映画『それでも夜は明ける』あらすじネタバレ結末と感想

それでも夜は明けるの概要:『それでも夜は明ける』(原題:12 Years a Slave)は、19世紀アメリカで奴隷として誘拐されたソロモン・ノーサップの体験記を原作とするヒューマンドラマ。アカデミー賞作品賞・助演女優賞など多数の賞に輝いた。

それでも夜は明ける あらすじネタバレ

それでも夜は明ける
映画『それでも夜は明ける』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

それでも夜は明ける あらすじ【起・承】

1841年、アメリカではまだ黒人奴隷制度があった時代、黒人のソロモン・ノーサップは自由黒人として普通の生活を送っていた。ヴァイオリニストのソロモンは、むしろ裕福なくらいだった。妻子と4人でニューヨークに住んでいたソロモンは、ある日仕事相手の白人二人に騙され、ワシントンで奴隷商人に売られてしまう。

何かの間違いだと主張するが、誰も信じない。他に捕まった黒人たちからは、「自分が読み書きできることを決して言ってはならない」と教えられる。
ソロモンは南部から逃げ出した「プラット」という男だということにされた。最初にソロモンを買ったのは、材木商で聖職者でもあるウィリアム・フォードだった。彼は奴隷に対して無慈悲な行いをすることはない温厚な人間で、何をやらせても誰よりも上手く、ヴァイオリンを弾くこともできるソロモンに一目置いていた。しかし、ソロモンは奴隷たちをおもちゃのように扱う農園の監督の男とぶつかり、恨みを買った。フォードはソロモンの命を助けるために他の人に売る事を決める。ソロモンは人格者であるフォードに自分が奴隷ではないことを打ち明ける。だが、フォードはうすうす気が付きながらも、借金があることからソロモンを解放することはできないと言った。

次に売られたのは、綿花を栽培する農園のエドウィン・エップスという男の所だった。エップスは奴隷を人とも思わない残酷な人間で、綿花摘みがノルマに達しなければ鞭で打ち、気に入らないことがあればまた鞭で打つ男だった。ソロモンの苦痛はこのころから更に増していく。

それでも夜は明ける あらすじ【転・結】

エップスは、パッツィーという奴隷の女性を愛人にしていた。彼女は誰よりも多く綿花を摘み、エップスのお気に入りだった。しかし、エップスの妻からは嫉妬で酷い目にあわされ、エップスには慰みものにされ、生きる気力を失っていた。ソロモンはある日彼女に殺してくれと頼まれるが、断る。

綿花の不作が続き、暫くサトウキビ農園を経営する家へ送られたソロモンは、そこでヴァイオリンを弾いて小銭を稼いだ。しかしまたエップスの元に戻ることになる。

ある時、白人が農園に働きにやって来る。アームスバイという元奴隷監督の男だった。アル中で奴隷に身を落としたアームスバイの身の上と考え方を聞き、ソロモンは信用できると思い彼に手紙を出してくれるように頼む。しかし、アームスバイは金だけむしり取ってエップスに告げ口し、計画は失敗に終わった。

白人は信用できないと身に沁みたソロモンは、次に善良な白人がやってきても暫くは何もできずにいた。その白人は、カナダ人大工のサミュエル・バスだ。バスは、人は誰もが平等で、エップスのやり方は残酷すぎると主張した。ソロモンは勇気を振り絞ってバスに打ち明けた。
バスはにわかに信じられず、そして最初は自分がソロモンを助けることで危険にさらされるかもしれないと恐れるが、ソロモンの友人に手紙を出すことは約束した。
ソロモンにとっては最後の希望だった。

ある日、畑を耕しているソロモンの元に保安官と男が訪ねてくる。保安官はソロモンにいくつか質問をし、身分は証明された。もう一人の男はソロモンの友人だった。

こうして、ソロモンのおよそ12年に及ぶ奴隷生活は終わった。家族の元へ帰ったソロモンは、その後奴隷解放の運動を積極的に行う。

それでも夜は明ける 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★★

作品概要

  • 公開日:2013年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
  • 監督:スティーヴ・マックィーン
  • キャスト:キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノ etc

それでも夜は明ける 批評・レビュー

映画『それでも夜は明ける』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

12年という年月

ソロモン・ノーサップの奴隷生活は、実際の出来事である。2時間15分ほどの本編の中で、その時間の経過は分かりにくいが、12年という年月は途方もない。
短い映画の中でも、その途方もなさというのは嫌というほど伝わってくる。白人による残虐な暴力シーンなどは特に長回しで撮られていたように思う。板の様なもので何度もたたかれ、首にロープをかけて吊るされ、鞭で打たれ……そういうシーンを畳みかけ、最後、ソロモンがバスに手紙を出すことを頼んだ後のシーンは本当に印象的だった。何が起こるというわけでもなく、ただ座って不安な顔をするソロモンのシーン。これが本当にいつまで続くんだというほど長い。あまりにも不安そうだし、これが失敗すればもう後はないし、12年という終わりがあることはわかっているのに何か良くないことが起こるんじゃないかと思わせるような長さだった。その観客の不安はそのままソロモンの不安なのだと思う。その後ソロモンは救い出されるが、恐らく手紙を出してからの時間はかなり長かっただろう。

奴隷制度の慣れ

この映画には、白人の中にも善人はいるように描かれている。最初の主人フォードもそうだし、最後ソロモンを救ったバスもそう。しかし、その善人然とした奥にあるのはやはり差別意識ではないだろうか。フォードは表面的な優しさを見せても、どこか「奴隷は奴隷」という考えが見え透いている。頭では奴隷たちを尊重していても、潜在的意識ではそうではないのだ。バスも、結果的にソロモンを救ったことには違いないが、彼はソロモンのために自分の身を危険にさらそうとは思っていない。この二人は「いい人風」でしかない。

それでも夜は明ける 感想まとめ

この映画、面白いのは、単に奴隷制度の残酷さについて、奴隷を主人公にして語ったことではない。ソロモン・ノーサップは奴隷とは程遠い生活をしていたということも重要だと思う。裕福に暮らしていたソロモンにとって、南部での奴隷がどれほど過酷な状況に置かれているかなんて考えもしなかったのではないだろうか。そんなソロモンの視点で描かれているからこそ、主人側の人間性や奴隷たちが人生を諦めきって、まるで家畜のように当たり前に生きていることが恐ろしく感じられたのだと思う。

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