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映画『巨星ジーグフェルド』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『巨星ジーグフェルド』の概要:やり手の舞台プロデューサーであるジーグフェルドは、プレイボーイで浪費家だった。公演が成功する度に大金を使った挙句破産する彼は、生涯で二人の女性と結婚したが、心はずっと舞台上にあった。

映画『巨星ジーグフェルド』の作品情報

巨星ジーグフェルド

製作年:1936年
上映時間:177分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ミュージカル
監督:ロバート・Z・レオナード
キャスト:ウィリアム・パウエル、ルイーゼ・ライナー、マーナ・ロイ、フランク・モーガン etc

映画『巨星ジーグフェルド』の登場人物(キャスト)

フローレンツ・ジーグフェルド(ウィリアム・パウエル)
美女を集めて映画を撮るという夢に向かい、舞台をプロデュースして各国を回っている。ライバル関係であるビリングスからは客足だけでなく、連れている女性や彼が目を付けた女優、執事までも横取りし自分のショーを成功させている。しかし、浪費癖に難がありすぐに破産してはビリングスに出資を頼む。
ジャック・ビリングス(フランク・モーガン)
ジーグフェルドのライバルプロデューサー。彼の達者な口上や巧妙な手段によってヒットのチャンスを奪われ続けるも、その才能は認めており度々ショー開催の資金を出す。
アンナ・ヘルド(ルイス・ライナー)
フランスから来たヨーロッパの売れっ子女優。ジーグフェルドの最初の妻。些細な勘違いから、彼の心を取り戻すため「離婚する」と虚勢を張ったが、実際に離縁されてしまい体調を崩す。
ビリー・バーク(マーナ・ロイ)
駆け出しの女優。ジーグフェルドの晩年の妻。彼との間に娘を儲けた。家族がいるにも関わらず全財産を失い悲観するジーグフェルドを励ます。

映画『巨星ジーグフェルド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『巨星ジーグフェルド』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『巨星ジーグフェルド』のあらすじ【起】

1893年、シカゴ万博。カイロ通りで『世界一の怪力男サンドウ』のショーを行っていたジーグフェルドは、ビリングスが開催する踊り子ショーに客を取られていた。閑古鳥が鳴く会場を後に、ジーグフェルドはサンドウと共に食事へ向かった。一方、羽振りの良いビリングスは、ジーグフェルドから一緒に仕事をしようという電報を受け取ると一蹴し、美しい踊り子のブレアと食事へ出掛けた。

ビリングスが向かったレストランには、ジーグフェルドとサンドウがいた。ジーグフェルドはブレアの美しさに目を奪われ、彼女もまたハンサムなジーグフェルドになびいた。その後、食事から帰るジーグフェルドは、道すがら出会った夫人がサンドウの筋肉を触って失神したのを見るや“見るショーではなく感じるショー”というアイデアを思い付いた。彼は新しいショーでビリングスの元に流れた客を奪い返し、ブレアの心も奪ってしまった。

興行を終えたジーグフェルドは、シカゴ音楽専門学校を運営する父の元へ帰った。父とその教え子である少女、メリー・ルーは彼との再会を喜んだが、ジーグフェルドは「美女を集めて映画を撮る夢」を叶えるため、すぐにNYへと飛んだ。

NYで行ったサンドウのショーは瞬く間に話題となり、ジーグフェルドは一躍有名になった。しかし、『人食いライオンとの決闘』がやらせではないかと批判を浴び、人気とは一転、ジーグフェルドは警察から追及されてしまった。

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映画『巨星ジーグフェルド』のあらすじ【承】

イギリスへ向かう船の上でジーグフェルドの人気が転落した記事を読んだビリングスは、盛大に高笑いをした。しかし、そんな彼の前に当の本人が姿を現し、ジーグフェルドはビリングスの優秀な執事を横取りすると、ビリングスと同じような服装で同じ宿泊先に泊まった。うっかり「パレス・ミュージック・ホテルにいるフランスの美人女優、アンナ・ヘルドをスカウトしに行く」と漏らしてしまったビリングスは慌ててジーグフェルドを止めようとしたが、彼は持ち前のセンスと口上でアンナと契約を交わした。

アンナ主演のミュージカルは、ジーグフェルドの巧妙な宣伝の甲斐あって成功を収めた。アンナは、表向きは誠実なジーグフェルドに惹かれており、不満があっても主役を降りることはなく、一躍羨望の的となった。バックダンサーのオードリーだけは、ジーグフェルドから高価な贈り物をされてはしゃぐ彼女を冷ややかな目で見ていた。しばらくして、ジーグフェルドとアンナは結婚した。

一方のビリングスは破産しており、債権者はアーランガーという人物になっていた。ジーグフェルドは『ジーグフェルド・フォリーズ』という大作を制作するため、彼らに出資を申し込んだ。

『フォリーズ』は初日から大盛況だった。ジーグフェルドは次期主役として目を付けたオードリーに花とジュエリーを贈り、それを見たアンナは「フローの好みに似ている」と不安を口にした。

映画『巨星ジーグフェルド』のあらすじ【転】

ファニー・ブライスを起用し新たなショーを手掛けたジーグフェルドは、またもや成功を収めた。しかし、アンナは楽屋で泥酔したオードリーがジーグフェルドとキスする場面を目撃してしまい激昂。二人は離婚した。その直後、ジーグフェルドは破産してしまった。

またしてもビリングスからの出資を得たジーグフェルドは、『キッド・ブーツ』の公演中にビリー・バークと出会い恋に落ちた。ジーグフェルドは遂に“初めての愛”を感じ、二人はすぐに結婚した。一方、ジーグフェルドの再婚を知ったアンナは、離婚を持ち出せば彼が戻って来ると思っていただけに、本当に見放されてしまいショックを受けていた。

数年が経ち、ジーグフェルドとビリーの間にはパトリシアという女の子が生まれていた。順調に『フォリーズ』シリーズを公演し財をなしていたジーグフェルドだったが、融資をしていた銀行は彼の浪費癖に抗議をはじめ、遂に資金を打ち切られてしまった。アーランガーからも見限られたジーグフェルドは、起死回生を狙い『ノー・フーリング』『ベッツィ』などの新作を発表したがヒットせず、役者達はみなハリウッドへ流れてしまった。

映画『巨星ジーグフェルド』の結末・ラスト(ネタバレ)

評判が地に落ちたジーグフェルドは、「終わりだ。私はもう年よりだ」と自信をなくしてしまった。ビリーはそんな彼を「昔のあなたでいて」と励まし、ジーグフェルドは家財を投げうって4つの公演を企画した。

マジェスティック劇場での『リオ・リタ』、ニュー・アムステルダム劇場での『ウーピー』、レリック劇場での『三銃士』、自身が建設したフローレンツ劇場での『ショウ・ボート』は成功を収めた。ジーグフェルドは、ショーでの売り上げを株につぎ込み更なる儲けを得ようとしたが、すぐに株は大暴落し、ジーグフェルドはまたしても破産した。

ショックを受けたジーグフェルドは床に臥せってしまった。女優として舞台に立つビリーは、楽屋から何度も電話し彼を励ました。彼の不調を聞いたビリングスは見舞いに訪れ、ヨーロッパへ行って荒稼ぎしようと明るく振る舞った。弱気になっているジーグフェルドはビリングスと競った過去を懐かしむと、新しい『フォリーズ』を公演するために30万ドル必要だと言った。ビリングスは、資金は自分が出すと約束して帰って行った。

ジーグフェルドは『フォリーズ』上演に向け意欲を新たにしたが、実際はビリングスも株に失敗して破産していることを見抜いていた。彼は執事のシドニーがビリーへ電話をしている最中、「ショービジネスの世界にジーグフェルドの名が残る」というビリングスの言葉を反芻し倒れてしまった。ジーグフェルドは、これまでのショーの走馬灯を見ながら一人息絶えた。

映画『巨星ジーグフェルド』の感想・評価・レビュー

実在した人物の軌跡を描いたサクセスストーリー。煌びやかな世界に生きるジーグフェルドのうまいやり口は、非常に小気味良い。ヨーロッパへ向かうビリングスから、彼が狙っているものを全て奪うジーグフェルドの狡猾さが愉快だった。

情緒不安定なアンナに辟易したのは、ジーグフェルドだけでなく私もだった。彼の野望の踏み台にされたと気付いて騒ぎ立てた彼女には少し同情したが、終盤でのビリーの落ち着き様と比べてしまうといささか幼稚だ。(MIHOシネマ編集部)


良い男と愛すべき男って違うと思うんです。容姿も性格も行動も金銭面でも何もかも完璧な良い男が、必ずしも愛すべき男では無いし、反対に金にも女にもだらしなくてどうしようもないのに、何故か憎めない人っていませんか?今作に登場するジーグフェルドは、間違いなく後者の「愛すべき男」でしょう。
舞台のプロデューサーである彼は舞台の上の夢を追い求めるあまり、金にも女にも強欲でとても良い男とは言えないのですが、いざと言う時には助けてくれる存在がいたり、支えてくれる妻がいたりと憎めない男なんです。
彼の姿を魅力的ととれるか、どうしようもない男と感じるかで作品に対する感想が変わると思いますが、個人的にはジーグフェルドは物凄く魅力的な男性だと感じました。(女性 30代)


女性にだらしなく、お金を湯水の如く散財してしまうジーグフェルド。破産を何度もするとは、家族や親戚にしてみれば相当な困り者だと思うのですが。しかしながら、プロデューサーとしては一流の腕前を持ち、さらにはショーが好きで仕方ないことは十分伝わりました。人に夢を魅せるプロでもあります。巨大な螺旋階段はとにかく豪華絢爛で、覚えず息を呑みました。白黒映像のため衣装や舞台、装飾の色合いを考えながら眺めるのが、大変楽しいです。(女性 30代)

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