映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の概要:社会現象を巻き起こした大人気ドラマ、「のだめカンタービレ」が映画化。計2本立ての最終楽章の前編にあたる今作では、海外に渡ったのだめと千秋が新たな壁に直面する。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の作品情報
上映時間:121分
ジャンル:ラブストーリー、コメディ、音楽
監督:武内英樹
キャスト:上野樹里、玉木宏、瑛太、水川あさみ etc
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の登場人物(キャスト)
- 野田恵(上野樹里)
- 千秋の恋人。千秋に感化され、世界へ飛び出し本格的に音楽を学び始める。
- 千秋真一(玉木宏)
- のだめの神経質な恋人。指揮者としての道を目指しのだめと共に世界へ進出する。
- ジャン・ドナデュウ(ジリ・ヴァンソン)
- 千秋の代わりにデジャン管弦楽団の常任指揮者に選ばれた男性。華がある。
- 孫・Rui(山田優)
- スランプに陥っている天才ピアニスト。休暇でパリに訪れていた。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』のあらすじ【起】
のだめこと野田恵は、天才的な才能を持つ音大生である。彼女は最愛の彼、千秋真一に触発され音楽の素晴らしさに目覚め、彼と共に世界進出を目指す。そしてフランスのパリに渡り、のだめは音大生としての毎日を楽しんでいた。勿論海外の音楽院が甘いはずもなく、のだめには日々色々な課題が言い渡される。そして進級をかけた試験で、全力で試験に臨んだのだめは見事一番優秀な評価である「トレビアン」を獲得するのだった。
一方、千秋もオーストリアのウィーンで有名なオーケストラの指揮を務めるなど充実した日々を送っていた。千秋は自分のコンサートを見に来たのだめにネックレスをプレゼントし、2人の日々はまさに順風満帆、輝かしい日々を送っているように思えた。
しかし、常任指揮者を募集していた有名オーケストラ、デジャン管弦楽団はコンクールで優勝した千秋でなく、準優勝したジャンを常任指揮者として選ぶのだった。理由は一つ、千秋よりもジャンのほうが華があるというものだった。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』のあらすじ【承】
千秋はデジャン管弦楽団ではなく、マルレー・オーケストラという楽団で常任指揮者の職につくことになる。しかし、デジャン管弦楽団と比べてマルレー・オーケストラは落ちぶれた楽団だった。一時期、現状に耐えかねたメンバーが大量に辞めてしまったこともあり、今ではエキストラを雇わなければオーケストラとして成立しないほどにまでなってしまっている。
そんな状況の中でメンバーのモチベーションは低く、練習量不足により演奏も最悪。そんな時、パリに千秋の知り合いである孫・ルイという天才ピアニストが留学してくる。そんな中、コンサート当日を迎えた千秋。しかし、直前になってメンバーに欠員が出てしまう。そこで千秋はのだめに声をかけ、のだめは急遽演奏に参加することとなる。
のだめは初めての共演に喜ぶが、コンサートを見にきていた孫の姿を見つけた団員が、彼女がエキストラであると勘違いする。千秋は否定しようとするが、のだめは身を引きコンサートを見守るのだった。しかし、ろくに練習もしていない楽団の演奏は最悪の結果となってしまう。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』のあらすじ【転】
その後、千秋はマルレー・オーケストラの現状を変えるべく取り組みを始めた。千秋はまず、彼らのやる気のなさの原因を突き止めようと考える。最初千秋が目をつけたのはコンサートマスターを務めている男だった。彼はまるで独裁者のような立ち振る舞いをしている為に、そのことが他の団員の反感を買っているのではないかと考えたのだ。
しかし、団員達との交流を深めていくうちに、原因はそこではないことに千秋は気づいていく。そもそもオーケストラが資金不足であること、そしてオーケストラだけでは食べてはいけない為にバイトをしなければいけない現状が練習不足の一因となっていたのだった。
千秋は大々的なオーディションを行い、メンバーの再構成を図る。それぞれ個性的なメンバーではあるものの、実力がある団員達が集まった。そして千秋の熱血指導のもと、新しいマルレー・オーケストラが誕生するのであった。そして、彼らは再びコンサートを迎えることとなる。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の結末・ラスト(ネタバレ)
コンサートで大成功を収め、ようやく自信を手に入れ始めた千秋。しかし、そんな千秋とは反対にのだめは言いようもない焦燥感に襲われていた。元々千秋はのだめにとって憧れであり、目指すべき目標である。そんな千秋に近づけるよう、のだめはのだめなりに努力を重ねてきた。しかし、世界で活躍を始めた千秋に比べのだめはまだ音楽院の学生である。
焦ったのだめは、自身の先生にコンクールに出たい旨を訴えた。コンクールに出場して優秀な成績を残せば、少しでも千秋に近づくことができると考えたのである。しかし、そんなのだめの思惑に反し先生はのだめのその提案を却下する。そして「自分に欠けている何かに気が付けるまでは、コンクールには出場禁止」と伝えるのだった。
一方、その頃千秋は自らを奮い立たせるように、新境地への挑戦を試みていた。そして、のだめに対して「俺たち離れて暮らそう」と伝える。追い討ちをかけるような出来事に、思わずのだめはその場に倒れこむのだった。
映画『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』の感想・評価・レビュー
音楽の才能溢れるキャストで、撮影地も本場のようでかなり豪華な映画となっています。主人公は、のだめと千秋の2人であって、今回は千秋に、がんばれーっとエールを送りたくなるような話の流れでした。また、恋に、音楽に一直線ののだめが、日頃はのんびりとしているにもか変わらず、恋人が色々なことに挑戦する姿を見て、焦る姿も、恋人らしいというか、女の子らしい(失礼しました。)姿だなと暖かい目で見守りたくなりました。(女性 20代)
ドラマシリーズを見た後、そのままのテンションで今作を鑑賞した。音楽もストーリーも、さらには俳優陣の演技も素晴らしく、観て聴いて楽しめる映画だった。ドラマシリーズの映画化は、大抵の場合スペシャルドラマ程度で終わる作品が多いのだが、今作はしっかりとした映画になっていた。オーケストラのシーンも全体的なストーリーも、すべて映画のスケールに仕上がっていたので、あらゆる点において満足だった。
後編も必ず観たくなるような展開であり、前編としての役割もしっかり果たしていた点も高評価である。(男性 20代)
原作のイメージを壊さず、テンポよく、俳優陣もロケ地も豪華です。映画の中に登場するクラシックも非常に素敵で、ストーリーもコメディなのでクラシック初心者でも学びながら楽しめます。
上野樹里がのだめを見事に演じ切っていて、いつも破天荒に明るいのだめが落ち込んで悩んでいると、こちらまで影響されて暗くなります。
前編と後編に分かれているので観やすいです。気になってすぐに後編も観てしまいます。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー
『最終楽章』は前後編の二部作。前編ではのだめよりも千秋を中心に描かれ、指揮者コンクール後、パリで常任指揮者としてオケを立て直すまでを描く。
ドラマ版よりも規模は大きくなり、指揮をするホールもウィーン学友協会のような、世界で認められた指揮者しか立ったことのないような舞台がロケ地になっていて豪華である。
千秋の指揮も、この前編だけで相当数の曲をこなしており、しかもピアノ演奏シーンまである。ドラマ版以上にハードである。ドラマシリーズの頃から千秋真一を演じてきた玉木宏の集大成ともいえるオーケストラシーンは一番の見どころである。
前編では千秋を中心に展開するが、のだめにとってはピアノとどう向き合っていくかを考える、後編に向けての助走のようなものでもある。
ドラマ版の頃はもともとピアニストになる気はなく、幼稚園の先生になるのが夢だったのだめ。千秋と親しくなり、過去のトラウマも乗り越えてパリまでやってきたが、それはピアニストになりたいからではなく「千秋と共演したいから」である。
日本でコンクールに出た時も、留学する千秋に置いていかれないように、自分も賞金で留学するために出場を決めた。結果優勝できず、完全に燃え尽きてしまった。
今もその頃と変わらず、「千秋と共演」の夢を果たしたらそこで全てが終わってしまうかもしれない。
オクレール先生や千秋が案じているのはまさにこれで、今後のだめが音楽とどう向き合い、音楽の道で生きていくことを決心するかが後編につながる鍵なのである。
『のだめカンタービレ』の原作・ドラマ・アニメファンはもちろん、クラシックファンにもおすすめできる作品である。
なんといってもロケ地が豪華で、映画の撮影が学友協会で行われたことだけでもすごい。オーケストラシーンは完成度が高いので観る価値はあると思う。
あとは、ストーリーのテンポがいい。前半は千秋にネックレスをもらい、チェレスタで共演できるかもと有頂天になり、後半は千秋の演奏を見て焦り、ルイに嫉妬し、暗雲が立ち込める。後編に向けてどうなっていくのか。恋に音楽に、不安定になりやすいのだめがどうなるのかが気になる。