映画『メゾン・ド・ヒミコ』あらすじ・ネタバレ結末と感想

メゾン・ド・ヒミコの概要:オダギリジョー主演のラブストーリー。ゲイの老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ”を舞台に愛と死を見つめた物語。共演は田中泯、柴咲コウ、西島秀俊。「ジョゼと虎と魚たち」(03)の犬童一心監督、2005年の日本映画。

メゾン・ド・ヒミコ あらすじ

メゾン・ド・ヒミコ
映画『メゾン・ド・ヒミコ』のあらすじを紹介します。

神奈川県、大浦海岸。ここに同性愛者のための老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコがあった。細川塗装に勤める、吉田沙織(柴咲コウ)。彼女は、ゲイの父親が家を出た後、母と2人で懸命に生きてきた。その母も数年前に病気で他界。入院費で借りた借金が残っており、金に困っていた。

そんな沙織のもとに、父の恋人だというゲイの青年、岸本春彦(オダギリジョー)が訪ねてきます。春彦は沙織の父が末期のガンを患い、老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ”に居るという。そして、週一日、ホームを手伝ってくれれば給料も出すと言う。

何年かぶりに父・ヒミコ(田中泯)と再会した沙織。しかし、自分の家族を捨てた父を許すことが出来ない。不愛想な態度を取り続けるものの、次第に”メゾン・ド・ヒミコ”に集うゲイやおかまと知り合ううちに意識が変わってゆく。

そんな中、”メゾン・ド・ヒミコ”に入所する仲間達とディスコへ行く。そこで、仲間の1人が元同僚からゲイである事をからかわれたため、沙織は怒り、その客とケンカになってしまう。そんな沙織を見て、ゲイなのに惹かれる春彦。2人はキスを交わすが・・。

メゾン・ド・ヒミコ ネタバレ結末・ラスト

春彦と沙織は付き合い始めるが、1度も結ばれることなく別れてしまう。沙織は、ホームに飾られていた写真について、ヒミコに問う。”母と会っていたの?”と。時々、会っていたという。夫婦の秘密を知り、複雑な気持ちになる沙織。

”やっぱり、アンタを許せない!”という沙織に対して、ヒミコは静かに答えます。
”ひどくまっとうな結論だと思うわ。あなたが好きよ”と。

”メゾン・ド・ヒミコ”では、入所者のルビーが倒れ、一命を取り留めるものの、脳卒中でマヒが残ってしまう。これ以上、ホームでの世話は難しいと考えた春彦は、ルビーの息子夫婦と連絡を取り、ゲイである事を隠したまま家族に引き取ってもらう。

その事を沙織は非難するが、春彦たちはゲイと分かっても彼を見捨てないことに賭けたいと言うのだ。季節は巡り、やがてヒミコは静かに息を引き取った。沙織はホームの手伝いをやめるが、ある日、ホームの壁に、”沙織に会いたい!ピキピキ、ピッキー♪”という文字が。

これからも春彦たちと交流は続いてゆく。

メゾン・ド・ヒミコ 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2005年
  • 上映時間:131分
  • ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
  • 監督:犬童一心
  • キャスト:オダギリジョー、柴咲コウ、田中泯、西島秀俊 etc

メゾン・ド・ヒミコ 批評・レビュー

映画『メゾン・ド・ヒミコ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

中性的な魅力~オダギリジョー、魔性のゲイを体現

ゲイ映画はあまり好きではないのですが、この映画だけは特別です!オダギリジョーの魅力を、演技とファッションの両面から探ってゆきたいと思います。まずは演技から。とても柔らかく春彦役を演じています。

台詞はゆっくり落ち着いていて、好感が持てます。不愛想、そして大声でヒステリー気味にしゃべる柴咲コウの演技とは対照的です。オダギリジョーの演技はいい意味で脱力感があり、他の役者や周りの雰囲気に流されない点が魅力。

ゲイの役をする時、ギラギラした色気を放つ人もいますが、オダギリジョーはほんのりと香る色気といった感じ。次にファッションセンスを見てゆきます。

オダギリジョーは、普段から黒と白を基調としたシックで、帽子など小物に凝ったファッションを展開しています。この映画では、全身白のスーツや青を生かしたコーデネイトが光っています。

シンプルだけど、少しゆるめで清潔さを感じさせます。またあえて生活感を出さない服を選んでいるハズしのテクニックがすごい!おしゃれ男子にぜひ、オダギリジョーのファッションセンスを取り入れてもらいたい。

春彦は、ヒミコにとってピュアで天使のように自由な存在です!

ずっと舞踊は終わらない!~田中泯の世界

NHKの連続TVドラマ「まれ」の塩じいこと、桶作元治役を演じ、味わい深い演技を魅せた田中泯。俳優だと思っている人が多いと思いますが、彼はずっと舞踊やダンスを追究している芸術家です。

「まれ」以外では、映画「たそがれ清兵衛」(02)や「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(14)の柏崎念至役で活躍しています。「メゾン・ド・ヒミコ」では、主人公・沙織の父親ヒミコを重厚な存在感で印象つけました。

沙織との揺れる親子関係が現れるシーンでは、こんな一言が!父親を許せないという沙織に対して、”まっとうな結論だと思うわ。あなたが好きよ。”という言葉が胸に突き刺さります。

ゲイという役柄だが、変ないやらしさはなく、深い人間性が表現されています。また、オダギリジョーと2人並んだ時の姿が美しく絵になります。この2人がいなかったら、この作品は完成しないでしょう。

田中泯は、前衛的な舞踊を追究してゆくなかで、内面の衝動を舞踊やダンスを通じて外へ表現しょうとしています。舞踊だけでなく、その姿勢が演技に生かされている点に注目して下さい。

メゾン・ド・ヒミコ 感想まとめ

高齢化が進み、認知症の介護問題など厳しい現実があります。同性愛者というマイノリティーであればなおのこと、閉ざされた環境の中で生きてゆかなければなりません。

この映画は、同性愛者の偏見や家族の問題を温かく描いた作品です。一種のファンタジーだと受け止める人もいるでしょう。そう感じるほど、老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ”は集う人々や絆、友情が心地よいのです。

見どころはなんといっても、春彦を演じるオダギリジョーの存在感です!ヒミコの隣に寄り添う姿や沙織をからかうシーンは必見です!

また、ヒミコ役の田中泯の重厚さにも注目して下さい。老人ホーム”メゾン・ド・ヒミコ”を一歩外へ出ると、偏見の嵐が吹いていますが、ディスコで尾崎紀世彦の曲に合わせて、春彦や沙織、ホームの仲間たちが躍るシーンはとても楽しい。

ぜひ、ディスコ・シーンをお見逃しなく!2016年1月現在、更に存在感を増してきたオダギリジョーの新作が2本あります。1本めは、昨年11月より公開の、画家・藤田嗣治の生涯を描いた「FUJITA」(15)。

そして、2016年9月に公開予定の「オーバー・フェンス」です。ああ、オダギリジョーに会いたい!ピキピキ、ピッキー♪(劇中風に)

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コメント

  1. 深田のりやすの より:

    ゲイと言われる人とその人々の姿を描いているが、真面目に描いた犬童監督の静かに描いた作品、感動的な作品で日本アカデミー賞物である。