映画『野性の呼び声(2020)』の概要:19世紀後半、アメリカ南部の豪邸で飼われていた大型犬のバックは、ある日突然捕らえられ、最果てのアラスカ州でそり犬にされる。大自然の雪原を疾走する日々の中で、心の奥に眠る「野性」が芽生え始めるのだった。
映画『野性の呼び声』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:アドベンチャー、ヒューマンドラマ
監督:クリス・サンダース
キャスト:ハリソン・フォード、ダン・スティーヴンス、カレン・ギラン、オマール・シー etc
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映画『野性の呼び声』の登場人物(キャスト)
- ジョン・ソーントン(ハリソン・フォード)
- カナダのドーソンでひとり暮らしをする老人。息子を亡くした後、妻とは別れている。暴力的な主人から助けたバックを連れて、未開の地を目指して旅に出る。バックの4人目の主人。
- ペロー(オマール・シー)
- アラスカ州とカナダのドーソンを結ぶ、犬ぞりの郵便配達人。バックをそり犬として購入する。バックの2人目の主人。
- ハル(ダン・スティーヴンス)。
- 金を見つけるためにドーソンにやって来た成金風の男。時季外れにそり犬を働かせ、ムチやこん棒で虐待をする。バックの3人目の主人。
- バック
- セント・バーナード犬。飼い主に忠実だが、ちょっと甘えん坊。カリフォルニアの豪邸で飼われていたところを捕獲され、極寒のアラスカ州でそり犬にされる。
映画『野性の呼び声』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『野性の呼び声』のあらすじ【起】
世界中がゴールドラッシュに沸いていた時代。極寒のアラスカ州でも金脈が見つかり、犬ぞり用の大型犬が高値で買い取られていた。カリフォルニア州の豪邸で、自由奔放に過ごしていた大型犬のバックは、ある夜、転売目的の男に捕獲され、貨物列車に乗せられる。逃げようとするとこん棒で殴られるため、バックは逃げることができなかった。
アメリカ大陸の辺境の地、アラスカ州スキャングウェイ。一攫千金を狙う金探鉱者たちが立ち寄る港町に、バックは降ろされた。長旅で疲れていたバックだったが、初めての雪に興奮し、そこら中を走り回る。老人のジョンとぶつかり、彼が落としたハーモニカを拾って渡した。ジョンはバックに礼を言うと、ドーソン行きの最終便に乗った。
バックは港で犬ぞりの郵便配達人、ペローに買い取られた。ハスキー犬スピッツをリーダーとする犬ぞりの隊列に加わったバックは、最初はチームの足を引っ張りながらも、すぐに慣れていった。800キロ先にあるカナダのドーソンを目指し、昼間はひたすら走り続け、夜は他の犬のように雪に埋もれて眠る日々。仲間の犬から信頼を得るようになったバックは、そり犬として自信を持つようになった。
映画『野性の呼び声』のあらすじ【承】
ある日、川の氷が割れて、ペローの妻が激流に飲み込まれた。バックは氷の下に飛び込み、溺れていた彼女を救出する。ご主人から確かな信頼を得たバックだったが、リーダーのスピッツはこのことが気に入らなかった。その夜、スピッツはバックに決闘を挑む。最初は勝ち気なスピッツが優勢だったが、バックは自分の化身である黒狼の幻を見ると野性が目覚め、スピッツを投げ飛ばした。スピッツは負けを認め、雪山に姿を消した。
スピッツに代わって先導犬となったバックは、力強い走りでそりを引っ張った。快走を続けていた時、進行方向の山で雪崩が発生する。バックは直前で方向転換をして、雪崩を回避した。
そりは予定通りにドーソン郵便局に到着する。大勢の探鉱者が手紙を受け取りに集まった。家族と離れて暮らす彼らにとって、手紙は心の励みであった。バックは彼らの喜ぶ顔を眺めながら、手紙だけでなく愛や希望も届けていると自負し、目を細めるのだった。翌日、そりは新たな郵便物を乗せて、来た道を戻る。その後何度も往復し、その距離は80日間で4000キロに達した。
そんなある日、ペローに犬ぞりの郵送便廃止の知らせが届く。電報が始まるためだった。ペローは全ての犬を手放し、アラスカを去って行った。
映画『野性の呼び声』のあらすじ【転】
主(あるじ)を無くした犬たちを買い取ったのは、成り金風の男ハルだった。彼は「失われた小屋」と呼ばれる金の在りかを探すため、重い荷物を載せたそりを犬に引かせようとした。しかし、雪解け水がそりに凍り付いて進まない。ハルがこん棒で犬を殴ろうとした時、見かねたジョンが助けに来る。彼は犬ぞりを止めさせようとしたが、ハルは聞く耳を持たなかった。
案の定、雪解け中の坂道はぬかるみだらけで、前に進まなかった。しかし、ハルはムチを振り回してそりを進めようとする。何度も殴られ、銃で殺されかけていたバックを、駆けつけたジョンが助ける。彼は衰弱したバックを自宅に連れて帰った。
バックは2日間眠った後、回復した。その夜、ジョンは酒場でハルに絡まれる。ハルは全ての犬に逃げられ、町に舞い戻ったのだ。ジョンを逆恨みしている彼は、バックを処分しろと脅す。しかし、拳銃を所持していたことで、ハルは店を追い出された。
翌朝、ジョンはある地図を広げた。それは誰も行ったことのない野生の地を示す地図。彼の死んだ息子が夢見ていた場所だった。彼はバックと旅立つことを決意する。
カヤックに乗ってユーコン川を下り、カヤックが壊れた後は何日も森の中を歩いた。そしてついに、伝説の「失われた小屋」の地に辿り着く。その頃ハルは、ジョンの家に侵入し、地図を見つけていた。
映画『野性の呼び声』の結末・ラスト(ネタバレ)
ジョンは小屋にあった砂金取り用の「たらい」を使い、川の砂利を集めて水で流すと、面白いように砂金が採れた。バックは川の近くで白い体毛のメスの狼と出会い、お互いに惹かれ合う。
ある日、バックは激流に流されそうな狼を見つけ、怪力で救出する。バックは狼たちから尊敬され、行動を共にするようになった。昼間は狩りをして過ごし、夜になるとジョンの元に戻るバック。狼と過ごす時間が長くなると、ジョンはバックが野性に戻ろうとしているのだと悟った。
ジョンは生活に必要な砂金以外は全て川に戻し、一人で町に帰ることにした。しかし、出発の前夜、後を付けてきたハルに襲撃される。小屋は火事となり、ジョンは猟銃で撃たれてしまう。バックはハルを襲い、炎の中に突き飛ばした。ジョンはバックの大きな体に支えられながら、静かに息を引き取った。
月日は流れ、バックと狼との間に可愛い子犬が産まれる。かつては飼い犬だったバックは今では主となり、家族と群れを守りながら森林で幸せに暮らしていくのだった。
映画『野性の呼び声』の感想・評価・レビュー
豪邸のペットとして甘やかされて育った犬が、本当の居場所を見つけて森林でたくましく生きていくという、犬の成長物語である。冒頭部分でバックの顔や仕草があまりに人間臭くて、ちょっと引き気味だったが、見ていくうちに慣れてきて、その豊かな表情に引き込まれるようになった。ペローにそっと棒を渡すとぼけた顔、ジョンの独り言に頷くような仕草など、実際にはありえなくても、こういう映画ならありだろう。
判事、ペロー、ジョンと、次々と変わる主人に忠実に従っていたバックが、最後は自分が主人となって群れを守る。心が洗われるような結末だった。(MIHOシネマ編集部)
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