映画『100回目の別れ』の概要:町でも噂の99回別れたカップル。8年の交際を機に、彼女の夢だったカフェを共同経営し始めるが、将来についてのイメージの違いが100回目の別れへと発展させてしまった。素直になれない一組のカップルを追う一作。
映画『100回目の別れ』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:ローレンス・チェン
キャスト:イーキン・チェン、クリッシー・チャウ、イヴァナ・ウォン、ジェイス・ホー etc
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映画『100回目の別れ』の登場人物(キャスト)
- バーブラ(クリッシー・チョウ)
- 強気な独身女性。8年間付き合っている恋人・サムがいるが、頼りない態度に呆れ二人の関係は「子守り」だと言い切っている。カフェの経営を初めても不満ばかりが募っていた。
- サム・ワン(イーキン・チェン)
- 恋人のバーブラに制圧されながらも、愛情をたっぷり注いで過ごしている。しかし、何をしても否定ばかりのバーブラの本音がわからなくなってしまっていた。
- プリシラ(イヴァナ・ウォン)
- サムとバーブラのカフェの近所で勤めている女性。お菓子や料理作りが得意で、カフェにもよく配達をしてくれていた。バーブラの良き相談相手。
映画『100回目の別れ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『100回目の別れ』のあらすじ【起】
サムとバーブラは付き合い始めて8年になるカップルである。バーブラの権力が絶対であること以外、どこにでもいる普通のカップルである二人。しかし、二人は他のカップルには考えられないほど、付き合っては別れてを繰り返している。その理由はいつも小さなこと。高いパンにサムが気づかないことや、サムが酔いつぶれたこと。別れるたびにサムが謝り、バーブラが許して二人はヨリを戻すのだ。
サムとバーブラは「ラ・ジュテーム」という名前のカフェを開いた。バーブラお気に入りのコーヒーメーカを入れて迎えた初日、ハプニングに見舞われた二人。さらにはバイトを雇おうとするが、可愛い女性に目がない青年4人組か美意識ばかり高い女性4人組の選択肢しかなかった。お菓子を作れることから女性を選ぼうとしたサムだったが、バーブラの独断で青年4人組を採用することになった。
ロレインとロイという美男美女カップルの常連ができ、近所の店のプリシラは人気のフレンチトーストや手作りのケーキを持参して手伝ってくれるようになっていた。
映画『100回目の別れ』のあらすじ【承】
店の経営に向いていないサムに苛立つバーブラ。プリシラはバーブラの愚痴を聞いてあげるが、子供のようだと怒るバーブラの口ぶりからしばらく二人の関係はご無沙汰なのではないかと予測した。図星を突かれたバーブラは、サムがベッド以外で行為したがるという悩みを打ち明ける。
至って普通だと笑うプリシラ。時にはサムの希望も飲んであげるべきだと自分たちの店で誘ってみるようにアドバイスするのだった。作戦は見事成功し、喜んでプリシラに報告するバーブラ。一方で、プリシラは恋人に素っ気なくされ、一人自分の店で寂しく過ごすのだった。
サムとバーブラの店には様々なカップルが訪れる。店で大喧嘩をして指輪と写真を忘れていったカップルがいた。その日中、カフェはカップルの噂でもちきりだった。サムが指輪にエピソードを付けて棚に飾ったこと機に、元妻と思い出の品や亡くなった父親との思い出の品など、次々と客がエピソードを添えて思い出の品を飾っていくようになった。巷では「失恋コーヒー」と名付けられカフェは連日繁盛し始める。
映画『100回目の別れ』のあらすじ【転】
いつも通りお手製のメニューを持ち寄ったプリシラ。しかし、元カレの車に肉入りご飯をぶつけたという器物破損容疑で勾留されてしまった。常に笑顔だったプリシラの大失恋について初めて知ったサムとバーブラ。失恋倉庫と化したカフェには、たくさんの人情劇が詰まっていると実感するのだった。
バーブラに無断で仲間たちと失恋倉庫を大きくする計画を立ち上げたサム。もちろんバーブラは大反対する。そこで、サムはデザイナーであるロイに相談する。バーブラの話をしたサムに対して、きちんと向かい合っているかと問うロイ。図星ではあったが、まず見返そうと必死だった。一度成功した「失恋倉庫」の案に固執するサムに、我慢の限界を迎えたバーブラ。営業中にも関わらず、大喧嘩の末100回目の別れを迎えてしまった。
プリシラに付き合ってもらい失恋の傷を癒すバーブラ。今までの別れを振り返り、いかにサムが愛してくれていたかを痛感する。その頃、カフェには失恋倉庫のきっかけになったカップルが訪ねてきていた。初心に返ったサムはバーブラがいつ帰ってきてもいいように準備を始めた。
偶然にも元カレに遭遇してしまったプリシラ。失恋の痛手から抜けきれておらず苦しむプリシラに、バーブラは寄り添うのだった。その頃、サムも仲間たちに慰めてもらっていた。同じことを繰り返すサムは厳しい指摘を受けるが、バーブラの言う通り将来を考えようと立ち上がるのだった。
映画『100回目の別れ』の結末・ラスト(ネタバレ)
プリシラに協力してもらい、バーブラに謝りに向かったサム。実はプロポーズをしようとしていたが、タイミングを逃してしまった。ヨリを戻した二人は今まで通り仕事を始めた。サムはバーブラに隠れてコーヒー作りの教室に通い、バーブラは直接文句を言えなくなっていた。101回目の別れを怖がる二人は、無意識のうちに直接感情をぶつけることを避けるようになってしまったのである。
すれ違い、これまでと違うサムの態度に浮気を疑い始めたバーブラ。サムの友人に情報を求めに行くが、自分の言動を思い返せと突き返されてしまった。プリシラからも愛し方を見直すようにアドバイスを受け、頭を抱えるのだった。
サムの意見を否定してばかりだったバーブラは、支店候補だったテナントを契約しに行こうとする。しかしすでに契約者が決まっていたことを知り、バーブラはいつも通り怒鳴り散らすのだった。何も変わらないバーブラにサムは呆れてしまう。
サムの言葉に耳を貸すことのなかったバーブラは、失恋倉庫に残されたサムのメッセージと指輪を見つける。お互いに距離を置き冷静になったころ、「仕事に行こう」とバーブラは声をかけた。素直になることを知らなかったバーブラは、自ら謝ることと手を取ることの大切さを100回目の別れでようやく実感するのだった。
映画『100回目の別れ』の感想・評価・レビュー
「恋愛の結末はそれぞれ」と締めくくられる今作。愛情表現は人それぞれであり、愛されているという油断は関係性を変えてしまうという啓蒙も果たしてくれた。
独特なキャラクターが多く、ホームドラマ感が強いため、物語に入るまでは少し時間を要したのは難点である。コメディ色の強い前半はどうなることかと思ったが、100回目の別れを迎えてから徐々に見えてくる人間の心情が動く様子には惹きつけられていった。何度も繰り返し見たいという作品ではないのが少々残念である。(MIHOシネマ編集部)
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