映画『恐怖ノ黒電話』の概要:2011年に製作され、シッチェス映画祭で注目をあびたホラーサスペンス映画。主演は「トワイライト」シリーズ2作目までヴィクトリアを演じたラシェル・ルフェーブル、監督はマシュー・パークヒル。
映画『恐怖ノ黒電話』 作品情報
- 製作年:2011年
- 上映時間:91分
- ジャンル:ホラー、サスペンス、SF
- 監督:マシュー・パークヒル
- キャスト:ラシェル・ルフェーブル、スティーヴン・モイヤー、ローナ・レイヴァー、エド・クイン etc
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映画『恐怖ノ黒電話』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『恐怖ノ黒電話』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『恐怖ノ黒電話』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『恐怖ノ黒電話』 あらすじ【起・承】
夫スティーブンと離婚調停中のメアリー・キーは、とあるアパートに愛犬デクスターを連れて引っ越してきた。
接近禁止命令を破り、メアリーを手放さないために嫌がらせを続けるスティーブンに、彼女はセラピーを受ける必要があるほど疲労困ぱい。
ある夜、前の住人が残していったらしき古い黒電話が鳴り響く。
メアリーの部屋に恋人ボビーがいると言い張る、間違い電話の相手ローズにうんざり。
40代のローズがベトナム戦争に行ったボビーに求婚された話を聞かされ、時代が合わない話にメアリーはイタズラ電話だと確信する。
その後もローズからの電話は続き、過去からの電話だと証明するためにバラの落書きを残したと告げられ、それを見つけたメアリー。
やがて、メアリーとローズは時代を超えて電話でつながった友人となる。
しかしローズは狂気に蝕まれ、恋人ボビーを殺したと告げてくる。
メアリーは、二度と電話をするなとローズに言い放ち、電話線を抜いた。
ふとしたきっかけで、大学のフランス語講座を受講しているメアリーは、そこで数学を教えているジョンと親しくなる。
再び接近禁止命令を破り、メアリーの部屋に侵入したスティーブンからも助けられた彼女。
しかし2人が親しくなるにつれ、スティーブンの嫌がらせは加速していった。
携帯電話がつながりにくくなり、仕方なく黒電話の線をつなげるメアリー。
久々にかかってきたローズからの電話は、過去からの脅迫だった。
映画『恐怖ノ黒電話』 結末・ラスト(ネタバレ)
同じアパートに住む友人で古株のジョージにローズの話を聞くと、彼女は電話線で首を吊って自殺していたとわかる。
ジョンに相談すると、メアリーとローズが電話でつながったことで過去が変化したのではないかと冗談半分に言われてしまうが、スティーブンの嫌がらせではないかと心配していた。
メアリーは電話で「現代のローズは精神を病んで療養所で暮らしている」とウソをつくが、そのウソを見破ったローズはメアリーに対して狂気をあらわにし始める。
やがて、ジョージの存在が消え去ってしまう。
心配するジョンに促され部屋を出る決意をするメアリーだったが、次はジョンの存在が消えてしまう。
彼は幼い頃に行方不明になっていた。
部屋の収納庫の中で、ミイラ化したジョン、ジョージ、ボビーの遺体を発見するメアリー。
そして次のローズからの電話には、幼い頃の自分が。
ローズが過去を変えたことで、メアリーの体にはやけどの痕が浮かび上がった。
過去に起こった事故を使い、ローズの強行を止めようとしたメアリーだったがそれも失敗。
怒りにかられたローズは過去のメアリーを誘拐し、時間を超えて現代のメアリーの元へとやってくる。
電話で過去の自分を誘導し、ローズを殺害することに成功したメアリー。
スティーブンが部屋を訪れメアリーに暴力をふるうが、自分の手のひらにあるローズを殺した時にできた傷痕を見た彼女は、狂気を秘めた視線をスティーブンに向けた。
映画『恐怖ノ黒電話』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『恐怖ノ黒電話』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
過去からの脅迫電話という細かいストーリーが秀逸
過去とつながる不思議な黒電話により、友人や恋人の過去を消され、自らも過去を変えられてしまうヒロインの恐怖を描いた珍しいサイコホラー映画。
大学で数学を教える恋人ジョンの、過去が変われば未来も変わるが、その原因となったメアリーには変わった過去と変わる前の過去がわかるという説明や、過去の写真などをうまく利用して、スムーズに進むよう作られているストーリーは素晴らしい。
また、メアリーは過去の自分を人質にとられるという事で、どうしても逃げ出せない状況を作り出すことにも成功している。
今まで無かった記憶が、ローズからの電話と共に浮かび上がったり、過去のメアリーが熱した油をかけられた瞬間に、大人のメアリーの体にヤケドのあとが出現するというのにも驚かされる。
こういった作品で問題になるタイムパラドクスも、ローズを狂気に追い立てる電話をした後のメアリーが命を落とすのには問題ない。
過去からローズが送りつけてきた指が骨になっておらず、今切り落としたような見た目なのには疑問が残る。
何も知らなかったとはいえ、個人情報を“ちょっと危ない雰囲気”のローズにぺらぺらお喋りしてしまうメアリーの軽率さには驚き。
ホラーといえばブロンド美女
「トワイライト」シリーズ2作目までヴィクトリアを演じた、ブロンド美女ラシェル・ルフェーブルの演技は素晴らしい。
ホラー映画の定番、金髪ロングヘアの美女という部分をしっかり押さえているのには、最近のホラー映画の新しいものを選びたがる方向と違って好感が持てる。
電話口で恐怖をあおり、過去からメアリーを傷つけるだけだったローズが、最後に「現代のローズ」として襲い掛かってくる時の恐怖演出もバッチリ。
だが、昆虫ナナフシで何を示したかったのかは謎。
ローズからの電話や、偶然にしてはタイミングが良すぎる夫からの嫌がらせなど、霊的なものが出てくる訳では無いのですが、精神的に参ってしまう作品でしょう。
実際にメアリーは夫からの嫌がらせに疲弊しきっていました。そのため、見知らぬローズからの電話もよく考えずに、意外とすんなりと受け入れていたように感じます。
そこから始まる女の嫉妬や復讐は霊的なものより怖かったし、自分の内に秘めたものに気づいてしまったメアリーにも恐怖を感じました。(女性 30代)
映画『恐怖ノ黒電話』 まとめ
原題は「THE CALLER」だが、邦題が「恐怖ノ黒電話」というB級映画のイメージそのままになってしまっているのが、もったいない作品。
時間を越えて電話を使って主人公を脅す、ローズの存在が不気味。
その一方で、ストーカーになりつつある離婚調停中の暴力夫スティーブンからも逃げるという、幸薄のヒロインメアリーを、ラシェル・ルフェーブルが演じきっていて見事。
オバケや幽霊がこれ見よがしに出てくるよりも、なぜか部屋に備え付けてあった電話越しにジワジワと恐怖が漂ってきて、嫌な想像をかきたてるのが上手い。
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