映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』の概要:富という箱舟に乗れるのは1人の人間、残りの99人が溺れる運命にあるのなら・・・。99人の中から富の舟に乗ろうとした哀れな男の生き様を『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドが熱演。
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:112分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
- 監督:ラミン・バーラニ
- キャスト:アンドリュー・ガーフィールド、マイケル・シャノン、ティム・ギニー、ノア・ロマックス etc
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映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』のあらすじを紹介します。
ナッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)は、美容師をしている母親リン(ローダ・ダーン)、息子コナー(ノア・ロマックス)と共に住むシングルファーザー。
建築現場の日雇いの仕事にもありつけず、住宅ローンも滞納していた。
ナッシュは住宅ローン支払延期の為、裁判所に赴くが、裁判所の判事も判事で、彼の様な人間からの手続きに明け暮れているのか、取り合ってはくれない。
そんなある日、彼の家に裁判所の執行代理人というカーバー(マイケル・シャノン)が押し入ってくる。
カーバーは、裁判所代理の紙をナッシュに突きつけ、あと2分でこの家を出て行けと言い出した。
なす術もなく、ナッシュは家から立ち退きを言い渡され、コナーや母親と共にモーテルに逃げ込む。
カーバーの執行代理人とは表の顔で、裏の顔は、ナッシュの様にリーマンショック後、理由ありで家賃を滞納している家族に目をつけ家を立ち退かせ、売り払うブローカーだった。
それは法の目をすりぬけ家を差し押さえるので、危険きわまりない仕事だった。
なんとしても元の生活を取り返したいナッシュは、汚い仕事だとわかりつつも、カーバーのヤマにのってしまう・・・。
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 結末・ラスト(ネタバレ)
ナッシュは、カーバーから引き受けた汚れ仕事で貯めた金で、豪邸に移ろうとするが、母親は拒む上に、そんな息子の行いを咎める。
彼は、ようやく家をとりかえせた、もっといい家に住む事が出来たと母親に言うが、母親は、そういう意味ではないと嗜める。
そこでナッシュは、家を取りかえす事の本当の意味を知らされる。
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
99%のその他大勢が1%の選ばれた者の中に入るには
本作が、ノーベル賞を受賞した経済学者・ジョセフ・スティグリッツの
1%の富裕層が、世界の富を独占し、99%を貧困化させている説に基づいているのが興味深い。
ザッカリー・クイント主演の『マージン・コール』はリーマン・ブラザーズが崩壊する前夜がモデルとされている。
CEOはサブプライムローンについて戦々恐々とした行員から聞かされても、
『私をわくわくさせない事柄で呼び出すな』と一蹴する。
彼にとっての『わくわくする事=99%から搾取し金を市場に回す事』。
では『99%』が富を握る『1%』に入り込む方法がこの話である。
勝ち組になる為に払う犠牲
社会的地位として既に『1%の富裕層』である人間と、この作品におけるナッシュやカーバーの様に、『99%から1%に食い込もうとする人間』は違う所がある。
最初から富裕層の人間は、失敗したとしても、資本と社会的地位に余裕があるので地に落ちる事はない。
しかしナッシュは全力をかけて1%の富裕層に喰いこもうとしているので、ボロが出た時が哀れである。
既に1%の座に居る者は、庶民が銀行に預けたお金を動かして富を維持しているが、ナッシュたちは、自分と同じ99%の下流層から、財産を奪い、共食い状態で戦いながらのし上がっていかなくてはいけない。
今までのガーフィールドのイメージを打ち破る一作
アンドリュー・ガーフィールドの作品は、これまで見た目のイメージが先行して『いい人』や『好青年』の役が多かった。
今回挑戦した役は、仕事もないシングルファーザーで、金の為によかれと思い汚い仕事に手を染めるシングルファーザーである。
しかも相手役はシリアルキラー役や『マン・オブ・スティール』のゾット将軍でお馴染みのマイケル・シャノン。
思いがけない組み合わせといえば、そうなるかもしれない。
家族の為に、汚い仕事に手を染める父親であり息子でもある男性がどうなるのか。
この様な難しい役を演じきったガーフィールド名演が生きる映画だと思う。
主人公のデニスの行いこそ、魔が差したというやつなのかなと思った。法に触れなかったとしても、道徳的にはアウトだと思う。真実を知った家族が離れてしまったように、やはりやってはいけないことはやってはいけないのだと思う。ただ、真面目に生活していて、報われないのも辛いなと思った。実話を元に制作されているということなので、デニス達のように家を差し押さえられて苦しんでいる人が大勢いる現実がとても切ないなと思った。(女性 30代)
映画『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』 まとめ
この映画の主人公は、明日自分が生きるために、昨日まで隣に住んでいた家の人間の取立てをする様になる。
劇中で、ナッシュが家をとりあげた男とばったり出くわすシーンがあるが、汚い仕事をしていようとも、胸をはってやれる仕事をしていようとも、人間関係というものは続く。
ならば、お金だけもらえてもいいから、汚い仕事はやめるべきだというのが、この映画の教訓なのだろう。
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