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映画『64 ロクヨン 前編』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『64 ロクヨン 前編』の概要:昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件を警察はロクヨンと呼んでいる。時効まであと1年となった平成14年、事件は再び動き始める。横山秀夫の同名小説の映画化。佐藤浩市が本作で第40回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した。

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映画『64 ロクヨン 前編』の作品情報

64 ロクヨン 前編

製作年:2016年
上映時間:121分
ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、ミステリー
監督:瀬々敬久
キャスト:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣 etc

映画『64 ロクヨン 前編』の登場人物(キャスト)

三上義信(佐藤浩市)
昭和64年に起きた未解決の少女誘拐殺人事件、通称ロクヨンを捜査していた刑事。今は県警の広報官。元同僚の妻・美那子との間にあゆみという娘がいるが、彼女は行方不明になってしまう。
雨宮芳男(永瀬正敏)
ロクヨン事件の被害者・翔子の父親。事件後は生気を失い、妻にも先立たれ、独り昭和64年に取り残されてしまっている。
幸田一樹(吉岡秀隆)
ロクヨン事件の時、自宅班だった元刑事の男。事件後すぐに警察を辞め、今はスーパーの駐車場で車の誘導をしている。事件のカギとなる「幸田メモ」を書いた人物。
秋川(瑛太)
記者クラブのリーダー的存在。東洋新聞記者。
赤間(滝藤賢一)
県警本部警務部長。三上の上司で、自分のキャリアのことしか考えていない。三上には、騒ぐ記者たちを力で抑えつけろ、などと指示をする。

映画『64 ロクヨン 前編』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『64 ロクヨン 前編』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『64 ロクヨン 前編』のあらすじ【起】

昭和64年1月5日。雨宮翔子という7歳の少女は、木の枝にカラフルな団子を付けたメーダマを持って出かけた。

夜になり、雨宮家に警察が集まっている。雨宮家は娘を誘拐され、犯人に身代金を要求されている。父・芳男は、電話で犯人に指定された喫茶店へ車を飛ばした。着いた先々で次の場所を指定され、最終的に山間部の橋からトランクを川へ落とした。

1月7日、昭和天皇は崩御し、世の中はそのニュースで溢れている。一方、廃車のトランクから翔子の遺体が見つかる。

平成14年12月4日。警察の三上義信は、元同僚の妻・美那子と共に女性の遺体の確認をしている。彼らは行方不明の娘・あゆみを探しているが、遺体は別人だった。

広報官になったばかりの三上は、交通事故の加害者の名前が匿名であることを記者クラブから責められている。三上は、妊娠8ヶ月の加害者の心身の状態を配慮しての判断だと説明するが、記者たちは納得しない。

たった一週間しかなかった昭和64年に起きたあの事件のことを警察はロクヨンと呼んでいる。時効まで一年が迫り、翌週に警視庁長官が視察に来るという。三上は警務部長の赤間から遺族との交渉を任せられる。

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映画『64 ロクヨン 前編』のあらすじ【承】

三上が雨宮家を訪問すると、やつれた芳男がいた。妻は一年前に脳梗塞で亡くなったという。雨宮は長官の慰問を断った。

三上家に無言電話があり、美那子はあゆみからの電話だと信じている。

加害者の実名を出さなければ本部長に抗議文を出すと言う記者クラブを止めるため、三上は東洋新聞の記者にネタを提供した。しかし三上は裏切られ、記者クラブのリーダー格である東洋新聞の秋川を先頭に、記者たちは抗議文を持って本部長の部屋へ押しかけた。三上と部下たちが必死に彼らを止めようとし、三上がうっかり抗議文の紙を破ってしまう。秋川は怒り、今度の長官の取材をボイコットすると言った。

12月7日、三上は雨宮の交渉のために、元同僚の望月を訪ねた。すると、望月は「幸田メモのことは何も言えない」と言った。三上は幸田メモのことを何も知らなかったが、当時の同僚たちをあたり、調べてみることにした。

美那子は無言電話があって以来、家に引きこもりがちになっていた。義信は、他の人の家にも無言電話がよくあるらしいと言った。そして義信は、父に似た自分の顔を整形したいと言った娘の姿を思い出した。

映画『64 ロクヨン 前編』のあらすじ【転】

幸田一樹はロクヨン事件の時自宅班だった男で、事件後すぐに警察を辞めていた。三上が柿沼という刑事に幸田のことを聞きに行くと、彼はスーパーの駐車場で働く幸田を監視していた。

ロクヨン事件には、公表されていない犯人からの電話が一つあった。テレコの不具合で警察は犯人の声を録り逃してしまったため、そのことは口外されていない。当時テレコの操作を担当していた日吉という若い刑事は、上司から少女が死んだらお前のせいだと言われ、事件以降部屋に引きこもってしまった。幸田は電話のことを報告書に書き、本部に提出しようとしたが、それは県警の組織ぐるみで隠蔽された。

三上は再び雨宮家へ行き、仏壇に線香をあげた。事件当時のことや自分の娘のことが頭によぎり、三上は言葉に詰まってしまう。雨宮は長官の慰問を許可した。

刑事部長が東洋新聞にネタを売り、県警の不祥事が報道された。赤間は記者クラブに頭を下げるよう三上に指示した。

三上が刑事部長の元へ行くと、今度の長官視察は、県警の刑事部長ポストに有能なキャリア組を置くためだということを知らされた。刑事部長は、記者クラブにあえて取材をボイコットさせるよう三上に言った。

映画『64 ロクヨン 前編』の結末・ラスト(ネタバレ)

三上は、広報官として匿名問題にケリをつけようとし、警察を辞める覚悟で記者クラブに話をしに行った。今後は実名を原則とすると三上が宣言すると、記者たちは、妊婦の名前と住所を公表しなければその言葉を信じられないと言った。三上は部下の制止を振り切り、記者クラブへ加害者の名前と住所を言った。加害者が公安委員の娘であること、被害者の老人が亡くなったこともすべて伝えた。三上の誠意ある行動にも関わらず、記者たちは「だから県警は信用できない」という結論を出した。

三上は、最後に被害者の老人の身の上話をした。彼は身寄りもなく、世の中も彼の死を知らない。ロクヨン事件の報道は、天皇崩御と重なり、極端に少なかった。今もう一度報道してほしいという三上の言葉を聞き、記者クラブは長官の取材をすることにした。

12月11日、長官視察の前日、誘拐事件が起きた。犯人はサトウと名乗り、2000万を要求し、丸越百貨店の一番大きなスーツケースを指定しているという。それはロクヨン事件と全く同じであった。三上は記者と報道協定を締結するよう命じられた。

映画『64 ロクヨン 前編』の感想・評価・レビュー

冒頭から誘拐事件で、身代金を持って振り回される父親役の永瀬正敏の熱演に引き込まれる。その後、警察関係者や記者クラブの面々など登場人物が増えていくが、主役級の俳優ばかりでその豪華さに驚いた。主役の佐藤浩市のにじみ出るような疲弊や苦悩がリアルで、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞の獲得も納得だった。

ストーリーが進むにつれ、事件内容ばかりではなくその周辺の人間模様や社内政治などが描かれ、多層的な構造に作品の深みを感じた。最後はロクヨンを模倣した事件が起こり、後編への期待が高まる終わり方だった。(女性 40代)


ずっと重苦しい雰囲気が続くので、観続けるのは精神力が必要だった。

当時の警察の様子や裏側を見たような感じで、やはり現代のようにネットやSNSなどが普及していない昭和において、今よりも警察の隠蔽や情報操作が容易く行われていたのだろうなと思った。

少女誘拐殺人事件にまつわる話なので、サスペンス要素が強いのかと思って観たが、意外にしっかりとした人間ドラマだ。模倣事件が起き、謎がさらに深まり後編に続く終わり方は良かった。(女性 40代)


重厚で骨太な一本。
前後編の前編となる本作では、事件そのものの謎が解明されていく様以上に、主人公と記者クラブの関係を始めとした「組織の中で働く人」のドラマが強く印象に残る。その根本は多くの会社員に響くのではないだろうか。登場人物達それぞれの想いが丁寧に描かれている分、話の展開に派手さはない。そして単純な良し悪しもない。その為ある程度観るときに体力と集中力が要求される。そこを楽しめるのであれば、十分お勧めできる一本。(男性 40代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    人間ひとりひとりの苦痛や悩みを抹消面からち密に描いた作品。誰もが分かり合えていない感じがして、見ていて辛く、重苦しいけれどだからこそ時折表現される優しさやひたむきさに突然胸を打たれる。

    そういう映画だとわかって観るもしくは、ヒューマンドラマを好む人にはいいが、そうでない人には退屈で終わる可能性も。ストーリーにあまり山場がなく、あるとすればロクヨンの模倣事件の発生だが、それは前編の最後。後編でどう収束させるか楽しみである。

  2. 匿名 より:

    ①文句なしの人間ドラマ

    もっとサスペンス要素が強いのかと思っていたが、いい意味で予想を裏切られた。どちらかというと謎が云々よりも、それにまつわる人間ドラマを描くのが9割、といった印象。主人公の三上は、外から見ていると一生懸命で熱心な刑事に見えるが、ロクヨンのせいで娘は失踪している。記者クラブの面々も、当時本当にそうだったのか知れないが(原作者が報道関係の人間なのであながち誇張ではないのかもしれない)、なかなかに強烈で、駆け引きに翻弄される三上の部下の様子もとても繊細に描かれていた。たたき上げの警察官とキャリアの間の軋轢も嫌というほどリアルに再現されている。

    また、ロクヨンで秘密を握ることとなり、十四年間という長い間自責に苦しむ二人の若き捜査班の苦悩も、静かに深く重く描かれており、三上の手紙を見た時は観客の私まで息苦しいほどだった。

    総じて何もかもが派手ではない映画である。大きな出来事があるわけでもない。だからこそ、一人一人の人間の生きざまというか、一挙手一投足、苦しみのひとつひとつが非常に迫ってくる。

    ②見ていて苦しい

    長所と短所は裏表である。先に記述したように、人間をひとつひとつ丁寧に描いているからか、大きな山場と呼べる部分はない。始終重苦しい雰囲気と、胸が詰まる思いで観続けるというのはなかなかに人を選ぶ気がした。私自身はこういうヒューマンドラマも嫌いではないが、映画に何を求めるかによっては、ただ苦しいばかりの退屈な映画になってしまうかもしれない。