映画『64 ロクヨン 前編』あらすじネタバレ結末と感想

64 ロクヨン 前編の概要:横山秀夫の同名小説の映画化作品。主演は佐藤浩市。他、吉岡秀隆、榮倉奈々、綾野剛、瑛太、坂口健太郎、窪田正孝など中堅から若手の新鋭の役者たちが脇を固めている。

64 ロクヨン 前編 あらすじネタバレ

64 ロクヨン 前編
映画『64 ロクヨン 前編』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

64 ロクヨン 前編 あらすじ【起・承】

1964年、雨宮翔子という7歳の少女がある日突然誘拐された。刑事の三上義信は、上司や情報を解析する電信担当の部下と共に捜査に当たったが、身代金の受け渡し場所に翻弄された金を奪われた挙句、翔子は数日後無残な遺体となって発見された。1964年は、昭和天皇の崩御と重なり、たった7日間しかなく、わずかその間の痛ましい事件だった。

十四年後、三上は左遷され、刑事課から広報室の広報官となっていた。時効まであと一年となったその年、警視庁官が雨宮宅を訪れ遺族を激励するというイベントが企画された。遺族との交渉を任された三上は雨宮宅を訪れるが、家はまるで翔子がいたかの如く、かつてのまま残された状態で古びており、妻も亡くした雨宮芳夫だけが一人で暮らしていた。雨宮に断られた三上は、仕方なく引き上げるしかなかった。

ちょうどその時期、記者クラブと警察は別件の実名報道をめぐってもめている最中だった。ある交通事故の犯人の実名報道を要求する記者クラブに対し、警察は加害者が妊婦だという理由でその要求を突っぱねていたのだ。そちらが信用してくれないのなら、警視庁長官の雨宮への激励も報道しないとボイコットをする最悪の事態に、三上はただ板挟みにされて苦しむのだった。

64 ロクヨン 前編 あらすじ【転・結】

やがて、雨宮にまつわる誘拐事件、通称ロクヨンを調べているうちに、三上は警察が致命的なミスを犯していたことを知る。そのせいで、当時の初動班にいた電信係たちが、引きこもりになったり、職を辞していたことも併せて知る。それぞれに会いに行く三上は、しかし何もかける言葉なく悔し涙をこらえるばかりだった。

三上は、記者クラブに対し加害者の実名を明らかにした。上からの命令を無視した行為に、広報室の面々は絶望する。しかし、三上の「俺という人間を信用してくれ。これから人間関係を築いていこう」という熱い主張に、記者クラブの記者たちは心打たれ、警視庁官の慰問を取材することを約束してくれた。

三上の熱意が通じて和解したのもつかの間、刑事課のおかしな動きを察知する広報室の面々たち。刑事課と警視庁と、かねてから軋轢があったことから、それに関連したことかと予測したがそれは違った。なんと、ロクヨンを模倣するような誘拐事件が起きたというのだ。

64 ロクヨン 前編 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2016年
  • 上映時間:121分
  • ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:瀬々敬久
  • キャスト:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣 etc

64 ロクヨン 前編 批評・レビュー

映画『64 ロクヨン 前編』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

文句なしの人間ドラマ

もっとサスペンス要素が強いのかと思っていたが、いい意味で予想を裏切られた。どちらかというと謎が云々よりも、それにまつわる人間ドラマを描くのが9割、といった印象。主人公の三上は、外から見ていると一生懸命で熱心な刑事に見えるが、ロクヨンのせいで娘は失踪している。記者クラブの面々も、当時本当にそうだったのか知れないが(原作者が報道関係の人間なのであながち誇張ではないのかもしれない)、なかなかに強烈で、駆け引きに翻弄される三上の部下の様子もとても繊細に描かれていた。たたき上げの警察官とキャリアの間の軋轢も嫌というほどリアルに再現されている。

また、ロクヨンで秘密を握ることとなり、十四年間という長い間自責に苦しむ二人の若き捜査班の苦悩も、静かに深く重く描かれており、三上の手紙を見た時は観客の私まで息苦しいほどだった。

総じて何もかもが派手ではない映画である。大きな出来事があるわけでもない。だからこそ、一人一人の人間の生きざまというか、一挙手一投足、苦しみのひとつひとつが非常に迫ってくる。

見ていて苦しい

長所と短所は裏表である。先に記述したように、人間をひとつひとつ丁寧に描いているからか、大きな山場と呼べる部分はない。始終重苦しい雰囲気と、胸が詰まる思いで観続けるというのはなかなかに人を選ぶ気がした。私自身はこういうヒューマンドラマも嫌いではないが、映画に何を求めるかによっては、ただ苦しいばかりの退屈な映画になってしまうかもしれない。

64 ロクヨン 前編 感想まとめ

人間ひとりひとりの苦痛や悩みを抹消面からち密に描いた作品。誰もが分かり合えていない感じがして、見ていて辛く、重苦しいけれどだからこそ時折表現される優しさやひたむきさに突然胸を打たれる。

そういう映画だとわかって観るもしくは、ヒューマンドラマを好む人にはいいが、そうでない人には退屈で終わる可能性も。ストーリーにあまり山場がなく、あるとすればロクヨンの模倣事件の発生だが、それは前編の最後。後編でどう収束させるか楽しみである。

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