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映画『ヤクザと家族 The Family』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

2019年、国内のあらゆる賞を総舐めにした『新聞記者』の監督、藤井道人が新たに手がけた作品。綾野剛が、時代の荒波の中、苦悩しながらも必死に生きるヤクザを熱演。日本映画界が注目する一本。

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映画『ヤクザと家族 The Family』の作品情報

ヤクザと家族 The Family

タイトル
ヤクザと家族 The Family
原題
なし
製作年
2021年
日本公開日
2021年1月29日(金)
上映時間
136分
ジャンル
ヒューマンドラマ
監督
藤井道人
脚本
藤井道人
製作
佐藤順子
角田道明
岡本圭三
製作総指揮
河村光庸
キャスト
綾野剛
舘ひろし
尾野真千子
北村有起哉
市原隼人
磯村勇斗
菅田俊康
すおん
製作国
日本
配給
スターサンズ、 KADOKAWA

映画『ヤクザと家族 The Family』の作品概要

家族の形は様々である。様々な愛の形が認められ、家族の在り方が変化してきている現代では尚更。本作は、そんな『家族の愛情』を深く掘り下げた作品。主人公である山本賢治には、3つの家族が登場する。まずは、生まれの家族。しかし、父親は覚醒剤に手を染めるなど、仲は決して良好とは言えなかった。次に、山本を拾った柴崎組。血は繋がってはいないものの、生活を共にし、盃を交わした彼らは間違いなく家族である。そして、3番目の家族が、山本が初めて愛した女性である。不器用な山本が、傷つき恐れながらも愛情を育んだ相手。いずれも形は異なるものの、山本にとっては間違いなく、全てが家族なのだ。そんな家族は、山本にどのような影響を与えるのか。自分の家族についても、思いを巡らせる一作。

映画『ヤクザと家族 The Family』の予告動画

映画『ヤクザと家族 The Family』の登場人物(キャスト)

山本賢治(綾野剛)
柴崎博に拾われ、暴力団、柴崎組に加入する。その中で瞬く間に頭角を現すが…?
柴崎博(舘ひろし)
柴崎組組長。義理人情に溢れており、組員からも慕われている。
工藤由香(尾野真千子)
山本の恋人。山本と似た境遇を送ってきており、次第に山本のかけがえのない存在になっていく。
木村翼(磯村勇斗)
幼い頃から山本を慕っていた青年。14年後、ヤクザとして常に冷静に行動していたがその実…?

映画『ヤクザと家族 The Family』のあらすじ(ネタバレなし)

少年、山本賢治は、覚醒剤で父親を失った。自暴自棄になった山本だったが、とある偶然から柴崎組組長である柴崎博のピンチを救うことになる。その縁から、柴崎組の一員となった山本。元々喧嘩早かった性格もあり、山本はめきめきと組織内で名を挙げていく。そんなある日、山本は自分と同じような境遇で育ってきた1人の女性と出会う。彼女と家族になる決意をした山本。しかし、ちょうどその頃、組がピンチに陥ってしまう。山本はファミリーを守るため、14年間の服役を承諾するのだった。14年後、山本の出所の日がやってきた。しかし、14年間という年月は残酷だった。その間に施行された『暴力団対策法』によって、柴崎組は見る影もないほどの変化を遂げていたのだった。果たして、1人現代社会に取り残されてしまったヤクザ、山本はどうなるのか。

映画『ヤクザと家族 The Family』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
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映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『ヤクザと家族 THE FAMILY』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『ヤクザと家族 The Family』の感想・評価

3つの時代にわたる物語

本作では、山本の過激で儚い一生が観る者の心を震わせる。彼の幼少期から激動の時代までを、3つの時代に分けて丁寧に描いている。しかし、どの時代においても、山本には残酷な運命が待ち構えている。まずは、山本の幼少期を描いた1999年。この時代に山本は父親を失い、ヤクザに足を踏み入れることになってしまう。後の彼の人生を決定づける、非常に重要な時代である。山本がヤクザとして頭角を現した2005年。愛する人もできて、これまで辛いことばかりであった山本の人生に初めて光が差したように思えた時代。しかし、彼は14年の服役を課せられてしまう。そして、出所した後を描く2019年。彼の愛するファミリーは、すっかり変わってしまっていた。このようにどの時代においても、山本を待つ運命はあまりにも過酷。そんな中で、果たして彼が最終的に幸せを掴むことができるのか、祈らずにはいられない。

millennium parade

『millennium parade』という音楽家集団を知っているだろうか。知らないという人も、『King Gnu』という名前には聞き覚えがあるのではないだろうか。そのどちらも主宰しているのが、常田大希という人物なのだ。主演である綾野剛と交流が深く、その縁から主題歌に抜擢されたmillennium parade。メンバーが固定されているわけではなく、その都度曲に合わせて様々なアーティストと協働するという形をとっている、まさに『音楽家集団』という名前がふさわしいグループ。今作ではなんと、King Gnuでいつも共に作品を作り上げている井口理が初参戦。制作を手掛けた常田をもってしても、「これ以上の曲は書けないかもしれない」と言う自信作。苛烈で美しい最新作を、見事に彩ってくれることだろう。予告映像の中でも、曲の一部を聴くことができるため是非チェックしておこう。

暴力団対策法

最新作において、キーとも呼べる出来事がこの『暴力団対策法』の施工。正式な名称を『暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律』とするこの法律は、平成3年に実際に施行された法律。この法律によって、多くのヤクザはその在り方を大きく変えられることになる。最新作でも、この法律の施行によって柴崎組は大きなダメージを受けてしまう。当時よくニュース番組にも取り上げられていた内容ではあるが、果たしてしっかりとその実情を理解しているだろうか。一般人を守るための法律ではあるものの、その法律が一体どのような影響を実際に与えていたのかを知らない人も多い。その裏で泣いていた人、苦悩していた人の一面を見ると、何とも表現し難い感情に襲われる。

映画『ヤクザと家族 The Family』の公開前に見ておきたい映画

映画『ヤクザと家族 The Family』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『ヤクザと家族 The Family』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

新聞記者

最新作の監督を務めた藤井道人は、偉業を達成したばかり。その偉業が、本作の制作。2019年に公開された本作は、第43回日本アカデミー賞において最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀編集賞の驚異の6冠に輝くという成績を収めた。その他の賞レースにおいても、本作が総なめ。まさに2019年の日本映画界の覇権を握ったと言えるのだ。そんな、現在ノリに乗っている監督が放つ最新作。恐らく、全業界人が注目していることだろう。前作の評価が高ければ高いほど、最新作にかかるプレッシャーは凄まじい。製作陣は見事、その高すぎるプレッシャーを跳ね除け、再び日本映画界の頂点に君臨することができるのか。

詳細 新聞記者

日本で一番悪い奴ら

普通に生活をしていると、中々関わることのないヤクザという存在。しかし、時折ニュースなどで取り上げられることもあるが、確かにヤクザという組織は現在も日本に確かに存在するのだ。最新作で主演を務めた綾野剛だが、彼は過去にもヤクザや暴力団といった裏社会の組織を題材に取り扱った作品に出演している。それが本作。異なる点は、最新作とは違い本作では警察官役を演じているという点。しかし、警察官が全員、正義の味方というわけでは残念ながらない。元々は真面目一筋だった主人公、諸星要一も、捜査のために暴力団と密接な関係を築くうちに、徐々に悪事に手を染めてしまうことになる。どれほど善良な人間もふとしたキッカケで落ちるところまで落ちてしまうことがよく分かる作品。

詳細 日本で一番悪い奴ら

アウトレイジ

芸人界のレジェンド、北野武。そんな大御所には、芸人の他に映画監督というもう一つの顔がある。映画に関するありとあらゆる賞を獲得してきた輝かしいキャリアを誇る北野監督は、これまで多くの作品を世に送り出してきた。その中でも、近年の代表作といえば本シリーズではないだろうか。全部で3作製作された本シリーズは、国内外問わずファンが多く、ヤクザ映画といえば本作を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。本作の特徴は、なんといってもその豪華なキャスティング。遠藤憲一や西田敏行、松重豊に大杉漣など、大物俳優がズラリ。もれなく全員が強面かつ演技派であるため、迫力が画面越しにも伝わってくる。普段はそれほど怖い役どころを演じていない俳優でも、本作内では狂気的に見える。そんな、俳優の凄まじさも伺うことができる一本。

詳細 アウトレイジ

映画『ヤクザと家族 The Family』の評判・口コミ・レビュー

映画『ヤクザと家族 The Family』のまとめ

ヤクザ映画と聞くと、激しいアクションや銃撃戦などをイメージする人も多いのではないだろうか。確かに北野武作品や『仁義なき作品』シリーズなどはそういった傾向の作品であり、そのイメージはあながち間違いとは言えない。しかし、本作はそういったヤクザ映画とは全く毛色が異なる。あの『新聞記者』を制作した藤井直人が監督を務めたと言えば、映画通ならば分かるだろう。ヤクザの苛烈な一面を切り取っただけの作品ではなく、ヤクザだからこその葛藤、幸せに対する渇望、孤独など、これまであまり描かれる機会がなかった一面を大々的に取り上げているのだ。ヤクザ映画という前に、一つの映画として非常に良質な一本に仕上がっている。普段はヤクザ映画を見ないという人にも、ぜひお勧めしたい作品。

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