映画『ぼくのエリ 200歳の少女』あらすじとネタバレ感想

ぼくのエリ 200歳の少女の概要:2008年スウェーデンで公開されたホラー映画。監督はトーマス・アルフレッドソン。原作はヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの「モールス」。出演はカーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデションなど。

ぼくのエリ 200歳の少女 あらすじ

ぼくのエリ 200歳の少女
映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のあらすじを紹介します。

ぼくのエリ 200歳の少女 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2008年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:ホラー、青春
  • 監督:トーマス・アルフレッドソン
  • キャスト:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー、ヘンリック・ダール etc

ぼくのエリ 200歳の少女 ネタバレ批評

映画『ぼくのエリ 200歳の少女』について、感想批評です。※ネタバレあり

新たなるヴァンパイア映画の傑作

原作は、あのモダンホラーの巨匠スティーヴン・キングも絶賛したという「モールス」。その原作を忠実に映画化したのが今作の「ぼくのエリ 200歳の少女」である。ヴァンパイアとして生き続けている少女エリと、いじめられっ子の少年オスカーが恋に落ちるというよくありがちなラブストーリーではあるが、今作は幾重にも張り巡らせた設定により、いまだかつてないほど残酷で切ないヴァンパイア映画に仕上がっている。

不老不死の存在

当然の如くヴァンパイアは不老不死の存在である。エリと呼ばれる少女は数百年もの間、生き続けて来た。しかしその代償として人間を殺してその血を飲まなくてはならない。
しかしこの映画のヴァンパイアは強い存在とは描かれてはおらず、むしろか弱い存在として描かれている所が特徴的だ。日光に当たったら死滅してしまうため、日中はいつも部屋に籠りっきりの無防備な状態である。そんな彼女を守り、また彼女のために血を手に入れて来る存在が彼女には必要となる。それが人間の守護者である。

守護者とヴァンパイア、永遠には続かない恋

人間の守護者は、エリに惚れた男である必要がある。何年も、何十年ものの間エリに尽くし続けなくてはならない。だがいつかは男は老衰で死んでしまう。それでもエリは永遠に生き続け、新しい守護者を探し続けないとならない。
主人公の少年オスカーにはそのからくりがわかっていながらも、家族全員を捨ててでもエリを守り続けようと決意する。この美しくも残酷なエンディングに胸が締めつけられる事は間違いないだろう。冒頭に登場する、守護者である老人とエリの姿は、数十年後のオスカーとエリの姿を予見しているだけによけい切ない。

もう一つのどんでん返し

そしてこの映画にはさらなる秘密が隠されている。それは日本版DVDでは確認するのが不可能なのだが、実はこのエリという少女は男である事が判明するシーンがある。エリは劇中に何度も「私は女の子ではないけど大丈夫なの?」とオスカーに聞く。これは「普通の女の子ではなくヴァンパイアである」という意味にもとれるのだが、実際に「女の子ですらなかった」という衝撃の告白でもある。恐らくエリは、男性器を去勢された少年がヴァンパイアと化した存在なのだろう。つまりエリとオスカーは男女として結ばれる事すら許されないのだ。「それでも大丈夫なの?」と聞くエリに、オスカーが「うん」と即答する姿には感動すら覚えてしまう。思春期の愛とはどこまでも一途なのだから。

ぼくのエリ 200歳の少女 感想まとめ

「ぼくのエリ 200歳の少女」は、ネタバレした上で考えてみるとこのタイトルはおかしいだろう。「ぼくのエリ 200歳の少年」であるべきだ。とはいえそこに突っ込むのは野暮というものだろう。北欧を舞台とした、静かに忍び寄るようなホラー映画の傑作。トーマス・アルフレッドソンの演出は手堅く、後にスパイ映画の傑作「裏切りのサーカス」の監督を担当する事になったのも当然の結果と言える。ちなみに2010年にマット・リーヴス監督により「モールス」としてハリウッド・リメイクもされている。こちらもなかなかの出来栄えなので、見比べてみるのも一興かもしれない。

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