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映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』の概要:「居酒屋」をテーマにした3つの物語を収録している。吉田類が案内役・3話目の主人公・主題歌を担当しており、映画デビューを果たした。CMディレクターとしても活躍している長尾直樹が監督を務めている。

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』の作品情報

吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」

製作年:2017年
上映時間:85分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:長尾直樹
キャスト:吉田類、伊藤淳史、松本妃代、菅原大吉 etc

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』の登場人物(キャスト)

森本勝也(吉田類)
65歳。高知出身。モリモトファンドの社長。3億円近く騙し取った罪で警察から追われている。
山下絵里子(松本妃代)
人気アイドルグループの一員。通称エリリン。アイドルを続ける自信を失くし、彼氏と共に逃げようとしている。
日暮義男(伊藤淳史)
35歳。妻と子供がいる。サラリーマン。大人しく生真面目な性格で、変化することを嫌う。

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』のあらすじ【起】

今宵の一軒目「居酒屋チャンス」。「居酒屋チャンス」には人生のチャンスを逃してばかりいる人達がなぜか集まっていた。だが、そんな居酒屋にも、ある日突然チャンスが舞い降りることもあるのだった。

客のヨシコは女優志望だったが、オーディションに100回も落ちていた。客の浜田は眠れない日が続き、もうすぐ死ぬのではないかと恐れていた。そこで、店主のビッグママに手相を見てもらうことにした。ビッグママは手相を見て、死なないと安心させた。安堵した浜田は、もうひと花咲かせられるのではないかと期待した。しかし、20年前にレコ大の作曲賞候補に上がったときにチャンスを使い果たしているとビッグママに言われてしまう。客の大竹は経営していた会社が潰れ、日雇いの仕事を行っていた。

記者の立花とカメラマンのシノヤマが喧嘩をしながら店にやってきた。立花の指示でシノヤマは写真を撮ったのだが、それが追っていた人物と別人だったのだ。立花はクビになり、シノヤマは編集部を出禁になっていた。

「居酒屋チャンス」に男性から逃げてきた若い女性が来店した。その女性は人気アイドルの山下絵里子だった。山下はアイドルを続ける自信を失くし、逃げてきたところだった。トイレの中に入り、恋人に電話で助けを求めるが見捨てられてしまう。立花とシノヤマはスクープのチャンスが舞い込んだと喜んだ。ビッグママは面倒事は御免だと立花達を追い出そうとするが、立花は皆のチャンスでもあるのだと言って意に介さなかった。

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映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』のあらすじ【承】

浜田は立花から作曲家として仕事が舞い込むチャンスだと言われて浮かれ、ヨシコは事務所を紹介してもらえるのではないかと浮かれた。そして、大竹は立花から儲かったお金でパチスロ代を貸すと言われ浮かれた。シノヤマがフリスクのケースで作ったカメラの準備をしていると、山下がトイレから出てきた。

山下は突然涙を流し、帰るところがないことを打ち明けた。ヨシコ達は山下を慰め、一緒にお酒を飲んだ。皆が歌って飲んで騒ぐ中、シノヤマと立花は山下の姿をこっそりカメラに収めた。大竹は苦しい時代にアイドルのピンク・レディーに支えられていたことを話し、アイドルがいかに凄い存在であるかを山下に伝えた。山下は自分の歌を歌い、楽しい時間を過ごした。

山下達は店でそのまま眠ってしまった。次の日の朝、ビッグママは山下に食事を提供し、タクシーを呼んだ。山下は代金を支払おうとするが、ビッグママは歌を間近で聞くことができたからと言って受け取ろうとしなかった。山下は頑張る気力を取り戻し、皆に見送られながらタクシーに乗って去っていった。ビッグママは立花から昨夜の写真のデータを受け取り、お酒の中に入れて破棄した。立花達はチャンスを逃したことを少し残念に思いながらも、これで良かったのだと思った。皆でお酒を飲み、盛り上がった。

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』のあらすじ【転】

今宵の二軒目「どつぼ酒場」。知らない酒場に初めて足を踏み入れるのは勇気がいるものである。そこが縁起の良い酒場なら幸せだが、中にはとんでもなく居心地の悪い酒場もあった。そんな酒場で遭遇する辛い体験も、酔いに身を任せれば楽しい冒険に思えてくるのだった。

日暮義男は平凡な日常を愛するサラリーマンだった。夏休みの間、妻は息子を連れて長崎の実家に帰っていた。そこで、日暮は昔行ったことがある酒場に立ち寄って帰ることにした。しかし、その酒場は閉店していた。雨が降ってきたため、日暮は近くにあった「どつぼ酒場」に足を踏み入れた。

その店の機械は壊れていてビールは生ぬるく、刺身は電子レンジで解凍した物を提供していた。日暮は温められた刺身を食べた。すると、近くにいた客の松尾に話しかけられる。日暮が上手く返答できずにいると、酒を飲むときは腹を割って話さないとダメだと注意される。

日暮が支払いをしようとしていると、客の石川が酔っ払って倒れた。店主達はいつものことだからと気に留めなかったが、日暮は放っておくことができなかった。松尾と一緒に飲んでいたタケと共に、石川を家まで送った。その途中、石川が妻に先立たれこと、自分も死ぬために酒を浴びるように飲んでいることをタケに教えられる。

日暮達が店に戻ると、店長は具合を悪くして帰宅し松尾は愛人の元へ行っていなかった。店長の代わりにリエという女性がいた。タケが支払いを済ませて帰ったため、日暮も支払いを行おうとした。だが、リエから勧められ、一緒に酒を飲むことになってしまう。しかも、タンゴの練習に付き合わされ、無理矢理踊らされる。そこにヤクザの男達(岩永・秋山)がやってくる。

岩永と秋山が喧嘩を始めた。岩永は日暮達が怯えているのに気づき、秋山を連れて店の外に出た。その間に、リエが日暮に店を任せて帰ってしまう。日暮は1人途方に暮れた。日暮は店にいる間に散々な目に遭ったが、いざ帰ろうとするとこのまま「どつぼな夜」が終わってしまうのが寂しく感じた。

日暮は店を出たところで、岩永に声をかけられる。迷惑をかけたお詫びに酒を奢りたいと言われ、一緒に酒を飲むことになった。日暮は酒の肴に、電子レンジで解凍した刺身を出した。日暮はべろべろになるまで岩永と酒を飲み、楽しい時間を過ごした。

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』の結末・ラスト(ネタバレ)

今宵の三軒目「ふるさと酒場土佐っ子」。時に酒場というものは、駆け込み寺のようにすり切れた心を癒してくれる場所だった。「ふるさと酒場土佐っ子」は魂に炎が灯るような、ありがたい酒場であった。

森本勝也はとある理由から自殺を考えていたが、心配して電話をかけてきた翔太には明かさなかった。そんな時、「ふるさと酒場土佐っ子」の看板が目に入り、冥土の土産に酒を飲むことにした。森本が「龍馬」という酒を注文していると、テレビのニュースキャスターの声が聞こえてきた。それは金融商品で広く資金を集め、3億円近く騙し取ったとされている通称モリモトファンド事件の続報だった。テレビに映っていた容疑者は、「ふるさと酒場土佐っ子」にいる森本だった。

昭和35年高知県仁淀村。森本と翔太は幼馴染だった。土地柄よく酒を飲むこともあり、2人の家では役所に内緒で芋焼酎を作っていた。そんなある日、税務署の職員がやってくる。大人達が慌てる中、子供だった森本達は何が起きたのか分からなかった。森本は両親に頼まれ、押し入れに焼酎を隠した。しかし、犬の吠え声によって隠していた焼酎を製造する機械が見つかってしまう。税務署の職員は市内で販売せず、村民が飲む分だけなら構わないと言って咎めなかった。森本達は頭を下げて感謝した。

森本と翔太は大人達が楽しそうにお酒を飲んでいる姿をこっそり眺めた。宴会には学校の先生や税務署の職員の姿もあった。森本達は自分達もこっそりお酒を飲むが、美味しく感じなかった。2人は水辺で吐き、気持ち悪かったので川に入った。

森本は早く大人になり、自由になりたかった。森本は翔太を連れて山を登り、木に登った。そして、海を眺めながら、将来の夢を熱く語った。「ふるさと酒場土佐っ子」にいる森本は、「龍馬」の酒を飲みながらその日のことを思い出していた。森本は警察署に行くことを決意し、自殺のために用意していた紐を川に捨てた。

今宵の〆「居酒屋チャンスでもう一杯」。ビッグママ達は皆でテレビを見て、山下が歌って踊っている姿を楽しんだ。すると、山下はビッグママ達にしか分からない掛け声をした。ビッグママ達は喜んだ。

映画『吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」』の感想・評価・レビュー

「深夜食堂」や「孤独のグルメ」に通じるような作品だった。居酒屋をテーマにしているだけあって人生のビターな部分が描かれており、大人向けの作品だったと思う。案内役の吉田類の語り声が優しく、聞いているのがとても心地よかった。津田寛治や伊藤淳史など実力派俳優が出演しており、ストーリーを素直に楽しむことができた。3つの物語が収録されていたが、どのストーリーも最後には温かな気持ちになれたので良かったと思う。(MIHOシネマ編集部)

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