『CUBE』あらすじとネタバレ映画批評・評価

CUBEの概要:1997年のカナダ映画でヴィンチェンゾ・ナタリ監督のデビュー作品。謎の建物「CUBE」に集められた6人の男女の脱出劇とその心理を描いた。制作費は日本円で約5千万円という低予算映画。

CUBE

CUBE あらすじ

映画『CUBE』のあらすじを紹介します。

見覚えのない立方体の部屋に閉じ込められていた5人の男女。
壁には扉がついており、入り口にはそれぞれ数字が書き込まれていた。
同じような部屋がずっと続いていたが、中には生命にかかわるトラップが仕掛けてある部屋があり危険だった。

しかし、服も持ち物も奪われていて、食料や水も無い事から脱出するために移動を始める5人。
警察官のクエンティン、陰謀説を主張する医者のハロウェイ、7つの刑務所から脱獄し、別名アッティカの鳥と呼ばれるレン、数学を専攻している女子大生レブン、建物の外壁の設計にかかわったワース。

脱獄のプロ、レンに従い脱出を試みるが、彼はトラップを見破れずに命を落とす。
だが、レブンが扉にある数字の素数がトラップの目印になると気がつき、移動を開始する。

途中で障害を持つカザンと出会い、ハロウェイが面倒を見ながら移動を続ける。
そんな中、レブンの見つけた素数の法則が崩れるが、数字が建物内の座標を示しているとわかり、再び動き始める。
やがて部屋の先が何も無い空間に行き当たり、服をつないでロープにしてハロウェイが偵察に行く。
しかし、狂気に支配されたクエンティンが彼女を故意に落としてしまう。

やがてレンの死体がある部屋にたどり着いた4人は、外との通路になる部屋が移動しながら存在している事実を見つける。
そしてトラップを見破る方法は因数分解にあると気がつき、天才的な暗算の能力を持つカザンが計算し、出口につながる部屋へと急ぐ。

途中で暴力性を抑えられなくなったクエンティンを動けなくし、通路となる部屋にたどり着く3人。
出口を目の前にした彼らの前にクエンティンが立ちはだかるが、カザンだけが出口の先へ進んでいった。

CUBE 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1998年
  • 上映時間:91分
  • ジャンル:サスペンス、ミステリー、SF
  • 監督:ビンチェンゾ・ナタリ
  • キャスト:モーリス・ディーン・ウィン、ニコール・デ・ボア、ニッキー・グァダーニ、デビッド・ヒューレット、アンドリュー・ミラー etc…

CUBE 批評 ※ネタバレ

映画『CUBE』について、2つ批評します。※ネタバレあり

つれて来られた理由についての考察

作中でも、なぜこのメンバーが連れてこられたのか、建物はいったい何なのか憶説が飛び交っています。
ハロウェイは陰謀説、黒幕がいるとこだわります。
CUBEの外壁の設計をしたワースは、最初は何かの目的があった施設だが、使い道がなくなったから人を入れただけだと言います。

ハロウェイの陰謀説は飛躍しすぎていますし、ワースの話では、わざわざ服を着替えさせたり意識を失わせて連れてきたり、レブンのメガネだけをヒントのように置いていった説明がつきません。
おそらく密室に閉じ込められた人間がどのような行動にでるのかという実験か、お金持ちの道楽として何人生き残るかという賭けのようなものだと考えられます。

レブンのメガネというヒントから始まり、脱獄のプロのレイ、設計者ワース、医者ハロウェイ、体力のある警官クエンティン、数学の天才カザンという6人が選ばれた説明はつきます。
しかし明らかにならない謎、生きたいと宣言した次の瞬間には命を落とすレブンなど、後味が悪い不条理な結末こそが、この映画の醍醐味であるとも考えられます。

不条理映画で有名な監督のデビュー作ならでは

この作品は、ひとつの立方体のセットのみで行われ、部屋の色やトラップの有無で、多くの部屋があるように見せています。
他にはCGを使い、出演者も最初にトラップにかかった一人の男性を含め7人だけなので、低予算で作ることができた映画なのです。

しかし、独特の撮影方法や様々なトラップ、暴力的になって追いかけてくるクエンティンから逃げなければならないため、見ている側も閉塞感を感じつつ、楽しめるのです。
ですが最初に出てきてトラップにかかる男性を始め、グロテスクなシーンが多いのが、この映画の難点です。

出口へとつながる部屋が最初にいた部屋だとレブンのメガネの破片でわかるのは、後味を悪くするための絶妙なスパイスになっているのではないでしょうか。
そして外の世界で生きる意味が無いと言うワースに、それでも生きていくと告げるレブンがクエンティンによって命を奪われるのは、この映画で最も後味の悪いシーンです。
その暴力性に支配されたクエンティンもワースに引き止められ、出口にはさまれたままになるのは、因果応報という言葉がぴったり。

生き残ったカザンがひとり、出口の光の中へ進んでいくシーンには、圧倒的な美しさを感じます。

まとめ

グロテスクなシーンの存在から、好みが分かれるであろう「CUBE」。
監督は違うのですが、続編「CUBE2」「CUBE ZERO」も公開されています。
しかし、肝心な謎がすっきり解決する作品はありませんし、独特の不条理感を楽しみたいのなら、ヴィンチェンゾ・ナタリ作品が一番です。

途中から登場し、天才的な計算術を見せるカザンは、「レインマン」でも有名なサヴァン症候群ではないかと思われますが、医師であるハロウェイは何も指摘しないので、これも謎のうちのひとつです。
スマートフォン用の脱出ゲームアプリが数多くありますが、それが好きな場合は、CUBEも楽しめると思います。

因みに、低予算で作られたと有名なホラー映画「パラノーマルアクティビティ」の制作費は日本円で約135万円、「CUBE」は約5千万円なので、お金をかけずに作られたサスペンス映画も十分面白いと言えるのではないでしょうか。

Amazon 映画『CUBE』の商品を見てみる