ダニエル・ブリュールが出演するおすすめ映画5選

ここ数年、ハリウッド大作への出演も目立ってきた注目俳優の1人がダニエル・ブリュール。主演では史実上の人物を演じる事が多い彼のバックグラウンドなどを追っていきます。

’78年に、ドイツ人の父と、カタルーニャ人の母の間に、スペイン・バルセロナに生まれたブリュールは、生後すぐにドイツ・ケルンに移る。
4歳の時から子役として活躍していたは、彼を一躍有名にしたのは、’03年に公開された『グッバイ・レーニン』。

主役と脇役では、演じる役柄が大きく違う事でも知られる俳優である。
主役に回ると、史実の人物を演じる事が多く、その作品は大作から小品まで様々なジャンルに渡る。

またマイケル・ファスペンダーと並び、多言語を使いこなせる強みがある事から、劇中に出てくる言語が多い程、
彼の役柄としての強みや深みは生かされてくる。

スペインの反政府活動を行っていた青年・サルバトールが死刑になるまでの実話を元にした『サルバトールの朝(’07)』は、
スペイン語、カタルーニャ語、フランス語の3ヶ国語が入り混じる映画で、彼の独壇場とも言える。

年齢よりも童顔なので、役柄を限定しないで済むことも、これからが期待できる俳優の1人だ。

コッホ先生と僕らの革命

注目ポイント&見所

帝国主義下のドイツで、反英感情が強まる中、封建主義の名門校にやってきた教師が巻き起こした革命の物語。

時は19世紀末、反英感情が高まるドイツでは英語教育どころか英国で生まれたサッカーでさえも禁止されていた。
そんな中、メアフェアルト校長(ブルグハルト・クラウスナー)の一存で、英オックスフォード大に留学していたドイツ発の英語教師コンラート・コッホ(ダニエル・ブリュール)が招聘される。

コッホが学校で目の当りにしたのは、あからさまな格差社会と差別、そして帝国主義だった。
級長のフェリックス(セオ・トレッブス)は、父が地元の名士リヒャルト(ユストゥス・フォン・ドーナニー)である事をいい事にわが物顔で校内を仕切っていた。
気に食わない事があると、クラスで唯一の労働階級出身の・ヨスト(エイドリアン・ムーア)に、なすりつけ笑いものにしていた。

だがコッホは、そんなヨストにサッカーの才能を見出し、フェリックスに小太りなのをからかわれていたオットーにはゴールキーパーをさせる。
そうして役割分担をさせると、次々に生徒たちは、サッカーを通じて生きる喜びを見出していく…。

ドイツに初めてサッカーを紹介し、ドイツのスポーツ教育界に貢献した『ドイツサッカーの父』コンラート・コッホが、
封建的な学校で悪戦苦闘しながら、子供たちに生きる喜びを伝えるスポーツドラマ。
演じるブリュール自身、どんな子供たちにも居場所はあっていいという気持ちで演じた

意固地になっているフェリックスが実は使用人の女性を好きであったり、父親のリヒャルトがサッカー禁止令を出した途端、皆が一致団結するシーンもほほえましい。

⇒コッホ先生と僕らの革命のあらすじとネタバレ感想

ラッシュ プライドと友情

注目ポイント&見所

F3で常勝無敗を誇りF1昇格を目前にしていたレーサー、ジェームス・ハント(クリス・ヘムズワーズ)に、ある日ゴール間際に勝負を挑んできたドライバーが居た。
彼の名は、F3にあがったばかりのニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)。
伝説に残るライバル伝説の始まりだった。

スポンサーに対する粘り強い交渉力と、カートレースで資金繰りをする事でF1に昇格するラウダと、自分をF3時代に見出してくれたヘスケス卿頼みのハントでは正反対だった。
理論派で駆け引きが巧いラウダは、メカを研究し尽くし、’75年フェラーリに移籍。ワールドチャンピオンに登りつめる。
ハントは、資金難でF1から一時撤退したものの復帰。セレブ婚と騒がれたスージー・ミラー(オリヴィア・ワイルド)とも離婚。波乱万丈の人生を送る。

2人は、’76年のドイツGPで再開。複雑で世界一危険なサーキットは墓場と言われている上、レース当日は悪天候な為、ラウダは中止を申し出るが、ハントは聞く耳を持たなかった。
そうして開催されたレースで、ラウダのマシンはクラッシュ、炎上し、彼は全身火傷の重症を負い死の淵をさまようこととなる…。

ラウダが存命な事で、映画化が難航したこの企画。ハント役のヘムズワーズは、ラウダに『本人そのもの』と驚かれたそうだ。
ラウダ役にブリュールが決定した時ラウダは、ブリュールに荷物を何も持たずに来てほしいと言ったらしい。

幸いにもラウダは、ブリュールを気に入ったので、外見としてはラウダにそれ程にていないブリュールが演じても違和感がない仕上がりとなっている。

また、レースのシーンは、クラッシックF1マシンを使いレースをする団体が今もあり、そこからマシンを借りてメンテナンスをし、
元F1ドライバー運転して撮影しているだけあり、迫力あるレーシングシーンになっているのも見逃せない。

⇒ラッシュ プライドと友情のあらすじとネタバレ感想

グッバイ、レーニン!

注目ポイント&見所

舞台は、東ベルリン。
ベルリンの壁崩壊寸前に、シングルマザーのクリスティアーヌ(カトリーン・ザース)は心臓発作で倒れ昏睡状態に。
8ヵ月後に奇跡的に目覚めるものの、世の中は激変。

『もう一度強いショックを与えたら死んでしまうぞ』と医者から宣告された息子のアレックス(ダニエル・ブリュールは、大慌て。
母を自宅に引取り、世の中は何も変わっていないかの様に取り繕う。

’03年のベルリン映画祭は、当時無名だったブリュールの演技と、作品のコンセプトにおののいた。
公開されるや否や、ドイツ国内のみならず、オスカー、ゴールデングローブ賞にもノミネートされる事に。

離婚が原因とはいえ、東ドイツの繁栄こそ総てと思い込んでいる母親の為に善意の嘘をつくアレックスと、彼の友人でヲタクのデニス(フロリアン・ルーカス)のドタバタぶりが面白い。
街中に西側の住民が溢れ、中古車店にも欧米諸国の車が並び始めた時に、アレックスは
『西側の難民を東側が受け入れているんだ』と、シュールな嘘までつきはじめる。

アレックスも宇宙飛行士に憧れつつも家電店で働いているのだが、かつての東ドイツの宇宙飛行士が、みすぼらしい姿になっている事の方が、
母親に善意の嘘をつく事よりも苦しかったというのが判る。

映画のラスト、クリスティアーヌは、取り壊されるレーニン像と、コカコーラの看板を見て、
息子を責めるのではなく、息子の嘘を善意と受取る所がいい。

⇒グッバイ、レーニン!のあらすじとネタバレ感想

黄金のアデーレ 名画の帰還

注目ポイント&見所

第二次世界大戦末期にナチスの迫害により米国に亡命したマリア(ヘレン・ミレン)は、姉の遺産の中から叔母の肖像画に関する書類を見つけ出す。
彼女の故郷オーストリアの法律が改定され、政府はナチスに没収された美術品を持主に返還しようとしていたのだ。

マリアは、叔母の肖像画の返還要求を起そうと、友人の息子で弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)を呼ぶ。
ランディは最初乗り気ではなかったが、肖像画はオーストリアのモナリザと呼ばれる『黄金のアデーレ』であり、時価1億ドルになるという話を聞きやる気を起す。

オーストリアでの現地調査を嫌がるマリアを無理矢理連れ出したランディは、現地でフベルトゥス(ダニエル・ブリュール)に出逢い、
彼の手助けを得て、調査を始めていく…。

マリアから見れば戦争の記憶と故郷の思い出が詰まった叔母の肖像画、国からみれば国宝。
最終的に国を相手に苦戦を強いられる戦いとなるマリア。
ブリュールの役割は、2人に訴訟に有利な様に、アデーレにまつわる遺言などの調査記録をそろえる役目である。

10年に渡る美術品返還の裁判の史実を元にした映画だが、マリアが国を相手に戦う過程と、彼女が過ごした波乱の人生を映画の中では交互に描いているので、見ごたえがある。
マリアを取り囲む人物像も、皮肉にも戦争で繋がっていた事が判る。

ランディは、音楽理論の1つ12音技法の創始者・シェーンベルグのひ孫であり、収容所で亡くなっている。
フベルトゥスは、父親がナチスで、その罪滅ぼしの為にジャーナリストの道を選び、美術品返還の取材協力をしていた事をマリアに伝える。

キャスティングもベテランのヘレン・ミレンと若手実力派のレイノルズ、ブリュールがタッグを組むことでメリハリある構成になっている。

⇒黄金のアデーレ 名画の帰還のあらすじとネタバレ感想

フィフス・エステート 世界から狙われた男

注目ポイント&見所

ウィキリークスの共同経営者ダニエル・ドムシャイト-ベルグの視点から描いた、ウィキリークス創立までのドラマ。

ダニエルがウィキリークスの創始者、ジュリアン・アサンジを見出したのがホワイト・ハッカーの集会『カオス・コンピュータークラブ』。
そこでダニエルはアサンジにただならぬ才能を感じ、彼の提唱する『情報提供者を擁護する情報サイト=ウィキリークス』作りにのめりこんでいく。

アサンジ側から猛抗議があり、オンデマンド配信のみとなった曰くつきの映画だが、ダニエル側の言い分は通っているのではないだろうか。
ウィキリークスの創業当時は、サーバに脆弱性があり、補強しようと外部から人間を呼んだ所、アサンジが拒否したという話も頷ける。

ダニエル自身も優秀なハッカーだったが、会社の雇われから抜け出せず、それでいて独立する気も起らない。
そんな時に目の前に現れたアサンジに、この人物ならついていこうと思ったのだから、彼自身も不幸だという事が映画の中からも読み取れる。

アサンジをベネディクト・カンバーバッチ、アサンジを追求するガーディアン誌のジャーナリストを、
ダン・スティーヴンスが演じるなど、他のキャストにも力が入っている。

⇒フィフス・エステート 世界から狙われた男のあらすじとネタバレ感想

まとめ

熱血講師、伝説のF1ドライバー、母親の為に善意の嘘をつく青年、主人公の悲願の為に協力するジャーナリスト、ウィキリークスの元共同経営者…。
1人の人間が、これだけ違うタイプの種類を演じ、なおかつ違和感がないというのは、注目すべき事である。

もしも演技力がなければ、出演作は酷評されるだろうし、注目すらされない。
だがブリュールは、これだけの役をこなし、ものにしてきた。
そうした点でも、他の映画作品もおすすめな俳優である。

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