映画『ベル ある伯爵令嬢の恋』あらすじネタバレ結末と感想

ベル ある伯爵令嬢の恋の概要:2013年公開のイギリス映画。奴隷制度時代のイギリスで実在した黒人女性であるベルの生涯を軸にして、歴史上有名なゾング号事件裁判と彼女の恋愛を主に描いたドラマである。

ベル ある伯爵令嬢の恋 あらすじネタバレ

ベル ある伯爵令嬢の恋
映画『ベル ある伯爵令嬢の恋』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ベル ある伯爵令嬢の恋 あらすじ【起・承】

1769年のイギリスでは奴隷貿易が横行していた。
そんなある時、英国海軍に所属するリンジー郷は、一人の黒人の少女を連れて行く。
向かった先はマンスフィールド郷の屋敷だった。
マンスフィールド郷はリンジー郷の叔父であり、イギリスでは有名な主席の裁判官だった。

この黒人少女名はダイド・エリザベス・ベル・リンジー。
リンジー郷と奴隷の黒人女性との間に出来た子供だった。
リンジー郷は美しいその少女の母を心から愛していたが、女性が亡くなったと聞き娘を引き取りに行ったのだった。

しかしこの時代、奴隷制度のおかげで黒人に対する差別は酷いものだった。
急に甥から自分の子供だと紹介され叔父のマンスフィールド郷も頭を悩ませたが、ベルの存在を世間から隠し、相応の教育と生活をさせることに決める。
この屋敷にはもう一人、マンスフィールドの甥の娘エリザベスを養育していた。
そのため彼女の従姉妹でもあり、遊び相手にもなるだろうと引き受けたのである。

二人は仲良く暮らし、年頃になった。
そろそろ結婚の話も出てきても良さそうなものである。
しかしエリザベスには父の遺産は全く無く、この当時持参金の無い花嫁は嫌がられていたため中々良縁に恵まれない。
一方でベルには父が残してくれた多額の遺産があるにも関わらず、黒人ということで縁談は諦められていた。

ある日、ベルはマンスフィールド郷の元に来た法律家志望の男性、ジョン・ダヴィーニエと出会う。
彼は牧師の息子であった。
ダヴィーニエがマンスフィールド郷を尋ねた理由は、ゾング号事件のことだった。
その事件とはこうである。
ゾング号は奴隷船であり、多額の保険を懸けていた。
奴隷を運んでいる途中、奴隷に病気が伝染し売り物にならないと知った船長が奴隷を海に捨てた。
そして保険金をもらおうと保険会社を相手に裁判を起こしたのだ。
奴隷は「商品」か「人間」か。
この裁判は難しく、判決までかなりの時間がかかった。
それを担当していたのがマンスフィールド郷なのである。

この頃ベルは美しく育ち、マンスフィールドも実の娘のように愛していた。
しかしいくら愛しても黒人の彼女は、公式な晩餐の場には同席出来ずいつも一人で食事をしている。
ベルもこのこととゾング号事件の奴隷の立場を重ね合わせ、マンスフィールド郷に公平なジャッジを望むようになっていった。
ベルにゾング号事件の詳細を話したことで、ダヴィーニエはマンスフィールド郷と決別。自宅には入れなくなってしまう。

ベル ある伯爵令嬢の恋 あらすじ【転・結】

そんな矢先、ベルのことを気に入った男性が現れた。
アッシュフォード家の次男であるオリバーだ。
彼は純粋にベルの魅力に惹かれたのである。
最初は黒人であることから彼の母は大反対するが、ベルに多額の遺産があると知ると手のひらを返したように態度が変わった。
結婚など出来るはずも無いと諦めていたベルにとっては、まさに青天の霹靂。
結婚を受け入れるのだった。

同じ頃ゾング号事件の裁判が近くなり、街では正義の名の下に奴隷の人権を訴える団体が出てきた。
そのリーダー格にいたのがダヴィ-ニエである。

ある日父の書斎で裁判に関する重要な証拠を見つけたベルは、それをダヴィーニエに届けにこっそり街に出かけた。
ベルもまた人権問題で自らが苦労しているため、裁判では奴隷の人権を認めて欲しかったのである。
この日以来、ベルは屋敷を抜け出してはダヴィーニエに会いに行った。

そのことに気がついたマンスフィールド郷は、街に出てベルを連れ戻す。
しかし結婚相手の兄に黒人であることをののしられたことで、ベルは覚悟を決め破談にした。
ありのままの自分を見てくれる人と幸せになりたいと望んだのだ。

裁判の日。
マンスフィールド郷は、保険会社の勝訴とした。
つまり、ゾング号の船長は奴隷を助けることが出来たのに物として捨てたということが認められたのだ。
この頃、奴隷は物であり命では無かった。
しかしこの判決が歴史を変えたのである。
このゾング号事件は奴隷制度撤廃のきっかけとなっていく。

裁判後、マンスフィールド郷に会いにいったベルとダヴィーニエ。
そこでマンスフィールド郷にベルは「彼を愛している」と伝えた。
マンスフィールド郷は、ダヴィーニエに自分の手伝いをして法律家を目指さないかと打診する。
彼はダヴィーニエを認めたのだ。
キスをする二人を置いて、マンスフィールド郷は馬車に乗り込んだ。

ベル ある伯爵令嬢の恋 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2013年
  • 上映時間:104分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー、歴史
  • 監督:アマ・アサンテ
  • キャスト:ググ・ンバータ=ロー、トム・ウィルキンソン、サム・リード、サラ・ガドン etc

ベル ある伯爵令嬢の恋 批評・レビュー

映画『ベル ある伯爵令嬢の恋』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

実在した褐色の令嬢の物語

この時代は厳しかった。
奴隷が暗黙の了解で受け入れられていたイギリスでは、人種問題すら提起されないほどである。
誰もが黒人に対し人権を尊重するなどということが無かったのだ。

その中で黒人奴隷を愛したイギリス海軍の男性が自分との間に出来たこどもを引き取るということは非常に勇気が言ったことである。
それだけでこの男性がどれだけベルの母親を愛していたかがわかる。

そしてまたそのこどもを引き取り養育した叔父も素晴らしい人柄だ。
実際には外に出られると困るなどという思いがあったのかもしらないが、作品の中では善良な心を持った男性として描かれていて好感がもてる。

強く知的なベルに誰もが惹かれ、人種など関係ないのでは?と思い知らされていく。
何より彼女は美しかったのだ。
肌の色から結婚など出来ないと思われていたが、結局二人の男性の間で自分を見つめ直していく。

正義感が強く、人を惹き付ける力のある女性は本当に美しく描かれ作品としても美しい。
この時代の映画は内容を把握するまでに小難しさがつきまとい、中々入り込めないのだが本作品はそんなことはない。

出だしからわかりやすく、脚本や台詞も非常に理解しやすい。
そのため、ぐんぐん引き込まれていくのだ。
このような女性が生きていたという事実は尊敬に値することであり、多くの人が知るべきである。

史って良かった史実裁判

この小難しい裁判などこの映画を見るまで全く知らなかった。
しかし、わかりやすく描いてくれていることで歴史上もっとも大切な人権裁判だといわれている内容を知ることが出来た。

本作品は英国の美しくイレギュラーな令嬢の人生を描くだけでは無く、英国の重要な歴史をもスッキリと描いた優秀作品である。
流れも構成も上品で申し分の無い仕上がりであった。

ベル ある伯爵令嬢の恋 感想まとめ

英国の女性を描いた作品はいつの時代も美しいうっとりする描写が多い。
背景に屋敷や広い芝生の庭が広がる風景は映画を上品にさせ、イメージをより広がらせてくれる効果があるのだろう。

特に本作品では近年ピックアップされるようになった褐色の令嬢ベルの生涯を描き、風景の美しさや時代背景に頼らずしっかりとした人物像やエピソードを描いている。
より内容の深みも増した英国映画はまさに近年まれに見る名作。
もう少し一般的に鑑賞されたら良いのにと思う。

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