映画『暗い日曜日』あらすじネタバレ結末と感想

暗い日曜日の概要:第二次世界大戦時、ブタペストのレストランから生まれた曲「暗い日曜日」。聴くと自殺したくなるというこの曲に秘められた想いとそれにまつわる物語を描く。原作はニック・バルコウの同名小説。

暗い日曜日 あらすじネタバレ

暗い日曜日
映画『暗い日曜日』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

暗い日曜日 あらすじ【起・承】

ブタペストにある「レストラン サボー」にドイツの実業家ハンス・ヴィークが家族と共にやってくる。80歳の誕生日をこの思い出のレストランで祝いたいというのはハンスの希望だった。懐かしの味に舌鼓を打ち、ハンスは「暗い日曜日」という曲をリクエストする。その曲の演奏中、ハンスは突然苦しみ始めそのまま息絶える。

60年前、1930年頃のブタペストにハンスは旅行で訪れ、このレストランに入った。この店を経営するのはユダヤ人のラズロ・サボーで、恋人のイロナが給仕をしていた。ハンスは美しいイロナに恋をし、店に通いつめる。

ラズロは店にピアノを置き、ピアニストのオーディションをする。ピアニストにはアンドラーシュという若者が選ばれる。イロナとアンドラーシュは一目で惹かれあう。

イロナの誕生日の夜。ラズロは髪飾り、アンドラーシュは「暗い日曜日」というタイトルの曲を彼女に贈り、偶然にも誕生日が一緒だったハンスはイロナの写真を撮らせてもらう。

帰り道、ハンスはイロナにプロポーズするが断られる。ラズロは彼女とアンドラーシュの想いに気づいており“僕のことは気にするな”と1人で帰る。

ハンスは失恋のショックで川へ飛び込み、ラズロに助けられる。翌日、ラズロはドイツへ帰るハンスを駅まで見送ってやり、ハンスはラズロの親切に感謝する。

イロナはラズロのこともアンドラーシュのことも愛しており、そんな彼女を2人の男は許すことにして3人の奇妙な三角関係が始まる。

アンドラーシュの「暗い日曜日」は評判となり、レコード発売が決まる。しかしこの曲を聴いた人が次々と自殺をするという不思議な現象が起こりアンドラーシュを苦しめる。

そんなアンドラーシュをイロナとラズロは親身に励まし、3人の関係はますます深くかけがえのないものになっていく。

暗い日曜日 あらすじ【転・結】

3年後、ドイツではヒトラーの率いるナチスが台頭し、その勢力はブタペストにまで広がってきていた。そんな中、ナチスの幹部となったハンスが久しぶりに店へやってくる。

ハンスはラズロに人前では隊長と呼んでほしいが、2人の時は今まで通りの友人だと言う。ナチスのユダヤ人弾圧はヨーロッパ諸国に及び、ハンスの仲間はラズロに対して差別的だったが、ハンスは彼を守ってくれていた。

ハンスは結婚してからもイロナのことを想っており、彼女を口説く。イロナはそれをうまくかわし操は守っていた。しかし繊細なアンドラーシュはハンスたちドイツ兵の非人道的な態度に怒りを募らせており、「暗い日曜日」に詞をつけ始める。

ナチスはハンガリーのユダヤ人も皆殺しにする計画を進めており、ラズロにも危険が迫っていた。ラズロは店を没収されないよう店の名義をイロナに移し、自分にもし何かあっても店を守って欲しいとイロナに伝える。

ハンスは自分の地位を利用し、高額な賄賂を払った金持ちのユダヤ人だけ助け私腹を肥やしていた。ラズロやアンドラーシュはそんなハンスの態度に屈辱を感じていた。

ある晩、ハンスに「暗い日曜日」を弾けと命じられたアンドラーシュはハンスとにらみ合う。イロナはアンドラーシュに“私のために弾いて”と頼み、「暗い日曜日」の歌を歌い始める。人前では決して歌わないと言っていたイロナの歌を聴き、アンドラーシュはピアノを弾き始める。演奏後、アンドラーシュはハンスの銃で自ら頭を撃ち抜く。

ラズロはアンドラーシュが「暗い日曜日」に込めたメッセージがやっと理解できたとイロナに話す。それは人間の尊厳を捨ててまで生きたくないというメッセージだった。

ついにラズロもドイツ兵に連行されてしまう。イロナは急いでハンスのところへ行き、ラズロを助けて欲しいと懇願し、屈辱を我慢してハンスの欲望に身を委ねる。しかし彼が助けたのは自分の商売に役立つ別の人物で、収容所行きの汽車に乗せられるラズロは見殺しにする。

時は経ち、イロナはラズロの遺言通り店を守り、あの時お腹にいたラズロとの息子が店を継いでいた。彼女は今日、ハンスを密かに毒殺し60年の時を経て復讐を果たしたのだった。

暗い日曜日 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★☆☆

作品概要

  • 公開日:1999年
  • 上映時間:115分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、サスペンス
  • 監督:ロルフ・シューベル
  • キャスト:エリカ・マロジャーン、ステファノ・ディオニジ、ヨアヒム・クロール、ベン・ベッカー etc

暗い日曜日 批評・レビュー

映画『暗い日曜日』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

不思議な三角関係

イロナという1人の魅力的な女性には2人の恋人がいる。もともと彼女の恋人だったレストラン経営者のラズロと、そのレストランでピアニストとして雇われた青年アンドラーシュだ。ラズロは非常に心が広く温かみのある男で、アンドラーシュは芸術家らしい影のある繊細な青年。イロナはタイプの違う2人の男を同時に愛し、二股を公認されている。

最初はこのイロナのわがままさに少々腹がたつ。甘えるのもいい加減にしろと言いたくなる。しかし、そのうちなんとなく許せるようになってくる。それは、ラズロの人間的魅力によるところが大きい。

彼は非常に器の大きな男で固定観念にとらわれない面白い考え方をする。繊細で実は嫉妬深いアンドラーシュがこの関係を我慢できたのも相手がラズロだったからで、他の男なら間違いなくかなり危険なことになっていただろう。

そんな不道徳な!という固定観念を捨てて考えてみれば、同じ人を愛する者同士は案外気が合うのかもしれない。3人には人間愛で結ばれた深い絆が生まれており、見ているうちにこの三角関係が心地よく思えてくる脚本と演出には不思議な魅力があった。

暗い日曜日に秘められたメッセージ

「暗い日曜日」は実在する曲であり、本作で描かれているように自殺を誘発する曲という伝説も存在するが、実際のところははっきりしない。

本作ではこの曲に秘められたメッセージを“人間の尊厳を失ってまで生きていたくない”というものだと解釈していた。第二次世界大戦当時のナチスによるユダヤ人迫害の罪は、多くの命を奪ったことは当然として、さらに人間の尊厳という最も尊重されるべきものまで容赦なく奪ったことにあると本作は訴えている。

いつも前向きに楽しんで生きることを信念としてきたラズロが“汚物を投げられ続けてまで生きるのは我慢できない”と考え始める気持ちは理解できる。何があっても生き抜くたくましさは賞賛に値するが、人間の尊厳を捨ててまで生きることに何の価値があるのかと、彼の立場になれば自分もそう考えるだろう。

暗い日曜日 感想まとめ

タイトルや映画の宣伝文句から、もっと暗い作品を覚悟していたが実際に鑑賞するとそこまでの暗さは感じない。

特に前半部分は物語のテンポも良く、男女の三角関係の描き方も爽やかなので心地よく見られる。ただ後半は戦時下のブタペストが描かれるので、物語のトーンが一変し、胸の苦しくなるような時間が続く。

ところがラスト近く、お腹の大きくなったイロナを見てまた一気に気分が変わる。ラストはサスペンスを見終わった時のような「なるほど感」があり、重い気持ちがあまり残らない。個人的にはこの終わり方に救われた。

「暗い日曜日」とか「自殺」というキーワードから連想するほど陰鬱な映画では決してないので、そこだけは誤解のないよう強調しておきたい。

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コメント

  1. ペース より:

    いいね!

  2. マイメロ より:

    先日、母とランチしたカフェで流れていた音感のタイトルなんです。
    母が知っていたので、帰ってからググってみました!
    古い映画かと思いきや、そうでもないんですね~
    あらすじ読んでこの作品を見てみたくなりました!

  3. みー より:

    絶対的力をもったら人は弱みにつけこみ
    つけこまれた者は奴隷になるしかない
    弱肉強食の悲しみを感じた