映画『あの日 あの時 愛の記憶』あらすじネタバレ結末と感想

あの日 あの時 愛の記憶の概要:ポーランドの強制収容所で恋に落ち生き別れた男女が、30年以上の時を経て再会を果たす。奇跡のような実話を基に製作されたラブストーリー。2011年公開のドイツ映画。

あの日 あの時 愛の記憶 あらすじネタバレ

あの日 あの時 愛の記憶
映画『あの日 あの時 愛の記憶』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

あの日 あの時 愛の記憶 あらすじ【起・承】

1944年、ユダヤ人女性のハンナ・ジルベルシュタイン(アリス・ドワイヤー)はポーランドの強制収容所でトマシュ・リマノフスキ(マテウス・ダミエッキ)と恋に落ちる。トマシュはポーランド人だったが、母国で反ナチスの運動に参加して収容所に送られていた。

ユダヤ人よりは扱いのいいトマシュは、闇物資の調達係としてドイツ兵にも重宝されていた。そのおかげで2人は密会することができ、ハンナはトマシュの子を妊娠していた。しかしハンナはその事実をトマシュには告げていなかった。

トマシュは仲間の代表として脱走し、収容所内の犯罪行為を撮影したネガをワルシャワの同胞に届ける役目を担っていた。その時はハンナも一緒に脱走させるつもりで、トマシュは周到に準備を進めていた。もし捕まって拷問されてもハンナが苦しまないように、トマシュはその事実をハンナに隠していた。

いよいよその時が来て、2人は決死の覚悟で脱走する。森を走り、川を泳ぎ、車を盗んで逃走を続け、ようやくトマシュの実家にたどり着く。しかし屋敷はドイツ軍によって接収されており、母親は別の場所に移動していた。2人は馬番のヤヌシュにかくまってもらい、トマシュは母と再会する。しかし母はユダヤ人のハンナとは別れるように警告する。

無理がたたって流産してしまったハンナをトマシュは母のところへ連れていく。そしてトマシュは母にハンナを託し、ワルシャワへ向かう。ハンナはドイツ兵に自分を売ろうとした義母の家を出て、トマシュの兄の家へ身を寄せる。

あの日 あの時 愛の記憶 あらすじ【転・結】

トマシュの兄も反ナチスの運動家であり、あちこちを転々としていた。同じ志を持つ妻のマグダはハンナを親切にかくまってくれる。ハンナはマグダとともに、ひたすらトマシュの帰りを待っていた。しかし兄は帰ってきたのに、トマシュの行方は一向に知れなかった。

そんなある日、ソ連軍に家を追われた義母が兄の家にやってくる。しかしここにもソ連軍がやってきて、兄とマグダはシベリアへ連行されてしまう。たまたま難を逃れたハンナは自分を嫌う義母と暮らすわけにもいかず、トマシュへの手紙を残してベルリンへ旅立つ。雪道で行き倒れていたハンナは赤十字の車に拾われ、終戦後もトマシュの行方を捜す。しかし1946年の調査では“推定死亡”と言われていた。

1976年、結婚してニューヨークで暮らしていたハンナ(ダグマー・マンツェル)は、テレビのトーク番組に出演しているトマシュ(レヒ・マツキェヴィッチェ)を見て驚愕する。30年間封印してきたトマシュの調査資料を引っ張り出し、すぐにボルチモアの赤十字へ再調査を依頼する。

調査の結果、トマシュはポーランドにいることがわかる。ハンナはトマシュに電話をかけ、2人は30年ぶりに話をする。30年前、ワルシャワから帰ったトマシュは、母から“ハンナは病気で死んだ”と聞かされていた。長年互いの存在を封印してきた2人だったが、生存が確認された今、平常心ではいられなかった。

ハンナの夫は“会いに行くのが一番いい”と背中を押してくれ、ハンナは囚われ続けてきた過去を清算するために、ポーランドのトマシュへ会いに行く。そして2人は長い時を経て、再会を果たすのだった。

あの日 あの時 愛の記憶 評価

  • 点数:70点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★☆☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2011年
  • 上映時間:111分
  • ジャンル:戦争、ラブストーリー
  • 監督:アンナ・ジャスティス
  • キャスト:アリス・ドワイヤー、マテウス・ダミエッキ、ダグマー・マンツェル、レヒ・マツキェヴィッチュ etc

あの日 あの時 愛の記憶 批評・レビュー

映画『あの日 あの時 愛の記憶』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

奇跡のような実話

強制収容所という過酷な環境の中で出会い恋に落ちた男女がいるということも、その2人が脱走した後に生き別れとなり、30年以上の時を経て再会を果たしたということも…全てが実話であることにまずは驚く。

過去と現在

あらすじは時系列に沿ったが、実際はハンナが過去を回想する形で物語が進行し、30年前のハンナとトマシュ、現在のハンナの葛藤のシークエンスが行ったり来たりする。若きハンナとトマシュの愛は常に命がけであり、それだけに熱烈だ。いつ殺されるかわからないという切迫した状況が続くので、こちらもついつい力が入る。暗めのトーンで統一された映像にも雰囲気があり、若い2人も美しい。ここでは2人の一途さがうまく描かれていた。

一方、ニューヨークで暮らす現在のハンナの心情は少々わかりづらい。トマシュは死んだものと諦めて、新しい人生を歩んできたハンナ。優しい夫と娘に恵まれ、幸せに暮らしてきたようだ。しかしトマシュが生きているとわかった途端、彼女は平常心を失い、夫に対して異様に刺々しくなる。ここで描きたいのは“葛藤”なので、この演出もわからなくはないが、それにしてもイライラしすぎでは。完全に八つ当たりされている夫に同情してしまう。かつて死ぬほど愛した人が生きていたという喜びや、添い遂げられなかった切なさや、老いてしまったことへの悲しみや…現在のハンナはもっと複雑なはずだ。そこを丁寧に見せないと、この物語は台無しになってしまう。それができないなら過去だけでいい。

さらに気になったのは、過去と現在の2人が同一人物に見えないこと。若き日のハンナを演じたアリス・ドワイヤーは黒髪なのにダグマー・マンツェルはブロンドだ。なぜあえてそうしたのかがわからない。同一人物に2人のキャストを使う時、観客が“これは完全に別人だ”と感じてしまうのは痛すぎる。顔の造形は仕方がないとしても、髪の色などどうとでもなるのだから、そこは統一して欲しかった。そんなこんなで、どうもイマイチ話に入り込めなかった。

あの日 あの時 愛の記憶 感想まとめ

すごい話だと思う。過酷な環境の中で貫かれた愛や、生き別れてしまった切なさや、さらにはドラマチックな再会まで…これ以上ないほど強烈な要素の揃ったラブストーリーだ。しかしそれほど胸に残る余韻はなく、“これが実話とはなあ”程度の感想しか持てなかったことが歯がゆい。映像や音楽も良かったので、非常に残念だ。

実話だとしてもドキュメンタリー映画ではないし、しかも内容がラブストーリーなので2人の心情や葛藤をもっと見たい。同じく戦争で引き裂かれた男女を描いた「ひまわり」のような切ない余韻が残らないのは寂しい。なんだか惜しい作品ではある。

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