるのであった。
改めて鉄道横断の式典が開催され無事に終了した。ウエストとゴードンは今回の功績を称えられ、大統領専任のSPへと昇格。そして、ラブレスの新兵器、大型クモまでも入手するのであった。
映画『ワイルド・ワイルド・ウエスト』の感想・評価・レビュー
米国で人気を博したテレビドラマを映画化。作中では様々な発明品が登場し、それを見るだけでもかなり楽しめる上にストーリー自体も練り込まれている。随所に笑いの要素が盛り込まれているため、情報量の多い内容ではあるものの飽きさせない。
現代の西部劇といった印象が強く、主演の1人であるウィル・スミスが素晴らしいアクションを披露している。相棒役のケヴィン・クラインは大統領との二役をこなし、それぞれに違った演じ方をしているため、同一人物とは思えない。そして、ウィル・スミスの女装は必見である。(MIHOシネマ編集部)
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