映画『パピヨン』あらすじ&ネタバレ考察・ストーリー解説

胸に彫られた蝶の刺青から“パピヨン”と呼ばれた男が、無実を叫びながら終身刑となるも8度の脱獄でようやく自由の身に。後にベネズエラの市民権を獲得したアンリ・シャリエールの、世界で1,000万部のベストセラーとなった伝記小説の映画化。主演はスティーヴ・マックイーン。共演はダスティン・ホフマン。監督は「猿の惑星」、「パットン大戦車軍団」などのフランクリン・J・シャフナー。音楽は数々の映画音楽を手がけた巨匠ジェリー・ゴールドスミス。

パピヨン

あらすじ

映画『パピヨン』のあらすじを紹介します。

金庫破りで捕まった男(スティーヴ・マックイーン)は胸に彫られた蝶の刺青から「パピヨン(蝶)」と呼ばれていた。 彼は仲間に裏切られ、複数の罪を着せられた挙げ句に終身刑の判決を受けてしまう。それから祖国フランスを追放され南米ギアナの監獄で過酷な労働を強いられた。彼は脱獄を決意するが看守の買収、ボートや食料の資金が必要なため、債券偽造の罪で服役する”ドガ”(ダスティン・ホフマン)という男に目を付ける。しかしギアナに到着し監獄に放り込まれた二人は、看守の買収にも失敗し強制労働キャンプに送られる。そこでは過酷な労働と劣悪な環境により囚人たちが次々に死んでゆく。それでもパピヨンは看守に受ける虐待に耐えながらひたすら脱獄を繰り返し、捕まる度に恐怖がエスカレートする監獄での日々を繰り返してゆく。

長い年月が流れ、ようやく独房生活から解放されたパピヨンの髪は真っ白で、見るも無惨に老いてしまう。最後は悪魔島という島へ送還されるが、そこは手錠も足枷もない代わりに、断崖絶壁の下はサメが群がる激流に囲まれた孤島で、脱出は到底不可能だと思われた。同じ島に送られていたドガは祖国に帰る夢も失い、穏やかに日々を過ごしていた。しかしパピヨンはそこでも諦めず、ココナッツの実を海に投下し波の動きを調べ、特定の波に乗れば沖へ出られることを発見する。彼の脱獄にドガも一瞬心を動かされるがやはり心は折れてしまう。二人は涙で抱き合い無言の別れを告げ、真っ青な空の下、パピヨンは断崖からジャンプした。

評価

  • 点数:95点/100点
  • オススメ度:★★★★★
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★★
  • 設定:★★★★☆

作品概要

  • 公開日:1974年
  • 上映時間:151分
  • ジャンル:アクション
  • 監督:フランクリン・J・シャフナー
  • キャスト:スティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン、ビクター・ジョリイ、ドン・ゴードン、アンソニー・ザーブ etc…

ネタバレ考察・ストーリー解説

映画『パピヨン』について、2つ考察・解説します。※ネタバレあり

美しい南米の風景と相反する過酷な囚人生活

南米の真っ青な空と緑に包まれた風景が、過酷な囚人生活の環境に反して悲しくも美しい。そしてさらにジェリー・ゴールドスミスの音楽がその悲哀を盛り立てるように包み込む。マックイーンとホフマンの演技もさることながら、その悲しいストーリーの背景が都市ではないところがこの映画を名作にした理由ではないだろうか。脱獄を扱った映画には、有名なアルカトラズ刑務所とか、軍の捕虜施設とか、どこか鬱屈した閉塞感に満ちている舞台設定が多いのだが、ここは南米であり、最後の悪魔島のシーンは島自体が脱出不可能な環境と言うだけで、監獄というイメージなど皆無な天国のようにも見えるロケーションなのである。みすぼらしく老いてしまったドガが平穏な日々を暮らす姿は、囚人服を着ていなければ桃源郷の暮らしにさえ思える光景なのだ。

「I am Nobody」

ストーリーの前半では逞しさに満ち脱獄を繰り返す主人公が、後半での度重なる虐待、裏切り、絶望にまみれ、行き着く最後の流刑地は看守もいない絶海の孤島。人としての尊厳すらなく、世間から忘れ去られ、全ての希望を奪われた代価として、何の義務も権利もなく、命の尽きるまで生きているだけの悪魔島。「お前は誰だ」と聞かれ、「I am Nobody」としか返事ができないパピヨンの絶望的な風体と、全てを諦めたドガの送る平穏な暮らし振りがあまりにも印象的なシーンとして目に焼き付いてしまう。

まとめ

丸メガネで飄々とした知性的なドガ。クールでタフガイのパピヨン。苦境の中で違うタイプの友人に出逢い、理想を追いかけ、最後の最後で目的を成し遂げる生き様は、人として憧れの姿なのかも知れない。若者には生きる希望と不安を、老人には後悔を想わせずにいられないだろう。脱獄とかアドベンチャーとかの括りでは表せない、切なさと美しさに満ちた珠玉の作品である。

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