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映画『ラッシュ プライドと友情』あらすじとネタバレ感想

映画『ラッシュ プライドと友情』の概要:時は’70年代後半、F1黎明期。自由奔放な天才ジェームス・ハントと緻密な頭脳派・ニキ・ラウダの運命の出逢いが時のレースを熱くした・・・。実在した伝説のレーサの戦いと復活劇を名匠ロン・ハワードが映画化。

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映画『ラッシュ プライドと友情』 作品情報

ラッシュ プライドと友情

  • 製作年:2013年
  • 上映時間:124分
  • ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、青春、スポーツ
  • 監督:ロン・ハワード
  • キャスト:クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール、オリヴィア・ワイルド、アレクサンドラ・マリア・ララ etc

映画『ラッシュ プライドと友情』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

映画『ラッシュ プライドと友情』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ラッシュ プライドと友情』のあらすじを紹介します。

時は’70年。フォーミュラーレース黎明期。
F1登竜門であるF3でジェームス・ハント(クリス・ヘムズワーズ)は負け知らずを誇り、ヘスケス卿(クリスチャン・マッケイ)をスポンサーに付け、派手にふるまっていた。
そんな彼に猛然と迫ったのがF3にあがったばかりのニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)。ゴール直前でクラッシュし、表彰台の上で、はしゃぐハントに中指を立て、負けん気の強さを見せ付ける。伝説に残るライバル対決はここから始まった。

ラウダは資産家の息子として生まれながらも、実家から融資を受けず、類まれなる交渉力を武器に自らの生命保険を担保に銀行の融資をとりつけ、カートレースに参戦し、資金ぐりをしながらF1のドライバーシートを獲得。
ハントは、ヘスケス卿の財力に頼りF1チームを結成と、参戦方法も、性格も全く異なっていた。

理論派のラウダは、車体やメカを研究しつくし、その成果が認められ’75年フェラーリに移籍。ワールドチャンピオンに登りつめる。
一方のハントは、ヘスケス卿の資金難でF1から撤退したことで、マクラーレンに移籍。セレブ婚となったスージー・ミラー(オリヴィア・ワイルド)とも離婚するなど、公私共々波乱万丈の人生を送る事となる。

そんな二人が迎えた’76年、ドイツ・ニュブクリンクGP。墓場とも言われるコースは複雑で世界一危険なサーキット。しかも開催予定日は雨だった。中止したほうがいいと意見するラウダに、決行すべきだと周囲をあおるハント。結果レースは決行された。

悪天候の中、決行されたレースで悪夢は起きる。
ラウダはコーナーでクラッシュし、マシンは炎に包まれ、全身火傷の重症を負う・・・

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映画『ラッシュ プライドと友情』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ラッシュ プライドと友情』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

奇跡の復活、その理由

ラウダは、悪夢のレースから不死鳥の如く、42日後奇跡の生還をとげ、記者会見を開く。医師からは元の顔がもっと綺麗になるように整形する事も出来ると言われたにも関わらず、あえて事故の痕跡を残す事で自分の今後の人生の課題にしたというラウダ。
そんなライバルの姿を見てハントはつぶやく。

『オレのせいだ』
『そうだな。だが、テレビで君の勝利を見て生きる闘志がわいた。僕をここに戻したのも君だ』

ハントは『ライバルの中で命に代えてでも勝ちたい相手』と認めたのがラウダで、ラウダは『ライバルの中で唯一嫉妬した男』とお互いを認めている。ラウダは病院の中にテレビを持ち込みハントが勝利する度に、あの場に自分がいれば・・・という憤怒の思いから復活したのだろう。
劇中でラウダは、ようやく火傷から回復したばかりの頭にヘルメットを無理やりかぶろうとするシーンがある。それを妻マルレーヌ(アレクサンドラ・マリア・ララ)が泣きながらみているのだが。彼は妻にこう告げる。

俺を愛しているなら黙っていてくれないかと。まだハントとの決着はついていないのだからと。そして二人の決着は”76年の富士スピードウェイへと持ち越されるのである。

命に代えてでも勝ちたかった相手

ラウダとハントの対決は’76年の富士スピードウェイで決着がつく。
悪天候の中開催されたレースは、序盤まではラウダの優位に進んでいたが、悪天候の為、ラウダは棄権。ハントは後半猛然と追い上げ逆転勝利となる。その時のタイヤやバースト寸前、シフトカバーは、どこかへ吹き飛び、シフトを握り締めていたハントの手は血まみれだった。

レースが終わった後に、ラウダとハントは、あの日のレースについて語る。
ハントは、命に代えてでもお前にだけは勝ちたかった。そうでないと王者という気がしないとラウダに言う。ラウダは、それに対し自分を奮い立たせる存在がいるからこそ人は伸びると助言する。そしてF1に復帰しろとハントに即す。
この後、ラウダは航空会社を興すのだが、その兆しが見えるエンディングでもある。

キャスティングはラウダ本人が行った?

存命の人物及び事件に対する映画化は、その人物が有名であればある程困難である。
ニキ・ラウダの場合、過去にも映画化の話は持ちあがったが、何一つ興味がもてない内容だったそうだ。

が、今回の映画の作りは、本人自身も当時の思いがわいてきたばかりではなく、事実に近く派手な脚色がない点が気に入ったらしい。
キャスティングもラウダ本人が直接面接し、ダニエル・ブリュールに関しては
『まず手荷物ひとつだけで来なさい。』といったらしい。気に入らなければその日にキャスティングチェンジを申し出るつもりだったらしいが、気に入ったという。

クリス・ヘムズワーズに関しては『まさしくハントそのもの、役者さんとはね』と驚いたそうだ。


ニキ・ラウダとジェームズ・ハントのライバルの実話に基づいた映画。ニキ・ラウダの真面目なキャラクターを、ダニエル・ブリュールが見事に演じていた。

対照的なふたりだが、ハントが記者にニキのために怒りを表すシーンが胸にグッとくる。

ニキ・ラウダがレースに参加するかどうかギリギリまで悩んで不参加を決める場面は、自分だったらどうするか考えさせられた。ニキのように生きるか、ハントのように駆け抜けて生きるか、二人の人生に思いを馳せることができる。(女性 30代)

映画『ラッシュ プライドと友情』 まとめ

個人的には自腹で何回も観に行っていて満点にしたい作品であるが、客観的視点をいれてあえて点数を下げてみた。
レースや車がすきな人、当時のレースが好きな人にはもちろんお勧めな作品であるが、それ以上に、全く個性も人生観も違う人間がお互いを尊敬できるという大切な要素がこの映画にはある。

これは現代人に一番欠けている事だ。

その要素がこれだけ詰まっている映画も、稀であるし、監督ロン・ハワードは前作『フロスト×ニクソン』でもその点を巧く引き出している。
全く違う人生概念を持つ人の長所を引き出し、巧くアプローチしたい場合には、この映画はお勧めである。

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