映画『最高の人生のつくり方』の概要:妻に先立たれた偏屈な男をマイケル・ダグラスが、夫に先立たれた泣き上戸の女をダイアン・キートンが演じ、熟年カップルの恋や家族の再生を描く。監督は「最高の人生の見つけ方」(07)のロブ・ライナーで、「最高の人生のはじめ方」(12)も作っている。
映画『最高の人生のつくり方』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、コメディ
監督:ロブ・ライナー
キャスト:マイケル・ダグラス、ダイアン・キートン、スターリング・ジェリンズ、ロブ・ライナー etc
映画『最高の人生のつくり方』の登場人物(キャスト)
- オーレン・リトル(マイケル・ダグラス)
- 不動産のセールスマン。妻に先立たれ、現在は自分の所有するアパートでひとり暮らしをしている。勤続44年を迎え、家族と暮らしていた豪邸が売れたら、引退して田舎へ引っ越そうと考えている。偏屈で自己中心的な性格のため、ひとり息子ともうまくいっていない。
- リア(ダイアン・キートン)
- オーレンの隣人。若い頃は夫と売れない役者をしていた。最愛の夫に先立たれ、65歳からラウンジ歌手を目指して活動を始める。感情表現の豊かな泣き上戸で、面倒見がいい。
- サラ(スターリング・ジェリンズ)
- オーレンの10歳になる孫娘。母親の顔を知らず、父親のルークに育てられた。しかしルークが刑務所へ行くことになり、初対面のオーレンに預けられる。
- ルーク(スコット・シェパード)
- オーレンのひとり息子。唯一の理解者だった母を亡くし、その寂しさから薬物中毒になってしまった。しかしその後更生し、サラを大切に育ててきた。上司に騙され、無実の罪で刑務所へ行くことになってしまい、オーレンにサラを預ける。
映画『最高の人生のつくり方』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『最高の人生のつくり方』のあらすじ【起】
不動産のセールスをしているオーレンは、亡くなった妻の墓参りを済ませて、仕事へ向かう。偏屈な性格で周囲から嫌われているオーレンだったが、妻の誕生日には花束を持って墓参りをする優しい一面もあった。
オーレンが売ろうとしているのはかつて自宅だった豪邸で、860万ドルの値がついている。しかし相場は580万ドル程度で、なかなか買い手が見つからない。それでもオーレンは一切値下げをするつもりはなく、強気だった。
現在のオーレンは、自分が所有する「リトル・シャングリラ」と名付けたアパートでひとり暮らしをしている。隣人はオーレンと同じ年頃の未亡人リアで、2階には子沢山の一家と妻が妊娠中の黒人夫婦が暮らしていた。身勝手なオーレンは住人たちとうまくいっておらず、リアは“もっと思いやりを持つべきだ”と、彼に忠告する。
ある日、息子のルークが突然オーレンを訪ねてくる。オーレンは妻の葬儀でラリっていた息子を許せずにいた。そのルークが今度は“刑務所へ入ることになったから、10歳になる娘を預かって欲しい”とオーレンを頼ってくる。ルークは娘のサラを男手ひとつで育てており、オーレン以外に頼れる人がいないのだと説明する。しかしオーレンは、その申し出を断る。それでもルークは諦めず、翌日にはサラを連れてリトル・シャングリラへやってくる。
映画『最高の人生のつくり方』のあらすじ【承】
ルークは可愛い娘を施設へやることだけは避けたいと考えており、半ば強引にサラを置いていく。初対面の祖父に預けられ、サラはとても不安そうだった。リアはそんなサラに優しく声をかけ、“私が守ってあげる”と彼女を自宅へ連れていく。オーレンはリアにサラのことを任せ、仕事へ出かけてしまう。
オーレンが44年間勤めてきた不動産会社は、テッドという二代目が引き継いでいた。テッドはSNSでルークとつながっており、彼が会社の違法な証券取引の責任を押し付けられ、無実の罪で刑務所行きになったのだと教えてくれる。オーレンはひとまず、居場所がわからないサラの母親を探すことにする。
元気のないサラを見て、リアは“一緒にイモムシを捕まえよう”と提案する。蝶が神様に願い事を届けてくれるという先住民の言い伝えを教えてもらい、サラはイモムシを飼って観察を始める。
一方で、リアは孫娘を自分に任せきりのオーレンに腹を立てていた。オーレンは歌手を目指しているリアの代理人になり、もっとギャラのいい仕事を取ってくること、さらにその仕事が見つかるまでは家賃をただにすることを約束して、なんとかリアに許してもらう。リアは65歳にして歌手活動を始めたばかりで、仕事はうまくいっていなかった。オーレンはそんな彼女に的確なアドバイスをしてやる。
映画『最高の人生のつくり方』のあらすじ【転】
サラの母親が見つかった。サラの誕生日の日、オーレンはサラとリアとともに、母親を訪ねる。サラは“行きたくない”と訴えていたが、オーレンはサラを母親に預けるのが最善だと考えていた。しかし、サラの母親の荒んだ様子を見て、オーレンの気が変わる。オーレンはサラとリアを連れて遊園地へ向かう。
サラを連れたオーレンとリアは、本物のおじいちゃんとおばあちゃんのようだった。大喜びするサラを見守りながら、2人は身の上話をする。リアは亡くなった夫と売れない役者をしていたことや、40歳の時に妊娠したが流産したことを話す。オーレンは、ルークのことを迷惑ばかりかける無能な息子だと愚痴る。それでも孫娘のサラのことは、心の底から可愛いと思うようになっていた。
その晩、サラはオーレンの家に泊まる。オーレンはサラが寝たのを確認して、隣のリアを訪ねる。いい雰囲気になった2人は、一線を越える。しかしサラが気になっていたオーレンはすぐに帰ろうとして、リアを傷つけてしまう。“次からは気をつける”と謝罪するオーレンに、リアは“次なんかない”と宣言する。
映画『最高の人生のつくり方』の結末・ラスト(ネタバレ)
リアはオーレンのおかげで、ギャラのいいラウンジで歌えることになる。オーレンはもう一度“やり直したい”とリアを口説いてみる。リアは自然な流れに任せたいと考えており、その気持ちを正直に伝える。
オーレンがサラ好みの子供部屋まで用意した矢先、オーレンの自宅が売れ、ルークの出所も決まる。ルークはオーレンが雇った弁護士のおかげで無実となり、晴れて釈放されることになった。オーレンは亡くなった妻と“家が売れたら仕事を引退して田舎へ引っ越す”という約束をしており、そのための家も購入していた。
オーレンは今のアパートをサラとルークに譲り、自分は妻と約束した田舎へ引っ越すことにする。リアは寂しかったが、行かないでくれとは言えなかった。
オーレンが引っ越す日、リアはラウンジで歌う仕事が入っていた。オーレンはルークを迎えに行き、サラは父親との再会を喜ぶ。その後オーレンはひとりで妻の墓へ行き、最愛の妻に別れを告げる。
夜、リアはオーレンのことを想って歌を歌っていた。涙をこらえて歌い終えたリアは、入り口にオーレンの姿を見つける。オーレンは“一緒にいたい”とリアに告げ、2人は熱いキスを交わす。オーレンとリアはただの隣人ではなく、人生のパートナーになる。
サラのイモムシは蝶になって大空へ羽ばたいていき、オーレンはリトル・シャングリラで幸せな人生をつくり始める。
映画『最高の人生のつくり方』の感想・評価・レビュー
ダイアン・キートンが可愛らしく綺麗で恋する様子がとてもキュート。
歌声も素晴らしく魅力的な女性で一気に好きになった。
頑なで頑固なおじいさんが孫に心を開いていく・・というパターンの映画は好き。
微笑ましく観ていられる。それに初老の恋が加味されて、とても好きな映画だ。
劇的な事は起こらないだろうとなぜか安心してゆったりとした気持ちで観ていられた。
心温まる優しい映画。(女性 40代)
熟年カップルのストーリーといえど、どこか初恋のような初々しさも交えている所が面白い。お互いの過去を踏まえてじっくり話をするシーンは、ようやく2人の距離が本当に近づいていくような感覚を覚えた。少し強引ではあったが、サラが間にいてくれたお陰で、人生の新しい幸せや、無くなった妻との決別など、しっかりと向き合える事が出来たのであろう。ラストには、パズルのピースが埋まっていくかのように、色々な問題が良い方向に向かっていくので、とても穏やかな気持ちになれる映画である。(男性 30代)
ダイアン・キートンの大人の魅力は本当に素晴らしいと感じる。地味すぎず派手すぎず、同世代の女性が身近に感じて憧れるような美しさがいつも漂っている。ストーリーはとても素朴で、特別な何かを題材としているわけではない。だからこそ、彼女が演じることで人生の素晴らしさをより感じられ、タイトルの意味が深く感じられた。
歳を重ねても愛する人がいること、そして自分の魅力を見つけて過ごせたら、それだけで人生は豊かになるのだろうなと感じた。とても温かい気持ちになれる作品。(女性 30代)
名優マイケル・ダグラス主演。偏屈な主人公が家庭や近隣住民たちとの交流を経て、次第に心を開いていく感動系ヒューマン映画である。
不動産の仕事をしている自分勝手な性格のオーレン。疎遠になっていた息子が刑務所に入ることで、その娘を預からなければならなくなる。否が応でも自分のやり方を曲げざるを得ない状況になってしまうのだ。さらに隣人たちの親切にも触れ、違った角度から物事を見るうちに、優しさを自分から与えるようになっていく。
思いやる心の大切さを改めて感じさせてくれて、家族に会いたくなる映画である。(男性 40代)
傲慢で、とても人間関係に難があるオーレン。彼の元にずっと会っていなかった息子が、娘を連れてやってきた。急に会ったこともなかった孫を預かることになり困惑するオーレンだったが、孫の世話にも楽しさを感じるようになる。孫を通して、オーレンにも人間味が増してきた。人間関係も良くなり、彼の成長にも嬉しくなる。人のことも考えられるようになったことで、世界も広がったのではないだろうか。とても心温まるストーリーが観ているだけで心地よい。(女性 30代)
歳を重ねて山あり谷あり沢山の経験をしてきた人生の先輩たちのラブストーリー。優しさや愛がありつつも、悲しみや苦しみを経験したからこその自分勝手でわがままな態度も持ち合わせていて、それでも時間を共有し、助け合っていくうちに芽生えたオーレンとリアの愛は本物だと感じました。
孫娘のサラを可愛がるオーレンの姿はどこにでもいる孫が可愛いおじいちゃんそのもので、あんなにも頑固で独りよがりだった人がここまで優しく変われるのだとほっこりしました。(女性 30代)
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