2004年公開、「エクソシスト」シリーズ4作目の作品。1作目の「エクソシスト」でカラス神父と共に悪魔祓いを行ったメリン神父を描いた作品。主演は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでビル・ターナー役を演じたステラン・スカルスガルド。
映画『エクソシスト ビギニング』 作品情報
- 製作年:2004年
- 上映時間:114分
- ジャンル:ホラー
- 監督:ピーター・ホートン
- キャスト:レニー・ハーリン、ステラン・スカルスガルド、ジェームズ・ダーシー、イザベラ・スコルプコ etc…
映画『エクソシスト ビギニング』 評価
- 点数:50点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★☆☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『エクソシスト ビギニング』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『エクソシスト ビギニング』のあらすじを紹介します。
はるか昔の出来事、彼方まで続く死体の山そして逆さ吊りにされた人々・・・すべて死に絶えたこの土地をひとりさまよう人物。呆然としながらも何かを探しているようだった。ついに地に倒れた兵士の手に握られた彫像を発見する。
1949年エジプトのカイロ、酒場で酒をあおる男の前に古美術収集家が現れる。酒をあおる男の名はメリン、イコン研究者で一流の考古学者そして元神父だった。古美術収集家はメリンにある依頼をする。それは東アフリカのトゥルカナ地方デラーティという場所に5世紀頃に建てられたキリスト教会がある、今イギリスが発掘作業をしているのである貴重品を持ち帰って欲しいというものだった。黙って席を立とうとするメリンに男は小さな彫像を見せる。
たまたま布教に来ていたフランシス神父と共にデラーティへと赴くメリン、教皇庁にも記録にない教会の存在に困惑しつつ発掘途中の教会に入ったメリンの目に飛び込んできたのはルシファーの壁画と逆に吊るされた十字架だった。事情を聞くため以前発掘作業をしていたベシオンに会いに行くのだがメリンの目の前でハーケンクロイツの形の傷を胸につけ「今日神はいないぞ神父」と言って自分の喉を切り裂いて死んでしまう。それはメリンの心に刺さった棘のような言葉だったのだ。その帰り際院長に「まだ君は神父だ」とローマ典礼儀式書を手渡される。
最初は半信半疑だったが数々の出来事に直面することで悪魔の存在を確信したメリル。一度信仰を捨てた男と悪魔との戦いが始まる。
映画『エクソシスト ビギニング』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『エクソシスト ビギニング』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
メリン神父のトラウマとは?
第2次世界大戦中、ナチスの兵士は住民を集めメリン神父の前に並べます。兵士はためらいなく幼い少女を撃ち殺し、この中から殺す人間をあと10人選べと迫ります。当然メリンは断りますが「早く選ばないと全員殺すぞ」と少年に銃口を向けられたため、仕方なく年老いた者たちを指差すのでした。
苦しみながら指差すメリン神父に兵士はこう言います「今日神はいないぞ神父」
間接的に人を殺してしまった、助けることができなかったという自責の念がどれほどのものだったのか想像もつきません。このような状況にも神は何も答えてはくれない・・・メリン神父が信仰を捨ててしまったのも仕方ないのかもしれません。
悪魔より人間の方が断然怖い
悪魔をテーマに描かれている作品ですが、悪魔のような恐ろしい行いをしているのは人間です。ユダヤの人々を殺戮したのはナチスという人間の兵士、自分達の土地を守ろうとする人々を力でねじ伏せたのはイギリス兵士です。
最後イギリス兵士と地元民が戦いの中で敵味方なく殺し合ったのは人の心の悪に悪魔がつけ込んだ結果であって、悪魔に憑かれたことで死んだのは厳密にいうと医師のサラだけだったと思っています。
確かに悪魔は怖いけれど生きている人間はもっと怖い。
映画だと分かっていても、こういう作品を見ると改めて悪魔の存在について考えてしまいます。私自身は無信仰なので教えを乞うたり、何かを崇拝するようなことはありませんが、信仰心のある人にとっては、自分や自分の身の回りで起きた出来事は何らかのお告げだと感じるのでしょう。
1作目の『エクソシスト』はそのレトロな感じが妙にリアルで夢に出てきてしまうほど怖かったのですが、今作は嫌な気持ち悪さがありました。芋虫や幼虫的な虫が苦手な人は本当に気をつけてください。知らずに見た私は鳥肌が止まりませんでした。(女性 30代)
映画『エクソシスト ビギニング』 まとめ
1作目の悪魔が何故メリン神父のことを知っていたのかがこの映画を観るとわかります。この映画を観てからまた1作目を見直すとまた新たな発見があるかもしれませんね。
「エクソシスト」に登場する悪魔パズズは元々メソポタミアのバビロニア神話に登場する風と熱風の魔人で悪霊の王といわれています。そのためハエの王であり悪魔の王でもあるベルゼブブとイメージがオーバーラップして物語の途中頻繁にハエやウジが登場します。他にもショッキングなシーンはありますが、顔面の出来物がうごめくのだけは本当に勘弁してください。実際人間に卵を産み付ける虫がいるそうなので妙にリアルで怖かったです。
人間って歴史を知っていてもそこから何も学ばず結局同じ過ちを何度でも犯してしまう生き物なんだなと考えさせられる映画でした。
関連作品
前作 エクソシスト3
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