映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』あらすじネタバレ結末と感想

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつの概要:あのビートルズの原点となったリバプール時代。若き日のジョン・レノンは何を悩み、どんな日々を送っていたのか。偉大なアーティスト、ジョン・レノンの青春を描いた2009年公開のイギリス映画。

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ あらすじネタバレ

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ
映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ あらすじ【起・承】

リバプールのクオリー・バング中学に通うジョン・レノン(アーロン・ジョンソン)は母の姉である伯母のミミ(クリスティン・スコット・トーマス)と伯父のジョージと3人で暮らしていた。ジョンはちょっとした不良で、学校では問題児だった。

ある晩、ジョンの良き理解者だった伯父が急に倒れ、そのまま亡くなってしまう。伯父のお葬式でジョンは見慣れぬ女性を見つける。それは母のジュリア(アンヌ=マリー・ダフ)だった。長年会っていない母のジュリアは意外にも近所に住んでいたことがわかる。

ジョンはジュリアの家を訪ねる。彼女はジョンを大喜びで迎えてくれた。R&R好きで明るいジュリアは、厳格なミミと正反対の性格だった。ジュリアの影響で、ジョンはプレスリーにはまり、ロック少年になっていく。

ジョンは悪さが過ぎて学校を停学になる。停学期間、ミミには内緒でジュリアのところへ行き、バンジョーの弾き方を教えてもらう。ジュリアはボビーという男と再婚し、彼との間に2人の娘がいたが、ジョンが行くといつも歓迎してくれた。

ところがジョンの停学を知ったミミがジュリアの家に乗り込んでくる。ジョンは厳しいミミに反抗し、ジュリアの家にいたいと言う。しかしこれにはボビーが反対し、ジョンは気を使って帰ることにする。出て行くジョンをジュリアは止めてくれなかった。

孤独なジョンはミミにアコースティック・ギターを買ってもらいバンドを始める。不良仲間で結成した「クオリーメン」というバンドは、地元のお祭りで初ライブを行い、なかなかの評判を得る。そこで知り合いから“ギターが上手い少年”としてポール・マッカートニー(トーマス・サングスター)を紹介される。

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ あらすじ【転・結】

不良のジョンとまじめなポールは反発し合う面もあったが、音楽を通して仲良くなる。2人はオリジナル曲を作り始め、ポールもメンバーの一員となる。さらにポールが連れてきたジョージ・ハリスンもメンバーに加わる。

バンドは評判になり、人気が出る。ジュリアは毎回ライブに現れはしゃいでいたが、ジョンはそんなジュリアに冷たく接する。ジョンはミミとジュリアの間で苦しんでいた。

ジュリアは自宅でジョンの盛大な誕生日パーティを開く。しかしジョンはジュリアの愛情を素直に受け止めることができず彼女を責め、一人で帰ってしまう。

ミミはパーティの準備をし、エレキギターまで買ってジョンの帰りを待っていた。やっと帰ってきたジョンがジュリアの家で誕生日を祝っていたことを知り、ミミは機嫌を害す。そこへジュリアがやってきて、ミミはジュリアの過去をジョンにバラしてしまう。

ジュリアは身持ちの悪い女で、船乗りだった夫が留守の間に浮気を繰り返していた。今の夫のボビーともジョンの父と離婚する前から関係があり、離婚を切り出したのはジュリアだった。父に連れて行かれそうになったジョンをミミが取り戻し、ジュリアに返そうとはしなかった。ジョンはこの話を聞いて深く傷つき、家を飛び出す。

悩んだ末にジョンは一人で暮らすことにする。自分のせいでいがみ合ってきた姉妹に仲直りして欲しいと思っていた。ミミはジョンの“誰も恨まないことにする”という言葉を聞いて、ジュリアと和解する。

2人がやっと仲のいい姉妹に戻れた矢先、ジュリアが交通事故で死んでしまう。ジョンはこの現実を受け止め切れずにいた。そんな彼を、同じく母を亡くしていたポールが支える。

ジョンはジュリアが自分に残してくれたお金で初めての自主制作レコードを作る。ジョンはどんどん忙しくなっていくが、どこにいてもミミへの電話は終生を欠かさなかった。

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:2009年
  • 上映時間:98分
  • ジャンル:青春、伝記、ヒューマンドラマ
  • 監督:サム・テイラー=ウッド
  • キャスト:アーロン・ジョンソン、アンヌ=マリー・ダフ、クリスティン・スコット・トーマス、デヴィッド・スレルフォール etc

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ 批評・レビュー

映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』について、感想と批評・レビューです。※ネタバレ含む

ザ・ビートルズのルーツ

世界で最も売れたアーティストといえばやはりザ・ビートルズだろう。ビートルズのメンバーは4人(ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター)とも超有名だが、中でもジョン・レノンの人気は高い。

そんなジョンがまだR&Rの存在も知らなかった頃から本作は始まる。いかにジョンが音楽と出会い、ギターを手にし、バンド活動を始めていくか。多少の脚色はあると思うが、そのあたりは単純に面白い。結構適当な(とりあえず仲のいい奴とやってみる)バンド結成の様子なども、自分たちと何ら変わらない(筆者もバンド経験あり)ので非常に親近感がわく。

特にジョンとポールの出会いは胸熱だった。共通の友人を通して知り合いになり、“あいつは上手いからメンバーに引き入れよう”的なノリでポールがバンドに加わる感じは、いかにも「バンドあるある」だ。

ビートルズが4人編成となり「ラブ・ミー・ドゥ」でデビューしたのが1962年の10月。その後わずか8年ほどの活動期間で、あらゆる記録を塗り替えていく史上最大のモンスターバンドとなる彼らのルーツが1957年のリバプールにあること。あの偉大なジョン・レノンも私たちと同じような悩みを抱え、青春時代を過ごしていたこと。

知識としてはそういうことを把握していても、映像で見るとやはり違う。雲の上の存在であるジョン・レノンやビートルズのメンバーが急に身近に感じられ、なんだかとても嬉しくなる。

家族の葛藤とキャスティング

ジョンには生みの親であるジュリアと育ての親であるミミという2人の母親がいる。ジュリアとミミは実の姉妹であり、2人ともジョンを溺愛しているので話は複雑だ。この作品のいいところは「ジョン・レノン=音楽」だけではなく、ジョンの人格を形成した家族の葛藤や愛情を丁寧に描いている点にある。

奔放な妹のジュリアを演じているアンヌ=マリー・ダフも、厳格な姉のミミを演じているクリスティン・スコット・トーマスも、それぞれの個性をしっかり把握した役作りが素晴らしい。また2人の雰囲気が似ているので、本当の姉妹に見える。

この2人の間で葛藤する若き日のジョン・レノンを繊細に生き生きと演じているアーロン・ジョンソンもいい。ジョン・レノンという熱狂的なファンの多いカリスマ的な存在を演じるのは、かなり骨の折れる難題だったと思うが、彼は堂々とジョンになりきっている。このキャスティングには音楽ファンも満足したのではないだろうか。

伝記物なのでキャスティングに違和感を感じないというのはとても大切なポイントだ。この作品は演出もキャスティングもしっかりしているので、自然に作品世界へ入れる。ただ、トーマス・サングスターのポールだけはちょっと違和感。芝居はちゃんとしているので不快感は全くないが、ポールのイメージとあまりに違ったので驚いた。しかも妙に幼い。不思議な存在感はあったけど…。

ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ 感想まとめ

この作品はビートルズやジョン・レノンを知らなくてもそれなりに楽しめると思うが、やはり冒頭の「ジャーン(「A Hard Day’s Night」のイントロ)」を聞いて、走るジョンの姿(映画「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の冒頭部分を彷彿とさせる)を見て“おっ!”と反応する人の方がより楽しめるだろう。

自分は後者の方なのでかなりツボに入った。さらにジュリアとミミという2人の女性の姿から、ジョンがオノ・ヨーコを愛した理由がわかったような気がして好奇心をそそられた。勝手なイメージだが、ヨーコにはミミの凜とした感じとジュリアの自由さの両方を感じる。そんなことをあれこれ考えているうちに、映画はあっという間に終わってしまった。

青春映画としてもヒューマンドラマとしてもなかなかの良作だ。

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