映画『ウンベルトD』のネタバレあらすじ結末

ウンベルトDの概要:「自転車泥棒」(48)や「ひまわり」(70)で有名なイタリアの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督が父親に捧げた作品。主人公のウンベルトを演じたカルロ・バティスティの本業は大学教授であり俳優としては素人だが、社会的弱者の痛みをリアルに再現している。

ウンベルトDの作品概要

ウンベルトD

公開日:1951年
上映時間:87分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
キャスト:カルロ・バティスティ、マリア・ピア・カジリオ、リナ・ジェナリ etc

ウンベルトDの登場人物(キャスト)

ウンベルト・D・フェラーリ(カルロ・バティスティ)
ローマで暮らす身寄りのない老人。30年間公務員としてまじめに働いてきたが、わずかな年金では生活できずアパートを追い出されそうになっている。フライクという飼い犬をとても可愛がっており、いつも一緒に行動している。
マリア(マリア・ピア・カジリオ)
ウンベルトのアパートの女主人に仕える使用人。幼く見えるが2人の兵士と付き合っており、父親のはっきりしない子供を妊娠している。学はないが心根の優しい娘。
女主人(リナ・ジェンナーリ)
ウンベルトが20年暮らすアパートの大家。強欲で意地が悪く、ウンベルトが邪魔になったので家賃滞納を理由に追い出そうとしている。隣の映画館の館主が恋人。

ウンベルトDのネタバレあらすじ

映画『ウンベルトD』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

ウンベルトDのあらすじ【起】

1950年頃のローマ。ウンベルトは年金支給額の引き上げを訴えるデモ行進に参加していた。30年もまじめに公務員として働いてきたのに、今の年金では家賃もろくに払えず、ウンベルトは困窮していた。しかし大臣に訴えは聞いてもらえず、ウンベルトたちは警察に追い払われる。

ウンベルトは身寄りのない老人だった。20年来暮らしているアパートの女主人は、家賃滞納を理由にウンベルトを追い出そうとしていた。ウンベルトが愛犬のフライクと自宅へ帰ると、女主人はウンベルトの部屋を時間制で逢引きをするカップルに貸していた。これほどの嫌がらせをされても、家賃を滞納しているウンベルトは強く抗議できない。

女主人の使用人マリアは、体調の悪そうなウンベルトを気遣ってくれる。田舎からひとりで出てきたマリアも孤独な境遇で、ウンベルトにはなんでも相談していた。マリアは自分が妊娠3ヶ月であることを告白し、同時に2人の兵士と付き合っているためどちらの子供かはっきりしないのだと打ち明ける。

ウンベルトDのあらすじ【承】

ウンベルトは大事な懐中時計と本を売り、なんとか5000リラ用意する。それを女主人に渡して残りの1万リラは年金が支給されるまで待って欲しいと頼むが、女主人は“まとめて全額を払わないと月末までに追い出す”と取り合ってくれない。

扁桃腺が腫れて発熱していたウンベルトは自ら救急隊を呼んで教会の運営する病院へ入院することにする。フライクのことはマリアに頼み、ウンベルトは病院へ運ばれていく。

病院には食費を浮かそうとする貧困者が多数入院していた。ウンベルトは隣のベッドの男に入院期間を引き延ばすコツを教えてもらい、退院を免れる。お見舞いに来てくれたマリアの話によると、女主人は近々恋人の映画館館主と結婚するのでウンベルトが邪魔になったらしい。ウンベルトが退院すると部屋の改装工事が始まっていた。しかも女主人がわざと扉を開けておき、フライクが行方不明になっていた。

ウンベルトは急いで保健所へ向かう。保健所には飼い主から見放されたかわいそうな飼い犬や迷い犬が運び込まれ、次々と処分されていた。ウンベルトは必死でフライクを探し、ちょうど車で運ばれてきたフライクと再会する。孤独なウンベルトにとってフライクはたったひとりの家族だった。

ウンベルトDのあらすじ【転】

ウンベルトは金を工面するため、恥を忍んで昔の同僚に声をかける。あと2000リラあれば負債額が払えるのでアパートを追い出されずに済むのだと元同僚に話してみるが、元同僚はわざと話を聞き流してバスで帰ってしまう。

追い込まれたウンベルトは物乞いをすることまで考える。しかしどうしてもそこまで落ちぶれることに抵抗があり、結局何もできないままアパートへ帰る。アパートでは女主人の友人たちが集まって、賑やかにパーティをしていたようだ。工事中の散らかった部屋に座り込み、ウンベルトは途方にくれる。マリアは残り物のケーキを持ってきてくれるが、ウンベルトにはそれを食べる元気もない。ウンベルトは生きることに疲れ切っていた。

早朝、ウンベルトは何かを決意したように荷物をまとめ、フライクを連れて部屋を出る。物音に気付いて起きてきたマリアに、ウンベルトは“君も他所へ行け”と忠告して去っていく。マリアは窓からウンベルトとフライクの姿をいつまでも見送っていた。

ウンベルトDのあらすじ【結】

ウンベルトは商売で犬を預かっている夫婦にフライクを託しにいく。ところがその夫婦は金儲け主義の悪徳業者で、預けられた犬たちは劣悪な環境に置かれていた。ウンベルトは全財産と持ち物全てを置いていくのでフライクを可愛がって欲しいと頼むが、飼い主が迎えに来ない場合は保健所に連れていくと聞いて預けるのをやめる。

ウンベルトはフライクを連れて子供たちの集まる公園へ行く。ウンベルトはフライクを大事にしてくれそうな子供を探していた。フライクが安心して暮らせる場所が見つかれば、ウンベルトは死ぬつもりだった。しかし子供が欲しがっても親が許してくれない。ウンベルトは覚悟を決め、フライクを抱いて踏切を越えていく。

フライクは異変を察知し、電車が通過する直前にウンベルトから逃げ出す。結局ウンベルトも電車に飛び込むことができず、フライクの後を追う。フライクは怯え、ウンベルトに近寄ろうとしない。ウンベルトは遊び好きなフライクを松ぼっくりでおびき寄せ、そのままフライクと遊び始める。ウンベルトはフライクとじゃれ合いながら遠ざかっていく。向こうからは元気な子供たちの集団が走ってくる。行き場のないウンベルトとフライクは、これからどこへいくのだろうか…。

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