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映画『あの頃ペニー・レインと』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『あの頃ペニー・レインと』の概要:音楽ライターを目指す少年ウィリアムは、あるバンドの取材中に魅力的なロックガール、ペニーと出会う。監督キャメロン・クロウ自身の、15歳で『ローリング・ストーン』誌の記者に抜擢されたという実体験に基づく青春ドラマ。

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映画『あの頃ペニー・レインと』の作品情報

あの頃ペニー・レインと

製作年:2000年
上映時間:123分
ジャンル:青春、音楽
監督:キャメロン・クロウ
キャスト:パトリック・フュジット、ケイト・ハドソン、ビリー・クラダップ、フランシス・マクドーマンド etc

映画『あの頃ペニー・レインと』の登場人物(キャスト)

ウィリアム・ミラー(15歳時:パトリック・フュジット / 幼少期:マイケル・アンガラノ)
音楽ライター志望の少年。ローリングストーン誌の記者に抜擢され、ロックバンド『Still Water』を同行取材する。頭が良く、2年飛び級している。
ペニー・レイン / レディ・グッドマン(ケイト・ハドソン)
『バンドエイド』を名乗るグルーピーの一員。ウィリアムと同じ街に住んでいる。いつかモロッコで暮らしたいと夢見ている。
ラッセル・ハモンド(ビリー・クラダップ)
ロックバンド『Still Water』のギタリスト。バンドツアー中にペニーと恋に落ちる。
アニタ・ミラー(ズーイー・デシャネル)
ウィリアムの姉。厳格な母に嫌気が差して家を出る。ウィリアムが音楽に傾倒するきっかけを与える。スチュワーデス志望。
エレイン・ミラー(フランシス・マクドーマンド)
ウィリアムの母。厳しいルールでウィリアムやアニタを束縛する。心理学教授。
ジェフ・ベイブ(ジェイソン・リー)
『Still Water』のリードボーカル。
サファイア(フェアルザ・バルク)
ロック界のマドンナでバンドエイドの姉的存在。
ディック・ロスウェル(ノア・テイラー)
Still Waterのマネージャー。
デニス・ホープ(マーク・コゼレック)
後にStill Waterに加入する敏腕マネージャー。
レスリー(リズ・ストウバー)
ラッセルの長年の恋人。
レスター・バングス(フィリップ・シーモア・ホフマン)
音楽雑誌『クリーム』の編集長。ウィリアムの才能を認めた最初の人物。ウィリアムの良き相談相手。
ベン・フォン・トーレス(テリー・チェン)
音楽雑誌『ローリングストーン』の編集者。

映画『あの頃ペニー・レインと』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『あの頃ペニー・レインと』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『あの頃ペニー・レインと』のあらすじ【起】

1969年のサンディエゴ。頭の良いウィリアムは、厳格な母親エレインによって無理やり二年飛び級させられている。ウィリアムの姉アニタは、束縛する母に嫌気が差して家出する。

アニタからレコードのコレクションを譲り受けたことをきっかけに、ウィリアムはロックに傾倒する。

1972年。15歳のウィリアムは、音楽雑誌『クリーム』の編集長レスターに、自分が書いた学校新聞の記事を送る。ウィリアムは、ラジオ収録のためにサンディアゴを訪れていたレスターに直談判する。ウィリアムの才能を認めたレスターは、ウィリアムに一本の記事を任せる。

ウィリアムは、取材のために『Black Sabbath』のコンサートに足を運ぶ。ウィリアムは記者と名乗って裏口から会場に入ろうとするが、ガードマンに門前払いされる。その様子を笑って見ていたグルーピー『バンドエイド』の一員のペニーが、ウィリアムに話しかける。

ロック界のマドンナ、サファイアが現れ、バンドエイドを中に招き入れる。ペニー達と入れなかったウィリアムが諦めて帰ろうとしたところ、ロックバンド『Still Water』が到着する。以前からStill Waterのファンであったウィリアムは、バンドメンバー達に話しかける。Still Waterに歓迎されたウィリアムは、会場入りを許可される。

バックステージで、ウィリアムはペニーと再会する。ウィリアムは不思議な魅力を持つペニーにときめく。ウィリアムは、Still Waterのギタリストのラッセルをペニーに紹介する。ペニーとラッセルは一目で恋に落ちる。

一晩で大勢のロック関係者と知り合ったウィリアムは興奮している。コンサート終了後、同じサンディエゴに住むペニーはウィリアムに連絡先を伝える。上機嫌のウィリアムは、迎えに来たエレインの車で帰路につく。

翌日、ウィリアムとペニーはStill Waterを追ってロサンゼルスへ向かう。再会したペニーとラッセルは恋人同士になる。

ウィリアムの宿泊先に、『ローリングストーン』誌編集者のベンから電話がかかってくる。ウィリアムの記事に関心を持ったベンは、Still Waterについての記事執筆を許可する。

その夜、ウィリアムは、電話でレスターに相談する。レスターは、ロック界を席巻する商業主義に利用されるなと助言する。

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映画『あの頃ペニー・レインと』のあらすじ【承】

ウィリアムは、バンドエイド達と共にStill Waterの全米ツアーに加わる。エレインはウィリアムに細かい条件をつけて出発を見送る。

一行はクリーブランドに到着する。コンサート前、ラッセルはバンドのプライバシーについて赤裸々に書かないよう、ウィリアムに忠告する。

公演中、ラッセルは故障したマイクが原因で感電する。演奏を放棄したStill Waterのメンバー達は、激怒する主催者を尻目に会場を後にする。一行は次の会場のトピーカを目指す。
ウィリアムは、自分の行き先に逐一電話をかけてくるエレインが鬱陶しくなる。

トピーカでのリハーサル中に、Still WaterのバンドTシャツが届く。メンバー達はTシャツのデザインが原因で揉め、ラッセルとリードボーカルのジェフは激しい口論になる。

ラッセルは、今夜の演奏を放棄し、ウィリアムを連れて外に出る。ラッセルは自分の信条を情熱的に語り、ウィリアムは初めて他人に出自を語る。二人の信頼関係は強まる。

トピーカ在住の若者達の招待を受け、ラッセルとウィリアムはあるホームパーティに参加する。パーティー会場でヒーロー扱いされたラッセルは、LSDでハイになり屋上からプールに飛び込む。

翌朝、Still Waterのマネージャーのディックがラッセルを迎えに来る。ラッセルはメンバー達と和解し、一行はツアーバスに乗って次の会場のグリーンヴィルへ向かう。

母親や卒業試験が気になるウィリアムは、取材を切り上げて帰宅しようと考える。ペニーから「このバスこそが家だ」という言葉を聞いて、ウィリアムは同行取材を続けることを決意する。

グリーンヴィルでバンドエイド達は暇を持て余す。サファイアの提案により、バンドエイド達は遊び半分にウィリアムの童貞を奪う。

翌日、ウィリアムはベンから原稿を催促される。周りに振り回され一向に取材が進まないウィリアムは、Still Waterやペニー達にとって自分が何なのかわからなくなり煩悶する。

映画『あの頃ペニー・レインと』のあらすじ【転】

敏腕マネージャーのデニスがStill Waterに加わる。商業主義者のデニスの手腕により、Still Waterの人気は高まる。メンバー達は傲慢に振舞うようになる。

ある日、ラッセルは有名ミュージシャン達とのポーカーに参加し、ペニーをポーカーの景品として賭ける。

ニューヨーク公演からラッセルの恋人レスリーがツアーに加わるため、ペニーはこれ以上の同行を許されない。ラッセルがペニーを冷遇することに、ウィリアムは納得がいかない。何としてでもニューヨーク公演に行こうとするペニーに、ウィリアムはラッセルのポーカーの件を暴露する。傷つきながらもラッセルを信じようとするペニーに、ウィリアムは現実逃避していると指摘する。

ニューヨークに到着したラッセルは、レスリーと再会する。ペニーもサファイア達と共にニューヨークに来ている。

ホテルにいるウィリアムのもとに、ベンから電話がかかってくる。Still Waterの特集を決定したベンは、取材の詳細を送るようウィリアムを急かす。

その夜の夕食の席で、ウィリアムはメンバー達に、Still Waterがローリングストーン誌の表紙を飾ることを発表する。

一同が大喜びする中、ラッセルは同じレストランに来ているペニーに気付く。トラブルを避けるため、ディックはペニーにこの場を去るよう説得する。泣きながら外へ飛び出したペニーを、ウィリアムが追う。

ウィリアムは、ペニーが滞在するホテルに辿り着く。ペニーは大量のアルコールと睡眠薬を摂取し、自殺を図る。ウィリアムは急いでフロントに連絡して助けを呼ぶ。次第に意識が薄れていくペニーに、ウィリアムは愛を告白する。程なくして医者が到着し、ペニーは一命を取り留める。

翌朝、ウィリアムは衰弱したペニーと散歩している。ペニーは、ウィリアムに本名『レディ・グッドマン』を明かし、現実に目を向け始める。ペニーは一人サンディエゴへ帰っていく。

次の会場へ向かう途中、Still Waterが乗った飛行機は嵐に巻き込まれる。死に直面したメンバー達は、それぞれ本心や秘密を打ち明ける。しばらくして飛行機は嵐を抜け、無事に着陸する。

めいめいが胸の内を暴露したため、バンド内では気まずい空気が流れる。ウィリアムはStill Waterと別れ、取材を報告するためにローリングストーン誌本社のあるサンフランシスコへ向かう。

ベン達に取材内容をけなされたウィリアムは、ボツにされることを避けようと一晩で記事を完成させる。ベン達はウィリアムの記事を絶賛するが、Still Waterが記事の内容を否定したため、ウィリアムは嘘つき呼ばわりされて解雇される。

映画『あの頃ペニー・レインと』の結末・ラスト(ネタバレ)

傷心のウィリアムはサンディエゴに帰ろうと決意する。サンフランシスコの空港で搭乗を待つ間、ウィリアムはスチュワーデスになっていたアニタに偶然再会する。

ウィリアムを心配したアニタは、ウィリアムと共にサンディアゴに帰省する。エレインは二人の帰宅に感激し、アニタを抱きしめる。

ある日、サファイアが公演前のラッセルを訪ねてくる。サファイアは、ラッセルのペニーやウィリアムに対する裏切りを責める。

反省したラッセルは、サンディアゴにいるペニーに電話をかける。直接会って謝りたいと言うラッセルに、ペニーは自宅の住所を教える。

ラッセルはペニーに教えられた住所を訪ねる。呼び鈴を鳴らすと、エレインが応対に出てくる。ラッセルとウィリアムを再会させるため、ペニーはラッセルにウィリアムの住所を教えたのだった。

突然の訪問に驚くウィリアムに、ラッセルは謝罪する。ウィリアムはラッセルのインタビューを再開し、二人の友情は復活する。

アニタとエレインは仲直りし、ラッセルは帰っていく。ウィリアムの記事は真実だと認められ、Still Waterはローリングストーン誌の表紙を飾る。ペニーは、念願のモロッコへ向かう。

映画『あの頃ペニー・レインと』の感想・評価・レビュー

この映画が名作として今も見られるようになったのは、主人公のガイド役として登場するフィリップ・シーモア・ホフマンの演技による所が大きいと思っている。もちろん音楽や脚本、演出も素晴らしい出来だし、まさに「青春のいつまでも心に残る1ページ」として誰しもが共感できる作品だが、この作品に圧倒的な説得力を与えているのはやっぱり彼だなと、何度見返しても感じる。「スーパー・チューズデー」という映画があるが、その作品でも彼は「そこにいるだけで物語がリアルになる」という恐ろしい程の演技力を見せている。
キャメロン・クロウの自伝的作品という事だが、バンドについて書くライターを主人公にするという点も、状況設定の説明を効率よく運ぶための手段として、上手いとしか言いようが無い。(男性 30代)


15歳で音楽ジャーナリストになったキャメロン・クロウ監督の自伝的映画。
ペニー・レイン演じるケイト・ハドソンがキュートすぎて、報われないってわかっていても恋しちゃう主人公に共感しまくりです。
大人の階段を登っている最中の少年はもちろん、とっくに登りきっちゃった大人にもオススメの作品です。

音楽に精通している監督ということでサントラも文句なしの名盤です。運命の1曲に出会えちゃうかもしれません。(女性 40代)


これは紛れもなく、ケイト・ハドソンとペニー・レインの映画だ。音楽を愛するグルーピーであるペニー・レインの可愛さ、妖艶さ、大人の中に見える無邪気さは唯一無二である。

魅力はペニー・レインだけではない。1970年代の音楽がメインだけとあって、出てくるバンド・エイドたちがヒッピーでファッショナブル、まるでファッションの参考書のように。

注目されるべきは、ペニー・レインとファッショナブルな劇中模様だけではなく、10代特有の夢と現実のはざまで揺れ動く気持ちを分かりやすく私たちに届けてくれるだろう。(女性 20代)


70年代のような雰囲気を感じることが出来るので、とてもお洒落な作品になっていていいなと思った。
15歳にして天才的な才能を開花させ、記者になったウィリアムがバンドを取材することから話は進んでいくが、ロックミュージックに興味ない人だと話に入り込みづらいかもしれないと思った。

ペニー・レインがとにかく綺麗で可愛くて、ウィリアムが見惚れてしまうのは良くわかる。
精神的に不安定で途中大丈夫かと心配になったが、最後はいい方向に行ったので良かった。(女性 20代)


アメリカ60年代カルチャーが好きな人にはたまらない映画である。
音楽雑誌の新人ライターが人気ロックバンドのライブツアーに帯同し、様々な体験をする成長物語。誰しもが経験した青春の淡い気持ちを思い起こさせてくれる作品だ。
多くの若者が憧れるミュージシャンという存在……その光と影。それを取り巻く人間たちの思惑。必ずしも輝かしい部分だけではない。
そんなリアルをライターの青年の葛藤を通して描かれている。
熱狂する若者にかつての自分を重ねて、何とも言えない気持ちにさせてくれる映画である。(男性 40代)


ノスタルジックな雰囲気と音楽がクセになる映画。若かりしケイト・ハドソンがめちゃくちゃ可愛いです。ほろ苦くて甘酸っぱい青春を楽しめます。バンドのグルピーの世界を覗き見できて面白かったです。特に、飛行機の中の暴露大会は面白いです。音楽や物書き、何かに打ち込める情熱があるのは素晴らしいことだと改めて感じました。カッコ良い台詞やおしゃれなシーンが沢山あり胸に響き、そしてラストのペニーの粋な計らいは素敵でした。(女性 30代)


映画は大好きだけど、音楽は全くの無知で興味が無い私。音楽をテーマにした作品は嫌いでは無いですが、もっと知識があればより楽しめるのかなと感じることが多いです。この作品もまさにその通りでした。音楽が好きな人が見たら、とにかく心に響くであろうこの作品。難しいことは考えずに、バンドと青春と恋愛と、そして友情と。音楽の知識が全く無くても、「ペニー・レイン」ってなに?という人でも、1つの作品としてものすごく楽しめました。オシャレな雰囲気が漂う作品です。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 村山 より:

    音楽やロックはあまり詳しくなかったが、オシャレなDVDパッケージが印象的で見てみようと思った作品。ジャーナリストの実話をもとにした作品というのは見た後に知ったのだが、「なんて素敵な青春時代と初恋なんだろう!」ととても羨ましくなった。

    親からの重圧や、大人の世界に飛び込んだり、やりたいことに一生懸命に取り組んだあの頃をペニーレインと共に過ごし、彼女との別れと共に一回り大人になる姿が描かれていてとても素敵な青春映画だった。

  2. ふくりん より:

    本作は、キャメロン・クロウ監督の実体験を基に作られた青春音楽ドラマ作品。
    ウィリアムを含む登場人物たちが真摯に音楽と向き合い、音楽を心から愛する姿が美しかった。
    ヒロインのペニー・レインは可愛らしく、きっと誰もが彼女に恋するだろうと思った。
    ウィリアムの失恋は無念だったが、それでも希望を感じられる終わり方で、パワーを貰えた気がした。
    1970~1980年代のノスタルジックな音楽が当時の雰囲気を醸し出していて、音楽好きには堪らない作品となっている。

  3. トウシュ より:

    主人公と同世代の時に背伸びをして劇場へ足を運び、主人公に大きく共感して痛切な思いを味わった作品。何も映画の中でまで失恋を体験しなくても良いのだけど、情報がなかった時代だからしかたない。ストーリーは誠実なものだけどこの映画の真価は当時のバンドの空気を追体験できることにあると思う。1970年代の名曲に乗せて描かれる解放感に満ちた空気は新鮮で、その中でどうしようもないペニーへの思いを抱く少年が、ままならない青春期を思いださせる。

  4. 匿名 より:

    ①青春映画の傑作

    まずはじめに、この映画は、音楽好きを名乗るなら必ず見ておけというくらいの、バイブル映画です。70年代から80年代、ロックンロールの黄金時代と言われた時代の名盤を熱めに集めたような、映画中の楽曲もそうですが、なによりこの映画で描かれるのは「音楽の力」なのです。ロックジャーナリストとして自身も数々の経験を積んだクロウ監督の分身ともいえる主人公の少年・ウィリアム。彼は、厳格な教育の中で、姉から音楽を与えられます。自由で奔放で滅茶苦茶なロックンロール。箱入り息子と敷いて英才教育を受けて育った彼にとって、それがどれだけ刺激的で魅力的な世界であったか、想像に難くありません。

    そして更に、彼はそんな世界に夢を見て、叶えていきます。ローリングストーン誌の記者。世界中の音楽好きが憧れてやまない世界に飛び込んだ彼を待ち受ける現実と夢を、実際目にしたクロウにしかわからないリアリティときらめきを持って描かれています。
    自由で、しかしだからこそ過酷な音楽の世界。そんな世界で自分の筆一本で戦う少年の姿は、いつ見ても眩しいものです。

    ②圧倒的ヒロイン

    今作のペニー・レインは音楽好きの間でも今なお圧倒的人気のアイコンです。
    グルーピーという、ある意味アナーキーな存在でありながら、可愛らしいルックスと軽やかさ、そして本気でラッセルに恋するが故の危うさは、観る者の注目を奪います。
    また、彼女は普遍的な存在でもあります。恋をする女性というのはいつの日も、心にペニー・レインを飼っているのだと思います。好きなひとのそばにいられるなら、いくらでも自分をごまかせてしまう、しかしだからこそ最後には壊れてしまう彼女の切なさは、多くの女性観客の共感を呼びます。

  5. 匿名 より:

    今作は切ない青春映画であり、少年の初めての冒険と失恋を描く映画ですが、なぜか、観終わったあとに元気になれる作品でもあります。それは、今作の中のウィリアムが力強く希望に溢れ、さらには夢をかなえていく姿が眩しいからですが、なによりも彼がひたむきに音楽を愛し続けている姿によるものだと思います。ウィリアムに限らず、今作の登場人物たちは皆、音楽を心から愛し、真剣です。その姿に、明日を生きる活力をもらえる気がするのです。