映画『her 世界でひとつの彼女』あらすじとネタバレ感想

her 世界でひとつの彼女の概要:「マルコヴィッチの穴」「かいじゅうたちのいるところ」などで知られるスパイク・ジョーンズ監督最新作。主人公をホアキン・フェニックスが、OSのサマンサの声をスカーレット・ヨハンソンが演じる。

her 世界でひとつの彼女 あらすじ

her 世界でひとつの彼女
映画『her 世界でひとつの彼女』のあらすじを紹介します。

近未来のロサンゼルスで生活を営む主人公セオドア(ホアキン・フェニックス)は、手紙の代筆を行う会社に勤務しライターをしていた。長く苦楽を共にしていた妻のキャサリン(ルーニー・マーラ)と別れたセオドアは、辛い孤独な日々を送っていた。ある日、セオドアは新しいオペレーティングシステムをパソコンにインストールするが、その際、OSに人工知能ソフトが搭載されていることを知る。そのOSはスマートフォン向けにも開発されていたため、セオドアは自分のスマートフォンにそのOSをインストールする。

OSの人工知能はサマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン)と呼ばれていて、孤独を感じていたセオドアはサマンサとの交流を続けて行くうちに次第にサマンサに感情移入をしていく。そして、サマンサに対して抱く感情は次第に恋愛感情になっていく。

サマンサと愛を深めるセオドアであったが、相手は実体のないOSである。そのことに悩むようになっていくセオドアであったが、次第にセオドアとサマンサの間にある埋めがたいある溝に気づいていく。

her 世界でひとつの彼女 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2014年6月
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:SF、ラブストーリー
  • 監督:スパイク・ジョーンズ
  • キャスト:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリビア・ワイルド etc

her 世界でひとつの彼女 ネタバレ批評

映画『her 世界でひとつの彼女』について、感想批評です。※ネタバレあり

実体がないからこそ

本作では主人公の恋愛対象がOSの人工知能という点において、SF的であるといえる。しかし、それと同時に恋愛映画としても相当に普遍的なテーマを内包した作品であるともいえるのが、本作が持つ深みの部分である。このことは現代社会を生きる我々にとっては単なる絵空事ではない。スマートフォンを見てみれば、その中には自然言語処理機能を備えた対話型アプリケーションが搭載されているし、生身の人間以外に恋愛感情を抱くという点は、アニメやマンガのキャラクターに恋愛感情を抱く人がいるということと共通しているといえるかもしれない。

すなわち、我々が感情移入をする際、その相手が何であるかはもはや問題ではないのである。相手が生物であろうと無生物であろうと、こちらが愛おしさを感じてしまうことは往々にしてあるのだから。

さらに言えば、実体がないものに恋愛するというストーリーのお陰で、観客は自分をセオドアに重ねるほかないために、恋愛映画というジャンルムービーとしても新感覚であるとともに、恋愛というものそのものに含まれているエッセンスが浮き上がってくるという側面もある。

サマンサの声

実体がないサマンサは、人工知能であるという設定から分かる通り、本来であればそこに自意識は存在しないものであるはずなのだが、その声をスカーレット・ヨハンソンが演じているために、妙に生きている人間の感じが伝わってくるようになっている。どうしても人工的に開発された音声は違和感があるものであるが、本作ではスカーレット・ヨハンソンの独特のハスキーな声のおかげで完全に独立した存在のように見えるように作られているのだ。

her 世界でひとつの彼女 感想まとめ

恋愛、ひいては何かに感情移入するというプロセスにおいて、相手がどうであるかということそれ自体は問題ではなく、こちらがその存在の中に魅力を感じてしまいさえすればそれで良いのだ。さきほど現実に存在しないものとしてアニメやマンガのキャラクターを引き合いに出したが、アイドルのような実体のある存在についても同じことが言える。アイドルそれ自身は人間であるから、実体があるのだが、テレビなどを通じてファンに見せる姿は生身の姿ではなく、大なり小なり作られたものであるはずだ。それに感情移入する人がいるということは、相手の感情が本物であろうとなかろうと、向いている方向がどうであろうと、こちらが相手に好意を抱く際にそれは意外と関係ないものなのだということでもあるのだ。

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