映画『日輪の遺産』あらすじとネタバレ感想

日輪の遺産の概要:2011年公開の日本映画。原作は浅田次郎による同名小説で太平洋戦争終結間近の日本を描く。帝国陸軍将校たちがマッカーサーの隠しているという財宝を、少女たちに手伝わせ盗ませるというミステリー系ヒューマン映画。

日輪の遺産 あらすじ

日輪の遺産
映画『日輪の遺産』のあらすじを紹介します。

高齢の金原夫婦は来賓として、女学園の中等部の卒業式に招かれていた。
この学園内には慰霊碑がある。
そこには19人の女性徒と1人の男性教師の名が記されていた。
夫婦が式典で壇上にあがると、夫の庄造は「マシバさんがもう良いと言っている」と言った後倒れ亡くなってしまう。

妻の久枝は夫の葬儀の後、家族を集めてある話をする。
それは、まだ戦時中の頃の話であった。
多摩火工場に勤めている久枝を含め女子生徒20人と教師の野田(ユースケ・サンタマリ)は、帝国陸軍真柴少佐(堺雅人)が上司に命令された密命の手伝いとして選ばれた。
その密命とは、フィリピンで山下将軍が強奪したマッカーサーの財宝を陸軍工場に移し隠せというもの。
これは、日本の敗戦を確信した陸軍の上司たちが日本の復興を願った末の結論であった。

真柴少佐に加えて望月曹長(中村獅童)も任務についた。
二人がトラックを何度も往復させ多摩山中まで運び、そこからは少女たちに運ばせるというものである。
この任務を毎日繰り返すうち、軍人たちと少女の間にも親しみのようなものが生まれてきた。

しかし無事に任務も終了すると、本部から残酷な命令が下る。
それは少女たちを毒殺しろというもので、青酸カリも一緒に同封されていた。
何とか殺さないようにと悩む真柴たちだったが、たまたまこの話を聞いた少女の一人が真柴の隠した青酸カリを探しだし他の少女たちと防空壕へ。
彼女たちは自らの命を絶ってしまったのである。

その後マッカーサーは、通訳の日系人イガラシとこの現場を訪れる。
洞窟の中を確認すると驚愕した。
日本人が自らの命を絶ち金塊を守っているという事実に。
彼らは金塊も少女たちの白骨もそのままにし、洞窟を封印することにした。

生き残った久枝は尚造に送られ自宅へ。
そこで住み込みで農業を手伝うようになった彼は、久枝と結婚し婿養子となるのだった。
あの記憶を忘れることが出来ないまま共に平和な暮らしを願って。

日輪の遺産 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2010年
  • 上映時間:134分
  • ジャンル:歴史、戦争、ヒューマンドラマ
  • 監督:佐々部清
  • キャスト:堺雅人、中村獅童、福士誠治、森迫永依 etc

日輪の遺産 ネタバレ批評

映画『日輪の遺産』について、感想批評です。※ネタバレあり

メッセージ性の強い作品

本作品の魅力。
それは映画全体から通して伝わってくるメッセージ性の強さである。
他の戦争映画では感じることが出来ない第三者目線での戦争ではなく、リアルで直接日本人の心に届いてくるダイレクトなメッセージのようなものである。
国の為に少しでもお役に立とうと必死で任務を遂行する少女たちは、日本人の誇り、また人としての誇りを失わないために集団自害するのである。
誰も何も恨んでいない。
ただ自らの信念で死んでいく、15にも満たない少女たちが。
ただ日本の未来を願って。
その大和魂とも言える気持ちの強さは引き継いでいかなければいけない。
映画から感じることは人それぞれ。
特に社会的なものや戦争を背景にしたものは、本当に様々な感情が生まれるだろう。
本作品にも色々な意見が飛び出すことだろうが、このような静寂の中に日本人の強さを見出せる映画は心強くもある。

マッカーサー元帥の財宝ミステリー

本作品のテーマ、それはマッカーサーの財宝。
実際に終戦後、日本軍が隠していた財宝がアメリカ軍に発見されるということはあったらしい。
ただ攻撃や殺戮シーンが多い戦争映画が多い中、このような隠された財宝のミステリーを主題とした戦争映画は浅田次郎作品独特の魅力である。
元自衛隊員だった彼だからこそ思いつくロマンなのであろう。
ただの戦争映画に収まらないミステリー要素は観る年代や層を大幅に拡大するのではないだろうか。

堺雅人の安定した存在感

軍人としては少々頼りない感じもする堺雅人だが、本作品では安定した演技を見せている。
時代背景的にこのような痩せ形の俳優はしっくりくる。
共演者に中村獅童を持ってきたことも良いのだ。
彼が持つワイルドな雰囲気と対照的な堺雅人は映りも映え、抜群の存在感を発揮している。

日輪の遺産 感想まとめ

浅田次郎の小説はミステリーと史劇を混ぜた、フィクションともノンフィクションとも言えない作品が多いのが特徴だ。
本作品もそうである。
ただ悲惨な戦争体験を書いただけではなく、そこにマッカーサーの財宝をキーワードにしてミステリーを織り交ぜているのだ。
戦争映画や小説は苦手だという人も、角度の違った目線で観ることが出来るだろう。

キャスティングも良い。
もっと華やかでビジュアル重視の俳優を使っていたらせっかくの重厚さが台無しだ。
この大作とも呼べない微妙なラインの映画は、意外と優秀な俳優が出ていることが多い。
大作でも駄作でもない作品。
それを完成度の高いものに仕上げられるのが、堺雅人の存在感なのである。

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