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映画『14の夜』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『14の夜』の概要:14歳でアダルトな世界に興味津々の普通の中学生たちが、一歩大人になりたいがために過ごす日常的な一夜の話。主人公のタカシは何もないと感じる自分を変えるために、今夜勇気を出す。

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映画『14の夜』の作品情報

14の夜

製作年:2016年
上映時間:114分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:足立紳
キャスト:犬飼直紀、濱田マリ、門脇麦、和田正人 etc

映画『14の夜』の登場人物(キャスト)

大山タカシ(犬飼直紀)
性に興味が湧いている健全な中学生で、柔道部。父のことを情けないと感じ、恥ずかしいと思っている。無口で竹内やサトシには言い返せないが、ミツルは自分より下だと思っている。何もない自分を変えたくて葛藤している。
タカシの父・忠雄(光石研)
高校教師だが、軽い接触事故で停職中。小説や教頭への昇格を目指すなど様々なことに挑戦する気持ちはあるが、いつも空回りしていて情けない。
多田ミツル(青木柚)
タカシの柔道部の同級生。「〜ッス」と語尾につけて喋る、腰の低い少年。見た目も細く小さいため弱々しいが、性に対する興味は人より強くある様子。
岡田サトシ(中島来星)
タカシの柔道部の同級生。話す頻度も見た目も普通で、柔道部の仲良し4人の中で最も特徴のない少年。竹内が威張っていることを不満に思っている。
竹内剛(河口瑛将)
タカシの柔道部の同級生。ガキ大将のような見た目で、タカシ・ミツル・サトシを力で打ち負かし手下のように扱う。性に対する興味も強く、3人を連れてよくアダルトビデオを借りにいく。
春子(門脇麦)
タカシの姉。実家を離れて暮らしており、この日の夜に婚約者を連れて帰ってくる。サバサバした性格で、家族とは仲が良くタカシのことも可愛がっている。
西野メグミ(浅川梨奈)
タカシの家の向かいに住む幼馴染。ギャルのような派手な見た目で胸も大きく、大人っぽい。気が強く、いつも闘争心を秘めたような目をしている。
金田(伊藤健太郎)
タカシの同級生の不良。いつも不良仲間を連れており、柔道部の4人を見下して何かと絡んでくる。暴力を振るったりカツアゲをしたりはしないが、4人の持ち物を奪ったりパシリにしたりする。

映画『14の夜』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『14の夜』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『14の夜』のあらすじ【起】

1987年3月4日。
ランニングを終えたタカシは、向かいの家にバイクで帰ってきたメグミの乳に見惚れている。メグミは家に入ると、母親に大声で叱られている様子。

中学3年の夏休みに、父親が毎日家にいる。かかあ天下の家庭で、酒気帯び運転で軽い事故を起こし停職中の父は身を小さくしている。父は犯罪者のように家から出たがらず、タカシにはかっこ悪く見えていた。

タカシは柔道部で、部活中に竹内・ミツル・サトシがプロレスごっこをして遊んでいる。顧問の先生は校庭で学生映画の撮影に没頭しており、柔道部はそっちのけである。コンクールで賞を受賞してから、映画部は映画制作に熱くなっていた。

近くのレンタルビデオ屋でサイン会を開くという「よくしまる今日子」が、0時を過ぎるとおっぱいを吸わせてくれるという噂を信じて、柔道部の4人はアダルトビデオ屋に向かう。

4人はレンタルビデオ屋の18禁ゾーンに入ろうとすると、厳ついヤンキーのような男性店員に捕まり説教を受ける。そこに帰ってきた派手で胸の大きい女性店員がヤンキー店員を制する。4人がそれぞれビデオを選び、お金のない彼らはジャンケンで1本に絞り、竹内が選んだアダルトビデオを借りて帰る。

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映画『14の夜』のあらすじ【承】

帰り道で不良の金田たちに絡まれ、借りたビデオを持って行かれてしまう。童貞の彼らはたまり場の廃棄場で、金田や同級生のセックスの話で盛り上がる。タカシの幼馴染のメグミは、暴走族と付き合っているという噂がある。

タカシは映画部の野田たちより先に、おっぱいを揉めるかという悩みを相談し始める。コンクールで賞を取った野田たちは、タカシたちよりも影が薄く、暗く、足も遅い。それでも、タカシは何か成し遂げたことがないから賞を取った野田たちには勝てず、このままおっぱいを揉めないのではないかと危惧しているのである。

やはりよくしまる今日子のサイン会に行って、おっぱいを吸わせてもらうチャンスを掴もうと3人を説得する竹内。他の2人が行くというから、タカシも「行く」と答えてしまう。

今夜は姉の春子が婚約者を連れてくる日だ。そんな日にも父は情けなく、タカシのアダルトビデオを見ていて、応募した小説のコンクールにも落ちた。一方春子の婚約者は学歴や職が優秀で、性格も明るく母と祖母には好印象だ。しかしタカシは、ジャッキー・チェンに憧れていることを小馬鹿にする彼が気に食わず、父も敵意をむき出しにしている。

映画『14の夜』のあらすじ【転】

春子の婚約者が改まってご挨拶をしようとすると、酔っ払った父は大声を出し関係のない話をして、動揺を隠しきれない様子だ。子どものような父を見て春子は激怒し、タカシも我慢できずに家を後にしようとする。タカシが勢いで柔道部らしく父を投げ飛ばすと、ものの拍子に父が見ていたアダルトビデオが再生されてしまい、家族の空気は最悪になる。

タカシが家を出ると、メグミが家の前にいて一部始終を聞いていたようだ。タカシが竹内たちとの待ち合わせ場所に向かうと、金田たちがミツルとサトシにたかっていた。竹内は金田がいると知ると待ち合わせに来ず、タカシ・ミツル・サトシは金田によって心霊写真撮影のパシリにされてしまう。

心霊スポットに行くとそこには、交通事故に遭ってから車椅子で生活をしているミツルの父がいた。彼はTシャツにパンツのみの不思議な女性に車椅子を押してもらい、おっぱいを触っていた。

サトシがタカシとミツルに明日から竹内をハブにするように伝え、先に帰ってしまう。ミツルとタカシはミツルの提案で、ある目的地を目指す。2人はまわりに流されやすく発言力がないところが似たり寄ったりである。

ミツルが目指していた先には、カーセックスや公園での青姦の現場があった。それを見ているとミツルはタカシの股間に手を添えてくる。タカシは何度抵抗しても触れてくるミツルから逃げるが、ボクシングを始めたミツルに殴られ倒されてしまう。タカシは自分よりも下だと思っていたミツルが自分より強かったことに絶望し、一皮剥けたいがためによくしまる今日子を目指して走り出す。

映画『14の夜』の結末・ラスト(ネタバレ)

レンタルビデオ屋では、よくしまる今日子のサイン会など行われていなかった。昼に会った派手な女性店員がタカシを不憫に思い、おっぱいを揉ませてくれる。というのはタカシの妄想で、現実ではその店員がよくしまる今日子のビデオにサインをくれただけだった。

帰り道、タカシが金田たちと遭遇すると、そこにメグミやその彼氏のいる暴走族がバイクでやってきて、金田たちも含め全員金を巻き上げられる。タカシが恐怖でお漏らしをしてしまうとメグミが、タカシは昔からお漏らしをするからと救ってくれた。バカにされたタカシは、めぐみがうんこを漏らしてパンツを洗ってあげた過去を暴露し、そのお礼におっぱいを揉ませろ、と叫ぶ。それを聞いためぐみに挑発されタカシが萎縮していると、金田が背中を押してくれる。タカシはその勢いに乗って暴走族たちの中に突っ込んで行く。

学校のプールにて、タカシは金田に水をかけられて目を覚ます。メグミのおっぱいには手が届かなかったが、金田はタカシの根性を認めてくれる。2人は誰もいない夜のプールに全裸で入っていく。

タカシが朝家に帰ると、父は洗車をしていた。自分(父)はカッコ悪いかと聞いてきた父に、タカシはかっこ悪いがカッコよくなって欲しい、自分(タカシ)もかっこ良くないからと伝える。父はタカシに、お前がかっこ悪いのは自分のせいだという。父が洗っていたのは、春子の婚約者の車だった。

部屋に戻りよくしまる今日子のビデオを押入れにしまうとタカシは、自分の1日を振り返って笑いがこみ上げ、声をあげて笑いが止まらなくなる。その笑いの中に、徐々に涙も混ざっていくのだった。

映画『14の夜』の感想・評価・レビュー

14歳という好奇心旺盛な時期で、精神的にも肉体的にも大人になりそうでなれない、少年たちの日常がとても愛おしく感じる映画だった。アダルトな話題に興味を持ち始めたり夜に友達と悪いことをしたりする時代は誰もが通りうる道で、憧れや青春が詰まっている時間なのだということが、この映画から感じられる。また、強い者の上にはさらに強い者がいるという構図が何度か出てくるが、挫折を表す秀逸な表現である。本映画のような典型的な思春期像というのは共感性が高いが、思春期のイメージに地域差があまりないのは、永遠のミステリーである。(MIHOシネマ編集部)


多感な年頃の男の子たちがこんなことを思っているのを知るとなんだか可愛く思えてしまいます。いくら威張っていても、どんなに大人ぶっていても所詮は14歳の男の子で性に対する興味だったり、親をかっこ悪いと思う瞬間だったり、同級生と「意味の無い」張り合いをしたり、皆同じようなことをしているのだなと感じました。
そう思うと同年代の女の子のほうがすごく大人な気がします。男の子のほうが精神年齢が低いので大人っぽい男の子がモテると言うのはあながち間違っていないのかも知れません。(女性 30代)

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