映画『ゾンビズ・シティ』の概要:突如、リオデジャネイロに溢れ出した細菌。目の前で死んだ母の遺言、「災いから守ってくれる、巨大なタコのいる海に向かって」――それに従い、ゾンビへの抗体菌を持つ少女カミーユと、同じくキャリアの子供達と共に海を目指すことになるのだが……。
映画『ゾンビズ・シティ』の作品情報
上映時間:74分
ジャンル:ホラー、ファンタジー
監督:ホルヘ・オルギン
キャスト:カミーユ・リンチ、カリーナ・ピサロ、クリストバル・バッラ etc
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映画『ゾンビズ・シティ』の登場人物(キャスト)
- カミーユ(キャミリー・リンチ)
- ゾンビに対する抗菌ウイルスを持って生まれた子供。そのことで母と隔離させられそうになるも、ゾンビの急襲により施設から脱走する。母が残した「海で待っているから」という言葉を頼りに、同じくキャリアの子供達と共に海を目指すこととなる。
映画『ゾンビズ・シティ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ゾンビズ・シティ』のあらすじ【起】
“海には全ての災いを守ってくれるタコがいる”――謎の病原菌がチリのリオデジャネイロにて発生し、ゾンビハザードが起こる。噛み付かれるだけではなく、空気感染もするこの菌に対し免疫を持っていたゆえ生き残った少女・カミーユ。少女は1人、ほとんどの生き物が死に絶えた世界を彷徨っていた。
ゾンビウイルスに対して免疫力のあるカミーユは何故かゾンビに襲われることはないが、他の生物が滅んだ世界で飢えと渇きに戦っていた。カミーユはその日も食料を探して無人の屋敷に上がり込むが、その先にいた女ゾンビに急襲を受ける。しかし、ゾンビはカミーユを見るなり後退し、代わりに襲い掛かってきた軍隊達へターゲットを変えた。
ある日カミーユは、食料を求めて雑居ビルの中へと入り込むが突如ガスマスクをした大人に背後から抱えられ、「ここにいて」と廃墟の中に放り込まれてしまう。その先には、カミーユと同じくらいの子供がいた。
回想へと移り、母子が研究施設でカミーユと母が強制的に離れ離れになってしまう場面へ。カミーユは防護服を着た男達に別室へ連れて行かれ、強制的に手術を受け首に「3つの傷跡」を残す。
そして、母はまた別の部屋へと連れて行かれる。母が隔離された部屋には、頭と身体に手術の縫合跡があり、どこか挙動のおかしな女性だった。女性は言う、「あの子は大丈夫よ。あなたも大丈夫よ、私みたいに!」――手術痕を見せつけてくる女性の表情は異質でしかなかった。その時、ゾンビ発生のアラームが鳴り母はカミーユを連れ逃げ出すが……そこで回想は終わる。
映画『ゾンビズ・シティ』のあらすじ【承】
廃屋の中にはカミーユと同じくらいの年齢の少年と少女がそれぞれおり、そして、先程のガスマスクの人物が現れた。マスクを外しながら、中年の女性と思しきその人物は既にゾンビに転化しかかっていた。彼女は言う、「よくお聞き。これからは自分の力で生きなさい」――少年少女を抱き締めながら、女性はカミーユに2人を託しそのままゾンビへ変異した。
ゾンビ達はカミーユらを襲わないが、何故かその代わりに軍は少女達へと銃を向け捕らえるように迫ってくる。それどころか発砲さえしてくる。しかしそんなカミーユらを守るようにゾンビ達は動き、軍隊へと襲い掛かる。
途中、カミーユが撃たれてしまうがまた別の少年少女らが列車の下に潜り即席の罠を仕掛け、軍を転ばせる。銃を奪うために近づく子供達だったが、何故かその瞬間倒れていた軍人がゾンビと化し立ち上がった。そして、子供らに近づく軍人を襲う。
新たに出会った少年少女らと共に、行動を再開するカミーユ達。カミーユは彼らに、撃たれた腕の傷を治療して貰う。同じよう抗体菌を持つ彼らは、首に3つの傷跡を残している。母との回想を思い起こしながら、少年らと共に「ゾンビも大人達ももう怖くはありません」と仲間ができたことに幾ばくかの幸福を噛みしめるカミーユ。
映画『ゾンビズ・シティ』のあらすじ【転】
やがて、町を出ることに決めたカミーユ達は、その道中でまた更に同じく首に傷を持つ子供達と出会う。その子供達は廃アパートで小さなコミュニティを組んでおり、カミーユは壁に貼られた海の絵を見つける。
時間軸は再び回想へ。海の絵を見つめながら、カミーユは母との別れ際の記憶を思い出す。ゾンビ化し始めている母が取り出したのは、1枚の絵。そこにはクレヨンで海が描かれていた――「この場所を覚えている? ママはここで待っているわ」……カミーユはそれを思い起こしながらじっとその絵を眺めていた。
子供達が公園で遊んでいると、ブランコに乗っていた少年が突然狙撃されその場に倒れる。血を流しながら少年は「海へ行け」とカミーユに言い渡す。母の言葉を少年の言葉が重なるカミーユ――「約束して。必ず海に来て」ママと一緒にいたい、と言ったカミーユの前でゾンビとなった母の最期の言葉だった。
軍隊達が一斉に公園に襲い掛かり、子供達の数人は犠牲になる。それでもそこから何とか逃げ出すカミーユ。そして、そんなカミーユを守るようゾンビ達は軍人達へと襲い掛かるのだった。
映画『ゾンビズ・シティ』の結末・ラスト(ネタバレ)
何とかその場を逃げおおせた数名の子供達ではあったが、今度は軍事用のヘリからの爆撃によりその場で気絶してしまう。少なくとも目視できる限り、その場に生き残ったのはカミーユ含め3人の子供達。カミーユは涙を浮かべながら立ち上がり、海を目指して再び歩き始める。「神様、無事に海に着いてママと出会えますように」――祈りを捧げながらカミーユは足を進めてゆく。
途中、砂浜の上で満身創痍となり気絶するカミーユ達。記憶の底にカミーユの意識が落ちていき、そこで見たのは再び母の別れのあの瞬間であった。海で待つ、といったそれから母は続けた――「覚えておいて。怖かったり悲しかったりしたら、只目を閉じて海のことだけを考えればいいのよ。そこであなたを待ってる」……ゾンビ化しながら母はそう言い、カミーユはその場を走り去った。
気絶していた3人が再び目を覚ますと、波の音が聞こえ、そこには海が広がっていた。起き上がり喜びのあまり走り出す3人。海の上には巨大なタコを思わせる脚が覗いており、空を舞う軍事用ヘリを攻撃していた。気付くと、カミーユ達の手には水かきのようなものが現れ、3つの傷があった首にはエラが出来ており、肌の色も青へと変色していた。「ここが役職の場所。もう怖くありません。あの船まで泳いで、ママに会いに行きます」……カミーユ達は半魚人だったのか、魚類のような形状へと姿を変え笑顔で海を泳いでいく。このタコがウイルスをばらまいていた元凶で、少年少女らはその菌を持ったキャリアだったのだろうか? そして、軍人らからすれば子供達は元々既に半魚人に見えていたのだろうか。解釈は色々とできるが、カミーユ達にとっては幸福なエンディングを迎えるのであった。
映画『ゾンビズ・シティ』の感想・評価・レビュー
珍しいチリ産ゾンビ映画という分野に加え、更には「子供の目から見たゾンビ映画」という稀有な作品。オチで賛否が分かれそうだが、その巨大蛸は恐らくオタクならば知らない者はいないだろうH.P.ラヴクラフトによるクトゥルフ神話が元ネタとなっているのだろう。ギレルモ・デル・トロが絶賛しただけあり、ホラーというよりダークファンタジーに近く、子供達が辿る不幸な寓話といったジャンルか。派手なゾンビ映画を期待すると肩透かしを食らうが、退廃的で不思議な世界観は好み。(MIHOシネマ編集部)
かなりファンタジーなゾンビ映画となっていた今作。ゾンビと言っても主人公はウイルスに感染しない抗体を持った子供なのでよくあるゾンビ映画とはかなり異なる雰囲気です。
冒頭に出てくる母親の言葉を頼りに海を目指す子どもたちの一生懸命な姿は、結末が分からないのでひたすら応援して見守るしかありませんでした。
海にたどり着いた子供たちのまさかの展開に賛否が大きく分かれると思いますが、個人的にはファンタジーな雰囲気があって悪くないなと感じました。(女性 30代)
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