映画『新宿スワン』の概要:和久井健の漫画「新宿スワン」の映画化作品。鬼才・園子温がメガホンを取り、豪華キャストがそろったことでも話題になった。新宿でスカウトマンになった白鳥タツヒコが成長する様子を描いた。
映画『新宿スワン』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:139分
- ジャンル:ヒューマンドラマ
- 監督:園子温
- キャスト:綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ、伊勢谷友介 etc
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映画『新宿スワン』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『新宿スワン』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『新宿スワン』のあらすじを紹介します。
職無し、金無し、行き場無し、金髪の天然パーマが特徴的な白鳥タツヒコは、新宿でボコボコにされているところを真虎(マコ)に助けられる。
真虎に誘われ、スカウト会社「バースト」のスカウトマンとして、女の子を風俗店やクラブに紹介していくことになるタツヒコ。
独特な人柄から、高級クラブ、ムーランルージュのママ涼子にも気に入られる。
やがて先輩の洋介と上司の関に騙され、対立するスカウト会社「ハーレム」との抗争の火種に利用されるタツヒコ。
そこで、自分を目の敵にするハーレムのスカウトマン、南ヒデヨシと出会う。
真虎とハーレムのスカウトマン葉山が裏で取引をして、バーストはハーレムとの吸収合併に成功。
葉山、真虎、関の3人が幹部になり、タツヒコたち平社員はスカウトした人数で順列が決まることに。
スカウトを続けるタツヒコは、店長に暴力をふるわれている女の子アゲハと出会い、彼女を助ける。
だがアゲハには多額の借金があり、ヒデヨシがその店を紹介したという経緯があった。
一方、葉山とヒデヨシの行動を探っていた関が、ヒデヨシの卑劣な罠にはまってしまう。
やがてバーストのケツ持ちの暴力団「紋舞会」も巻き込んで、事件は大きくなっていく。
映画『新宿スワン』 結末・ラスト(ネタバレ)
アゲハに新しい店を紹介したタツヒコだったが、ドラッグに依存していた彼女は元の店に戻ってしまう。
連れ戻しにきたタツヒコはヒデヨシと乱闘になり、タツヒコを助けようとしたアゲハは、店長を刺して警察に逮捕される。
ヒデヨシはドラッグを巧みに使って女の子をスカウトしつつ、ドラッグの売人として大金を手に入れていた。
すべてが明るみになり、ヒデヨシは紋舞会とバーストから追われる身となる。
同じ中学校の同級生だったが、タツヒコの友人をナイフで刺した過去を持つヒデヨシ。
本心をさらけ出したヒデヨシを逃がし、持っていたドラッグで紋舞会とバーストを納得させることに成功するタツヒコ。
しかしヒデヨシは口封じに殺されてしまう。
謎と後悔は残ったが、それでもタツヒコはスカウトマンを続ける覚悟を決める。
映画『新宿スワン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『新宿スワン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
イメージにピッタリの豪華キャスト
豪華なキャストがそろっており、街頭での撮影中に見学者が増えすぎて撮影ストップになったことでも話題を呼んだ作品。
その際、出演者たちもSNSを通じて呼びかけをした、というニュースも記憶に新しい。
三池崇史監督の「クローズZERO Ⅱ」でも共演している綾野剛、山田孝之、金子ノブアキの3人が再び共演を果たしている。
また、原作のイメージを崩さないよう金髪パーマというヘアスタイルにして、熱血漢なタツヒコを演じた綾野剛、対照的でクールな真虎を演じた伊勢谷友介の演技力も秀逸。
山田優が高級クラブの涼子ママ役というのには、年齢や貫禄が足りなく思えるが、その部分を演技力でカバーしている。
安田顕が演じたハーレム社長・松方の小物っぷりもピッタリ。
深水元基が演じた関は独特な笑い方をするが、そんな笑い方の人はいないだろうという、ツッコミどころになっている。
中途半端に終わる作品
原作漫画が全38巻に及ぶ長編作のため、映画のストーリーとしては中途半端。
真虎が葉山に、ヒデヨシ殺しを指示しただろうと詰め寄るシーンもあるが、その真相謎のまま。
スッキリとした終わり方ではなく、「自殺サークル」のように風呂敷を広げただけの終わり方になっている。
ヒデヨシの過去を知ったタツヒコが、ヒデヨシと対峙する場面で後ろに映される喧嘩シーンは、明らかに「クローズ」の世界観を引きずっている。
殴り合っただけで全て許すという、ありがちなツッコミどころもある。
タツヒコがスカウトしたキャバ嬢の栄子が自殺する前の、カラフルな服が風になびくシーンは印象的。
また、ヒデヨシを探すタツヒコの背景が古い8ミリフィルムのような映像で、現在のタツヒコと微妙にマッチしながら進むのは面白い演出。
原作の漫画を読んだことはありませんが、映画だけ見てもかなり面白くて何より豪華すぎるキャストが最高でした。綾野剛に山田孝之、伊勢谷友介、金子ノブアキなど各方面で活躍するイケメンが「スカウトマン」というクセのある仕事を「新宿」でしている。こんな魅力的な世界他では見られませんよね。
キャラクターの設定もしっかりしていて、タツヒコの優しいけどちょっぴりおバカで空回りしてしまう姿は皆が応援したくなるでしょう。ヒデヨシの冷酷さの中にある野望だったり、マコの兄貴肌は裏に何かあるのか…?と考えてしまったり、とにかく最後まで楽しめました。続編も鑑賞してみます。(女性 30代)
どこかこの作品を避けていたが、改めて観てみると意外にもはまってしまった。やはり何と言っても伊勢谷友介の格好良さが異常である。スカウトマンの上司としてノウハウを教えてくれる役だが、役柄もスマートでどこか悪い部分が見え隠れしている感じがたまらなく格好いい。そして、最も驚いたのはこの作品が園子温監督の作品だということ。園子温独特の異様な世界観は感じられず、とても観やすい作品であった。どこまでが現実的な物語なのかは知る由もないが、キラキラした世界の表と裏を見せられているようで、最後まで楽しんで観ることが出来た。(女性 20代)
映画『新宿スワン』 まとめ
今は禁止されている風俗スカウトマンの姿を描いた映画で、原作の漫画の作者がスカウトマンをしていたという、リアルな印象を与える作品でもある。
殴り合いや裏社会に通じるシーンもあるが、園子温監督作品の定番の、血まみれになったりグロテスクな印象のシーンがないため、そういった部分では比較的見やすい内容。
ヒデヨシの死の真相や、真虎の意味深な行動の数々に関して、謎は謎のまま終わらせてあとは見る側に任せる、という印象を受けるエンディング。
しかし、原作ではすべてが明らかにされているため、腑に落ちない終わり方だ。
原作のイメージそのままの真虎を演じた伊勢谷友介、主演の綾野剛の演技力も底知れないのでもったいない。
続編が作られるなら、期待したい作品。
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次作 新宿スワンII
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