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映画『北北西に進路を取れ』あらすじネタバレ結末と感想

映画『北北西に進路を取れ』の概要:ケーリー・グラント主演のサスペンス。主人公が偶然、カプランという男に間違えられて殺人犯として逃亡するハメに!アルフレッド・ヒッチコック監督のユーモア&アクションてんこ盛りの作品。1959年米国映画。

映画『北北西に進路を取れ』 作品情報

北北西に進路を取れ

  • 製作年:1959年
  • 上映時間:137分
  • ジャンル:コメディ、サスペンス、アクション
  • 監督:アルフレッド・ヒッチコック
  • キャスト:ケイリー・グラント、エヴァ・マリー・セイント、ジェームズ・メイソン、ジェシー・ロイス・ランディス etc

映画『北北西に進路を取れ』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

[miho21]

映画『北北西に進路を取れ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『北北西に進路を取れ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『北北西に進路を取れ』 あらすじ【起・承】

ニューヨーク。広告会社の社長、ロジャー・ソーンヒル(ケーリー・グラント)は、秘書と明日の予定について話をしていた。秘書が疲れたと言うので2人でタクシーに乗り込む。

母への伝言を秘書に託してロジャーは59丁目のプラザホテルへ行った。母親に電報を打とうと立ったロジャーと、ホテルマンが”ジョージ・カプラン様・・。”と呼ぶのが同時だった。

その様子を見ていた2人組は、ロジャーがカプランだと思い込み、ロジャーを無理やり車に乗せたのだった。”黙ってついてこい、お前の心臓を狙っているぞ!”と。

ロジャーはなぜ拉致されたのかが分からない。車で連れていかれたのは、タウンゼントという大邸宅だった。”カプラン、と言えば分かるよ。”と言われ、2階の部屋で待たされた。

そこへ、主人のタウンゼントが現れ、ロジャーを見て思ったより良い服を着ているなと話す。ロジャーは人違いであると主張するが、取り合ってくれない。そればかりか、酒を無理やり飲まされてしまう。

酔っぱらってしまったロジャーは、飲酒事故に見せかけて崖から落とされそうになってしまう。警察に捕まったロジャーは、”殺されかけたんだ!”と主張するが信じてもらえない。

後日、再びタウンゼントの屋敷を訪ねてみたが、バーボンが入れていた棚は本棚に変わっており、屋敷に勤める者もジョージ・カプランという名前を知らないと言うのだった。

ロジャーは、母親クララ(ジェシー・ロイス・ランディス)と共にカプランが泊まっているという、プラザホテルに向かった。鍵を入手して部屋に入ったが、女性従業員に聞いても彼の姿を1度も見たことはないらしい。

カプランのスーツが、クリーニングから戻ってきたが、ロジャーと比べて寸法が短かった。ついうっかり、部屋の電話に出ると相手は殺し屋だった。

ロジャーがいくら否定しても、カプランだと思い込んでいるようだ。偶然、ホテルのエレベーターで殺し屋と一緒になってしまった母親は、”本当に息子が殺したの?”と話し、笑いを誘う。

ロジャーは、母親と別れて国連本部へ向かった。タウンゼントが国連に行っていると聞いたことを思い出し、本人かどうか確かめようと考えた。

だが、面会したタウンゼント氏は数日前に会った人とは別人で、何者かにナイフで刺されて絶命してしまう。その場にいたロジャーが殺人犯として疑われていまい、ナイフを捨てて逃げるのだった。

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映画『北北西に進路を取れ』 結末・ラスト(ネタバレ)

米国情報局のメンバーが集まる部屋。ジョージ・カプランが新聞に殺人犯として書かれていた。なんでも、架空のスパイらしい。もし、カプランが架空の人物だと分かれば、ロジャーの身が危ない。

しかし、教授の一言でもう少し監視することに。逃亡中のロジャーは、グランド・セントラル駅へやってきた。母親に”自首なんてしない。汽車の方が安全だ。ママ、ありがとう。”と告げて、シカゴ行の電車に乗り込んだ。

ところが既にロジャーの顔写真が出回っており、チケット売り場の男に通報されてしまう。列車内でロジャーを追いかける警察と鉢合わせしそうになるが、美女のイヴ・ケンドール(エバ・マリー・セイント)にかくまってもらう。

どうにか警察を振り切って、ロジャーは食堂車へ。そこで、イヴと会う。”あなた、ロジャー・ソーンヒルでしょ?”とほほ笑む。イヴは、26才の工業デザイナー。電車は臨時停車をし、大規模に捜索するらしい。

イヴは、自分の部屋番号”3901のE”をロジャーに教え、寝台の上部に隠すのだった。警察にうまく言い、ロジャーは見つからずに済んだが、秘かにイヴはロジャーについて指示を求めるメモを渡していた。

ロジャーは、列車のポーターに変装して列車を降りた。そして、イヴから”ホテルで会うのはまずいから、3時半にプレイリーのバス停で待ち合わせしましょう。”と約束します。

プレイリーのバス停を降りると、トウモロコシ畑が広がっていた。誰かが来る気配はない。バスを待つ男性が1人いたが、「何もないところに農薬を撒くのか?」と不思議そうに呟いていた。

すると、彼方から飛行機がやってきてロジャーを襲う。トウモロコシ畑に逃げ込んだロジャーだったが、上空から農薬を撒かれてしまう。飛行機が少し離れたのを確認して、ロジャーはタンクローリー車の前に飛び出した。

飛行機は、ロジャーの方へ大きく旋回してきた。やがてタンクローリー車に激突し、炎上させた。ロジャーは、タンクローリー車の下から逃げ出し、集まってきた人々に紛れた。人々が炎上を見ている隙にトラックに乗り込んだ。

シカゴのアンバサダー・イースト・ホテルに戻ると、ホテルの1階で新聞を買うイヴの姿を見た。彼女の部屋に行き、驚かせます。しかし、部屋の電話が鳴り、イヴは話し終えた後、急にロジャーに出て行って欲しいと言い出す。

それなら食事だけでも一緒にしょうと誘うと、シャワーを浴びたらとホテルにクリーニングを頼んだ。ロジャーは、シャワーを浴びる振りをしてイヴを監視した。イヴが部屋を出た隙にメモを解読すると、”ノースミシガン街1212”と書かれていた。

イヴのメモにあった場所は、美術品のオークション会場だった。イヴは偽のタウンゼント達と会場にいるのだ。ロジャーは、わざと会場を混乱させ、警察を呼ぶのだった。

殺人犯として捕まることで、自分の身の安全を得ようとしたのだが、警察ではなく空港へ向かう。空港についたロジャーを教授は、サウスダコダ州のラシュモア山に行くと言って、ノースウエスト機に乗せた。

イヴの正体は、殺し屋の愛人で女スパイでもあるらしい。イヴの身が危ないと知り、ロジャーはラシュモア山のカフェテリアで彼女と殺し屋を待つ。ロジャーは殺し屋と話し合うが決裂して、イヴを置いてゆくことを要求。

だが、ロジャーが強引にイヴを取り戻そうとしたため、イヴはロジャーに対して発砲してしまう。死んだロジャーは病院に行く途中、むっくりと起き上がった。イヴの銃は空砲だったのだ。

最終決戦の地、ラシュモア山へ。イヴの空砲のトリックを知った殺し屋が2人を執拗に追う。2人は何度も死にかけるが、警官の援助により殺し屋達は谷底へ落ちてゆく。

イヴの片手を掴んでいたロジャーが、イヴを引き上げるとそこは寝台列車の中だった。
シカゴ行の列車は、トンネルへ吸い込まれていった。

映画『北北西に進路を取れ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『北北西に進路を取れ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

犯人と間違えられた男の大冒険!アクション映画の歴史を変えた映画

ヒッチコックの作品の中でも、アクション色が強くかつユーモアのセンスが際立つ作品だと思う。有名なスパイ映画「007」シリーズの原型になったとも言われ、トウモロコシ畑で、主人公ロジャーが追われるシーンなどその後の作品に影響を与えています。

ヒッチコックらしいユーモアセンスが出ているのは、主人公ロジャーと母親の関係性です。追ってきた男たちに向かって、母親が”あんたたち、本当に息子を殺しに来たの?”と言って笑わせるシーンがあり、緊張感とユーモアのバランスが絶妙です。

逃亡するハメになるのに笑わせたり、美女と電車で出会うのも現在ではお決まりのシーンになっていますが、実は「北北西に進路を取れ」という作品から始まっていたのです。またわざと警察に捕まろうとする、オークション会場でのシーンにも注目して下さい。

ケーリー・グラントは、ヒッチコック作品の「断崖」、「汚名」、「泥棒成金」、「北北西に進路を取れ」の4作に出演しています。これらの作品も併せて観ると、本作がいかに面白いか分かると思います。

ヒッチコックの光と影~渡米後の映画にみる考察

アルフレッド・ヒッチコックが、英国から渡米してハリウッドに拠点を移してからの作品を中心にみていこう。ハリウッド映画第1作は、「レベッカ」(40)。

英国のコーンウォール地方を舞台にしていて、英国の雰囲気が作品に濃い。主人公キャロラインには、死んだレベッカの影が、彼女のクローゼットや持ち物から溢れていた。

キャロラインが美しい貴婦人の画と同じドレスを着るシーンが、「めまい」(58)の、死んだ女性マデリンそっくりに仕立ててゆくシーンと重なります。心理描写が細やかなのも見どころ。

そして、「北北西に進路を取れ」(59)は、最もハリウッド的サスペンス・エンターティンメント作品だと思う。まるで、スパイ映画さながらに巻き込まれ、冒険する様は本当にヒッチコック作品なの?と驚くだろう。

列車の中で追っ手から逃れようと、偶然、女スパイにかくまわれるのも、マザコンなヒッチコックらしい演出なのかもしれない。


ヒッチコック作品の中で一番好きな作品。売りの一つであるスリラーの要素こそ薄いが、エンターテイメントとして秀逸。主人公が事件に巻き込まれる流れが見事。人違いをされてそれを正せないシーンに、個人のアイデンティティの危うさを感じる。その意図はないのかもしれないが、自分が自分であることを他人にとりあってもらえない恐怖。これぞヒッチコック映画だ。そして無実の罪で逃亡犯となる主人公。女性も絡んでアクションシーンも笑えるシーンもあり飽きることがない。ヒッチコック初見の方にもおすすめな1本。(男性 40代)

映画『北北西に進路を取れ』 まとめ

サイコ」や「」といったスリラー路線よりも、この「北北西に進路を取れ」の方が分かりやすく人気なのかもしれない。筆者は、どちらかというとスリラー路線の方が好みだが、サスペンスからアクションまで楽しめる本作は見逃せない!

ヒッチコック以後の映画作家が、本作を基にスパイ映画や様々なジャンルの映画に発展させていると思うとわくわくします。元気さとカッコ良さのある、ケーリー・グラントの演技や女スパイのミステリアスな魅力、有名なラシュモア山の彫刻の上で逃げるシーンなどどれも印象に残ります。

世代を超えて愛される、ヒッチコック作品をぜひご覧下さい。

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