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映画『泣き虫ピエロの結婚式』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『泣き虫ピエロの結婚式』の概要:実話を本人が書籍化した、日本感動大賞第4回感動作品の実写化映画。クラウンを目指す女性が余命わずかな男性を愛し、彼の笑顔を笑顔にするために強く生きる、感動のノンフィクション・ラブストーリー。

映画『泣き虫ピエロの結婚式』の作品情報

泣き虫ピエロの結婚式

製作年:2016年
上映時間:88分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:御法川修
キャスト:志田未来、竜星涼、高橋洋、おかやまはじめ etc

映画『泣き虫ピエロの結婚式』の登場人物(キャスト)

芹澤佳奈美(志田未来)
クラウン見習いの、明るくて人を笑わせるのが大好きなヒロイン。公園でジャグリングの練習をするような努力家で、自分のことを気にかけてくれた陽平に恋心を抱く。
秋山陽介(竜星涼)
重い腎不全で透析患者。透析に通う道中に佳奈美の練習姿をよく見かけていた。ほとんど笑わず、なにかと人に突っ掛かるひねくれた性格だが、根は思いやりのある人。
稲葉真紀(新木優子)
佳奈美の親友で、情に厚いタイプ。陽介とは高校の頃からの知り合いで、病気のこともよく知っている。佳奈美と陽介をくっつけていいのか迷いながらも、間を取り持ってあげる。

映画『泣き虫ピエロの結婚式』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『泣き虫ピエロの結婚式』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『泣き虫ピエロの結婚式』のあらすじ【起】

公園でジャグリングの練習をし、子供を笑わせている明るい佳奈美を眺める陽介。彼女のことが気になる様子。

クラウン見習いの佳奈美は、両親そっちのけで急いで家を出て、クラウンの助手の仕事をする。仕事が終わると、ピエロのようなおどけた調子で友人たちの前に登場し、大人数乗りの車に乗ってみんなで出発する。向かった先はバーベキューのイベント会場。そこで知り合った陽介は、偉そうな態度で佳奈美は気に入らない。

見習いの「ピエロ」と陽介にバカにされ、ジャグリングを披露するがバーベキューグリルにぶつかり失敗する佳奈美。陽介は佳奈美を真っ先に心配してくれる。彼は佳奈美の度胸を認め、怪我を気にかけておぶって帰ってくれる。

親友の真紀は陽介と高校からの付き合いで、陽介はモテるが長続きしないタイプだからやめておけと念押しされてしまう。

佳奈美が公園でジャグリングの練習をしていると陽介がやってきて、佳奈美の練習に付き合う。陽介は佳奈美を「ピエロ」と言うが、クラウンのモットー”All For You, It’s My Pleasure” という言葉に誇りを持っている佳奈美は「クラウン」だと念押しをする。クラウンのパフォーマンスに全く笑ってくれない陽介を、くすぐって笑わせようとする佳奈美。

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映画『泣き虫ピエロの結婚式』のあらすじ【承】

それから陽介からの連絡が途絶え、怒らせてしまったのかと心配になり真紀に相談する佳奈美。陽介は透析患者で週3回病院に通い、激しい運動が許されない体だった。

病のため水分制限もされている陽介。陽介はいつもなら近づいてくる女には病気のことを伝えて遠ざけるが、佳奈美には伝えていなかった。真紀は佳奈美のことを不憫に思い、陽介に佳奈美は病気のことを伝えても離れていかない子だと伝える。

陽介が真紀から電話を受け居酒屋に行くと、真紀は酔っ払って寝ている佳奈美と一緒だった。真紀は陽介に佳奈美を送るように言い、店を後にする。陽介の存在に気がつかなかった佳奈美は、陽介のことが好きだと言ってしまう。

想いを知られてしまった佳奈美は陽介の気持ちを聞くが、陽介は付き合えないと言い病気のことを打ち明ける。食事や旅行も満足にできない深刻な病気だが、「そのくらい」大丈夫と言った佳奈美を陽介が怒鳴りつけると、佳奈美は耐えきれず走り去ってしまった。

1ヶ月後。陽介がいつもの公園の前を通るが、佳奈美の姿はない。彼が通院先に着くと、そこで親しかった透析患者のおじさんが亡くなったと知らされる。

陽介が家に帰ると、家の前に車が止まっている。車を運転しているのは、助手席に真紀を乗せた佳奈美だった。佳奈美は陽介を病院に送迎できるように、合宿で一生懸命免許を取ったのだった。自分は死ぬから余計なことをするな、と声を荒げて去って行く陽介を追い、佳奈美が「死ぬなんていうな」と泣きじゃくると、「泣き虫は嫌いだ」と言い陽介は彼女を抱きしめる。

映画『泣き虫ピエロの結婚式』のあらすじ【転】

それから2人は付き合い、佳奈美は病院に通う陽介を車で送迎していた。陽介もクラウンの練習に付き合ってくれて、仲睦まじい様子だ。2人は結婚式場にデートに行き、佳奈美は結婚式の想像をして楽しんでいるが、少し焦りがある様子。そんな佳奈美を見て陽介が”All For You, It’s My Pleasure” と言って指輪を出し、跪いてプロポーズをする。安物だと言う陽介に、結婚指輪はダイヤでしょと冗談交じりに喜ぶ佳奈美。

陽介が佳奈美の家にご挨拶に行くと、父と陽介は無言で深々とお辞儀をし合う。別の日の夜、佳奈美の家で真紀は佳奈美に改まって結婚の祝福をし、2人は恥ずかしくなって笑い合う。

結婚式前日、佳奈美の仕事の日。陽介が応援に駆けつけてくれていたが、まだ彼女のことを「ピエロ」と言っている。楽しいイベントの最中、見守ってくれていた陽介は突然倒れてしまい救急車で運ばれてしまう。

陽介は目を覚まし元気そうであるが、医師によると彼の血管は詰まりやすく、いつ倒れてもおかしくない状態のようだ。佳奈美は「そのくらい」大丈夫と気張るが、動揺を隠しきれない。

佳奈美は陽介に婚姻届の名前を書くように伝えるが、陽介は手が動かなくなり字も書けない。血液がうまく回らないせいで両脚を切断する手術が必要だが、陽平には手術に耐えられるほどの体力がもうなかった。両親は悲しみにふけり、佳奈美も隠れて泣いていた。

真紀が病室を訪れると、陽介は佳奈美が「泣き虫は嫌いだ」と言った自分に隠れて泣いていることに気が付いており、自分のせいで悲しませたくないと語る。佳奈美が病室に戻ると陽介はくしゃくしゃにした婚姻届を佳奈美に投げつけ、別れを告げて彼女を突き放す。

映画『泣き虫ピエロの結婚式』の結末・ラスト(ネタバレ)

病室から飛び出した佳奈美は待ち伏せていた真紀に会い、真紀に泣き付く。2人は居酒屋で陽介の愚痴を言い合い、真紀は佳奈美の笑顔が見たいと言って佳奈美に寄り添う。

次の日の朝、陽介の病室に真紀と男友達2人が入ってくる。陽介はされるがままに車椅子に乗せられ、結婚式場に連行される。そこには正装した家族・友人たちや、ウエディングドレス姿の佳奈美が待っていた。

今度は佳奈美からプロポーズをし、真紀がビデオを回している。もし振られてもこのビデオをYouTubeに流せば、世界中の人に笑ってもらえるからと佳奈美は話す。陽介は呆れた様子でそんな佳奈美のプロポーズを受け入れ、そのまま結婚式となった。

2人がお互いにいつから好きだったかと話し、佳奈美がバーベキューの時からと言うと、陽介は「じゃあ俺の方が先だな」と言う。彼は透析に行く道で佳奈美のジャグリングの練習姿を見てから、彼女のことを想っていたのだった。

2人は50日間だけ夫婦として過ごし、陽介は皆に看取られ、病院のベッドで静かに息を引き取った。

数日後、陽介がいなくなった佳奈美の家に陽介の担当医師がやってくる。医師は病院に届いた小さな荷物を佳奈美に届けに来たのだった。それは”All For You, It’s My Pleasure” と内側に刻まれた、ダイヤのリングだった。

映画『泣き虫ピエロの結婚式』の感想・評価・レビュー

映画として作られたストーリーとして鑑賞すると若干物足りない気持ちになるが、ノンフィクションとなると、脱帽するほど素晴らしい人間性を感じる。脚本面では、佳奈美が陽介にこれほどまでに傾倒するに至る経緯や、結婚までの馴れ初めが一瞬しか再現されておらず、物語が急展開のように感じる。また、結婚してから陽介が亡くなるまでもほとんど描かれていない。彼らの幸せながらも切ない結婚生活を、もっと見てみたかったというもの惜しさも感じた。(MIHOシネマ編集部)


物語はシンプルですが、フィクションではないことが本当に感動的。大切な人の命の限りが分かっている上で、それでも笑顔で過ごそうと努める佳奈子。献身的で明るく接してくれる大切な人に、深い愛が故に突き放そうとしてしまう陽介。やるせない気持ちで衝突してしまうこともあるけれど、互いが互いを思い合う姿に泣けます。自身の運命とどう向き合うか、大切な人との時間をどう過ごすか、心温まるドラマと共に考えられる素晴らしい作品です。(男性 20代)

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