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映画『人生はシネマティック!』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『人生はシネマティック!』の概要:1940年、戦争の荒波が押し寄せる中、プロパガンダ映画を製作することが決まり、女性の脚本家が選ばれる。才能あるヒロインとチームリーダーは共にダンケルクでの出来事を映画にしようと脚本を書き始める。

映画『人生はシネマティック!』の作品情報

人生はシネマティック!

製作年:2016年
上映時間:117分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、戦争
監督:ロネ・シェルフィグ
キャスト:ジェマ・アータートン、サム・クラフリン、ビル・ナイ、ジャック・ヒューストン etc

映画『人生はシネマティック!』の登場人物(キャスト)

カトリン・コール(ジェマ・アータートン)
コピーライターの秘書部にいたが、機関紙に書いた漫画がきっかけとなり、情報省映画局に脚本家として採用される。言葉の扱い方が巧みで、才能がある。画家のエリスと内縁関係にあったが、戦争激化により関係も悪化。
トム・バックリー(サム・クラフリン)
情報省映画局の脚本チームのリーダー。頭の回転が良く、上層部を宥めるだけの知恵と説得力を持っている。カトリンの才能を見出し、惹かれるようになる。
アンブローズ・ヒリアード / フランク(ビル・ナイ)
ベテラン俳優。ロンドンでも有名なドラマの主役を演じたことがあり、傲慢な面がある。短気でプライドが高く、仕事もないのに仕事を選ぼうとする。映画での配役はフランク叔父。
エリス・コール(ジャック・ヒューストン)
カトリンの内縁の夫で画家。暗い絵ばかりを描くため、全く買い手がつかずカトリンの紐のような生活を送っている。個展を開き大盛況を収めるも浮気を目撃され、別れを言い渡される。

映画『人生はシネマティック!』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『人生はシネマティック!』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『人生はシネマティック!』のあらすじ【起】

1940年、イギリスのロンドン。戦争の空気が強まる中、戦意を上げるためのプロパガンダ映画を制作することになった情報省映画局。ここの脚本のチームリーダーであるトム・バックリーは、機関紙に描かれた短い漫画の著者であるカトリン・コールに目を付ける。その漫画がなかなか秀逸だったため、脚本家として彼女を採用した。
早速、カトリンが書いた脚本にて短い映像が制作され、彼女の才能が徐々に発揮され始める。トムは他の脚本家よりも優秀だと褒めた。

映画局が掲げるテーマは常に信憑性と楽観である。脚本を書く上でもそのテーマは重要視される。そこでトムは、ダンケルクでの出来事をカトリンに取材をするよう話す。双子の姉妹が父親の船で兵士の救出をしたと記載されていたため、主に姉妹の取材を行うことに。取材内容によっては映画になると言われカトリンは早速、港町へと向かった。

ところが、新聞の記事に記載されていた内容と、本人たちが語る真実があまりに違いすぎて、唖然とするカトリン。姉妹たちは期待しているようだったが、カトリンは正直に難しいと答えるのだった。
その帰り、ドイツ軍がロンドンを爆撃。彼女は命からがら助かったが、空爆にて大勢の人々が亡くなるのだった。

翌日、会議にて取材した内容を巧みに解説したカトリン。彼女は言葉を上手く扱い、嘘偽りなく魅力のある内容になるよう話した。すると、局長は映画の制作を決定。これにより、カトリンは本採用となり昇級を願い出る。エリスとの生活費を稼ぐためだった。

映画局から出向という形で、映画制作会社ベイカー・プロへ。そこはトムが仕切る会社であり、映画制作のプロがいる。トムと彼の助手により、双子の姉妹の話を基にキャラクターの詳細が次々と決まっていく。重要なポイントを押さえてしまえば、あとは穴埋めでストーリーを練り上げるだけだ。

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映画『人生はシネマティック!』のあらすじ【承】

カトリンとトムがストーリーを作り上げ、脚本に仕上げる。しかし、情報省から内容についてクレームが入る。そこで、トムが上層部を説得するため、情報省へ。その間、カトリンは事務所の掃除を言いつけられるのだった。

掃除をした後、脚本の続きを書いていたカトリン。そこへトムが戻って来る。一部、内容の変更はあるものの大方の提案は通ったらしい。脚本の制作が進む中、配役も徐々に決定。だが、そんな時に情報省内で双子の姉妹が実はダンケルクには行ってないという真実が流布。トムの説得により中止には至らなかったが、この不安定な情勢の中、いつどこで何があるか分からない。

空爆回数が増える中、避難せずに脚本を書き続け、配役もほぼ決定。フランク役にベテラン俳優のアンブローズ・ヒリアードに決定。彼はプライドが高く、演じることを渋っていたが、新しいエージェントの説得により了承してくれる。トムとカトリンは空爆もあって、ろくに寝ることもせず、必死に脚本を書き続けた。

もうじき台本が完成するという時だった。突然、陸軍省に呼び出されたトムとカトリン。何事かと向かってみると、2人が作っている映画の脚本に将軍が痛く感動し、映画の配役にアメリカ人を起用しろと言う。アメリカがドイツとの戦争に軍事介入をしないと表明したため、将軍はイギリスの事情を映画でアピールしたいらしい。

そうして、いよいよロケ先へ撮影クルーや関係者、俳優たちが集結。そこへ、将軍が一押ししていたアメリカ人の空軍大尉も到着。彼のお陰でアンブローズの機嫌が直る。その間、共に制作へ関わることによって、次第に距離を縮めていくトムとカトリン。

映画『人生はシネマティック!』のあらすじ【転】

しかし、撮影が無事に開始されても空軍大尉があまりにもヘボ過ぎて、撮影クルーからクレームが出る。このままでは映画は失敗する。困った制作陣は対策を考案。大尉の出番を減らし、フランク叔父を重要な役どころにすることで、名作にしようとカトリンが提案。これにより急遽、脚本を書き換えることになったが、成功を得るには努力を惜しんではいけない。

新たな台本が配られ、撮影は順調に進んだ。そこで、カトリンはエリスの個展へ向かうべく一旦、現場から離れることにする。今やカトリンは映画の要で撮影中に中座するのは、本来ならするべきではないが、彼女の頑張りを目にしてきた周囲の人々が送り出してくれるのであった。

そうして、自宅へ帰ったカトリンだったが、最悪なことにエリスが別の女性とベッドにいるのを目撃してしまう。彼女は即座に彼へと別れを告げ、すぐさま現場へ戻ることにしたのだった。
その日の夜、宿泊所へ戻ったカトリンだったが、トムに理由を聞かれ答えられずにその場から走り去ってしまう。浜辺まで追いかけて来たトムに慰められたカトリン。突然、彼からプロポーズされ、その無神経さに逆切れしてしまうのであった。

ロケでの撮影が終了。次はスタジオでの撮影へ入る。ここまでの撮影成果を確認した関係者。映画の出来は上々だったが、アメリカの配給会社からはイギリスの映画にはパンチがないと不評。そこで、スタジオ撮影の際はヒリアードの相手をカトリンにさせ、トムは事務所で脚本の執筆を行うことになった。

映画『人生はシネマティック!』の結末・ラスト(ネタバレ)

しかし、トムはスランプに陥り、カトリンを怒らせてしまったことも相まって塞ぎ込んでしまう。脚本の執筆は全く進まず。それでも何とか脚本を書き上げたが、出来は今一つ。カトリンはそれを目にしてトムらしくないと評価。そこで、彼女はトムの脚本を基に結末を書き直すことにした。

今は戦時中で、いつ空爆で命を落とすか知れない。生きている今、できることをやらなければ、きっと後悔する。彼女は結末を書き終えた後、トムと浜辺で喧嘩別れした時のことを改めて脚本にした。それは、彼女なりの仲直りの方法であり、愛の告白でもあった。彼女にとってトムは尊敬に値する人物であり今となっては、なくてはならない存在になっていたのだった。

脚本を書き終えた翌朝、アパートへ戻った彼女は愕然とする。空爆でアパートが半壊していたのだ。住む家を失くしてしまった彼女は、その足でスタジオへ入ったが、こちらでも空爆によって大きなトラブルが発生していた。なんとスタジオの1つが空爆にて破壊され、ドイツ軍の衣装が使えなくなってしまったのである。巷では過去最悪の爆撃と言われ、ウィンブルドンが全滅したらしい。これによりスタッフも被害に遭い、欠勤及び入院か行方不明者が続出した。

撮影を続けるには、残っている物で代用するしかない。そのせいで、高所撮影のための櫓も作り付けで酷く不安定だった。少ないスタッフで撮影が続行される中、トムがスタジオへやって来る。彼はカトリンの脚本を読んで、高評価を与える。そして、例の浜辺での脚本について次の行動が気になると言い、カトリンと熱烈なキスをするのだった。

しかし、撮影に関して手直しするため、カトリンの代わりに現場へ戻ろうとしたトム。不幸なことに櫓が倒壊し、下敷きになってしまう。彼はそのまま息を引き取ってしまい、カトリンは何もすることができず。ただ茫然と涙を流しながら、その光景を眺めることしかできなかった。

その後、トムが亡くなった他にも情勢が変わり、ヒリアードはギプス状態、俳優は出征に駆り出され大尉もまた任務にて戦場へ戻される。撮影は続行不可能となってしまい、制作陣で会議が開かれる。参加したカトリンもまた傷心で落ち込んでいたが、そんな時にトムの言葉が耳に蘇る。彼女は彼の言葉に励まされ、脚本の書き直しをするのであった。

そうして、ようやく映画が完成。映画は大好評を得たが、カトリンは一度も映画を観に来なかった。映画はトムと作り上げたものであるため、彼女には思い出があり過ぎて観ることができなったのである。

しばらく後、アンブローズが彼女の元を訪れる。カトリンは新たに住まいを得ていたが、部屋には家具の1つもなく、酷く寂しいものだった。ベテラン俳優は彼女の才能を稀有なものだと言い、新たな作品の脚本を書かないかと誘ってくれる。だが、脚本家はもう辞めたのだと泣きながら笑みを見せるカトリン。アンブローズは彼女を励まし帰って行った。

その後、カトリンは1人でこっそり映画館へ。館内は満席で、観客は物語に一喜一憂する。その反応と映画の結末に涙したカトリン。彼女はアンブローズの誘いに乗って、トムのタイプライターで新しい作品の脚本を書き始めるであった。

映画『人生はシネマティック!』の感想・評価・レビュー

戦争中にも関わらず、映画を作り続けようと奮闘する人々を描いている。空爆にていつ、どこで死ぬか分からないのに、良い作品を作ろうと切磋琢磨する姿が素晴らしい。物作りにおいて、遠慮なく意見を交わし合える存在がいるというのは、とても大切だと思う。それは、誰もが良いものを作ろうと考えているからだ。

作品の終盤でヒロインとトムがようやく結ばれ、ほっとしたのも束の間、まさか櫓の下敷きになって亡くなるとは予想外であった。けれども、彼が亡くなることによって、あの感動的な結末が出来上がったのだと思うと、運命とは数奇なものだと感じる。(MIHOシネマ編集部)


本作は、1940年第二次世界大戦下のロンドンを舞台に、プロパガンダ映画作りに奮闘する人々を描いたラブコメディー作品。
主人公の女性が脚本家として才能を開花させていく姿や、軍の無理難題に応えながら撮影をしていく情熱に映画愛を感じられる作品。
笑い所もあり、台詞も一つ一つが面白かった。
撮影が大詰めの時に戦争の影響を受ける場面にはショックを受けたが、作り上げた映画の上映シーンが感動的だった
厳しい時代背景で死と隣り合わせの作品作りだったことに更に感慨深いものがあった。(女性 20代)


空爆によって死ぬ恐怖がある中、映画を完成させようと奮闘するカトリンとトムの姿がキラキラと輝いていた。文字通り命懸けで制作しているため、映画に対しての熱い思いが伝わってくる。様々な問題が立ちはだかる中、諦めずに走り続ける二人の姿に感動を覚える。またそれだけでなく、仕事を通じて少しずつ心を通わせていくカトリンとトムの関係性が素敵でときめいた。だからこそ、トムが亡くなったときは、茫然とした。ラストの、カトリンが一人で映画館に行ったシーンは、カトリンとトムの幸せそうな表情を思い出して涙が止まらなかった。(女性 30代)


戦争の恐怖にいつ死ぬのかと怯えながら生きるのではなく、どんな状況であっても妥協せず、良いものをつくりあげて人に届けようとした人たちの物語。
正直、戦時中に映画を撮るなんて無謀な話だと思っていました。こんな時に何をしているんだと。しかし、彼らが映画を撮ろうとするのには意味があって、そこには想像を遥かに超える熱意や、映画に対する愛、そして希望が詰まっていました。
悲しいシーンもありますが、それ以上に感動が大きく、心に残る作品です。(女性 30代)

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